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東雲.7 ※
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「んっ──、…ふ…ッ…。」
月詠茸の淡い光も届かない、物陰に作られた暗い寝床に腰を降ろす、黒衣に包まれた若者の長い脚の間に蹲り、ムラサキは眉根を寄せて一心に雄の交尾器を唇に含んでいた。
絶え間なく貫かれ続ける疲れから、身体を繋ぐのを嫌がる素振りを見せたムラサキに、交尾が嫌なら口で取れ、と命じてのけたのはシノノメだ。
最初こそ、体格相応に長大な雄の交尾器を見せ付けられ、それを口に含むというおぞましい行為に吐き気を禁じ得なかったが、ただ満開の花の甘い雌蕊を口に含んで舐め啜るのに近い行為だ、と自分に言い聞かせ、いきり勃った雄蜘蛛の持ち物を只管に口で慰めることに徹した。
「──ふ、…ぅ…ッ…。」
顔に落ち掛かる長い葡萄茶色の髪が邪魔で、幾度も掻き上げる。口の中でびくびくと脈打つこの巨きなものが、自分の身体の奥を掻き分けて体内にすっかり納まってしまうということが、俄かに信じられなかった。
ぴちゃ、ちゅ、と濡れた音を立てながら快楽に奉仕するムラサキの眦は、切っ先で咽喉を突かれる苦しさに薄く涙を滲ませている。口の中に溢れてくる興奮の雫の味は、花蜜を摂って生きる胡蝶には馴染みのない雄の生臭さがあり、叶うならば吐き出してしまいたい。
それでもこの雄蜘蛛の機嫌を損ねぬように、気分の悪さを堪えながら唾液と共にこくりと飲み干す。そんなムラサキの強いられた従順を、シノノメは残酷な青い眼を細めて愛でている様子だった。
「イイ具合になってきたな、ムラサキ。──選んでいいぜ。このまま飲ませてやろうか?それとも、肚の奥にぶち込んで、中にたっぷり飲ませてやろうか…?」
長い髪をグイ、と引かれながら頭上から降ってくる問いに、ムラサキは、舌先に濡れた糸を伝わせながら、そろりと唇を離した。右手で雄の屹立を握り込んでくちゅくちゅと揺り動かし、シノノメの気を削がないようにしながら、涙に濡れた瞳で見上げ、精一杯の恥ずべき懇願を口にする。
「…口に、出して。──このまま、飲ませて…。」
シノノメの、捕食者としての嗜虐的な視線が、満足げに歪んだ。
月詠茸の淡い光も届かない、物陰に作られた暗い寝床に腰を降ろす、黒衣に包まれた若者の長い脚の間に蹲り、ムラサキは眉根を寄せて一心に雄の交尾器を唇に含んでいた。
絶え間なく貫かれ続ける疲れから、身体を繋ぐのを嫌がる素振りを見せたムラサキに、交尾が嫌なら口で取れ、と命じてのけたのはシノノメだ。
最初こそ、体格相応に長大な雄の交尾器を見せ付けられ、それを口に含むというおぞましい行為に吐き気を禁じ得なかったが、ただ満開の花の甘い雌蕊を口に含んで舐め啜るのに近い行為だ、と自分に言い聞かせ、いきり勃った雄蜘蛛の持ち物を只管に口で慰めることに徹した。
「──ふ、…ぅ…ッ…。」
顔に落ち掛かる長い葡萄茶色の髪が邪魔で、幾度も掻き上げる。口の中でびくびくと脈打つこの巨きなものが、自分の身体の奥を掻き分けて体内にすっかり納まってしまうということが、俄かに信じられなかった。
ぴちゃ、ちゅ、と濡れた音を立てながら快楽に奉仕するムラサキの眦は、切っ先で咽喉を突かれる苦しさに薄く涙を滲ませている。口の中に溢れてくる興奮の雫の味は、花蜜を摂って生きる胡蝶には馴染みのない雄の生臭さがあり、叶うならば吐き出してしまいたい。
それでもこの雄蜘蛛の機嫌を損ねぬように、気分の悪さを堪えながら唾液と共にこくりと飲み干す。そんなムラサキの強いられた従順を、シノノメは残酷な青い眼を細めて愛でている様子だった。
「イイ具合になってきたな、ムラサキ。──選んでいいぜ。このまま飲ませてやろうか?それとも、肚の奥にぶち込んで、中にたっぷり飲ませてやろうか…?」
長い髪をグイ、と引かれながら頭上から降ってくる問いに、ムラサキは、舌先に濡れた糸を伝わせながら、そろりと唇を離した。右手で雄の屹立を握り込んでくちゅくちゅと揺り動かし、シノノメの気を削がないようにしながら、涙に濡れた瞳で見上げ、精一杯の恥ずべき懇願を口にする。
「…口に、出して。──このまま、飲ませて…。」
シノノメの、捕食者としての嗜虐的な視線が、満足げに歪んだ。
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