超常の神剣 タキオン・ソード! ~闘神王列伝Ⅰ~

駿河防人

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第三章  蒼い髪の少女~朴念仁と可憐な護衛対象~

第三十一話  反撃開始

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 『リンケージ成功……』

 新たに形成された白を基調とするワンピース型の被服、その胸元にしつらえた宝玉が念話で告げるのを聞き、ステフはその額に青筋を立てていた。

「何てコトしてくれるのよッ! いきなり裸ぁ? あたしのお気に入りの服とかどうなっちゃったのよッ」

 発動のキーワードを声高らかに発する前に感じていた高揚感は一体何だったのだろうか?

 そんな疑問を、同時に感じていた信頼やら期待を裏切られたという怒りと共に、ステフはまくし立てるが……。

『破れた服や男の子に見られることを意識したまんま勝負下着などは、防護服の素材構成に利用しています。大丈夫です、ちゃんと後で新品同様に……』

「勝負下着とか言うなッ」

『違ったのですか? まあそれはともかく、防護服のデザインは貴女あなたの深層意識からのフィードバックです。デザインにも気を配りましたが、既存のどんな防具よりも優秀ですよ』

 ソルブライトの言葉に、ステフは自分が着せられている衣装を見下ろしつつ、身体をひねったり腕を動かしたりする。

 その素材自体は何で出来ているのか想像に難いが、着心地は悪くなく、肌触りは絹のようになめらかで羽のように軽い。

 清潔感のある白色のワンピースは、あたかもパーティードレスのようにも見えるし、所々に金色の糸や藍色の糸を使ったようなアクセントも入っていた。

 袖はセパレートになっていて、二の腕の上半分と肩や襟元は肌が見えるタンクトップタイプで、プリーツスカートの丈も短めだった。

 足下は腿の高さまでの革製と思われる黒いサイハイブーツで、短めのスカート裾との間、少しだけ露出した白い太腿がわずかにまぶしい。

「あたしの深層意識って……なんか、こーゆーのって子供の頃にカレリアに勧められた理力ヴィジョン放送のアニメで……」

『たしか、魔法少……』

「それ以上言うなぁッ! それを言われたらこの格好してるあたしが恥ずかしいわッ」

『恥ずかしいとか言われても……一応、神具の一種《神衣》なのですが』

「大体、こんなにあちこち肌が露出して、まるでファッションショーのドレスみたいなのに、どうして防具として優秀なのよ」

しようとしては可憐なイメージを優先した結果です。防御力という点では、活力の防護膜で全身覆っていますので、実は見た目全裸でも変わりませんが……』

「そんな言い方して……どうしてもあたしを脱がせたいの? っていうか、さっきから思っていたんだけど、貴女あなたスレームと認識あるでしょ、絶対あの色気ババアに感化されてるわね?」

貴女あなたの母君と契約していたときに、共に旅をした仲間ですので……そう言えば、レイナーを除けば最も話したような気もしますが……』

「やっぱりか!」

 ゲンナリとして肩を落としつつ得心するステフは、さらに自分の髪型の変化を察し、続けて問う。


「で? どーして髪型がポニテなのよ?」


 ステフの銀をまぶした蒼い髪は、鮮やかな赤いリボンで後ろへ一つに結い上げられている。

『一部、契約立会人ダーン・エリンの心理というか、こうを取り入れました』

「ほほう?」

 少しにんまりとした視線を蒼髪の剣士に向けるステフ――――その視界に若干紅潮しつつも、こちらのやり取りに気がつかない様子で巨大ムカデとカラス馬の動きに合わせて戦うダーンの姿が映る。


