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第一章 幼少期
第七話 世間話
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「おぉーーい! ソーマぁ!」
父さんが僕を呼ぶ声が再び聞こえてきた。
早く行かないと、きっと心配してるだろうし。
僕は声のした方向に走っていく。ほどなくして、父さんが見えた。
「とうさーん!」
「ソーマ! 大丈夫だったか!? 怪我はないか!?」
父さんが、僕を見つけるとすぐに僕を抱きかかえてきた。
「うん、だいじょうぶだよ」
「そうか、よかった……それはそうとソーマ、こんな所に来たらダメだろう?」
「ごめんなさい、おおきなおとがしたからこわくて」
『おいおい、なんだよその普通の子供みてぇな喋り方。気持ちわりぃ』
僕がいつも通り普通の子供のように話すと、ソルが馬鹿にしたように言う。
うるさいな、しかたないだろ? 変に思われたくないんだから。
僕は頭の中でソルに文句を言う。
『ってことはずっと子供のふりをするってのか?』
聞こえるはずがないと思っていた文句に返事があった。
「えっ!? ソル、今の聞こえたの?」
「どうしたんだソーマ。ソルって誰だ?」
しまった。つい口に出ちゃった。
「ううん、何でもないよ」
「そうか? じゃあ帰るぞ。母さんが家で待ってる。母さんも心配してたんだぞ?」
家に向かう途中、僕は父さんにバレないようにこっそりと小声でソルにきく。
「さっきの声、なんで聞こえたの?」
『頭の中に響いてきたんだよ。多分テメェが俺に話したいと思った事は俺に聞こえてくるんだろ』
なるほど、それは便利だな。
(そうだ、ソルさっきの土人形どうしたの?)
『あぁ? どうもしてねぇが? あのままだ』
(えっ! あんなの見られたらまずいんじゃないの?急に現れた土人形だなんて怪しまれるじゃないか)
『知るかそんなもん』
(はぁ、とりあえず明日の朝すぐに壊しに行くからね)
『ちっめんどくせぇな』
めったに人が来ない所だし、大丈夫だと思うんだけどね……
ソルとそんな会話をしていると家が見えてきた。僕は父さんに手を引かれながら家に入る。
「ソーマ見つかったぞー」
「ただいまー」
玄関のすぐ前に立っていた母さんが手を口に当てたかと思うとすぐに僕の近くにやってくる。母さんは膝を折ると僕をきつく抱きしめてきた。
「ソーマちゃん! 無事だったのね! よかったわ! 怪我はない!?」
母さんは僕の体をぺたぺたと触る。いつもののんびりとした口調が無くなるほど焦っていたようだ。
「うん、けがもないし元気だよ」
「そう! よかった……」
母さんは再び僕の体温を確認するかのように僕を強く抱きしめた後、立ち上がった。
「それじゃあご飯にしましょうか~。ソーマちゃんもおなかすいたでしょー?」
いつも通りののんびりした口調に戻った母さんは台所に向かった。
みんなでご飯を食べた後、僕はお風呂に入り、五歳になった時に与えられた自分の部屋に戻っていた。
この世界の文明は魔法に頼っており、お風呂も魔法で沸かしている。
ただ、風呂を沸かす魔道具は高級品で、必要な魔力も多いため、金持ちか魔法使いしか風呂に入ることは出来ない。我が家は母さんが風呂好きで、冒険者の仕事で稼いだお金で風呂用の魔道具を購入し自分で魔力を注いでいるのだ。
ちなみに、魔道具の使い方は魔石をセットするか直接魔力を注ぐかの二通りある。我が家は母さんが魔力を注いでいる。
