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曽根川君と加賀さん
9.再会リフレクソロジー ※
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慌てふためく加賀の後頭部にすりすりと鼻先を近付けて、曽根川はうっとりと溜息を零す。彼の熱烈な愛情表現は、控えめな世代の加賀にしてみれば大袈裟で、情熱的で、身に受けるといつも、全身の血がざあっと音を立てて駆け巡るような心地がした。羞恥で茹で上がり、真っ赤に染まった加賀の細身を後ろから抱き締めながら、加賀はすっかり熱した甘い声で耳許に囁き掛けてくる。
「今夜はオッケー、って思ってここに来てくれたってことですよね…?…嬉しい。すごく嬉しいです。本当は、加賀さんがどうしても抵抗あるっていうのなら、指だけで我慢するつもりだったんです。だけど、こんな風に誘ってくれるなんて…。──そんなの、本気出さない訳にはいかないでしょ。俺と一緒に、いっぱい気持ちよくなりましょうね…?」
耳朶を、後ろからチュッと啄まれる。
それだけで、身体が小刻みに震えるほど気持ちがいい。そして曽根川の低く甘ったるい言葉は、聞く者の心の緊張をも解きほぐし、あれほど堅かった全身から無駄な力が抜けていくのだから不思議だ。
一緒に、気持ちよくなる。
そんな言い回しが、妙に照れくさく感じた。コクリ、と浅く頷く加賀の首筋に軽いキスを落とすと、曽根川は、片手で四つん這いの加賀の腰を抱き、もう片手で、器用に何かのボトルの蓋を開けている様子だった。
「中に、石鹸を使ったら駄目ですよ?石鹸の類いは、粘膜には刺激が強いから。ローションを入れて、保湿していきます。…最初、ちょっと違和感あるかもしれないけど、受け身の人に辛い思いをさせたくないから──。少しだけ我慢して」
「──ッ、ぅ……ぁッ──!」
つぷ、と、プラスチックか塩化ビニールのような質感が両脚の中心に押し当てられた。筒のような細い異物から、身体の中にゆっくりと注ぎ込まれてくる液体は、室温よりは多少温められているようだが、それでも少々冷ややかな違和感はあった。
入り込んでくるローションの逆流に息を詰め、眉根を寄せて、全身をぶるりと震わせる。粘液質の液体は、加賀が不安を覚えるほどたっぷりと、奥まで注入された。そしてそれは、恐らく何らかの温感を生み出す成分が入っているらしい。
程なく、液体を含んでいる内壁全体が、じんじんと疼くように熱を覚え始める。
「折角慣らして下さったんですけれどね、まだ、ちょっと足りないです。それに…俺、言いましたよね?俺の手で気持ちよくなってくれると、すごくテンション上がるって。まずは、指で思いっきり気持ちよくしてあげる。──あぁ、すごい興奮するなぁ…加賀さんみたいな素敵な年上の男性をトロトロにできるなんて…。ね、気持ちよかったら、いっぱい声、聞かせて下さいね…?」
「…ぁ、──曽根川…君…っ…!」
甘ったれるような低い声でねだられてしまえば、拒否することなどもうできはしない。
容器が引き抜かれる刺激だけでも、全身に震えが走る。身体の中を満たすローションを零さないよう、両脚の間に力を入れているだけで、流動的な異物感が露骨に伝わってくる。
顔を埋めている枕の代わりに、曽根川に渡されたのは、上半身で抱え込める程度の大きさのクッションだった。胸の下に押し込まれたクッションを抱き枕のように使うと、膝をついて腰を上げていても、背筋を反らさずに済む。
曽根川の指が、再び蕾んだ後孔の上にひたりと押し当てられた。
「ハイ、少しおっきいのが入りますからね、息吐いて──力抜いて」
「ッ、ア、──あぁ……!」
ずくりと体内に潜り込んできたのは、二本束ねられた熱く長い指先だった。想像していたよりも余程きつく、息苦しさを感じる程の侵入を受けて、喉の奥がひゅぅっと音を立てる。たっぷり注ぎ込まれたローション、そして、不慣れとはいえユニットバスでシャワーを使いながら慣らしておいたお陰で、後ろの入口は曽根川の指を難なく受け止めることができた。
「…く…ぅ、ァ──!」
その圧迫感すら、快感に変換されてしまうのが奇妙だった。抉じ開けられた隙間から、こぽり、とローションが溢れ出し、体内で温められたそれがつうっと太腿を伝って流れ落ちていく。
「今夜はオッケー、って思ってここに来てくれたってことですよね…?…嬉しい。すごく嬉しいです。本当は、加賀さんがどうしても抵抗あるっていうのなら、指だけで我慢するつもりだったんです。だけど、こんな風に誘ってくれるなんて…。──そんなの、本気出さない訳にはいかないでしょ。俺と一緒に、いっぱい気持ちよくなりましょうね…?」
耳朶を、後ろからチュッと啄まれる。
それだけで、身体が小刻みに震えるほど気持ちがいい。そして曽根川の低く甘ったるい言葉は、聞く者の心の緊張をも解きほぐし、あれほど堅かった全身から無駄な力が抜けていくのだから不思議だ。
一緒に、気持ちよくなる。
そんな言い回しが、妙に照れくさく感じた。コクリ、と浅く頷く加賀の首筋に軽いキスを落とすと、曽根川は、片手で四つん這いの加賀の腰を抱き、もう片手で、器用に何かのボトルの蓋を開けている様子だった。
「中に、石鹸を使ったら駄目ですよ?石鹸の類いは、粘膜には刺激が強いから。ローションを入れて、保湿していきます。…最初、ちょっと違和感あるかもしれないけど、受け身の人に辛い思いをさせたくないから──。少しだけ我慢して」
「──ッ、ぅ……ぁッ──!」
つぷ、と、プラスチックか塩化ビニールのような質感が両脚の中心に押し当てられた。筒のような細い異物から、身体の中にゆっくりと注ぎ込まれてくる液体は、室温よりは多少温められているようだが、それでも少々冷ややかな違和感はあった。
入り込んでくるローションの逆流に息を詰め、眉根を寄せて、全身をぶるりと震わせる。粘液質の液体は、加賀が不安を覚えるほどたっぷりと、奥まで注入された。そしてそれは、恐らく何らかの温感を生み出す成分が入っているらしい。
程なく、液体を含んでいる内壁全体が、じんじんと疼くように熱を覚え始める。
「折角慣らして下さったんですけれどね、まだ、ちょっと足りないです。それに…俺、言いましたよね?俺の手で気持ちよくなってくれると、すごくテンション上がるって。まずは、指で思いっきり気持ちよくしてあげる。──あぁ、すごい興奮するなぁ…加賀さんみたいな素敵な年上の男性をトロトロにできるなんて…。ね、気持ちよかったら、いっぱい声、聞かせて下さいね…?」
「…ぁ、──曽根川…君…っ…!」
甘ったれるような低い声でねだられてしまえば、拒否することなどもうできはしない。
容器が引き抜かれる刺激だけでも、全身に震えが走る。身体の中を満たすローションを零さないよう、両脚の間に力を入れているだけで、流動的な異物感が露骨に伝わってくる。
顔を埋めている枕の代わりに、曽根川に渡されたのは、上半身で抱え込める程度の大きさのクッションだった。胸の下に押し込まれたクッションを抱き枕のように使うと、膝をついて腰を上げていても、背筋を反らさずに済む。
曽根川の指が、再び蕾んだ後孔の上にひたりと押し当てられた。
「ハイ、少しおっきいのが入りますからね、息吐いて──力抜いて」
「ッ、ア、──あぁ……!」
ずくりと体内に潜り込んできたのは、二本束ねられた熱く長い指先だった。想像していたよりも余程きつく、息苦しさを感じる程の侵入を受けて、喉の奥がひゅぅっと音を立てる。たっぷり注ぎ込まれたローション、そして、不慣れとはいえユニットバスでシャワーを使いながら慣らしておいたお陰で、後ろの入口は曽根川の指を難なく受け止めることができた。
「…く…ぅ、ァ──!」
その圧迫感すら、快感に変換されてしまうのが奇妙だった。抉じ開けられた隙間から、こぽり、とローションが溢れ出し、体内で温められたそれがつうっと太腿を伝って流れ落ちていく。
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