29 / 48
29 紙片
しおりを挟む
「ずっと、ぼくが勝手に修造のこと好いてるだけだと思ってた……こうやって焼きもち焼いてくれる日が来るなんて……夢みたいだ」
「あのなあ、嫌だったら同じ家なんかにいるわけねえだろ」
「でも、修造は優しいから。ぼくが怪我したせいで負い目を感じてて、それで一緒にいてくれるのかなぁって。ぶすっとしててにこりともしないし、本当はぼくとなんかいたくないんだろうって、ずっと……思ってた」
「あー……」
自分の上に乗った赫の身体を抱き直し、修造は滑らかに筋肉のついた背中を撫でた。腰まで手を下ろし、いつの間にかだいぶ本数の増えた尻尾の付け根あたりをくすぐる。その向こうにある引き締まった尻に触れると、ふるふると赫は耳を震わせた。
とろりとした表情に変わってきた赫と、唇を重ねる。冷え切った割れ目の間に舌を差し入れると、熱く柔らかな口内が修造を迎えた。
おずおずと伸びてくる舌を吸い、口を離す。
「負い目だけで、ここまですると思うか?」
「……しない、の?」
「そうだよ、覚えとけ。……ほら、こっちだって」
弾力のある尻を抱き寄せ、膨らみ始めた股間を押し付ける。布越しに硬質の感触が触れあい、赫が小さく声を上げる。
「やんっ、修造……」
「赫、オレぁな、お前に惚れてんだよ。じゃなきゃこんなことまでしてねえよ」
はっきり言わなければ分からないのなら、そうしてやる。明日になったら羞恥でのたうち回りそうだったが、さらに言葉を重ねていく。
「好きだよ、赫。だから、お前の全部が欲しい」
「ん、ふふっ」
くぅんと甘ったるく鼻を鳴らした赫は、修造に擦り付けるように腰を動かした。
「あ、あんね、修造、ぼくも……修造のこと、好き」
「知ってる」
答えると、「うん!」と赫が四本の尻尾を振り回した。今度は赫のほうから修造に口づけてきて、ちゅくちゅくと首筋や顎、口唇をついばむように食まれる。
「ん、ふぁ……あ」
くすぐったいような、甘い感触に修造は頭を振った。内股になった足の指先を握り込むと、その間に赫の手が滑り込んできて修造の褌を解く。
「あ、はあっ……赫……」
早くも竿の先から漏れてきている蜜を塗り拡げられ、修造は上ずった声を出した。赫を抱いた指先に力が籠もる。
「あ、そうだ、ねえ修造」
「ん……何だよ」
はたと何かを思い出したように赫は体を起こした。屹立から指が離れ、その切なさに不満げな声を上げてしまう。
ごそごそと胸元に手を突っ込んだ赫は、そこから懐紙入れを取り出した。小さな短冊状の紙切れをつまみ、修造に示す。唾液でふやかして使うぬめり剤――ふのりというやつだ。
「ねえ修造、これ使ってもいい? 貞宗に今日分けてもらったんだ」
(さ、貞宗ェ……!)
