超常の神剣 タキオン・ソード! ~闘神王列伝Ⅰ~

駿河防人

文字の大きさ
上 下
103 / 165
幕間  騎士の誓い~過激な香辛料は照れ隠し~

第四話  果たされるべき約束

しおりを挟む

 大盛りのカレーを一気に完食したダーンは、炭酸水を一気に飲み干してから一息く。


――これはもう、見事としか言いようがない……。


  実はこの食堂に来る前に、たとえ大して旨くなくても食べ尽くして「旨かった」と言ってやろうと考えていたが、そんな必要は全くなかった。

 ダーンもカレーは大好物で、よく義母のミリュウや義妹のリリスが作ったものを食べていたが、ことカレーに関しては、今まで食べてきたものよりもおいしかったのではないだろうか?

 最初に口に含んだとき、口腔内から鼻腔にさわやかな香辛料の香りが広がり、しやくすると、適度にかために炊きあげたご飯の食感と煮込んだカレールウの旨みが、まるで口の中の粘膜に染みこむようにでんする。
 煮込んだ牛肉や野菜の旨みもかむ度にその様相を変えていき、飲みこむことが惜しくさえなった。

 しかし空腹のためか、あるいはこのカレーには何か魔法でもかかっているのか、次の一口を猛烈に欲し、咀嚼物を飲みこむと同時にスプーンで次をすくってしまう。

 そして、最初の内はほとんど感じなかったのに、やがて後から猛然と辛さが襲ってくるのだが、その頃には、このカレーの魅力に取り込まれていて、カレーを口に運ぶ手が止まらなくなっているのだった。


 たしか、ステフは遺跡を出た直後に「絶品な味付けで口に運ぶことを止められなくなるのに、敗北感を味わうような必殺の一食をお見舞いしてあげる」と、こちらに言い放っていたが――――

 まさにその通りになってしまった。

 そのため、凄く旨いものを食べさせてもらったのに、正直言ってなんか悔しい。

 その悔しさを胸の奥にぐっと堪えながら、やはり自分の欲求には逆らえなかった。

 香辛料の影響で、口の中やのどの奥が焼けるような気分のままダーンは、もの凄い笑顔になっているステフに、何となく視線をらしつつ、自分のカレー皿を持ち上げて彼女の方に差し出すと――――

「お……お代わり……」

 気まずそうにしつつ、押さえきれない欲求を吐露した。

「うん、まだあるからどんどん食べてね」

 ちょっと照れ気味に言って、ステフはカレー皿を受け取り先程よりは軽めに盛りつけていく。

「勝負ありましたね……。それにしても、これは見事ですわ……私も料理は得意ですが、これ程の物は作れませんよ」

 ミランダは上品にスプーンを扱いながら、たたえる。

「その……ありがとうミランダ。実は、あたしカレーは凄く好きなの。だから色々と試しているうちに他の料理よりも得意になっちゃって」

 ダーンに盛りつけたカレー皿を戻しながら、ステフは顔を赤くしつつ言う。

「それにしても、ダーンお兄ちゃんの分だけ別鍋って、なんかズルイよねー。そっち、ボクも食べてみたいなぁ」

 見た目の子供っぽさから、割と少なめに盛りつけられていた自分の分を食べ終わってしまったノムが、皿を持って鍋の置いてあるワゴンに歩いて行く。

「やめておきなさい……それ、ホントに辛さがヤバいわ。……って言うか、それ食べて猛烈に喜ぶのはダーンだけよ」

 サラダ用の小皿からプチトマトをフォークで刺しつつ、ルナフィスが警告する。

「……確かに、激辛だから子供のノムにはきついけど、なーんか、その言われ方は酷くない?」

 ムッとして、ステフは正面に座る銀髪の少女に半目で睨む。

「だぁって、その通りでしょ……。調味料の使い方とか見ていて思ったけど、私が食べたら辛さのことだけじゃなく、多分クドくなって残しちゃいそうだもの。違うかしら?」

 ミニトマトの刺さったフォークの先端をステフに向けて、ニヤリと笑うルナフィス。

 その小さな赤い野菜から目を背けつつ、ステフは応じる。

「そこまで濃くしてないわ……一応、沢山食べると思っていたし……。でも、それに気がつくなんて、やっぱ貴女あなた凄いわ」

「どういうこと?」

 ステフとルナフィスのやり取りに、ダーン用のカレーを少しだけよそったノムがげんに感じて尋ねると、ミランダが代わりに口を開いた。

「食べる人の身体の状態を読み取って、味付けを変えるのです。プロの料理人でも、限られた人にしか出来ないことですが……。
 例えば、失われた電解質を補ってやるように調理すれば、味覚以外に、身体そのものがおいしさを感じるのですよ。かく言う私も、そのような知識があるだけで、実際に出来はしません……」

