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曽根川君と加賀さん
10.再会リフレクソロジー ※
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「ほら、痛くないでしょう…?このくらい濡らしておかないと、最初のうちはちゃんと気持ちよくなれないから。──ほら、見つけた。ここですね、加賀さんの一番好きなところ」
「…は──ァ、…あぁ…、ン──ッ……!」
くちゅ、と粘り付く音を立てながら、加賀の体内に沈んだ曽根川の指が動き、外からの刺激だけで疼いて堪らなかったポイントを正確に捉える。まずは軽く、やわやわと指の腹で揉みしだくように、二つの指が動き始めた。びり、と静電気にも似た快感が突き抜け、それは疼きとなって、腰の中にじわりじわりと積もっていく。
力を込めて曽根川の指を締め込んでいなければ、注ぎ込まれたローションが溢れ出してしまう。眉根を寄せ、熱く息をしながら下腹に力を込めると、前立腺のしこりをすりすりと擦り始める曽根川の指の動きをより一層露骨に感じることになり、全身にふるりと不規則な震えが走った。
二週間前の加賀ならば、この感覚を素直に受け止められなかったかもしれない。流れが滞った下丹田を解すマッサージを受けて、性的な快感を覚えている自分自身をそんなものだと素直に認めるには、あまりに歳を取り過ぎて、常識が凝り固まっているのだ。
しかし、そんな加賀の認識や心をも揉み解したのは、神業を駆使し、体温の高い熱い指先を持つセラピスト曽根川の、甘い言葉や態度のひとつひとつでもある。
離婚という苦い体験をし、男としてのプライドを無くして孤独に生きてきた自分のパーソナルスペースに、これほどまでにあっさりと入り込んで、時に頼もしく、時に半ば甘ったれてくる仕草を使い分けるのは、曽根川の天性の人たらしの才能なのではないかと思わずにはいられない。ただ性欲を満たすためだけではない、毎日のメッセージや言葉、そして仕草は、加賀にとってまだ少々戸惑いを覚えるものでこそあったが、見えない未来への期待と同時に、新鮮な刺激を与えてくれるものだった。
つまるところ、その手腕に心の中まですっかり蕩かされてしまった、ということなのだろう。
「──ぁ、…そこ……、ッ……!」
長い指が内側をグイグイと押し込み、同時に、親指が会陰に宛がわれ、巧みに押し込んでくる。中と外から挟み撃ちで、前立腺という器官を直接揉みしだかれているような強烈な快感に、思わずビクリと腰が浮いた。上半身を乗せた大きなクッションをぎゅっと抱き締め、力の抜けた声を張り上げてしまう。力を入れていてもやはり中から溢れ出してしまうローションが、指の動きに合わせてちゅくちゅくと濡れた音を立てるのが酷く恥ずかしかった。
「…ん、いい具合ですね──。前、ちゃんと勃ってます。…前は中途半端でしたけど、こっちでも、ちゃんと感じるようにしてあげたいなぁ…」
「ひ…ぁ──っ、…同時…に…は……、ア…あ…ぁ……ッ…!」
熱い片手が、加賀の太腿に流れた温かなローションを掬い上げて、手のひらと指先全体に塗す。その手が触れた加賀の男の部分は、確かに緩やかな芯が通っていて、十五年も不能であったことが嘘のようだった。
じゅく、ぐちゅ、と音を立てて、勃ち上がった茎をゆっくりと扱く、曽根川の手付き。それだけではまだ淡い快感だったが、ゆっくり引き抜かれた二本の指に、さらに一本の指が添えられて割り込んできた瞬間、息苦しさに全身がびくびくと跳ね上がる。
そこに大きなものが入ってくるのは、やはりまだ怖かったのだが、歯を食い縛る加賀の全身が強張りそうになった瞬間を見計らって、前を握り締めた手が巧みに上下に動いて男としての快楽を刺激してきた。
加賀の気を巧みに紛らわせながら、宥めすかすように慎重に指を送り込んでいた曽根川が、息を零して小さく笑う。
「……ほら、指、三本も入っちゃいました。上手に快感を掴めていますよ…?もうちょっと奥、トントンするの、スキでしたよね──?」
「…は……ぁ、──それ…ッ、──き……もち、……いい、──ッ…!」
束になった三つの指が、たっぷりと流し込まれたローションの滑りを借りてグチュグチュと奥の方をノックしてくる。体内の性感帯を掠め、より奥の、もどかしい気持ちよさを掻き立てる場所を、曽根川は見事に探り当てて押し込んできた。
たった一度教えられたきりの快楽を、身体はしっかりと覚えていて、前を扱く手の中に自ら雄の部分を擦り付けるように自然に腰が動くのを、加賀はもう止めることができなかった。
「…は──ァ、…あぁ…、ン──ッ……!」
くちゅ、と粘り付く音を立てながら、加賀の体内に沈んだ曽根川の指が動き、外からの刺激だけで疼いて堪らなかったポイントを正確に捉える。まずは軽く、やわやわと指の腹で揉みしだくように、二つの指が動き始めた。びり、と静電気にも似た快感が突き抜け、それは疼きとなって、腰の中にじわりじわりと積もっていく。
力を込めて曽根川の指を締め込んでいなければ、注ぎ込まれたローションが溢れ出してしまう。眉根を寄せ、熱く息をしながら下腹に力を込めると、前立腺のしこりをすりすりと擦り始める曽根川の指の動きをより一層露骨に感じることになり、全身にふるりと不規則な震えが走った。
二週間前の加賀ならば、この感覚を素直に受け止められなかったかもしれない。流れが滞った下丹田を解すマッサージを受けて、性的な快感を覚えている自分自身をそんなものだと素直に認めるには、あまりに歳を取り過ぎて、常識が凝り固まっているのだ。
しかし、そんな加賀の認識や心をも揉み解したのは、神業を駆使し、体温の高い熱い指先を持つセラピスト曽根川の、甘い言葉や態度のひとつひとつでもある。
離婚という苦い体験をし、男としてのプライドを無くして孤独に生きてきた自分のパーソナルスペースに、これほどまでにあっさりと入り込んで、時に頼もしく、時に半ば甘ったれてくる仕草を使い分けるのは、曽根川の天性の人たらしの才能なのではないかと思わずにはいられない。ただ性欲を満たすためだけではない、毎日のメッセージや言葉、そして仕草は、加賀にとってまだ少々戸惑いを覚えるものでこそあったが、見えない未来への期待と同時に、新鮮な刺激を与えてくれるものだった。
つまるところ、その手腕に心の中まですっかり蕩かされてしまった、ということなのだろう。
「──ぁ、…そこ……、ッ……!」
長い指が内側をグイグイと押し込み、同時に、親指が会陰に宛がわれ、巧みに押し込んでくる。中と外から挟み撃ちで、前立腺という器官を直接揉みしだかれているような強烈な快感に、思わずビクリと腰が浮いた。上半身を乗せた大きなクッションをぎゅっと抱き締め、力の抜けた声を張り上げてしまう。力を入れていてもやはり中から溢れ出してしまうローションが、指の動きに合わせてちゅくちゅくと濡れた音を立てるのが酷く恥ずかしかった。
「…ん、いい具合ですね──。前、ちゃんと勃ってます。…前は中途半端でしたけど、こっちでも、ちゃんと感じるようにしてあげたいなぁ…」
「ひ…ぁ──っ、…同時…に…は……、ア…あ…ぁ……ッ…!」
熱い片手が、加賀の太腿に流れた温かなローションを掬い上げて、手のひらと指先全体に塗す。その手が触れた加賀の男の部分は、確かに緩やかな芯が通っていて、十五年も不能であったことが嘘のようだった。
じゅく、ぐちゅ、と音を立てて、勃ち上がった茎をゆっくりと扱く、曽根川の手付き。それだけではまだ淡い快感だったが、ゆっくり引き抜かれた二本の指に、さらに一本の指が添えられて割り込んできた瞬間、息苦しさに全身がびくびくと跳ね上がる。
そこに大きなものが入ってくるのは、やはりまだ怖かったのだが、歯を食い縛る加賀の全身が強張りそうになった瞬間を見計らって、前を握り締めた手が巧みに上下に動いて男としての快楽を刺激してきた。
加賀の気を巧みに紛らわせながら、宥めすかすように慎重に指を送り込んでいた曽根川が、息を零して小さく笑う。
「……ほら、指、三本も入っちゃいました。上手に快感を掴めていますよ…?もうちょっと奥、トントンするの、スキでしたよね──?」
「…は……ぁ、──それ…ッ、──き……もち、……いい、──ッ…!」
束になった三つの指が、たっぷりと流し込まれたローションの滑りを借りてグチュグチュと奥の方をノックしてくる。体内の性感帯を掠め、より奥の、もどかしい気持ちよさを掻き立てる場所を、曽根川は見事に探り当てて押し込んできた。
たった一度教えられたきりの快楽を、身体はしっかりと覚えていて、前を扱く手の中に自ら雄の部分を擦り付けるように自然に腰が動くのを、加賀はもう止めることができなかった。
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