「というか……まさか、見た?」


 ステフはこちらを気にしていない様子のダーンに向かってジト目を送りながら、思わず胸元を隠すように彼から身体を反らすと……。

「見てない! こっちは二匹も相手にしてて大変なんだッ! 君の裸を覗く余裕は……」

 言葉の途中でハッとなって冷や汗を浮かべるダーン。

『絶対に見てましたね、アレ……。まあ、意図的に光源を強くしてますから、外からはあまり見えないし、特に、その……重要な部分はぼやけてますよ』

「ああもうッ! その言い草が気に入らないわ……っていうか、あたしはそんな明るい場所で真っ裸になったの? 心身に汚れなき乙女であることとか条件にしたクセに、これっていんじゃない」

『まあ、見せる分には汚れませんから……』

「コッ、コノぉ~」

 拳を握りしめてワナワナと肩を震わせるステフ。

 その彼女から少し離れた場所で、地面に落とされ半ばのうしんとうを起こしていたカマキリの魔物が、再び息を吹き返していた。

 こうかくのこすり合う不気味な音と共に起き上がり、赤い複眼に蒼い髪の少女を映し、彼女に狙いを定め始める。

『抗議は後ほど……。取り敢えず、この場をしのぎませんといけませんから。ステフ、銃の方は活力変換で使えるようになっています。戦闘の再開を……わかっていると思いますが、先ほどのようなていたらくでは、さらに彼の負担が増すというものですよ』

 胸元のソルブライトの言葉に、ステフはムカデと戦うダーンの背中に視線を走らせると、その背に、赤い血が滲んでいるのを再度認め、口元をキッと引き締める。

「分かっているわ……あれ?」

 スカートの中のホルスターから銃を抜いたステフは手の中にあるそれを見つめ疑問調の声をあげた。

 《衝撃銃》の見た目が少し変わっていて、銃把などはほとんど同じだが、装飾が施され、外装の素材が変わっているようだが。

『大地母神の物質錬成のたまものです。基本構造はほとんど同じですが、エネルギー転換の効率を最適化し威力も少し上がっているはずです』

「へェー、便利なものね」

 ステフは感嘆しつつ、巨大な鎌を振りかぶっていたカマキリの魔物に向け引き金を引いた。


 扱いやすさはそのままに、思い通りの弾道を描いて、せんに収束する衝撃波が魔物の肉体にヒットする。

 けたたましい悲鳴を上げて、カマキリは初めて味わうであろう肉体の損傷に怯んだ。

穿せんこう性能の向上ね、今度予定していた改良案と同じ……確かに、これは使えるわ」

 未だ虫に対する苦手意識は残っていたが、銃把を握る蒼い髪の少女は冷静に敵の姿を瞳に捉え、反撃を開始した。




     ☆




 巨大ムカデと対峙し長剣を振るうダーンは、背中に走る傷の痛みを忘れ口元に笑みを浮かべていた。

 少し離れた場所で、若干見た目の変化した《衝撃銃》を撃つ蒼い髪の少女の姿を、そのそうきゆうの瞳に映した彼は昨夜と同じような高揚感を抱き始めている。

「おてんば……様の復活っと……」

 誰にも……自分自身の耳にさえ途中掠れて聞こえるような小声で呟き、彼はこの闘いが始まって初めて自分の相手にしている魔物へと意識を集中させた。

 巨大ムカデの姿は、たとえ虫を極端に苦手としない者でも見るものに生理的な畏怖を与えるものだったが、《闘神剣》を振るう者から見れば大した魔物ではない。

 強固な外殻に阻まれ、長剣の刃を弾く身体ではあるし、激しくうごめいていたり身体を折り曲げて頭部を高く持ち上げたりしては、体側の節足がこちらに襲いかかり、さらに頭部の巨大なのこぎり状の口顎が猛然と襲いかかってくるなど、当然並の魔物ではないが、今のダーンにそれを躱すことは容易だった。

 ただし、上空を旋回しこちらの隙を窺うカラス馬の動向には注意が必要だった。

 さらに先ほどまでは、ステフを狙うカマキリの動きにも気を向けなければならない状態だったが。

 現状、ステフならばカマキリを何とかしてくれそうだったし、カラス馬の方もミランダの力を警戒してか一定の高度を保っている。

 ステフのことに関しては、神器であるソルブライトに感謝しなくてはならないだろう。

 端から見ていて、この戦闘中に契約者とくだらない口喧嘩をしているだけに思えたが、あのやり取りはステフの性格から考えて、彼女の虫への苦手意識を反らす目的もあったのだ。

 さすがは神器と呼ばれるだけのことはある――――と思うべきなのかはさておき、ダーンは少しだけ気がかりなこともあった。

 それは、あのソルブライトが意識をもつ特殊な神器、というよりもまさに一つの人格すら持ち得ている点だ。

 カリアスから修練を受けた際、様々な武器や道具の知識についても教わっているダーンは、高度にくみ上げられた神器などが、あのような人格に近い思考回路などを持つ個体もあると知っている。

 それとは別に《付喪神つくもがみ》という長年使われた道具などに意識のようなものが芽生えることもあるという伝承聞いたことはあったが、ソルブライトのあれはそういうものとは異質に感じるのだが……。


――まあ、今あれこれ考えていても仕方がないか……。


 精霊王たる女神と契約を仲介できる存在だけに、非常に特殊な神器ということなのかもしれない。

 いずれにしても今は、目の前の自分の闘いに集中しよう。

 節くれ立った異形の巨体を持つムカデは、確かに通常の魔物と比べれば厄介な相手だが、今の自分はこの手の魔物の倒し方を充分承知している。

 魔物化の魔力を生み出している《魔核》を見つけ出し破壊するか、再生不能にまで魔力のしろたる肉体を徹底的に破壊することだ。

 このムカデの魔物は、いくつもの節くれた胴体を持ち、その節のどれかに《魔核》があると推測していたが、正直候補対象が多すぎてすぐに発見出来ていない。

 ならば――――


「要は、バラバラにすればいいんだ!」


 自分に言い聞かせるように言って、ダーンはムカデの節くれた巨体に鋭い視線を向ける。

 一つ一つの節は固い外殻で覆われているが、そのつなぎ目のような関節部分はそうではない。

 ダーンは先ほど放った真空の刃を生み出すサイキックを、自らの剣先に展開する。


 崩裂風刃衝ほうれつふうじんしよう


 《闘神剣》の剣技の一つ、刀身にサイキックで生み出した真空の刃を幾重にも重ねておく技だが、これは敵を倒すための準備段階でしかない。

 さらにダーンは自分の闘気の膨張に警戒して動きを複雑にしているムカデをえながら、時間の流れを掴んでいく。


 《固有時間加速クロック・アクセル》――――


   銀髪の女剣士ルナフィスと刃を交えたときに、とつに瞬間的な発動をさせ、今日は大地母神からの試練中にも、自分自身の複製と戦ったときにも発動させた。

 二回目に発動させたときは、初回よりもはるかに長く実戦としても有効であったが、今回はさらに加速し続けることが出来るだろう。


 加速した世界の中で連続に斬撃を繰り出しつつ、ダーンは自覚し始めていた。

 昨日の天使長との一件以来……サイキックを扱うようになって、自分自身に大きな変化が訪れていることを――――

 蒼白く輝く刀身が、太刀筋にりんこうを振りまいて虚空を舞い、鋭い斬撃が禍々しい赤紫の巨体に迫る。

 強烈な斬撃が赤紫の巨体を引き裂き、その感触が超加速したダーンの腕に伝い、肉を引き千切る衝撃波の轟音は加速されていない大気を鈍く震わせ、加速強化された聴覚には水中での音のように感じさせた。

 そして――――

 禍々しい魔力により生み出された哀れなムカデは、自身の体感時間が十分の一秒にも満たない一瞬に輪切りにされ、斬られた瞬間に刀身から放たれるおろし金のような真空刃に内部組織をズタズタに破壊される形で絶命した。
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