「なにそれ……かみわざ?」

 ちょっと呆然として尋ね返すノムに、ルナフィスは補足するように

「そんなとこよ……もしくは、乙女心全開ってやつね……」

と呟きつつ、ミニトマトを口に放り込んだ。

 その瞬間、ルナフィスが予め盛りつけてくれた自分のサラダ、その中で輪切りにされた二枚のトマトを器用に避けて、レタスなどを口に運んでいたステフがむせ返る。

 そのステフの姿を、ニヤニヤとして見ていたノムは、席に戻りすぐにスパイシーなカレーを少しだけ口に運んでみた。

「あれ……なーんだ、そんなに辛くないじゃん」

 言いつつ、確かにそのカレーは先に食べたものよりも、塩分が僅かに多い気がすると思いながら、ノムは次々にカレーを食べていくが――――

 その瞬間はすぐにやってきた。


 猛烈な辛さが、後になって少年を襲い、耳まで朱に染め、涙目になってルナフィスが用意したトマトジュースを一気に飲みこむ。


 その少年の持つグラスを、まるでゲテモノを見るかのような視線で見ているステフ、その正面に座る銀髪の少女が不敵に笑みをこぼしていた。




     ☆




 六人掛けのテーブルの上、カレー以外にもサラダやコンソメスープが並んでいたが、それらもほとんど食べ尽くされようとしていた。

 勢い余って少し食べ過ぎてしまったダーンだったが、いち早く食事を終えて、えずそれとなく周囲を覗う。

 自分の右隣には蒼い髪の少女ステフ、その正面に銀髪の少女ルナフィスが座り、こちらから見てルナフィスの左にノム、さらにその左にミランダが座って、未だ食を進めながら用意されたジュースの話題でかんだんしていた。

 炭酸水以外に、このテーブルには完熟トマトに僅かな食塩を加えてミキサーでジュースにしたトマトジュースがあるのだが……。

 これをやたらと勧めているルナフィスと、そのジュースがなみなみと入ったピッチャーから目を背け、しきりに自分のグラスに注がれないようにワケの分からない言い訳を並べ立てるステフ。

 その二人の少女のやり取りを見て、ノムが未だ残る辛さを忘れて笑いこけ、ミランダがやはり肩を震わせている。


 ちょっと冷静になって考えると、妙な光景だった。


 昨夜遅くに、この宿の二階で休もうとしていたステフを襲撃したのは、今目の前でステフとくだらない言い争いをしているルナフィスだ。

 もちろん、未だ彼女とは敵同士のはずだが、この場に武器を持ち込んでいなければ、目の前の食事の一部は彼女が作ったものだという。

 大地母神の化身であり、この宿の女将であるミランダが、昨夜の騒動の後にルナフィスを泊めていたことも驚きだったが。


――というか、全て承知で今朝方「思い切ったいのかけ方」などと言っていたのは、完全にからかっていたんだな……。


 ルナフィスの面影を見ていて、彼女も美しい顔立ちだと感じるが、こうしてステフとたかがジュースの話題で言い合っている姿を見ていると、どうも同じ年頃なのではないかと感じてしまうが、実際はどうなのだろうか?