やっぱりお風呂を沸かす魔道具があって、母さんが魔法使いだっていうのは運がいいんだよな。日本人だからお風呂には入りたいし、ありがたい。
『風呂に入るのは久々だったぜ。やっぱりイイもんだなあれは』
ソルの機嫌良さそうな声が頭の中に響く。
「あれ? ソルは魔力多いんだからいつも入ってたんじゃないの?」
周りに人がいないため、声に出して会話する。頭の中での会話はなんだか変な気分になるんだよね。やっばり人は声に出して話さないと。
『生きてた頃はずっと旅をしてたからな、そんな機会めったに無かったんだよ』
「その旅ってもしかして魔王を倒すための?」
『そうだ。なにせ魔王がいるのが魔族共の領地の真ん中だからな、魔族共に気づかれねぇようにしながらだったから面倒だったぜ』
当時のことを思い出しているのか、ソルは苦々しげに語った。
「魔王退治の旅ってどんなのだったの?」
『そうだな、魔族共の領地には魔物がうじゃうじゃいやがるんだ。なのにバレねぇようにしなきゃなんねぇから派手な魔法は使えねぇし、周囲の警戒も忘れちゃいけねぇしで散々な旅だったぜ。おかげで魔法の工夫が得意になっちまった』
「領地に魔物がいて、魔族は大丈夫なの?」
『あぁ、アイツらは魔物を従える魔法が使えるからな。っていっても従えられる魔物の強さと数は、魔法の使用者の技量に比例するんだがな。魔王はその魔法が得意な奴で、魔王が治めている国の周りにはAランクの魔物共が国を守ってやがったんだよ』
魔物が国を守る、か。変な話だね。他の種族にとっては魔物は人を襲う害獣っていうイメージが強いからね。
『そいつらと戦うんなら流石にバレねぇように加減してってわけにはいかねぇからな。こっそり忍び込んで魔王の所まで行ったんだよ。
魔王もまさか少人数で攻めてくるとは思ってなかったんだろ。城の前までは簡単に行けた。だが城の中に入った時に「こんな所で戦っては国が滅ぶ。場所を変えよう」って声が頭の中でしてな。俺達は荒野に転移させられた』
「転移させられたってそれだと相手を地中深くとか空へ転移させれば倒せるんじゃ?」
そんなことが出来るなら勝ち目はないんじゃないのかな。
『いや、転移魔法を相手にかける場合は相手の許可が必要だ。魔王がかけてきた転移は危険は無いってわかってたからな受け入れたんだよ。オレ達も魔族共の国を壊してぇわけじゃねぇしな』
「魔族を全員殺そうとしなかったの? 魔族は悪なんでしょ?」
今まで読んできた本は全て、魔族は悪だと書いてあった。人族を滅ぼそうとする恐ろしい種族だと。
『あぁ? そんなのは一部のヤツらだよ。他の魔族は別に凶悪ってわけじゃねぇ。人族以外の国じゃあ魔族と共生してたりもするんだぜ』
「へぇ、そうなんだ。じゃあ本に魔族が凶悪だって書かれてたのは魔族との戦争を正当化するためか」
国が国民たちを納得させる為に魔族を悪に仕立て上げたんだろう。魔族は悪だ。だから倒さねばならないと。そう国民たちに信じ込ませれば戦争に反対しようとする人は少なくなるだろうから。
『そういうことだ。じゃあ話を戻すぞ。転移させられたオレ達は魔王と戦い、瀕死にまで追い詰めた。まぁ、オレ達もだいぶやられちまってたがな。
で、魔王にトドメを刺そうとした時に、配下の魔族共が転移してきやがって、オレに魔法を放ってきたんだ。
ご丁寧なことに打ち消すのが難しい雷魔法をな。
オレ達全員を殺すのは無理でも俺だけは殺そうとしたんだろうよ。その魔法を受けたオレは最後の力で魔王を道連れに死んだってわけだ』
道連れ……もしかして死ぬ時に聞こえたソルの声は魔王に向けたものだったのかな。それに、受けたのは雷魔法……僕もあのとき体が痺れてた……何か関係があるのかも。それじゃあソルが僕を殺したんじゃないのかな。
「なるほどねぇ、そういえばソルは苗字があるから貴族なんだよね? じゃあどうして魔王退治なんて危ないことしてたの?」
貴族ってなんだか、安全そうな所で悠々と暮らしているイメージだし。
『オレは魔族共との戦争で戦果を挙げて貴族になったんだよ。その時に家名を貰ったんだ。それに貴族ってのは魔法使いが多いからな。戦争に駆り出されるのも珍しくねぇぞ』
魔法の適正は遺伝するらしいから、貴族は優秀な魔法使いの血を取り入れて、家系に多く魔法使いが生まれるようにしているのだ。
まぁそれも絶対じゃなくて貴族の家系でも大した魔法が使えなかったり、逆に両親が普通の人でも優れた魔法の才を持って生まれることもあるらしい。
「へぇ、イメージと違うね」
『そりゃテメェがイメージしてるような貴族共もいるが、戦争で活躍したり、自分の領地に出た魔物を自分で退治したりする貴族もいるんだよ』
「そっか、自分で退治すれば人を雇わなくていいからその分早く対処できるし、お金も浮くね」
『あぁ、そうだ。それと家を継げない次男以降の貴族とかは冒険者をやってるヤツもいるんだぜ』
貴族が冒険者になる、か。前世で読んでたラノベの影響か貴族にいいイメージないんだよね……傲慢で威張り散らしてるイメージとかしかないや。
「貴族が冒険者になるって問題とか起きないの?」
『そりゃあ多少問題も起きるがギルド側も気を遣ってるからな。大した問題は起きねぇよ』
なるほど、ギルドからしたら冒険者が減ると困るからね。その辺は対応してるのか。
「じゃあさ……ふわぁ」
話している途中に大きなあくびが出る。幼いこの身体は早くも睡眠を欲しているようだった。
『ハハハハ! ガキはもうオネムの時間だな!』
「うる……さい……な」
その言葉を最後に僕の意識は沈んでいった。
父さんが僕を呼ぶ声が再び聞こえてきた。
早く行かないと、きっと心配してるだろうし。
僕は声のした方向に走っていく。ほどなくして、父さんが見えた。
「とうさーん!」
「ソーマ! 大丈夫だったか!? 怪我はないか!?」
父さんが、僕を見つけるとすぐに僕を抱きかかえてきた。
「うん、だいじょうぶだよ」
「そうか、よかった……それはそうとソーマ、こんな所に来たらダメだろう?」
「ごめんなさい、おおきなおとがしたからこわくて」
『おいおい、なんだよその普通の子供みてぇな喋り方。気持ちわりぃ』
僕がいつも通り普通の子供のように話すと、ソルが馬鹿にしたように言う。
うるさいな、しかたないだろ? 変に思われたくないんだから。
僕は頭の中でソルに文句を言う。
『ってことはずっと子供のふりをするってのか?』
聞こえるはずがないと思っていた文句に返事があった。
「えっ!? ソル、今の聞こえたの?」
「どうしたんだソーマ。ソルって誰だ?」
しまった。つい口に出ちゃった。
「ううん、何でもないよ」
「そうか? じゃあ帰るぞ。母さんが家で待ってる。母さんも心配してたんだぞ?」
家に向かう途中、僕は父さんにバレないようにこっそりと小声でソルにきく。
「さっきの声、なんで聞こえたの?」
『頭の中に響いてきたんだよ。多分テメェが俺に話したいと思った事は俺に聞こえてくるんだろ』
なるほど、それは便利だな。
(そうだ、ソルさっきの土人形どうしたの?)
