プラナ・ローカへようこそ〜お疲れ課長のヒミツの甘々リフレ~

槇木 五泉(Maki Izumi)

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Prana Lokaへようこそ

20.スペシャルリフレ ※

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「──ね?言ったでしょう?…僕、必ず治してあげられると思ったんです…。でも、嬉しいですよ、万にひとつ…僕の施術で気持ちよくなってもらえなかったら、セラピストとしてカッコ悪いじゃないですか。…加賀さんに、ここまでさせて」

 耳許で、あの嬉しげな曽根川の甘く低い声が、低く囁き掛けてくる。自分の身体に起こった変化がまだ信じられず、一言も発せずに身体を震わせる加賀の手の甲に体温の高い手のひらを重ねたまま、曽根川はそっと手を握り込んできた。そうすれば、自然と、加賀の指は見事に勃ち上がった自分の男性器を握らされる形になる。
 曽根川が、尚も耳許で囁いてきた。鼓膜を震わせるだけで背筋に甘い痺れの走る、低い声。一体、曽根川にこんな声で囁き掛けられて、心を動かされない人間がこの世にいるとも思えない。

「…じゃあ、一回、身体の中の悪いものを全部出しちゃいましょうか。途中まではお手伝いしますから、意識を下半身だけに集中して──」
「…ぁ…!…んッ──、っ、それ…は──!」

 加賀の手を握り締めたまま、曽根川の手が大きく上下に動かされる。他人の手で自慰行為をしているようで、酷い羞恥がさっと全身を駆け巡った。久しぶりに感じる男としての快楽は、加賀の背筋をぶるりと震わせたが、それでも頭の片隅に残った理性が、こんなことをしてはいけない、これはいけないことなのだと繰り返し訴え掛けてくる。

 下半身を滑るように上下に揺れる曽根川の手に、制止の片手を掛けようとしたところで、両脚の間に埋まった二本の指が、ぐり、と泣き所を押し潰すように動いてきた。
 途端に、目の前に、見たこともない幻覚の火花がバチンと散る。ライターを灯す瞬間に見えるような、小さな白い火花に似ていた。

「…ア…あぁ…ッ──!」
「だめ、加賀さん…。折角症状が改善したんですから、このまま先に進めますよ。…恥ずかしいことなんかじゃないです、ちっとも。…さ、リラックスして…自分でも、手を動かしてみてください…。…そう、上手…いいですね…」

 ふたつ束ねられた曽根川の指が、狭い肉壁の中をスライドするようにゆっくりと抜き差しされる。ぢゅ、ぐちゅ、と粘膜にオイルの擦れる音が響き、同時に、頭の芯が蕩けるほどの快楽が押し寄せてきた。こんなものは全く知らない、しかし、一度味わってしまったらもう元には戻れない、前立腺という性感帯を刺激する巧みな指。釣られるように、勃起した雄の部分をしごく手が動いてしまう。
 全く恥ずかしいことなのに、それを上手だと褒められてしまえば、倫理感さえ溶けて流れていくようだった。片手で口許をしっかりと押さえ、声を殺そうとしながら、曽根川の手を借りて自慰に耽り続ける。十五年ぶりに感じる男の性感は、実際、素直に気持ちがよかった。

「──可愛いなぁ…。…本ッ当に、可愛い……」

 ぼんやりと靄がかかる思考回路に、不意に響いた曽根川の呟き。それは感極まった独り言のような響きで、今までに聞いたことのない、感極まった熱を孕んでいた。

 前を扱くように促す手と、後ろの孔を掻き混ぜる手の動きが、同時に激しさを増す。久しぶりに味わう、男として素直な性感も堪らなく気持ちがよかったが、どうしても、身体の中で動く指の方を意識せざるを得ない。前立腺の上をすりすりと通り過ぎる指が、時折もっと深いところを抉るように突いてくる。その度に、手のひらをきつく押し付けて隠した唇の合間から、力の抜け切ったみっともない声が溢れてしまう。

「…っふ、──く…あぁ…ッ…、う…!」
「ん、奥の方も好き…?──…あー、ごめんなさい…。俺の理性もヤベェわ、こんなの…」

 真後ろから加賀を抱きすくめる曽根川の言葉には、いつにない熱がこもっていた。
 弱点などすぐに見抜かれ、長い指が更にズルリと奥に入り込んでくる。ぐちゅぐちゅと音を立てて大きく突かれると、意思に反して背筋が大きく仰け反ってしまう。
 ここは風俗店ではない、真っ当なリフレクソロジーの店。施術として男にこんなことをされて、こんな感覚を味わってはいけないはずなのに、自分自身でも触れたことのないところを暴かれると、ただただ腰骨に響くほど気持ちがよくて、すっかり張り詰めたものを慰める手は止まらなかった。
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