プラナ・ローカへようこそ〜お疲れ課長のヒミツの甘々リフレ~

槇木 五泉(Maki Izumi)

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曽根川君と加賀さん

14.再会リフレクソロジー ※

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 ずぷっ、ぐちゅっ、と、ローションが擦れる激しく粘ついた音が鼓膜を叩く。同時に、加賀を上半身でしっかり抱き込んだ曽根川が、腰を強く、激しく打ち付けてくる。
 しっとりと汗ばんだ肌が重なると、曽根川が纏うフレグランスの仄かな香りが鼻を擽った。たったそれだけで、初めての日の記憶が容易く心のメモリから引き出されてきて、加賀をたまらない気持ちにさせる。
 すっかりと硬い粒になった胸の先をクリクリと捏ね回す指に合わせ、自分勝手に腰が揺れた。そうすると、自ずとさらに深いところをノックされる形になり、ひゅぅっと喉が甲高く鳴る。

 もう、どこでどう感じているのかも感覚が曖昧になっていた。ただひたすらに、気持ちがいい。
 涙で霞む目の前が、白を通り越してぐるりと真っ暗になった瞬間、加賀の肉体に『』が起こった。

「──は……ァ、…駄目……ッ…!……あ…あ…ぁ──ッ……!」

 背筋がゾクゾクと震え、腰を突き出すように弓なりにしなって固まる。前立腺も、更にその奥も、体内の性感帯という性感帯を全て擦り上げて抜き差しされていた曽根川の最も熱い部分を、内壁がきゅうっと疼いて締め込んだ。

 二人の身体が繋がっている感覚を深々と噛み締めながら、曽根川の手で完全に勃起させられた男性器から、直接触れられてさえいないのに、どくどくと精液が迸り出るのを感じる。身体の奥深くから波のように押し寄せる絶頂感に溺れ、息を喘がせる加賀にぴったりと胸肌を重ね、曽根川が低く息を詰めて動きを止めた。

「──ッ……!」

 絶頂感でひくひくと狭まる内壁の中で、曽根川の雄が弾ける。ゴムの被膜に阻まれて、熱い奔流が直接注ぎ込まれてくることはなかったが、二つ目の心臓ができたように体内で脈を打つモノが、曽根川の絶頂を明らかに伝えてくれるのだ。

 しばらくの間、曽根川は、汗ばんでぐったりと力の抜けた加賀の全身を強く抱き締めたまま動きを止めていた。加賀の奥深くを小刻みに穿つようにして快楽の余韻を味わい、浸り切っているかのよう。二人分の荒い呼吸音が交じり合って施術室の中を満たし、加賀は今更ながらに、エキゾチックで甘ったるいロータスのアロマの中に、青臭い精の匂いが交じっていることに気が付く。十五年も前に味わったきりの感覚を、まさかこんな形で、一回り以上も年若い美青年に刺し貫かれながら味わうとは、思いもしなかった。

 やがて、曽根川がぴくりと身動きをする。
 加賀の身体を抱き締めていた腕が名残を惜しむように離れ、首筋に、触れるだけの軽いキスが落ちてきた。

「──っ、あ……!」

 ずるり、と入り込んでいたものが引き抜かれた瞬間、喪失感と共に全身に大きく震えが走る。内壁にはまだ力が入り切らず、時折ヒクン、と不規則に痙攣していた。

 傍らからティッシュを数枚引き抜いて自分自身の処理を済ませると、曽根川はホットタオルを一枚取って、丹念に加賀の下腹の後始末をしてくれる。恥ずかしいからいい、自分でやる、と言っても曽根川は頑として聞き入れず、加賀が零すように吐き出した体液と、溢れ出したローションの痕を綺麗に拭き取ってくれた。

「中と、胸だけでイけちゃいましたね…。俺も、気持ちよかったです。すっごく。気持ちよかったし──、加賀さん、滅茶苦茶可愛かった。こんなに気持ちよくなってくれるなんて、タチ冥利に尽きますね…」
「……こんな…おじさんに、掛ける言葉じゃないような気がするけど…」
「いーえ、俺は折れませんよ。スーツ姿だとストイックに見えるのに、すごく甘くて…たくさん感じてくれるんですもん。男って、気が乗らなければ萎える生き物でしょ?加賀さんが可愛くなかったら、こんなに頑張れないですよ。先にイッたらっみっともないから、相当我慢してましたよ、俺」

 身体の奥も、胸の先も、曽根川が触れていた部分は、まだジンジンと痺れたように熱を持っている。
 クスクスと笑いながらそう言い切り、優しく力を掛けて、うつ伏せの姿勢から加賀を引き起こしてくれた曽根川は、常温のミネラルウォーターのミニペットボトルを手渡してくれた。
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