失ってから始まる異世界生活

ヒロ

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始まりの町 イステリア

25話 初めてのリザードマン退治 その2

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 リザードマンの集落を目視で確認できる位置まできて、ここからは俺一人で行くことになった。
 スキル隠密発動
「おぉ気配を感じなくなった?姿も急に消えましたね。確かにこれなら中にも入れますね。」
 バルゴの肩に手を置いた。
「でもこんな風に人に触れたり、少しでも声を出すとすぐバレるので注意が必要なんですよ!」

「なるほど!では気をつけて行ってください。あっこれを持って行ってください。MP回復薬です。」

「ありがとうございます!では行ってきます。」
 スキル隠密発動

 息を潜めながらゆっくり歩き、集落の門番らしき者の横から中に入って行った。
 中に入ってから驚いたのは、だいぶ荒んでいたからだ。
 オークの村は発展著しい感じだったが、ここはどちらかと言えば荒廃してる感じだった。
 こんな状態で争いを仕掛けてくるなんて、何かありそうだな。
 中を散策していると井戸があってリザードマンが井戸端会議をしていたので、少し聞き耳を立てることにした。
「今度はミズラのとこが餓死しそうだってよ。いよいよヤバくなってきたよな。早くあのくそオークどもを支配下におかないと本当ヤバいぞ。」
 餓死?今の話だと他にも餓死者がいそうだな。それでオークを狙ってるのか?
 であれば話し合いとかになんとかもっていけないかな?

 それから隠れながら周囲の状況を確認していると、一際大きな建物があって、ここに偉い人がいそうな雰囲気だった。
 なんとか偉い人との話し合いで解決できないだろうか。

 ただ扉を開けるとバレそうなんだよな。
 誰か来たタイミングで入れないものかな?
 少し様子を見ながら待っていると、二人のリザードウーマン?がやってきて入っていったが、荷物を抱えていたため、扉を開けたままはいっていったので、チャンスとばかりにすっと中に入り込むことができた。
 ふぅなんとか入り込めたぞ。
 先に入った二人の後ろをついて行ってみると奥の部屋の方に少し年老いたリザードマンがいたが、どうやら病気らしくベッドに横たわっていた。
 他の部屋にはリザードマンはいないし、あの寝ているリザードマンが偉い人なんだろうか?
 「その可能性が高いですね。」
 おぉ久しぶりのナビさん。
 「マスターあのリザードマンは個体名があります。上位種である可能性が高いです。しかし、毒による効果でだいぶ弱体化しているみたいです。今ならマスター1人でも倒すことができます。」
 え?うーんなんか病弱な人と戦うのはいやだな。
 「仮に状態が正常な場合は今のレベルでは100%勝てません。」
 え?なんとか話し合いできないものかな?

「誰かいるのか?」

「すみません、冷静に話を聞いてもらえますか?」
話しかけたことで隠密の効果がとけた。

「ん?ヒューマンか?なぜここに?」

「なぜオークの村を襲っているのですか?」

「ふん、ヒューマンに話すのもなんだがな。
この集落は謎の病気が蔓延していてな。
食べ物なども汚染されて、食べる物もなくなってどんどんみな弱ってきている。
だからオークの村を占領し、食糧を得なければ我々が助かることはできないと判断したまでだ。」

「オークを襲うのではなく助けを求めることは出来なかったのですか?」

「は!我ら竜族の端くれと言えど、あんな豚などに助けを求めることなどできんわ!ごほごほ」

「どうにか両方が和解する道はないんですか?」

「くどい!我らは自分たちが認めた強者とかしか話し合いはせん。
あんな弱い豚ごときと和解することなどないわ。」

「待ってください!彼らの中からオークキングが産まれたことで、種族として進化しハイオークになる者も現れています。
あなたの言う強者も出てきているんです。」

「何?オークキングだと?そなたの話が本当であれば最近の戦闘の苦戦も頷けると言うものだ。
若いやつらが戦い下手なだけだと思っていたんだがな。」

「分かってもらえましたか?」

「ふん、だが実際に見てみないことにはな。
どうだ、こちらの代表とオークの代表で闘い、その結果で示すと言うのは?」

「私には決定権はありません。
少し時間をください。キングと交渉してきます。」

「分かった、この争いも長くなりそうで困っていたのも確かだ。
もしもこちらの代表がオークに負けるようなことがあれば、こちらの非を認めて戦闘の中止と謝罪をしようではないか。
だが、こちらが勝ったら食糧1年分とオークの領土を分配してもらいたい。
そのことをしっかりとオークキングに報告してくれ。」

「わかりました。
すぐに報告してきます。」

「うむ、話のわかるヒューマンで良かったわい。
おーい誰か、きてくれ。」

「はっ長老さま、ここに参りました。
ん?こやつは何者ですか?不審者ですか?」

「いや、いいんだ、こやつはオークの使者だ、門まで案内してやってくれ。」

「はっ」

歩きながら値踏みされるようにジロジロ見られたが、そのまま無言で歩いているとすぐ門についた。

「オークキングに状況を報告してまたきます。」

「門番には話を通しておこう。
おいこいつを通してやれ、オークの使者だ。」

「え?いつのまにそんな使者が?」

「私もわからんが長老様のいいつけだ、また来るそうだからその時は私まで連絡しろ。」

「はい、わかりました。」

ふぅ、なんとか無事出られたがキングはなんて言うかな?
とりあえず急いでオークの村に帰ることにした。









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