超常の神剣 タキオン・ソード! ~闘神王列伝Ⅰ~

駿河防人

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第三章  蒼い髪の少女~朴念仁と可憐な護衛対象~

第十四話  深夜の二人

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 何故かいつもよりも念入りに身体を洗ってしまったような気もする。

 暖かい湿気のこもった狭い脱衣場で、ダーンは深いため息をいた。

 彼はシャワーを浴び、黒いタンクトップに同じく黒のカーゴパンツを着用。

 旅装はハンガーに吊って、脱いだ肌着は備え付けの編み籠に放り込んだままである。

 自分で手洗いするつもりだが、今そんな時間はなかった。

 シャワー室の外では護衛対象のステフが待っている。

 ルナフィスが襲ってくることは考えにくくても、その他の襲撃がないとは限らない。

 一刻も早くここから出ていかなければならないのだが……。

 ダーンはシャワー室から出ようとドアノブを握っているものの、しばらくそのまま硬直していた。


――なんて声をかける?


 シャワーを浴びる前、胸の中で泣きはらしていたステフは、なんとか落ち着きを取り戻しているようだったが、なんとなく気まずいのは変わらない。


――俺は女性の扱いに関しては新兵以下の素人だ。


 いや、その言い方は世間一般の素人さん達に失礼かもしれない。

 それほど、女性には免疫がないというか、扱い方を知らない。

 深夜、宿の個室に若い男女二人。

 お互い汗を流した後の上に室内にはダブルサイズのベッドが一つ。

 朴念仁とはいえ、この状況下でらちな発想をしないほど、ダーンは世間知らずでもなければ不健全でもなかった。

 まて、ここはひとつ、あえて朴念仁らしさを貫いてみるか。

 まずは何事もなかったように堂々と出ていくんだ。
 そして剣と床に落としたままの毛布を拾い、もう一度就寝の挨拶。
 そのままさつそうと廊下に向かおう。

 何となく堂々としていない気もする。
 
 いや、これでいいんだ。

 とにかく、それでいこうと腹に決め、ダーンは扉を開いた。


 扉の向こう側は、天窓から差し込む月明かりだけの暗い状況だった。

 部屋の理力照明は消されていて、室内は妙に静まりかえっている。

 さらに、ソファーの向こうの壁際、ベッドの上で横になったステフがいた。

 彼女は壁の方を向いていて、夏用の掛布を脇まで掛けている。
 こちら側からは、彼女の顔は見えないが……。

「ステフ……もう寝ているんだな……そ、そうだよな、きっと疲れているだろうし……」

 小さな声で確認の意味も込めて言うダーン。

「起きてるわよ……」

 ステフが、寝返りを打ちこちらを向いてくる。

「うっ……そうか、その、それじゃあ俺は……」

 と言いかけて、ダーンは壁に立て掛けていたはずの長剣がないことに気がついた。

 もしやと思いステフに視線を向ければ、ベッドの枕側の床に毛布と長剣が置かれている。

「明日の朝まで、この部屋からの退出を禁止するわ。ドアにはもう鍵もかけたし」

 したり顔で告げてくるステフ。

「……それってつまり、俺はここにいなきゃいかんのか?」

 冷静さを保っているかのような台詞だが、ダーンの声は微かに震えていた。

「当たり前でしょ。…………ん!」

 ステフは、自分が横になったベッドのすぐ脇の床を指で指し示す。

 どうやら、ここに来て座れということらしい。

 何となく逆らうことが出来ない雰囲気。

 オドオドと、ダーンは彼女の元に歩いて行き、長剣と毛布の置かれている床に座る。


「今夜はここであたしを護るように。反論は認めないから」

 悪戯いたずらっぽい微笑を浮かべているステフの声。

 その直近、ベッドの脇に座ったダーンからは、手を伸ばせば簡単に触れられる位置にステフの頭があった。

「いくら何でも近いって……せめてあっちのソファーとか」

 若干顔を紅潮させて、ダーンは部屋の中央にあるソファーを指さすが。

「反論禁止!」

「おーい……」

 容赦ない一言に、困った顔をするダーン。

 その彼を、ステフは右手の人差し指で指さし、

「ガードするのに護衛対象のすぐ側にいた方が合理的でしょ。貴方はあたしを護ることが出来る優秀な傭兵だと充分にわかっているわ。だったら、その力を有効に発揮できる環境を整えることで、あたしは身の安全をより強固にしたの」

「言っていることはわかるが……」

 困惑したまま応じるダーンの姿を見て、ステフはまたも意地悪な微笑を浮かべる。

 さらに、彼を指さしていたその指を自分の口元、下唇の下あたりに当てて、

「それに……ダーン、女の子と一緒にベッドでいいコトするほど勇敢な狼さんじゃないみたいだし」

「悪かったな……甲斐性なしで」

 いじけたような声で答えたダーンは、座ったまま身体をひねり、そっぽを向く。

 視線を上げた彼の視界に南側の屋根の天窓と月の明かりが入ってきた。

 ただ、そっぽを向いたといっても、あまり意味はなかった。
 
 南を向いた彼の右側直近にベッドがあるため、少し視線を右下に下げればステフの顔が視界に入ってくる状況なのだ。

「フフ……冗談よ。ホントは信頼しているの。この状況につけこんでいコトしないって……。それにそうね……もうちょっと大人になったら、お姉さんが特別にベッドマナーをなんして差し上げてもよろしくてよ」

 ステフは楽しそうに言って片目をつぶってくる。

「ご信頼はどうも。だがベッドマナーとやらは遠慮しておくよ。そういう方面は苦手な上に、もともとベッドが恋しい方でもなくってね……」

 ぜんと言い切るダーンに、ステフはまるで子供をあやすような口調で、

「あら、やせ我慢?」

「言ってろ……君が思うほど軽い男じゃないだけさ」

「ふーん……まるであたしが軽い女みたいな言い方ね」

「違うのかい? なら、君もやせ我慢だったりしてな」

 今度はダーンが意地悪な笑みを浮かべてステフに視線を送ると――――

 彼女は布団の裾を口元まで引き上げてその表情を隠していた。

「なるほど……なかなか言うわね。じゃあ、この際だからやせ我慢の方はやめにするね」

 そう言うと、ステフは右手を布団の中から出してダーンの方に差し出す。

「そりゃ、どういう意味?」

 差し出された右手をげんに見つめて問い返すダーン。

「手……握っててくれる……ホントはまだ怖くて眠れないの……」

 右手を差し出したまま仰向けになって視線を逸らすステフ、その声が微かにかすれていた。

 ダーンは一瞬しゆんじゆんするもゆっくりと深呼吸をし、自分の右手を彼女の右手に添える。

 すると絹のような肌の感触がしっかりとダーンの手を握りこんできた。

「凄いタコができてる……大きくてごつごつした手だわ」

「まあ、いつも剣を握っている手だからな。仕方ないだろ、文句言うなよ」

 自然な口調で言ってきたステフの悪態に反論するダーンだったが。

 彼女は一瞬きょとんとした後、軽く笑った。

「文句のつもりじゃないってば……。強くなるためにこうなったんでしょ。この手がさっきあたしを護ってくれたって実感していたの」

 その柔らかな口調、というよりも少し弱々しい感じもする声。

「……なんか、えらい変わり様というか……急に……」

「か弱い女の子みたいで可愛いでしょ?」

 ステフは片目を瞑って言い、舌先を軽く出した。

「訂正……やっぱブレないな君」

 やれやれといった風で応じるダーン。

「えへへ……。落ち着いたからかな、この手握ってて。それに、さっき泣いちゃったし、不覚にも抱きしめられちゃったし、いまさら強がるのもね……」

「だ、だ、抱きしめたとか……抱きついてきたからとつにその……」

 うわった声で反論しようとするが、ダーンは言葉が上手く浮かばなかった。

 その彼の手を、ステフは胸元に引き寄せつつ微笑んで首を横に振る。

「いいの……あそこで抱きしめてくれたのはあたし的には正解よ。だから……ありがとうダーン。……ホントに……強く……なって……」

 ステフの言葉がさらに段々弱々しなって途切れがちとなっていく。

「おい……」

「あ……ごめん……なんか……急に眠……なって……うそ……ヤバ……ホントに……」

 まぶたを重そうに瞬かせながら、ステフは意識が薄れかけているようだったが――――


 そういえば、彼女が手を握っていれば落ち着くみたいなことを言っていた。
 気が緩んで、睡魔が襲ってきたのだろう。


「いや、寝るのはいいんだが……その、手をッ」

 焦るダーンの右手は、ステフに握られたまま。
 それに、いつの間にか人のぬくもりが籠もる布団の中に引き込められている。

 その手の甲にわずかにあたる感触は……!

 そのまま、ステフはまぶたを閉じ、安らかな吐息を規則的に繰り返すだけだった。

 さらに、吐息のテンポに合わせて、手の甲に伝わる柔らかさが変動する。

「どうしろと……」

 一人呟くダーンに天窓から注ぐ月の光は、なんの閃きもよこさない。

 右手は、しっかりと吸い付くように握られていて、軽く引き抜こうとしてみたが……。
 その都度、彼女が鼻から抜ける甘い吐息と共に握りこんできて、手の甲が柔らかさに埋もれそうになる。

 
 生殺し――――

 そんな単語が、朴念仁の脳内にも浮かび上がっていた。

 だが、もはや諦めるしかない。

 どのみち、自分は女性経験はゼロだ。

 ここでいいムードになり、あるいは脱衣後頭からダイブ! などという状況にはなり得ないのだ。

 むしろ、このような状況下でも、冷静に身体を休ませる事ができるのが、一流の護衛というもの。


 断じて、強がってなどいない。


 それにしても――――

――とんだ護衛対象だな……本当に……。

 ダーンは軽い溜め息と微かな笑みを漏らし、そのまま自分も瞳を閉じるのだった。
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