『あぁ? どうもしてねぇが? あのままだ』
(えっ! あんなの見られたらまずいんじゃないの?急に現れた土人形だなんて怪しまれるじゃないか)
『知るかそんなもん』
(はぁ、とりあえず明日の朝すぐに壊しに行くからね)
『ちっめんどくせぇな』
めったに人が来ない所だし、大丈夫だと思うんだけどね……
ソルとそんな会話をしていると家が見えてきた。僕は父さんに手を引かれながら家に入る。
「ソーマ見つかったぞー」
「ただいまー」
玄関のすぐ前に立っていた母さんが手を口に当てたかと思うとすぐに僕の近くにやってくる。母さんは膝を折ると僕をきつく抱きしめてきた。
「ソーマちゃん! 無事だったのね! よかったわ! 怪我はない!?」
母さんは僕の体をぺたぺたと触る。いつもののんびりとした口調が無くなるほど焦っていたようだ。
「うん、けがもないし元気だよ」
「そう! よかった……」
母さんは再び僕の体温を確認するかのように僕を強く抱きしめた後、立ち上がった。
「それじゃあご飯にしましょうか~。ソーマちゃんもおなかすいたでしょー?」
いつも通りののんびりした口調に戻った母さんは台所に向かった。
みんなでご飯を食べた後、僕はお風呂に入り、五歳になった時に与えられた自分の部屋に戻っていた。
この世界の文明は魔法に頼っており、お風呂も魔法で沸かしている。
ただ、風呂を沸かす魔道具は高級品で、必要な魔力も多いため、金持ちか魔法使いしか風呂に入ることは出来ない。我が家は母さんが風呂好きで、冒険者の仕事で稼いだお金で風呂用の魔道具を購入し自分で魔力を注いでいるのだ。
ちなみに、魔道具の使い方は魔石をセットするか直接魔力を注ぐかの二通りある。我が家は母さんが魔力を注いでいる。
やっぱりお風呂を沸かす魔道具があって、母さんが魔法使いだっていうのは運がいいんだよな。日本人だからお風呂には入りたいし、ありがたい。
『風呂に入るのは久々だったぜ。やっぱりイイもんだなあれは』
ソルの機嫌良さそうな声が頭の中に響く。
「あれ? ソルは魔力多いんだからいつも入ってたんじゃないの?」
周りに人がいないため、声に出して会話する。頭の中での会話はなんだか変な気分になるんだよね。やっばり人は声に出して話さないと。
『生きてた頃はずっと旅をしてたからな、そんな機会めったに無かったんだよ』
「その旅ってもしかして魔王を倒すための?」
『そうだ。なにせ魔王がいるのが魔族共の領地の真ん中だからな、魔族共に気づかれねぇようにしながらだったから面倒だったぜ』
当時のことを思い出しているのか、ソルは苦々しげに語った。
「魔王退治の旅ってどんなのだったの?」
『そうだな、魔族共の領地には魔物がうじゃうじゃいやがるんだ。なのにバレねぇようにしなきゃなんねぇから派手な魔法は使えねぇし、周囲の警戒も忘れちゃいけねぇしで散々な旅だったぜ。おかげで魔法の工夫が得意になっちまった』
「領地に魔物がいて、魔族は大丈夫なの?」
『あぁ、アイツらは魔物を従える魔法が使えるからな。っていっても従えられる魔物の強さと数は、魔法の使用者の技量に比例するんだがな。魔王はその魔法が得意な奴で、魔王が治めている国の周りにはAランクの魔物共が国を守ってやがったんだよ』
魔物が国を守る、か。変な話だね。他の種族にとっては魔物は人を襲う害獣っていうイメージが強いからね。
『そいつらと戦うんなら流石にバレねぇように加減してってわけにはいかねぇからな。こっそり忍び込んで魔王の所まで行ったんだよ。
魔王もまさか少人数で攻めてくるとは思ってなかったんだろ。城の前までは簡単に行けた。だが城の中に入った時に「こんな所で戦っては国が滅ぶ。場所を変えよう」って声が頭の中でしてな。俺達は荒野に転移させられた』