 もしもルナフィスがステフと同じ十代後半であるのならば、そして、ルナフィスが《固有時間加速》のサイキックを使いこなしていた事実を考えれば、やはり彼女は――――

 いや、今はそのことはおいておこう。

 まずは、この場で真っ先に済ませておかねばならないことがある。


 果たさなければならない約束を――――


 ダーンは椅子から立ち上がると、すぐ後ろ、食堂の壁に立て掛けた赤鞘に収まった長剣を手にする。

 その姿を視界に捉えたステフが驚愕して息をのみ、ルナフィスが少し寂しそうな表情をにじませて肩をすくませた。

「ダーン……その、気持ちは分かるけど今は……。あたしは平気だし、彼女だって悪気があってここにいるわけじゃ……って、あたしがかばうのもヘンだけど……」

 剣を手にしたダーンを、複雑な心境のままいさめようとするステフだったが、ダーンはその彼女に少し意外だったと言わんばかりに首を横に振る。

「あー、そうじゃないんだ。ルナフィスがいるから剣を手にしたわけじゃない」

 そう言って、ダーンは鞘の方を右手で持ったままステフのそばに立つと、一度ルナフィスの方に向き、

「悪いが、今日のところは休戦ってことでいいよな。こんなんじゃ、君もそんな気分じゃないだろ?」

「そうね……でも、今日だけよ。昨日の失礼の分と、この宿の二人に免じているだけだからね。これ以上馴れ合う気はないわ」

「ああ、いいさ。…………さてと、ステフ」

 ステフに声を向けつつ、ダーンは二歩ほど彼女から離れる。

「なに?」

「少し立ってくれないか」

「え? いいけど、どうしたのよ?」

 きょとんとして、ステフは言われたとおりにその場で立ち上がる。


 と同時に、ステフの前に蒼髪の剣士が片膝を着いてかしずいていた。


『確か……そういう約束でしたが…………どうやら、覚えていらしたようですね』

 ソルブライトが含みを持たせて話すのを、ダーンは自嘲気味に笑う。

「え? あ……で、でも、賭けは無効って……それに今回はルナフィスが下ごしらえで凄いのを作ってくれてたから、あたしの力だけじゃ……」

「謙遜はしなくていいわ……いくらいいブイヨンが出来たからって、私じゃここまでの完成度を誇る料理はできないもの。それに……まだ儀式の途中よ」

「ぎ……儀式って?」

 訝るステフの眼前に、ダーンの剣の柄尻が伸びてきていた。

 ダーンはひざまずいたまま、自分の胸元に剣先が向く形で抜剣し、手を切らないように刃を持って柄の方をステフに差し出しているのだ。


 その姿が意味するのは、自らの剣を相手に捧げ、その剣で相手が自らを刺し貫こうとも構わないという、剣士にとっては主君に対する最上級の忠誠。


 高鳴る胸の鼓動と、油断すれば涙があふれだしそうな気分で、蒼い髪の少女はその剣を手にした。


 少女の手には少し太すぎる剣の柄、何とか両手で支えるが、その剣は予想以上に重かった。


 昨夜から、この剣を軽々と片手で振るうダーンの姿を見てきたステフだが、その剣の重量を実感し、目の前に跪く剣士の技量はやはり尋常ではないと思い知る。

 もちろん、ダーン以上の達人はまだいることだろう。

 特に、少女が身近に知る人物などは、人智を超えた……いや、むしろ超常現象ともいうべき強さを誇っているが。

 そんなことよりも、目の前の少年剣士が少女の予測をはるかに超えて強くなった事の方が、少女を感嘆させていた。

 そして鍛え上げてきたその強さを、今、自分自身に差し出している。

 剣を握る手が微かに震えているのは、その重量のせいだけではなかった。

「こ……こういうのは、よく知らないんだけど……せっかくだから……その気分を出してみるけど……」

「つべこべ言わず、サッサと済ませなさいよ……」

 ルナフィス横やりに言い返す余裕もないステフは、一度深呼吸をし、手にした剣を持ち上げて、ダーンの右肩に剣の腹を当て、さらに反対の左肩にも同じように剣を当てる。

 そのまま、その剣を眼前に立てた後、その剣を横にしダーンに返そうとすると、ダーンは頭を垂れたまま両手で恭しくその剣を受け取った。

 受け取った剣をゆっくりと納刀したダーンは、少しだけ照れを隠すような仕草をしつつも立ち上がると、今度は右手をステフに差しだす。

「改めて、君の護衛役を務めさせてもらいたいんだが、認めてくれるか? ステフ……」

 問いかけるダーンの手を握手で応じつつ、ステフは未だ真っ赤になって視線を彼から逸らし、言葉を絞り出すように

「認めるも何も……始めから貴方はあたしの護衛でしょ……いきなり何てことやらすのよ」

なんとか悪態を返すのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜

舞桜
ファンタジー
「初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎」  突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、 手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、 だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎  神々から貰った加護とスキルで“転生チート無双“  瞳は希少なオッドアイで顔は超絶美人、でも性格は・・・  転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?  だが、死亡する原因には不可解な点が…  数々の事件が巻き起こる中、神様に貰った加護と前世での知識で乗り越えて、 神々と家族からの溺愛され前世での心の傷を癒していくハートフルなストーリー?  様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、 目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“  そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪ *神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのか?のんびりできるといいね!(希望的観測っw) *投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい *この作品は“小説家になろう“にも掲載しています

二人分働いてたのに、「聖女はもう時代遅れ。これからはヒーラーの時代」と言われてクビにされました。でも、ヒーラーは防御魔法を使えませんよ?

小平ニコ
ファンタジー
「ディーナ。お前には今日で、俺たちのパーティーを抜けてもらう。異論は受け付けない」  勇者ラジアスはそう言い、私をパーティーから追放した。……異論がないわけではなかったが、もうずっと前に僧侶と戦士がパーティーを離脱し、必死になって彼らの抜けた穴を埋めていた私としては、自分から頭を下げてまでパーティーに残りたいとは思わなかった。  ほとんど喧嘩別れのような形で勇者パーティーを脱退した私は、故郷には帰らず、戦闘もこなせる武闘派聖女としての力を活かし、賞金首狩りをして生活費を稼いでいた。  そんなある日のこと。  何気なく見た新聞の一面に、驚くべき記事が載っていた。 『勇者パーティー、またも敗走! 魔王軍四天王の前に、なすすべなし!』  どうやら、私がいなくなった後の勇者パーティーは、うまく機能していないらしい。最新の回復職である『ヒーラー』を仲間に加えるって言ってたから、心配ないと思ってたのに。  ……あれ、もしかして『ヒーラー』って、完全に回復に特化した職業で、聖女みたいに、防御の結界を張ることはできないのかしら?  私がその可能性に思い至った頃。  勇者ラジアスもまた、自分の判断が間違っていたことに気がついた。  そして勇者ラジアスは、再び私の前に姿を現したのだった……

悪役令嬢、資産運用で学園を掌握する 〜王太子?興味ない、私は経済で無双する〜

言諮 アイ
ファンタジー
異世界貴族社会の名門・ローデリア学園。そこに通う公爵令嬢リリアーナは、婚約者である王太子エドワルドから一方的に婚約破棄を宣言される。理由は「平民の聖女をいじめた悪役だから」?——はっ、笑わせないで。 しかし、リリアーナには王太子も知らない"切り札"があった。 それは、前世の知識を活かした「資産運用」。株式、事業投資、不動産売買……全てを駆使し、わずか数日で貴族社会の経済を掌握する。 「王太子?聖女?その程度の茶番に構っている暇はないわ。私は"資産"でこの学園を支配するのだから。」 破滅フラグ?なら経済で粉砕するだけ。 気づけば、学園も貴族もすべてが彼女の手中に——。 「お前は……一体何者だ?」と動揺する王太子に、リリアーナは微笑む。 「私はただの投資家よ。負けたくないなら……資本主義のルールを学びなさい。」 学園を舞台に繰り広げられる異世界経済バトルロマンス! "悪役令嬢"、ここに爆誕!

伯爵夫人のお気に入り

つくも茄子
ファンタジー
プライド伯爵令嬢、ユースティティアは僅か二歳で大病を患い入院を余儀なくされた。悲しみにくれる伯爵夫人は、遠縁の少女を娘代わりに可愛がっていた。 数年後、全快した娘が屋敷に戻ってきた時。 喜ぶ伯爵夫人。 伯爵夫人を慕う少女。 静観する伯爵。 三者三様の想いが交差する。 歪な家族の形。 「この家族ごっこはいつまで続けるおつもりですか?お父様」 「お人形遊びはいい加減卒業なさってください、お母様」 「家族?いいえ、貴方は他所の子です」 ユースティティアは、そんな家族の形に呆れていた。 「可愛いあの子は、伯爵夫人のお気に入り」から「伯爵夫人のお気に入り」にタイトルを変更します。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

異世界召喚に巻き込まれたのでダンジョンマスターにしてもらいました

まったりー
ファンタジー
何処にでもいるような平凡な社会人の主人公がある日、宝くじを当てた。 ウキウキしながら銀行に手続きをして家に帰る為、いつもは乗らないバスに乗ってしばらくしたら変な空間にいました。 変な空間にいたのは主人公だけ、そこに現れた青年に説明され異世界召喚に巻き込まれ、もう戻れないことを告げられます。 その青年の計らいで恩恵を貰うことになりましたが、主人公のやりたいことと言うのがゲームで良くやっていたダンジョン物と牧場経営くらいでした。 恩恵はダンジョンマスターにしてもらうことにし、ダンジョンを作りますが普通の物でなくゲームの中にあった、中に入ると構造を変えるダンジョンを作れないかと模索し作る事に成功します。

散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。

アノマロカリス
ファンタジー
僕こと…ディスト・ランゼウスは、経験値を倍増させてパーティーの成長を急成長させるスキルを持っていた。 それにあやかった剣士ディランは、僕と共にパーティーを集めて成長して行き…数々の魔王軍の配下を討伐して行き、なんと勇者の称号を得る事になった。 するとディランは、勇者の称号を得てからというもの…態度が横柄になり、更にはパーティーメンバー達も調子付いて行った。 それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき… 遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。 ……とまぁ、ここまでは良くある話。 僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき… 遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。 「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」 それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。 なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…? 2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。 皆様お陰です、有り難う御座います。

美少女に転生して料理して生きてくことになりました。

ゆーぞー
ファンタジー
田中真理子32歳、独身、失業中。 飲めないお酒を飲んでぶったおれた。 気がついたらマリアンヌという12歳の美少女になっていた。 その世界は加護を受けた人間しか料理をすることができない世界だった

処理中です...