赫に求められているという嬉しさと、そこに貞宗が噛んでくるという恥ずかしさに修造の頭が真っ白になる。
「あっ、だ、だめなら大丈夫!」
どんな表情をしていたのか、ぺたりと耳を伏せた赫が慌てて懐紙入れをしまおうとする。その手を押さえ、修造は首を振った。
「だめじゃない、から……」
ぱあっと赫の顔が輝く。赤い爪をした指先が紙をつまみ、緊張した様子で舌の上に乗せる。それを見ながら修造は帯を解き、脚を広げた体勢になっていた。
「赫」
「ん?」
名前を呼ぶと、口をもごもごとさせた赫が修造を見た。ちらりと覗く赤い舌先がてろりと光る。
「色男だよ、赫は」
背中に感じる板の間の感触は固くて冷たい。だが今は、布団を準備する時間すら惜しい。
んふ、と含み笑いをした赫が修造の足の間に頭を埋める。ぬるりとした舌に秘部を濡らされ、修造は喘ぎながら赫の髪を握り込んだ。
「あのなあ、嫌だったら同じ家なんかにいるわけねえだろ」
「でも、修造は優しいから。ぼくが怪我したせいで負い目を感じてて、それで一緒にいてくれるのかなぁって。ぶすっとしててにこりともしないし、本当はぼくとなんかいたくないんだろうって、ずっと……思ってた」
「あー……」
自分の上に乗った赫の身体を抱き直し、修造は滑らかに筋肉のついた背中を撫でた。腰まで手を下ろし、いつの間にかだいぶ本数の増えた尻尾の付け根あたりをくすぐる。その向こうにある引き締まった尻に触れると、ふるふると赫は耳を震わせた。
とろりとした表情に変わってきた赫と、唇を重ねる。冷え切った割れ目の間に舌を差し入れると、熱く柔らかな口内が修造を迎えた。
おずおずと伸びてくる舌を吸い、口を離す。
「負い目だけで、ここまですると思うか?」
「……しない、の?」
「そうだよ、覚えとけ。……ほら、こっちだって」
弾力のある尻を抱き寄せ、膨らみ始めた股間を押し付ける。布越しに硬質の感触が触れあい、赫が小さく声を上げる。
「やんっ、修造……」
「赫、オレぁな、お前に惚れてんだよ。じゃなきゃこんなことまでしてねえよ」
はっきり言わなければ分からないのなら、そうしてやる。明日になったら羞恥でのたうち回りそうだったが、さらに言葉を重ねていく。
「好きだよ、赫。だから、お前の全部が欲しい」
「ん、ふふっ」
くぅんと甘ったるく鼻を鳴らした赫は、修造に擦り付けるように腰を動かした。
「あ、あんね、修造、ぼくも……修造のこと、好き」
「知ってる」
答えると、「うん!」と赫が四本の尻尾を振り回した。今度は赫のほうから修造に口づけてきて、ちゅくちゅくと首筋や顎、口唇をついばむように食まれる。
「ん、ふぁ……あ」
くすぐったいような、甘い感触に修造は頭を振った。内股になった足の指先を握り込むと、その間に赫の手が滑り込んできて修造の褌を解く。
「あ、はあっ……赫……」
早くも竿の先から漏れてきている蜜を塗り拡げられ、修造は上ずった声を出した。赫を抱いた指先に力が籠もる。
「あ、そうだ、ねえ修造」
「ん……何だよ」
はたと何かを思い出したように赫は体を起こした。屹立から指が離れ、その切なさに不満げな声を上げてしまう。
ごそごそと胸元に手を突っ込んだ赫は、そこから懐紙入れを取り出した。小さな短冊状の紙切れをつまみ、修造に示す。唾液でふやかして使うぬめり剤――ふのりというやつだ。
「ねえ修造、これ使ってもいい? 貞宗に今日分けてもらったんだ」
(さ、貞宗ェ……!)
赫に求められているという嬉しさと、そこに貞宗が噛んでくるという恥ずかしさに修造の頭が真っ白になる。
「あっ、だ、だめなら大丈夫!」
どんな表情をしていたのか、ぺたりと耳を伏せた赫が慌てて懐紙入れをしまおうとする。その手を押さえ、修造は首を振った。
「だめじゃない、から……」
ぱあっと赫の顔が輝く。赤い爪をした指先が紙をつまみ、緊張した様子で舌の上に乗せる。それを見ながら修造は帯を解き、脚を広げた体勢になっていた。
「赫」
「ん?」
名前を呼ぶと、口をもごもごとさせた赫が修造を見た。ちらりと覗く赤い舌先がてろりと光る。
「色男だよ、赫は」
背中に感じる板の間の感触は固くて冷たい。だが今は、布団を準備する時間すら惜しい。
んふ、と含み笑いをした赫が修造の足の間に頭を埋める。ぬるりとした舌に秘部を濡らされ、修造は喘ぎながら赫の髪を握り込んだ。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
Take On Me
マン太
BL
親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。
初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。
岳とも次第に打ち解ける様になり…。
軽いノリのお話しを目指しています。
※BLに分類していますが軽めです。
※他サイトへも掲載しています。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる