90 / 165
第三章 蒼い髪の少女~朴念仁と可憐な護衛対象~
第二十九話 遺跡の外で
しおりを挟む
契約の祭壇である神殿からミランダの転移によって、地上の遺跡まで戻ってきたステフ達は、遺跡の洞窟を出て来たところで西の空、あかね色に染まる景色を目の当たりにしていた。
最初に遺跡にたどり着いたのは午後二時過ぎだったが、遺跡での探索やその後のあれこれで四時間位の時間が経過している。
そんな夕日の赤に目を細めながら、ステフは隣を歩くダーンに、
「さあ……早く宿に戻って、ちゃっちゃと結論を出そうじゃないの」
と挑戦的に言葉を向けている。
「そうだな……しかしいいのかステフ、今ならまださっきの話、撤回してやってもいいんだぜ」
ダーンも挑戦的に言葉を返してうすら笑った。
異世界の神殿で勃発した痴話げんかは、紆余曲折を経て妙な勝負事へと発展していた。
「そんなこと言って、ダーンの方が及び腰なんじゃないの?」
「ぬかせ!」
その二人を少し離れた後方からにこやかに眺めるミランダは、先ほど念話で彼女の息子であり大地の精霊ノームの化身ノムに、お客の夕食は材料だけ用意し調理をしないよう申し向けてある。
勝負事というのは、ステフが今夜の夕食を宿の厨房を借りて作り、それをダーンが食するという内容だ。
これのどこが勝負事なのかといえば――――
ステフの料理の出来がダーンを満足させるほどの美味であれば、彼が彼女の前に跪き今後の彼女の護衛を誓う。
そうでなければ護衛の依頼料を三倍にして、彼女が彼に三つ指を立てて護衛を請うというものだ。
事の発端は、ダーンの「実はガキっぽいところがあると感じていた」という一言だった。
その一言を耳にしたステフが、年齢や異性関係の経験はさておき、朴念仁に子供扱いされるのは心外と反論。
実年齢よりもはるかに成熟した女子力を持っている旨を豪語し、いつの間にか手料理の話になってこのようになったわけだが……。
『二人とも子供ですね……』
ステフの胸元で溜め息を吐くような念話が漏れる。
ステフの所持していたペンダントに憑依したソルブライトは、表情を現すことが出来なくても、その念話を受ける者にその感情の起伏は伝わっているのだ。
「子供扱いしないで!」
「子供扱いするな!」
ソルブライトのぼやきに、当事者二人が同時に抗議する。
『はいはい……見事に息ぴったりで宜しいことですね。ところで二人とも、私との契約とこれからのことを説明しておきたいのですが……』
「後で聞くわ。ダーンが跪いた後にゆっくりとね……大体予想もついてるし」
「ステフの作った夕飯を食べながらでいいぜ。どうせ話のネタがないと、まともに食えないだろうしな……」
『やれやれですね……』
再び溜め息交じりの念を漏らすソルブライト。
それらのやり取りを後方から眺め、ついにはミランダも笑いを堪えて喉を鳴らし始めていた。
その彼らが最初に異状に気がついたのは、ダーンとステフがここに来る際に乗ってきた馬を繋いだ場所に近付いたときだった。
「あれ? 馬がいなくなってるわ」
絶品な味付けで口に運ぶことを止められなくなるのに、敗北感を味わうような必殺の一食をお見舞いしてあげる――――
と、琥珀の瞳に闘志を乗せて睨めつけつつ言い放ったあと、視線を繋いだ馬がいるはずの草原に向けたステフは、その馬の姿が視界にないことに怪訝な声を上げていた。
思いっきりけんか腰で挑戦的な視線を受け腹立たしさを感じていたダーンも、自分が繋いだはずの手綱が、草原にぽつりと立つ一本の広葉樹の枝から垂れ下がっているのを見つけ怪訝な面持ちで呟く。
「おかしいな……確かにここに繋いでいたし、綱が切れたのか」
ダーンが小走りで広葉樹の枝に結われたまま垂れ下がる革製の手綱に近付いてみる。
手綱を調べた結果、綱は切れてなどいなかった。
ただ、馬の頭部に取り付けていた馬具である頭絡が、無残に壊されており、綱の先端にはその破片が繋がったままだったのだ。
何者かが、馬を盗むために頭絡を壊したのかとも考えたダーンだったが、それならば手綱を木の枝から解いて、その手綱ごと持って行くはずだ。
さらに壊れた頭絡をよく見れば、それは内側から強引に引きちぎられている。
「気をつけて下さい!」
ミランダが突然厳しい声色で警告を発した瞬間に、ダーンは胸の奥に不快感を抱く気配を察し、頭の中を臨戦態勢に切り替える。
この不快感は紛れもなく《魔》の波動だ。
「ステフ、何かいる!」
ダーンは剣を抜き闘気を洗練しながら、少し離れたステフに警告を発した。
次の瞬間、固い物を摺り合わせる耳障りな音が、二人の間の地面から響き、その異質さに戦慄しつつ、ダーンとステフはそれぞれ慌てて飛び退くのだった。
☆
耳障りな異音と共に大地に亀裂が走る。
ダーンとステフの間の地面が、彼らを分断するように横一文字に亀裂が走り、直後にその部分が三十セグメライ(センチメートル)程隆起した。
――地面の中に何かがいる。
ステフはスカートの中のホルスターから《衝撃銃》を抜き出し、安全装置を解除すると、隆起した大地の帯に銃口を向けた。
やがて割れた大地からせり出してきたのは、毒々しい赤紫の節くれだった巨体だった。
「ヒッ……」
その姿を目の当たりにして、引きつった息を漏らすステフ。
彼女の前に、長大な節足動物が姿を現すと、その身体を途中から仰け反らせ、左右に開くクワのような口顎を開いて威嚇する。
さらに、そそり立つその体の両側に、黒光りする無数の節足をカシャカシャとかき鳴らしながらうごめかせていた。
「ムカデの魔物!」
ダーンの言葉が早いか、いきなり六発の轟音があたりに鳴り響く。
「虫ッ……イヤッ……む……ムカデッ……はダメェェッ」
顔面蒼白になって、涙を滲ませた蒼い髪の少女は、パニックになりながらその手に持つ《衝撃銃》を乱射していた。
まともに標的の姿を見ることも出来ないまま、がむしゃらに最大連射数の六発を撃ちつくし、その全てがあらぬ方向に飛んでいってしまう。
『ステフ、落ち着いて下さい』
胸元のソルブライトがなだめようとするが、ステフはチャージエネルギー切れの警告音を鳴らす《衝撃銃》の引き金をでたらめに引き絞り、結果、安全装置が働いて銃の機能が一時的にロックされてしまった。
「おいッ、取り乱すな! ったく、虫が苦手って……随分とお嬢様らしい弱点だな」
後半は口の中で小さく言って、ダーンは体長八メライはあろうかという巨大ムカデの頭部めがけて飛び上がり、長剣を振り下ろす。
固いものがぶつかり合う音が鳴り響き、ダーンの長剣はムカデの頭部の外殻に弾かれてしまうが――――
その注意が彼の元に向き、節足のうごめく身の毛のよだつ異音と共に、ムカデはダーンの方に向きを変えた。
「苦手なモノは苦手なのよッ! しょうがないでしょッ」
ヒステリックにダーンに言い放ちながらも、ムカデがダーンに引きつけられたことにより、ある程度正気を戻したステフは、震える銃身を一度下げて息を整えようと努力する。
その彼女の耳元に、今度は精神を逆なでする羽音が上空から迫った。
「まッ……またムシィッ!」
上空から飛来する羽音の主は、細長い身体に巨大な鎌を二振り持つ昆虫の魔物だった。
『今度はカマキリですね……』
冷静にソルブライトが言うが、その契約者たる少女は半狂乱になって、空に向け銃を乱射しようとした。
引き金を引いても、警告音がするだけで銃口から光弾を放てなかったが、三回無駄に引き金を引いたところで気がつき、慌ててセイフティーロックの解除操作をする。
が、結局ロクに狙わずに折角チャージされた六発を虚空に放ってしまっていた。
「まだ来ますわ!」
ミランダは警告しつつ西の空に鋭い視線を投げかければ、傾いた夕日の赤に黒い異形を発見する。
それは、翼を生やした黒い馬の姿だった。
最初に遺跡にたどり着いたのは午後二時過ぎだったが、遺跡での探索やその後のあれこれで四時間位の時間が経過している。
そんな夕日の赤に目を細めながら、ステフは隣を歩くダーンに、
「さあ……早く宿に戻って、ちゃっちゃと結論を出そうじゃないの」
と挑戦的に言葉を向けている。
「そうだな……しかしいいのかステフ、今ならまださっきの話、撤回してやってもいいんだぜ」
ダーンも挑戦的に言葉を返してうすら笑った。
異世界の神殿で勃発した痴話げんかは、紆余曲折を経て妙な勝負事へと発展していた。
「そんなこと言って、ダーンの方が及び腰なんじゃないの?」
「ぬかせ!」
その二人を少し離れた後方からにこやかに眺めるミランダは、先ほど念話で彼女の息子であり大地の精霊ノームの化身ノムに、お客の夕食は材料だけ用意し調理をしないよう申し向けてある。
勝負事というのは、ステフが今夜の夕食を宿の厨房を借りて作り、それをダーンが食するという内容だ。
これのどこが勝負事なのかといえば――――
ステフの料理の出来がダーンを満足させるほどの美味であれば、彼が彼女の前に跪き今後の彼女の護衛を誓う。
そうでなければ護衛の依頼料を三倍にして、彼女が彼に三つ指を立てて護衛を請うというものだ。
事の発端は、ダーンの「実はガキっぽいところがあると感じていた」という一言だった。
その一言を耳にしたステフが、年齢や異性関係の経験はさておき、朴念仁に子供扱いされるのは心外と反論。
実年齢よりもはるかに成熟した女子力を持っている旨を豪語し、いつの間にか手料理の話になってこのようになったわけだが……。
『二人とも子供ですね……』
ステフの胸元で溜め息を吐くような念話が漏れる。
ステフの所持していたペンダントに憑依したソルブライトは、表情を現すことが出来なくても、その念話を受ける者にその感情の起伏は伝わっているのだ。
「子供扱いしないで!」
「子供扱いするな!」
ソルブライトのぼやきに、当事者二人が同時に抗議する。
『はいはい……見事に息ぴったりで宜しいことですね。ところで二人とも、私との契約とこれからのことを説明しておきたいのですが……』
「後で聞くわ。ダーンが跪いた後にゆっくりとね……大体予想もついてるし」
「ステフの作った夕飯を食べながらでいいぜ。どうせ話のネタがないと、まともに食えないだろうしな……」
『やれやれですね……』
再び溜め息交じりの念を漏らすソルブライト。
それらのやり取りを後方から眺め、ついにはミランダも笑いを堪えて喉を鳴らし始めていた。
その彼らが最初に異状に気がついたのは、ダーンとステフがここに来る際に乗ってきた馬を繋いだ場所に近付いたときだった。
「あれ? 馬がいなくなってるわ」
絶品な味付けで口に運ぶことを止められなくなるのに、敗北感を味わうような必殺の一食をお見舞いしてあげる――――
と、琥珀の瞳に闘志を乗せて睨めつけつつ言い放ったあと、視線を繋いだ馬がいるはずの草原に向けたステフは、その馬の姿が視界にないことに怪訝な声を上げていた。
思いっきりけんか腰で挑戦的な視線を受け腹立たしさを感じていたダーンも、自分が繋いだはずの手綱が、草原にぽつりと立つ一本の広葉樹の枝から垂れ下がっているのを見つけ怪訝な面持ちで呟く。
「おかしいな……確かにここに繋いでいたし、綱が切れたのか」
ダーンが小走りで広葉樹の枝に結われたまま垂れ下がる革製の手綱に近付いてみる。
手綱を調べた結果、綱は切れてなどいなかった。
ただ、馬の頭部に取り付けていた馬具である頭絡が、無残に壊されており、綱の先端にはその破片が繋がったままだったのだ。
何者かが、馬を盗むために頭絡を壊したのかとも考えたダーンだったが、それならば手綱を木の枝から解いて、その手綱ごと持って行くはずだ。
さらに壊れた頭絡をよく見れば、それは内側から強引に引きちぎられている。
「気をつけて下さい!」
ミランダが突然厳しい声色で警告を発した瞬間に、ダーンは胸の奥に不快感を抱く気配を察し、頭の中を臨戦態勢に切り替える。
この不快感は紛れもなく《魔》の波動だ。
「ステフ、何かいる!」
ダーンは剣を抜き闘気を洗練しながら、少し離れたステフに警告を発した。
次の瞬間、固い物を摺り合わせる耳障りな音が、二人の間の地面から響き、その異質さに戦慄しつつ、ダーンとステフはそれぞれ慌てて飛び退くのだった。
☆
耳障りな異音と共に大地に亀裂が走る。
ダーンとステフの間の地面が、彼らを分断するように横一文字に亀裂が走り、直後にその部分が三十セグメライ(センチメートル)程隆起した。
――地面の中に何かがいる。
ステフはスカートの中のホルスターから《衝撃銃》を抜き出し、安全装置を解除すると、隆起した大地の帯に銃口を向けた。
やがて割れた大地からせり出してきたのは、毒々しい赤紫の節くれだった巨体だった。
「ヒッ……」
その姿を目の当たりにして、引きつった息を漏らすステフ。
彼女の前に、長大な節足動物が姿を現すと、その身体を途中から仰け反らせ、左右に開くクワのような口顎を開いて威嚇する。
さらに、そそり立つその体の両側に、黒光りする無数の節足をカシャカシャとかき鳴らしながらうごめかせていた。
「ムカデの魔物!」
ダーンの言葉が早いか、いきなり六発の轟音があたりに鳴り響く。
「虫ッ……イヤッ……む……ムカデッ……はダメェェッ」
顔面蒼白になって、涙を滲ませた蒼い髪の少女は、パニックになりながらその手に持つ《衝撃銃》を乱射していた。
まともに標的の姿を見ることも出来ないまま、がむしゃらに最大連射数の六発を撃ちつくし、その全てがあらぬ方向に飛んでいってしまう。
『ステフ、落ち着いて下さい』
胸元のソルブライトがなだめようとするが、ステフはチャージエネルギー切れの警告音を鳴らす《衝撃銃》の引き金をでたらめに引き絞り、結果、安全装置が働いて銃の機能が一時的にロックされてしまった。
「おいッ、取り乱すな! ったく、虫が苦手って……随分とお嬢様らしい弱点だな」
後半は口の中で小さく言って、ダーンは体長八メライはあろうかという巨大ムカデの頭部めがけて飛び上がり、長剣を振り下ろす。
固いものがぶつかり合う音が鳴り響き、ダーンの長剣はムカデの頭部の外殻に弾かれてしまうが――――
その注意が彼の元に向き、節足のうごめく身の毛のよだつ異音と共に、ムカデはダーンの方に向きを変えた。
「苦手なモノは苦手なのよッ! しょうがないでしょッ」
ヒステリックにダーンに言い放ちながらも、ムカデがダーンに引きつけられたことにより、ある程度正気を戻したステフは、震える銃身を一度下げて息を整えようと努力する。
その彼女の耳元に、今度は精神を逆なでする羽音が上空から迫った。
「まッ……またムシィッ!」
上空から飛来する羽音の主は、細長い身体に巨大な鎌を二振り持つ昆虫の魔物だった。
『今度はカマキリですね……』
冷静にソルブライトが言うが、その契約者たる少女は半狂乱になって、空に向け銃を乱射しようとした。
引き金を引いても、警告音がするだけで銃口から光弾を放てなかったが、三回無駄に引き金を引いたところで気がつき、慌ててセイフティーロックの解除操作をする。
が、結局ロクに狙わずに折角チャージされた六発を虚空に放ってしまっていた。
「まだ来ますわ!」
ミランダは警告しつつ西の空に鋭い視線を投げかければ、傾いた夕日の赤に黒い異形を発見する。
それは、翼を生やした黒い馬の姿だった。
0
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。

そして、アドレーヌは眠る。
緋島礼桜
ファンタジー
長く続いた大戦、それにより腐りきった大地と生命を『奇跡の力』で蘇らせ終戦へと導いた女王――アドレーヌ・エナ・リンクス。
彼女はその偉業と引き換えに長い眠りについてしまいました。彼女を称え、崇め、祀った人々は彼女の名が付けられた新たな王国を創りました。
眠り続けるアドレーヌ。そこに生きる者たちによって受け継がれていく物語―――そして、辿りつく真実と結末。
これは、およそ千年続いたアドレーヌ王国の、始まりと終わりの物語です。
*あらすじ*
~第一篇~
かつての大戦により鉄くずと化し投棄された負の遺産『兵器』を回収する者たち―――狩人(ハンター)。
それを生業とし、娘と共に旅をするアーサガ・トルトはその活躍ぶりから『漆黒の弾丸』と呼ばれていた。
そんな彼はとある噂を切っ掛けに、想い人と娘の絆が揺れ動くことになる―――。
~第二篇~
アドレーヌ女王の血を継ぐ王族エミレス・ノト・リンクス王女は王国東方の街ノーテルの屋敷で暮らしていた。
中肉中背、そばかすに見た目も地味…そんな引け目から人前を避けてきた彼女はある日、とある男性と出会う。
それが、彼女の過去と未来に関わる大切な恋愛となっていく―――。
~第三篇~
かつての反乱により一斉排除の対象とされ、長い年月虐げられ続けているイニム…ネフ族。
『ネフ狩り』と呼ばれる駆逐行為は隠れ里にて暮らしていた青年キ・シエの全てを奪っていった。
愛する者、腕、両目を失った彼は名も一族の誇りすらも捨て、復讐に呑まれていく―――。
~第四篇~
最南端の村で暮らすソラはいつものように兄のお使いに王都へ行った帰り、謎の男二人組に襲われる。
辛くも通りすがりの旅人に助けられるが、その男もまた全身黒尽くめに口紅を塗った奇抜な出で立ちで…。
この出会いをきっかけに彼女の日常は一変し歴史を覆すような大事件へと巻き込まれていく―――。
*
*2020年まで某サイトで投稿していたものですがサイト閉鎖に伴い、加筆修正して完結を目標に再投稿したいと思います。
*他小説家になろう、アルファポリスでも投稿しています。
*毎週、火曜日に更新を予定しています。
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。

なんだって? 俺を追放したSS級パーティーが落ちぶれたと思ったら、拾ってくれたパーティーが超有名になったって?
名無し
ファンタジー
「ラウル、追放だ。今すぐ出ていけ!」
「えっ? ちょっと待ってくれ。理由を教えてくれないか?」
「それは貴様が無能だからだ!」
「そ、そんな。俺が無能だなんて。こんなに頑張ってるのに」
「黙れ、とっととここから消えるがいい!」
それは突然の出来事だった。
SSパーティーから総スカンに遭い、追放されてしまった治癒使いのラウル。
そんな彼だったが、とあるパーティーに拾われ、そこで認められることになる。
「治癒魔法でモンスターの群れを殲滅だと!?」
「え、嘘!? こんなものまで回復できるの!?」
「この男を追放したパーティー、いくらなんでも見る目がなさすぎだろう!」
ラウルの神がかった治癒力に驚愕するパーティーの面々。
その凄さに気が付かないのは本人のみなのであった。
「えっ? 俺の治癒魔法が凄いって? おいおい、冗談だろ。こんなの普段から当たり前にやってることなのに……」

惣菜パン無双 〜固いパンしかない異世界で美味しいパンを作りたい〜
甲殻類パエリア
ファンタジー
どこにでもいる普通のサラリーマンだった深海玲司は仕事帰りに雷に打たれて命を落とし、異世界に転生してしまう。
秀でた能力もなく前世と同じ平凡な男、「レイ」としてのんびり生きるつもりが、彼には一つだけ我慢ならないことがあった。
——パンである。
異世界のパンは固くて味気のない、スープに浸さなければ食べられないものばかりで、それを主食として食べなければならない生活にうんざりしていた。
というのも、レイの前世は平凡ながら無類のパン好きだったのである。パン好きと言っても高級なパンを買って食べるわけではなく、さまざまな「菓子パン」や「惣菜パン」を自ら作り上げ、一人ひっそりとそれを食べることが至上の喜びだったのである。
そんな前世を持つレイが固くて味気ないパンしかない世界に耐えられるはずもなく、美味しいパンを求めて生まれ育った村から旅立つことに——。


【 完 結 】スキル無しで婚約破棄されたけれど、実は特殊スキル持ちですから!
しずもり
ファンタジー
この国オーガスタの国民は6歳になると女神様からスキルを授かる。
けれど、第一王子レオンハルト殿下の婚約者であるマリエッタ・ルーデンブルグ公爵令嬢は『スキル無し』判定を受けたと言われ、第一王子の婚約者という妬みや僻みもあり嘲笑されている。
そしてある理由で第一王子から蔑ろにされている事も令嬢たちから見下される原因にもなっていた。
そして王家主催の夜会で事は起こった。
第一王子が『スキル無し』を理由に婚約破棄を婚約者に言い渡したのだ。
そして彼は8歳の頃に出会い、学園で再会したという初恋の人ルナティアと婚約するのだと宣言した。
しかし『スキル無し』の筈のマリエッタは本当はスキル持ちであり、実は彼女のスキルは、、、、。
全12話
ご都合主義のゆるゆる設定です。
言葉遣いや言葉は現代風の部分もあります。
登場人物へのざまぁはほぼ無いです。
魔法、スキルの内容については独自設定になっています。
誤字脱字、言葉間違いなどあると思います。見つかり次第、修正していますがご容赦下さいませ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる