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番外編
番外編1-4
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「──で、何だ。お前、ミケにセックスされたって?」
「…え、あ、──はい…。」
ザラキアが指差すのは、壁際の檻の中に入って、大人しく伏せてキューン…と鳴き声を立てているあの生物である。先程までの狂暴性の欠片もない、ピンクの体表に黒と茶色のブチがある触手生物を、ザラキアはミケと呼んだ。状況からして、どうやら、ミケはここでザラキアに飼われているらしい。
アレの名前、ミケって。そう思いながらも、シンジは、深々と溜息を吐くザラキアの呆れ顔を見詰めながら、そろりと床から体を起こした。少し間を置いて、ザラキアが深い溜息と共に、実にゆっくりと口を開く。
「ミケ、ありゃあメスだぞ。」
「は?」
今度は、シンジが真顔で糸目になる番だった。
「性奴隷と獣を番わせて喜ぶ、そういうプレイを好むお偉方の為に飼ってる下級淫獣だが、オスはどうにも気が荒くてな──。だから、メスの淫獣にしたんだ。ま、確かにお前にゃ言ってなかったが。…しっかし、ミケの奴、まーた檻抜けしやがったのか…。もっと複雑な鍵を掛けとかねぇと…。」
「──メスなのに、人間の男に襲い掛かってくるんですか?アレ…。」
「あぁ?…まあ、あれは基本的に人間の喜ぶことをする生き物だからなぁ。気に入られて、単にじゃれてただけだと思うぞ?」
シンジの心身に、どっと疲労感が押し寄せてくる。言われてみれば、今、檻の中で大人しく伏せをしているミケは、性器に該当する器官をシンジに挿入してくることはなかった。ただ単にじゃれついていただけで肉穴の奥まで入り込もうとしてくる生き物がこのソドムに存在するのだといういい勉強にはなったが、それでも、決してザラキア以外に暴かせることはないと固く誓っていた後ろの穴を明け渡してしまったことは事実なのでる。
ミケの檻に鍵を掛け、歩いて戻ってきたザラキアは、色々な意味で落胆を隠せずに呆然とするシンジの片腕を掴んで、ヒョイと引き上げる。
「立てるか?──ま、淫獣のメス相手ならセックスじゃねぇ、ノーカンだ、ノーカン。…うわ、シンジ、お前…こりゃ随分手酷く懐かれたなぁ──。」
「…うぅ──。」
全身至るところを舐め回され、抉られ、擦られ尽くしたシンジの身体は粘液に塗れて、更には腹の奥底にじくじくと疼く不発弾を抱え、不満を訴え続けている。そんなことはとっくにお見通しなのであろう大雑把な性格のザラキアは、ニヤニヤと笑いながら、あまりの気まずさと恥ずかしさに真っ赤になって俯くシンジの腕を引くと、壁に手をつかせ、腰をぐっと突き出す姿勢を取らせた。
ゴソゴソと衣擦れの音がして、そして、淫獣の舌でベトベトに濡れて口を開いた奥処の上に、ひたりと宛がわれる熱くて愛おしいモノがある。その正体が何であるかは身をもって覚えていて、幸福のあまり、反り返った喉がひゅうっと甘い吐息の音を立てた。
ずぷうっ!という腰骨を溶かすような衝撃と共に、ザラキアの牡がすっかり熟れた肉洞の中に入り込んでくる。世界に一人だけの、愛する主人のモノで一突きにされ、とろんと蕩け切った顔で反射的に下腹部の力を抜いた。そうすれば、長大なザラキアの怒張の切っ先は、ためらいもなく、ぐぷんっ、と結腸の狭い門を掻き分けて最奥の壁をトツンと突く。
目一杯腰を突き出し、弓形の腰をがくがくと震わせて、待ち望んでいた挿入の快感がシンジの感覚を派手なピンク色に塗り潰していった。我慢など出来る訳もなく、勃ち上がったままの雄の切っ先から、堪えに堪えた白濁液がビシャビシャと迸る。
「ひ、ああぁ──っ…!ザラキア様…っ、──っぁ、おっきい、の、──気持ちイイッ…!」
「ハ…、何だよ、挿れられただけでイッちまったのか…。よしよし、そこまで健気に我慢していたお前に免じて、勝手にイッたお仕置はナシにしてやる。好きなだけイけ。」
「あぁ、あ゙ッ──!…おくっ──、ザラキア様…だけが、イイ…んです──っ!」
「…ははッ、穴には入られても、結腸までは開かなかったのか。流石は俺様の終生奴隷だ。訳が分からなくなるまで、たーっぷり突いてやるからなぁ…?」
どちゅ、ぐちゅ、ばちゅっ!と腰を掴まれて繰り返し結腸の奥まで激しく責め立てられ、両膝が玩具のようにがくがくと震える。本当に心を許していなければ入り込めない奥の門をザラキアの為に喜んで開き、ぴしゃぴしゃと潮を噴き散らしてイキ狂っても、今日のザラキアは責めの手を止めなかった。今の今まで必死で我慢していたものを全て吐き出させるようにザラキアはシンジを突き上げ、片手できゅうっと片方の乳首を捻り潰してくる。
「ひあぁあ゙ッ…!乳首イイっ、イくぅ──ッッ!」
「イイぞ…、イイ締まりだ。──さーて、このまま気絶しちまえ、シンジ。安心しろよ、風呂にも入れて、そのまま寝かせてやるから…。」
肉穴の奥と乳首を同時に捏ねくり回され、また呆気なくビシャッと潮を吹いて絶頂するシンジのガクガクと震える腰を片腕で支え、ザラキアはシンジの耳朶をねっとりと舐めながら囁いてきた。言われるまでもなく、淫獣に散々焦らされた後の身体を手加減もなしにズプズプと突かれ、その手で開発され尽くした身体のイイところだけを攻め立てられて、我慢などできるはずもない。
乾いた絶頂の度にザラキアのモノをきゅうきゅうと締め込みながら、ぼんやりと霞みつつある意識の中、のけ反る喉から最後の絶叫を振り絞る。
「イイ──っ、…ぁ、ザラキア…さま、──すき、…スキ…ぃっ…!」
プツン、と意識が途切れる最中、ザラキアが耳許に何事か囁いたのが聞こえた。
シンジだけに届いたその言葉を耳に、鳴き狂い果てた唇がすっと笑みを描く。
身体の中にドクドクと熱いものが注ぎ込まれ、力強く優しい腕が身体を支えてくれるのが解った。その腕の中に全てを委ね、安心しきってシンジは意識を手放す。
きっと、目覚めればそこはザラキアの寝室で、隣には身も心も許したたった一人の主人がいるのだろう。そう考えながら、シンジは暫しの眠りの中に落ちていった。
― 番外編1 完 ―
「…え、あ、──はい…。」
ザラキアが指差すのは、壁際の檻の中に入って、大人しく伏せてキューン…と鳴き声を立てているあの生物である。先程までの狂暴性の欠片もない、ピンクの体表に黒と茶色のブチがある触手生物を、ザラキアはミケと呼んだ。状況からして、どうやら、ミケはここでザラキアに飼われているらしい。
アレの名前、ミケって。そう思いながらも、シンジは、深々と溜息を吐くザラキアの呆れ顔を見詰めながら、そろりと床から体を起こした。少し間を置いて、ザラキアが深い溜息と共に、実にゆっくりと口を開く。
「ミケ、ありゃあメスだぞ。」
「は?」
今度は、シンジが真顔で糸目になる番だった。
「性奴隷と獣を番わせて喜ぶ、そういうプレイを好むお偉方の為に飼ってる下級淫獣だが、オスはどうにも気が荒くてな──。だから、メスの淫獣にしたんだ。ま、確かにお前にゃ言ってなかったが。…しっかし、ミケの奴、まーた檻抜けしやがったのか…。もっと複雑な鍵を掛けとかねぇと…。」
「──メスなのに、人間の男に襲い掛かってくるんですか?アレ…。」
「あぁ?…まあ、あれは基本的に人間の喜ぶことをする生き物だからなぁ。気に入られて、単にじゃれてただけだと思うぞ?」
シンジの心身に、どっと疲労感が押し寄せてくる。言われてみれば、今、檻の中で大人しく伏せをしているミケは、性器に該当する器官をシンジに挿入してくることはなかった。ただ単にじゃれついていただけで肉穴の奥まで入り込もうとしてくる生き物がこのソドムに存在するのだといういい勉強にはなったが、それでも、決してザラキア以外に暴かせることはないと固く誓っていた後ろの穴を明け渡してしまったことは事実なのでる。
ミケの檻に鍵を掛け、歩いて戻ってきたザラキアは、色々な意味で落胆を隠せずに呆然とするシンジの片腕を掴んで、ヒョイと引き上げる。
「立てるか?──ま、淫獣のメス相手ならセックスじゃねぇ、ノーカンだ、ノーカン。…うわ、シンジ、お前…こりゃ随分手酷く懐かれたなぁ──。」
「…うぅ──。」
全身至るところを舐め回され、抉られ、擦られ尽くしたシンジの身体は粘液に塗れて、更には腹の奥底にじくじくと疼く不発弾を抱え、不満を訴え続けている。そんなことはとっくにお見通しなのであろう大雑把な性格のザラキアは、ニヤニヤと笑いながら、あまりの気まずさと恥ずかしさに真っ赤になって俯くシンジの腕を引くと、壁に手をつかせ、腰をぐっと突き出す姿勢を取らせた。
ゴソゴソと衣擦れの音がして、そして、淫獣の舌でベトベトに濡れて口を開いた奥処の上に、ひたりと宛がわれる熱くて愛おしいモノがある。その正体が何であるかは身をもって覚えていて、幸福のあまり、反り返った喉がひゅうっと甘い吐息の音を立てた。
ずぷうっ!という腰骨を溶かすような衝撃と共に、ザラキアの牡がすっかり熟れた肉洞の中に入り込んでくる。世界に一人だけの、愛する主人のモノで一突きにされ、とろんと蕩け切った顔で反射的に下腹部の力を抜いた。そうすれば、長大なザラキアの怒張の切っ先は、ためらいもなく、ぐぷんっ、と結腸の狭い門を掻き分けて最奥の壁をトツンと突く。
目一杯腰を突き出し、弓形の腰をがくがくと震わせて、待ち望んでいた挿入の快感がシンジの感覚を派手なピンク色に塗り潰していった。我慢など出来る訳もなく、勃ち上がったままの雄の切っ先から、堪えに堪えた白濁液がビシャビシャと迸る。
「ひ、ああぁ──っ…!ザラキア様…っ、──っぁ、おっきい、の、──気持ちイイッ…!」
「ハ…、何だよ、挿れられただけでイッちまったのか…。よしよし、そこまで健気に我慢していたお前に免じて、勝手にイッたお仕置はナシにしてやる。好きなだけイけ。」
「あぁ、あ゙ッ──!…おくっ──、ザラキア様…だけが、イイ…んです──っ!」
「…ははッ、穴には入られても、結腸までは開かなかったのか。流石は俺様の終生奴隷だ。訳が分からなくなるまで、たーっぷり突いてやるからなぁ…?」
どちゅ、ぐちゅ、ばちゅっ!と腰を掴まれて繰り返し結腸の奥まで激しく責め立てられ、両膝が玩具のようにがくがくと震える。本当に心を許していなければ入り込めない奥の門をザラキアの為に喜んで開き、ぴしゃぴしゃと潮を噴き散らしてイキ狂っても、今日のザラキアは責めの手を止めなかった。今の今まで必死で我慢していたものを全て吐き出させるようにザラキアはシンジを突き上げ、片手できゅうっと片方の乳首を捻り潰してくる。
「ひあぁあ゙ッ…!乳首イイっ、イくぅ──ッッ!」
「イイぞ…、イイ締まりだ。──さーて、このまま気絶しちまえ、シンジ。安心しろよ、風呂にも入れて、そのまま寝かせてやるから…。」
肉穴の奥と乳首を同時に捏ねくり回され、また呆気なくビシャッと潮を吹いて絶頂するシンジのガクガクと震える腰を片腕で支え、ザラキアはシンジの耳朶をねっとりと舐めながら囁いてきた。言われるまでもなく、淫獣に散々焦らされた後の身体を手加減もなしにズプズプと突かれ、その手で開発され尽くした身体のイイところだけを攻め立てられて、我慢などできるはずもない。
乾いた絶頂の度にザラキアのモノをきゅうきゅうと締め込みながら、ぼんやりと霞みつつある意識の中、のけ反る喉から最後の絶叫を振り絞る。
「イイ──っ、…ぁ、ザラキア…さま、──すき、…スキ…ぃっ…!」
プツン、と意識が途切れる最中、ザラキアが耳許に何事か囁いたのが聞こえた。
シンジだけに届いたその言葉を耳に、鳴き狂い果てた唇がすっと笑みを描く。
身体の中にドクドクと熱いものが注ぎ込まれ、力強く優しい腕が身体を支えてくれるのが解った。その腕の中に全てを委ね、安心しきってシンジは意識を手放す。
きっと、目覚めればそこはザラキアの寝室で、隣には身も心も許したたった一人の主人がいるのだろう。そう考えながら、シンジは暫しの眠りの中に落ちていった。
― 番外編1 完 ―
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