「転移させられたってそれだと相手を地中深くとか空へ転移させれば倒せるんじゃ?」
そんなことが出来るなら勝ち目はないんじゃないのかな。
『いや、転移魔法を相手にかける場合は相手の許可が必要だ。魔王がかけてきた転移は危険は無いってわかってたからな受け入れたんだよ。オレ達も魔族共の国を壊してぇわけじゃねぇしな』
「魔族を全員殺そうとしなかったの? 魔族は悪なんでしょ?」
今まで読んできた本は全て、魔族は悪だと書いてあった。人族を滅ぼそうとする恐ろしい種族だと。
『あぁ? そんなのは一部のヤツらだよ。他の魔族は別に凶悪ってわけじゃねぇ。人族以外の国じゃあ魔族と共生してたりもするんだぜ』
「へぇ、そうなんだ。じゃあ本に魔族が凶悪だって書かれてたのは魔族との戦争を正当化するためか」
国が国民たちを納得させる為に魔族を悪に仕立て上げたんだろう。魔族は悪だ。だから倒さねばならないと。そう国民たちに信じ込ませれば戦争に反対しようとする人は少なくなるだろうから。
『そういうことだ。じゃあ話を戻すぞ。転移させられたオレ達は魔王と戦い、瀕死にまで追い詰めた。まぁ、オレ達もだいぶやられちまってたがな。
で、魔王にトドメを刺そうとした時に、配下の魔族共が転移してきやがって、オレに魔法を放ってきたんだ。
ご丁寧なことに打ち消すのが難しい雷魔法をな。
オレ達全員を殺すのは無理でも俺だけは殺そうとしたんだろうよ。その魔法を受けたオレは最後の力で魔王を道連れに死んだってわけだ』
道連れ……もしかして死ぬ時に聞こえたソルの声は魔王に向けたものだったのかな。それに、受けたのは雷魔法……僕もあのとき体が痺れてた……何か関係があるのかも。それじゃあソルが僕を殺したんじゃないのかな。
「なるほどねぇ、そういえばソルは苗字があるから貴族なんだよね? じゃあどうして魔王退治なんて危ないことしてたの?」
貴族ってなんだか、安全そうな所で悠々と暮らしているイメージだし。
『オレは魔族共との戦争で戦果を挙げて貴族になったんだよ。その時に家名を貰ったんだ。それに貴族ってのは魔法使いが多いからな。戦争に駆り出されるのも珍しくねぇぞ』
魔法の適正は遺伝するらしいから、貴族は優秀な魔法使いの血を取り入れて、家系に多く魔法使いが生まれるようにしているのだ。
まぁそれも絶対じゃなくて貴族の家系でも大した魔法が使えなかったり、逆に両親が普通の人でも優れた魔法の才を持って生まれることもあるらしい。
「へぇ、イメージと違うね」
『そりゃテメェがイメージしてるような貴族共もいるが、戦争で活躍したり、自分の領地に出た魔物を自分で退治したりする貴族もいるんだよ』
「そっか、自分で退治すれば人を雇わなくていいからその分早く対処できるし、お金も浮くね」
『あぁ、そうだ。それと家を継げない次男以降の貴族とかは冒険者をやってるヤツもいるんだぜ』
貴族が冒険者になる、か。前世で読んでたラノベの影響か貴族にいいイメージないんだよね……傲慢で威張り散らしてるイメージとかしかないや。
「貴族が冒険者になるって問題とか起きないの?」
『そりゃあ多少問題も起きるがギルド側も気を遣ってるからな。大した問題は起きねぇよ』
なるほど、ギルドからしたら冒険者が減ると困るからね。その辺は対応してるのか。
「じゃあさ……ふわぁ」
話している途中に大きなあくびが出る。幼いこの身体は早くも睡眠を欲しているようだった。
『ハハハハ! ガキはもうオネムの時間だな!』
「うる……さい……な」
その言葉を最後に僕の意識は沈んでいった。
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