36 / 58
曽根川君と加賀さん
8.再会リフレクソロジー ※
しおりを挟む
「──ン…、ッ…、っ──!」
施術されているのは、太腿の真上の部分だ。膝から腿の付け根まで、手のひら全体を使って、重みを掛けて広い範囲をマッサージしてくれている。それは素直に気持ちがいいと思う反面、加賀の心臓を酷く高鳴らせた。
曽根川の手が、両脚の間に近い所に触れている。だというのに、直接『その部分』に触れてくることはしない。安心とじれったさ、そして不安と緊張が入り混じって、どうしても身体に無駄な力が入ってしまう。
不意に、曽根川が加賀の背を抱くように、ぴったりと身体を密着させてきた。シャツとパンツ越しに伝わる彼の高い体温は、包まれているだけで心地がいいものだ。だが、この距離感には今ひとつ慣れない。ヒッ、と喉の奥に息を詰めてしまい、直後、情けなさに軽く唇を噛んだ。背後から、加賀の赤く染まった耳朶を軽く啄み、曽根川の甘い声が囁き掛けてくる。
「…じゃ、この間やったところ…このまま、診せて貰いますね?ちょっとだけ膝立てて…腰、浮かせて…。──楽にしていてください。ずっと…こうしたくて仕方なかったのは、俺の方なんですから」
「…ん──」
言われるがままに、軽く膝を立てて足を開き、腰を浮かせた。太腿まで垂れ掛かるバスローブを下から捲り上げるように、曽根川の長い腕が器用に入り込んでくる。
ひた、と、会陰に触れる指先を感じた。どうしようもなく恥ずかしい、しかし、彼の指が体内からどんな感覚を引き出してくるのかを知ってしまった今、硬く目を閉ざして身を委ねていることしかできないのだ。
「いいですね…。最初に触った時よりも、ずっと柔らかくなっている気がします。──ほら、思い出して。…意識を集中させて、気持ちイイことだけ考えちゃいましょ?…大丈夫、後は、ちゃんと俺が連れていきます…」
「──は…ァ、…あぁッ…!」
熱い指先が、柔らかな皮膚の上ですりすりと円を描くように動き始めた。『下丹田』と呼ばれるツボは、男の性感帯のひとつでもある。ぱちん、と目の前にライター石のような淡い火花が散ったのは、く、とそこを軽く押し込まれた瞬間だった。紛れもない性感の高まりを感じながら、枕に顔を押し当てて、必死で上擦る息を殺そうとする。
気持ちがいい。これを、もっとして欲しい。
一度そんな想いに憑りつかれてしまったら、後は腰が揺らぐのを止めることができなかった。片手で加賀の下肢を刺激し、もう片手を顔の真横について身体を支えながら、曽根川は覆い被さるように加賀の背中を後ろ抱きにしてくる。
「そう、上手ですよ…。自分でイイところを探して。でも、足りないなら、中から押した方が──きっと、ずっと気持ちいいはずです」
「…う…ぁ…ッ──!」
未だ、常識という概念から抜け出せずに葛藤する加賀の耳許で、甘く色気のある声が語り掛けてくる。会陰部だけを捏ね回し、押し込み、執拗に刺激を与えていた指が後孔の上に滑ってきた瞬間、加賀は耐え切れずに、腰だけ差し出して四つん這いになった全身をビクン!と大きく竦ませてしまう。
そして、その『変化』を、果たして曽根川はすぐに察したようだった。
既に浅くほぐれた侵入口の縁を確かめるように、指先が真上から触れてくる。次いで聞こえてくる、息を呑む音。
「…え、…まさか…。加賀さん──。…ここ、自分で──?」
「………調べたんだ。少しだけ。…ッ、…男性、同士では…、こうしておくもの…なんだろう…?」
矢張り、触れただけで一週間前のリフレクソロジー施術の痕跡が解る曽根川に、そうと見抜かれないはずはなかったのだ。あまりの恥ずかしさに口ごもりながらすっかり赤面する加賀の背中を、突然、飛びつくように力一杯抱き締めてくる曽根川の両腕がある。
「…っ、ちょっと──、曽根川君…っ──!」
「………はぁー!………何それマジで可愛い…。そんなことまでしてくれたの?…あー、もう駄目だ、仕事忘れて理性が飛びそう…。無理……」
施術されているのは、太腿の真上の部分だ。膝から腿の付け根まで、手のひら全体を使って、重みを掛けて広い範囲をマッサージしてくれている。それは素直に気持ちがいいと思う反面、加賀の心臓を酷く高鳴らせた。
曽根川の手が、両脚の間に近い所に触れている。だというのに、直接『その部分』に触れてくることはしない。安心とじれったさ、そして不安と緊張が入り混じって、どうしても身体に無駄な力が入ってしまう。
不意に、曽根川が加賀の背を抱くように、ぴったりと身体を密着させてきた。シャツとパンツ越しに伝わる彼の高い体温は、包まれているだけで心地がいいものだ。だが、この距離感には今ひとつ慣れない。ヒッ、と喉の奥に息を詰めてしまい、直後、情けなさに軽く唇を噛んだ。背後から、加賀の赤く染まった耳朶を軽く啄み、曽根川の甘い声が囁き掛けてくる。
「…じゃ、この間やったところ…このまま、診せて貰いますね?ちょっとだけ膝立てて…腰、浮かせて…。──楽にしていてください。ずっと…こうしたくて仕方なかったのは、俺の方なんですから」
「…ん──」
言われるがままに、軽く膝を立てて足を開き、腰を浮かせた。太腿まで垂れ掛かるバスローブを下から捲り上げるように、曽根川の長い腕が器用に入り込んでくる。
ひた、と、会陰に触れる指先を感じた。どうしようもなく恥ずかしい、しかし、彼の指が体内からどんな感覚を引き出してくるのかを知ってしまった今、硬く目を閉ざして身を委ねていることしかできないのだ。
「いいですね…。最初に触った時よりも、ずっと柔らかくなっている気がします。──ほら、思い出して。…意識を集中させて、気持ちイイことだけ考えちゃいましょ?…大丈夫、後は、ちゃんと俺が連れていきます…」
「──は…ァ、…あぁッ…!」
熱い指先が、柔らかな皮膚の上ですりすりと円を描くように動き始めた。『下丹田』と呼ばれるツボは、男の性感帯のひとつでもある。ぱちん、と目の前にライター石のような淡い火花が散ったのは、く、とそこを軽く押し込まれた瞬間だった。紛れもない性感の高まりを感じながら、枕に顔を押し当てて、必死で上擦る息を殺そうとする。
気持ちがいい。これを、もっとして欲しい。
一度そんな想いに憑りつかれてしまったら、後は腰が揺らぐのを止めることができなかった。片手で加賀の下肢を刺激し、もう片手を顔の真横について身体を支えながら、曽根川は覆い被さるように加賀の背中を後ろ抱きにしてくる。
「そう、上手ですよ…。自分でイイところを探して。でも、足りないなら、中から押した方が──きっと、ずっと気持ちいいはずです」
「…う…ぁ…ッ──!」
未だ、常識という概念から抜け出せずに葛藤する加賀の耳許で、甘く色気のある声が語り掛けてくる。会陰部だけを捏ね回し、押し込み、執拗に刺激を与えていた指が後孔の上に滑ってきた瞬間、加賀は耐え切れずに、腰だけ差し出して四つん這いになった全身をビクン!と大きく竦ませてしまう。
そして、その『変化』を、果たして曽根川はすぐに察したようだった。
既に浅くほぐれた侵入口の縁を確かめるように、指先が真上から触れてくる。次いで聞こえてくる、息を呑む音。
「…え、…まさか…。加賀さん──。…ここ、自分で──?」
「………調べたんだ。少しだけ。…ッ、…男性、同士では…、こうしておくもの…なんだろう…?」
矢張り、触れただけで一週間前のリフレクソロジー施術の痕跡が解る曽根川に、そうと見抜かれないはずはなかったのだ。あまりの恥ずかしさに口ごもりながらすっかり赤面する加賀の背中を、突然、飛びつくように力一杯抱き締めてくる曽根川の両腕がある。
「…っ、ちょっと──、曽根川君…っ──!」
「………はぁー!………何それマジで可愛い…。そんなことまでしてくれたの?…あー、もう駄目だ、仕事忘れて理性が飛びそう…。無理……」
42
お気に入りに追加
79
あなたにおすすめの小説
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる