111 / 165
第四章 ざわめく水面~朴念仁と二人の少女~
第六話 湯けむりの中
しおりを挟むエルモ市は、アーク王国の西部地方に位置する都市だ。
人口は十万人程度。
アークの都市の中では小規模な方で、その面積も割と小さめだったが、それでもアテネ出身のダーンには大きな都市に思えた。
既に時刻は夜の九時半を回っているというのに、街の街路灯が煌々と灯っており、舗装された道路には理力自動車が何台か行き来していた。
理力自動車――――
おもにアーク王国の企業が開発した車で、馬の代わりに動力は理力エンジンを使っている。
アテネには全く普及していないが、アーク王国やブリティア王国などの理力先進国では普及し始めていて、特にアーク王国は、自動車王国と言っても差し支えない。
また、アーク王国には理力自動車の教習所や免許制度の導入などが成されてもいた。
そんな理力自動車の一台が、街の入り口あたりに停車しているのをステフは見つけ、そこに駆け寄っていく。
よく見ると、車内には執事のように整った服装をした男が乗っていて、ステフは窓越しにその男と話をしているようだ。
そして、ステフはダーンの方を振り返り、大きく手を上げて手招きする。
ダーンが近付くと、理力自動車の後部ドアが開いて、ステフがそこに回り込みダーンに中へ乗るよう促した。
「なんだ? これ」
ダーンは車内に乗り込むや、後で隣に乗り込んできたステフに問いかける。
「旅客運行業の車なの。……アークでは『タクシー』って言われているんだけど、実は、その言葉の意味や語源がわからずに使われている名称なのよ」
おもむろに説明を始めるステフ。
と同時に、理力自動車は滑り出すように動き出し始める。
「お客さん、一応語源というか、かの古代王国アルゼティルスで同じ様な仕事があって、それがタクシーって言っていたのが有力な説ですよ」
理力自動車を運転する男が補足する。
「へえ……詳しいのね……って、本業の人なんだから当たり前かな」
「いえ、恐縮です」
運転手は見た目五十歳程度だと感じたが、見た目も実際も十七歳の少女に対して随分と丁寧に応じた。
「それで、どこに向かっているんだ?」
運転手の男になんとなく引っかかるものを感じたステフだったが、隣のダーンが行き先を尋ねてきたために、特にそれ以上考えることなく、ダーンに答える。
「温泉旅館、『白水』よ。この街はね、アテネ有数の温泉街なの……。あたしも結構お忍びで来たことあるんだけど、この白水さんが、また絶景の露天があって……」
はしゃぐように説明をしだすステフ……彼女の『失言』にあえて突っ込まないようにして、ダーンは苦笑いを噛みしめた。
『温泉イベントですか……』
なんか半目で睨みながら言われているような気がするソルブライトの念話に、ステフは胸元を睨む。
「言っておくけど、温泉だからって何でもかんでもお色気イベントと思わないコトね。ここはアーク王国よ。……先進の法治国家なんだから、間違っても混浴だとかそこのラッキースケベが喜ぶようなことは起こりえないの」
「ひどい言われようだな……」
悪態を返すものの、実際には胸に覚えのある事ばかりなので言い返せないダーン。
『法治国家ですか……あなたの母親と父親を知っている私には、そう言われてもいまいちピンとこないのですが……』
「ん? それ、どういう意味よ?」
『いえ、一応レイナーのプライベートなことですから、忘れて下さい。それに、あなたには刺激が強すぎます』
しれっと言い返すソルブライトに、少女は釈然としないものを感じたが、そうこうしているうちに、車が止まり、目的地にたどり着いたため、結局それ以上の追求はできなかった。
☆
温泉旅館『白水』のフロントで、宿泊の手続きをするステフは、旅館の女将からの説明を聞き、絶句していた。
その旅館は、全部で六十の部屋がある。
建物自体は、鉄骨と不燃素材をかためたボードなどを組み合わせて建築された五階建てのものだ。
ステフが宿泊の手続きを申し込んだその時、その少し前に丁度団体客がチェックインしていて、五十九の部屋が埋まっているらしい。
そして唯一空いていたのが、最上階にあるスウィートだったのだ。
価格は通常の部屋の五倍程度だったが、ステフならそのくらいの会計は、このアークにおいてなら可能だった。
アーク国内では、先進国家間で共通の通貨のほか、理力データで管理された通貨が存在する。
『理力マネーカード』と呼称されるもので、実際の通貨を支払ってその通貨価格分の『値』がカードにデータとして保存され、それを端末で処理することで、通貨の実物を持たずに会計ができるというものだ。
ステフもこのカードを持っていて、そのカードにはダーンの給料にして二年分ほどは残高があった。
だから、彼女が絶句したのは、価格のことではない。
そのスウィートルームは、二人用のダブルベッドだったのだ。
『べつにいいではないですか……昨日の夜だって、同じ部屋で寝泊まりしたのですし、また彼をソファーにでも追いやっておけば、昨日と変わりませんよ』
秘話状態で、ステフだけに聞こえるように言うソルブライトは、明らかに楽しそうだった。
『でも、ダブルのスウィートって、こんな観光地でそういう部屋って、新婚さんとかがハネムーンで使ってるって……前来たときカレリアが……』
『それは、ご想像の通りでしょうね。それで妙に意識してしまっているのですか……難しい年頃ですね』
お互い秘話状態で、話を続けるステフとソルブライト。
その二人に、怪訝な表情のダーンだったが、何となく、旅館の現状は察しているようで、若干赤くなりながら黙っている。
時刻は九時半を回りつつあり、この後他の宿を探しても見つからないだろう。
そもそも、こんな遅くに予約もなしに泊まれる旅館などここをおいて他にありはしない。
結局、ステフ達はそのスウィートに泊まることとなった。
☆
チェックインを終えたステフ達は、向かった部屋の豪華さに驚き、明らかに新婚ホヤホヤのカップルのために考えられた旅館側の気配りに赤面したりと、色々大変だった。
その後、取り敢えずせっかくの温泉なのだからということで、各々別れて露天風呂に向かっているのだが。
脱衣所で服を脱ぎながら、ステフはふと違和感を覚えた。
脱衣所が無人だったのだ。
確か、駆け込みの団体客で一気に満室に近い状況になったということだったが、もしかして、全員男性だったのだろうか。
以前来たときは、客の少ない平日を狙って予約し入ったため、結構空いていたが、それでも数人の女性客がいたのだ。
もっとも、今回は平日の上に既に午後十時を回りつつある。
お客がいないのも考えられることではあった。
「一応、ソルブライトも入る?」
裸体になって、唯一身につけていたペンダントの宝玉に語りかける。
『さて……この状態で温泉に入って何が楽しいのでしょう。……まあ、冗談はともかく、万が一のこともありますから私を携行していってください』
「そうね……。でも、ここの警備装置って優秀だから、多分大丈夫よ。露天の奥に渓谷と小さな滝があるんだけど、その周辺は立ち入り禁止でね、不法侵入者にはレーザーで攻撃したり、高圧電流でバリバリって……」
『……のぞきだけで即決の死刑ですか? なかなか過激な法治国家ですね』
「殺さないわよ! ……動けなくはなるだろうけど」
苦笑いしつつ、ステフは露天の方に向かい始める。
脱衣所から引き戸を抜けて出ると、屋根だけがあるシャワーが設置された洗い場があり、その先は湯気が厚く立ちこめる湯殿だ。
奥の方からは、渓谷を挟んで向こう側にある滝の音や、その下の渓流のせせらぎなどが湿気の多い空気を振るわせている。
それほど冷え込んでもいないはずなのに、随分と湯気が立ちこめているような印象だが――――
ステフが歩いて行く左手側は、竹細工でできた背の高い仕切りがある。
『まさか、男湯との仕切り版には軍用の装甲版が仕込んであるとか……』
「え……知っているの?」
『…………冗談で聞いたつもりでしたが。あら……どうやら、あちら側にはダーンがいるようですね』
「え……あ……そりゃあ、一緒のタイミングで男湯に入っていったんだから、いるでしょ」
洗い場と湯殿の合間にある、かけ湯用の樽に木桶を入れて、その湯を掬って浴びるステフ。
その彼女の耳に、同じく仕切り版の向こう側で、かけ湯を浴びるような音が飛び込んで来た。
ダーンが同じように裸であちら側にいる――――
ソルブライトの一言で妙に意識してしまったステフだったが、軽く深呼吸して湯殿に歩き始める。
「だいたい……向こうはダーンだけじゃないでしょ。もっとお客さんいるだろうし」
「いや……一人だが」
左からダーンの声がして、ステフは肩を竦めた。
『聞き耳でも立ててましたか?』
ソルブライトの突っ込みに、ダーンが喉を詰まらせるような気配があった。
「スケベ……」
ステフの責めるような一言が呟かれる。
「いやいや……こうやって話ができるんだぜ。普通に筒抜けなんだよ。それに、ソルブライトの念話は音の遮断は関係ないしさ……」
「どうして秘話にしてないのよ」
『……秘話モードがある事すらあちらは知らなかったのに』
「う……うるさいわね」
ステフが言葉に詰まる中、ダーンからは「やっぱ内緒話してたのか」との突っ込みが入る。
「いいじゃない、少しくらい内緒話したってさ、ねえ、ソルブライト」
『そうですね……ところで、ダーンとも同じように秘話モードがあるとしたら、どうですか』
「ダーンの脳に端子突っ込んで、情報公開を求めるわ……ええ、強制的に」
そんなことを言いながら、ステフは湯の中を奥の方に進んでいく。
湯殿の奥、渓流の見えるあたりがとても見晴らしがよく、お気に入りの場所なのだ。
そして仕切りの向こうでも、ざばざばと湯を蹴る音がするので、どうやらダーンもすぐ隣あたりを進んでいるらしい。
――仕切りがあるとはいえ……やっぱこう近いと恥ずかしいかも……。
「いや、それにしても、広い露天だな。俺こんなところ初めてだ」
「……喜んでもらえてどうも。奥の方に渓谷があるわ。そっちからも見えると思うけど……女湯は見えないからね、あしからず」
「見ないってばッ」
「どーだか……そんな風に言っていたって、結局ダーンってば、あたしの裸チラ見したりとかするし…………たまたま視界に入ったーとか言ったりしてさ。無意識にそういうスケベなイベントを起こす、妙な宿命にでも囚われているんじゃないの?」
『そのとおりですね……まさに……』
ソルブライトの随分と弾む意地悪な声。
その念話と同時に、ステフは妙に空間が開けたような感覚になり、本来あるはずの仕切りの方から空気の流れを剥き出しの肌に感じた。
その空気の流れてくる方向に視線を送れば――――
立ちこめる湯けむりが風にかき消され、琥珀の視線と蒼穹の視線が直に交錯する。
そして乳白色の湯を股下あたりまでの深さに浸かった二人は――――
お互い生まれたままの姿で息を呑み、同時に硬直してしまうのだった。
0
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説
元使用人の公爵様は、不遇の伯爵令嬢を愛してやまない。
碧野葉菜
恋愛
フランチェスカ家の伯爵令嬢、アンジェリカは、両親と妹にいない者として扱われ、地下室の部屋で一人寂しく暮らしていた。
そんな彼女の孤独を癒してくれたのは、使用人のクラウスだけ。
彼がいなくなってからというもの、アンジェリカは生きる気力すら失っていた。
そんなある日、フランチェスカ家が破綻し、借金を返すため、アンジェリカは娼館に売られそうになる。
しかし、突然現れたブリオット公爵家からの使者に、縁談を持ちかけられる。
戸惑いながらブリオット家に連れられたアンジェリカ、そこで再会したのはなんと、幼い頃離れ離れになったクラウスだった――。
8年の時を経て、立派な紳士に成長した彼は、アンジェリカを妻にすると強引に迫ってきて――!?
執着系年下美形公爵×不遇の無自覚美人令嬢の、西洋貴族溺愛ストーリー!

女神の代わりに異世界漫遊 ~ほのぼの・まったり。時々、ざまぁ?~
大福にゃここ
ファンタジー
目の前に、女神を名乗る女性が立っていた。
麗しい彼女の願いは「自分の代わりに世界を見て欲しい」それだけ。
使命も何もなく、ただ、その世界で楽しく生きていくだけでいいらしい。
厳しい異世界で生き抜く為のスキルも色々と貰い、食いしん坊だけど優しくて可愛い従魔も一緒!
忙しくて自由のない女神の代わりに、異世界を楽しんでこよう♪
13話目くらいから話が動きますので、気長にお付き合いください!
最初はとっつきにくいかもしれませんが、どうか続きを読んでみてくださいね^^
※お気に入り登録や感想がとても励みになっています。 ありがとうございます!
(なかなかお返事書けなくてごめんなさい)
※小説家になろう様にも投稿しています

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…


そして、アドレーヌは眠る。
緋島礼桜
ファンタジー
長く続いた大戦、それにより腐りきった大地と生命を『奇跡の力』で蘇らせ終戦へと導いた女王――アドレーヌ・エナ・リンクス。
彼女はその偉業と引き換えに長い眠りについてしまいました。彼女を称え、崇め、祀った人々は彼女の名が付けられた新たな王国を創りました。
眠り続けるアドレーヌ。そこに生きる者たちによって受け継がれていく物語―――そして、辿りつく真実と結末。
これは、およそ千年続いたアドレーヌ王国の、始まりと終わりの物語です。
*あらすじ*
~第一篇~
かつての大戦により鉄くずと化し投棄された負の遺産『兵器』を回収する者たち―――狩人(ハンター)。
それを生業とし、娘と共に旅をするアーサガ・トルトはその活躍ぶりから『漆黒の弾丸』と呼ばれていた。
そんな彼はとある噂を切っ掛けに、想い人と娘の絆が揺れ動くことになる―――。
~第二篇~
アドレーヌ女王の血を継ぐ王族エミレス・ノト・リンクス王女は王国東方の街ノーテルの屋敷で暮らしていた。
中肉中背、そばかすに見た目も地味…そんな引け目から人前を避けてきた彼女はある日、とある男性と出会う。
それが、彼女の過去と未来に関わる大切な恋愛となっていく―――。
~第三篇~
かつての反乱により一斉排除の対象とされ、長い年月虐げられ続けているイニム…ネフ族。
『ネフ狩り』と呼ばれる駆逐行為は隠れ里にて暮らしていた青年キ・シエの全てを奪っていった。
愛する者、腕、両目を失った彼は名も一族の誇りすらも捨て、復讐に呑まれていく―――。
~第四篇~
最南端の村で暮らすソラはいつものように兄のお使いに王都へ行った帰り、謎の男二人組に襲われる。
辛くも通りすがりの旅人に助けられるが、その男もまた全身黒尽くめに口紅を塗った奇抜な出で立ちで…。
この出会いをきっかけに彼女の日常は一変し歴史を覆すような大事件へと巻き込まれていく―――。
*
*2020年まで某サイトで投稿していたものですがサイト閉鎖に伴い、加筆修正して完結を目標に再投稿したいと思います。
*他小説家になろう、アルファポリスでも投稿しています。
*毎週、火曜日に更新を予定しています。
散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。
アノマロカリス
ファンタジー
僕こと…ディスト・ランゼウスは、経験値を倍増させてパーティーの成長を急成長させるスキルを持っていた。
それにあやかった剣士ディランは、僕と共にパーティーを集めて成長して行き…数々の魔王軍の配下を討伐して行き、なんと勇者の称号を得る事になった。
するとディランは、勇者の称号を得てからというもの…態度が横柄になり、更にはパーティーメンバー達も調子付いて行った。
それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき…
遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。
……とまぁ、ここまでは良くある話。
僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき…
遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。
「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」
それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。
なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…?
2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。
皆様お陰です、有り難う御座います。

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。
千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。
気付いたら、異世界に転生していた。
なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!?
物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です!
※この話は小説家になろう様へも掲載しています

金喰い虫ですって!? 婚約破棄&追放された用済み聖女は、実は妖精の愛し子でした ~田舎に帰って妖精さんたちと幸せに暮らします~
アトハ
ファンタジー
「貴様はもう用済みだ。『聖女』などという迷信に踊らされて大損だった。どこへでも行くが良い」
突然の宣告で、国外追放。国のため、必死で毎日祈りを捧げたのに、その仕打ちはあんまりでではありませんか!
魔法技術が進んだ今、妖精への祈りという不確かな力を行使する聖女は国にとっての『金喰い虫』とのことですが。
「これから大災厄が来るのにね~」
「ばかな国だね~。自ら聖女様を手放そうなんて~」
妖精の声が聞こえる私は、知っています。
この国には、間もなく前代未聞の災厄が訪れるということを。
もう国のことなんて知りません。
追放したのはそっちです!
故郷に戻ってゆっくりさせてもらいますからね!
※ 他の小説サイト様にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる