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序章 朴念仁を取り巻く環境~宮廷司祭と駄目男~
第五話 調教2~浴場と欲情~
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目隠しをされたナスカは、ホーチィニに手を引かれて、少し湿気のある部屋に連れ込まれた。
気配から察するに、どうやら女中達の姿は無く、二人きりになったようだ。
裸足のまま大理石の廊下を抜けてきたため、足が冷たくなっていたところだが、ここは板張りの床となっていて、質感の柔らかい板目の感触に、少しだけほっとするナスカ。
そして、湿気とそこはかとなく鼻腔をくすぐる石けんの匂い。
目隠しのため視覚情報を遮断されたナスカだったが、他の感覚情報により連れ込まれた場所に思いあたるところがあった。
ホーチィニがナスカの手を離したため、彼は手を顔まで上げて目隠しを取ろうとするが……。
彼の両手を拘束する手錠は、腰にくくられた細いワイヤーにつながれ、その手はへその前からほとんど動かせない。
しばらくして、彼の耳に絹擦れの音が飛び込んできた。
「お前、今……何してるの?」
ナスカは努めて冷静に質問する。
「えっと……たった今、両手でショーツを膝まで下げたところ」
しれっ……と、自分の現在の状況を説明する澄ましたホーチィニ。
その隣で、こみ上げてくる熱いパトスとともに、全身に高圧低周波電流の迸った《駄目男》が全身を痙攣させる。
教会内大浴場に併設された脱衣所の湿った空気に、よどんだ悲鳴が反響した。
「生きてる?」
心配そうに声をかけてくる、生まれたままの姿になったと思われる宮廷司祭。
「死んでるかも。目隠し取って瞳孔が開いてないか確認してくれ」
電撃が収まり、弱々しく応じる。
「低周波が流れるのは二秒程度で、間に十秒ほどチャージサイクルがあるみたい。また電流が流れる前に、さっさと煩悩を捨てて平常心を保ってね」
ホーチィニは柔らかな口調で話しながら、脱いだ司祭の法衣などをたたみ始める。
「だったら、わざわざ目の前で脱ぐなッ」
悪質な嫌がらせだと解りつつ、抗議するナスカ。
その手は固く握りしめられて、へその前あたりでみっともなく怒りに震えていた。
「だって、お風呂入るから。お務め終わったし、この後貴方の家まで行ってお夕食作らなきゃでしょ。貴方、時々エプロン姿の私に後ろから抱きつくんだもの。あッ……その……勘違いしないでね、別に期待しているとかじゃなくて、やっぱりちゃんと汗を流しておかないと」
ちょっと困ったような、それでいて後半は照れたような声で答えるホーチィニ。
ナスカは危うく電流が流れそうになったが、『傭兵隊員職務倫理五項目』を頭の中で暗唱し、高ぶりつつあった《駄目男》成分を押さえ込んだ。
「何故、オレを連れ込む?」
こんな目隠しをされた上に、奇妙な装置を着けられていなければ思いもしない当然の疑問を投げかける。
「ついでにね、早く真人間になってほしいから、協力してるの」
「あー。これ、どういうプレイ?」
「遊んでないよ。ちゃんとどんな時にも平常心を保つ調きょ――じゃなかった、訓練だから。お願い……この後は一切、劣情的にならないで」
目隠ししたナスカの目の前で、途中、不穏当な言葉を口にしようとして、口元に手を当てた宮廷司祭。
――今、『調教』って言いそうになったか? っていうか、オレのこと虐めてるこの状況を改めて意識して、口元が緩んじまったのを手で隠しているな? おいッ。
「目隠しされて生殺しの上に、全身痙攣かよ……《アテネの聖女》が聞いて呆れるぜ」
「あ……ヤダッ。下着のゴムきつかったみたい。跡がついちゃった」
再びこみ上げてくる熱いパトスとともに、全身に高圧低周波電流の迸った《駄目男》が全身を痙攣させ、ビリビリと痺れて硬直する。
「ナスカ、頭から軽く煙が上ってる……」
「こッ……これ、ちょっと……強すぎね?」
「どうかしら? 確か、ちょっと弱めの心臓マッサージくらいよ」
「充分死ぬぞ、おい!」
「貴方なら大丈夫でしょ。さあ、浴室に移動ね。あ、そうだ。私が髪洗っている間に平静を保てるほどの真人間になれたら、目隠ししたままだけど、一緒にお湯に浸かろうね。ちょっと恥ずかしいけど……真人間になった貴方になら私、大胆になれるかも……」
扉を開け浴室に入るホーチィニの後ろで、またもや《駄目男》がビリビリしながら悲鳴を上げた。
☆
教会内の大浴場は、男湯と女湯に完全に分かれた構造になっていた。
大所帯が寄宿する場所であるがため、洗い場や浴槽も広く、大型の《理力器》を使った湯沸かし器は一日中大量の湯を沸かし続け、いつでも入浴が可能となっている。
今日は、宮廷司祭がほんの一時間程度、女湯を貸し切りにしていた。
ナスカもここの男湯には何度か入ったことはあったが、女湯は初めてだ。
高鳴る鼓動やらたぎる漢の血やらを押さえ込み、足探りで見つけた風呂椅子に腰掛ける。
少し濡れた木製のイスは、ズボンやパンツに水がしみてきて少々気持ち悪かったが、目隠しされ手錠までされていては、そこらに突っ立ているよりマシだろう。
頭の中では、ダーンとの剣術訓練のことや、実の妹に料理の仕方を教わったときのことを思い浮かべていた。
目隠しのナスカ――視覚を奪われたことで、ほかの感覚がより研ぎ澄まされているところへ、ホーチィニが湯をかぶる水音が鼓膜を震わせる。
生暖かい湯煙に混じって洗髪料に含まれるラベンダーの香料が彼の鼻腔を刺激していた。
「がんばるね。エライよ、ナスカ」
「ふん。オレ様にかかればこのくらい何ともない」
「素敵ッ、素敵よナスカ。私、今の貴方ならこのまま抱き合って入浴したいかも」
「はぁうッ」
素っ頓狂な声を上げ、こみ上げてくる熱いパトスとともに、全身に高圧低周波電流の迸った《駄目男》が全身を痙攣させる。
「あ、やっぱり駄目みたい」
「お前……絶っ対楽しんでるだろッ」
少女の声がした方向へと向き直り、今や全身から香ばしい香りすら立てている《駄目男》が吠える。
「キャッ……今、こっち向いちゃヤダ。こんなトコ洗ってるこんな格好見られたら、さすがに恥ずかしくて死んじゃう……」
こみ上げてくる熱いパトスとともに、《駄目男》が(略)。
「そういえば、目隠ししてて見えないんだった」
「こンのぉ……」
涙を目隠しの下から流す《駄目男》。
その隣を抜けて、タオルで濡れた髪を結い上げつつ、ホーチィニは大理石でできた広い湯船に入っていく。
「ふう……。大きいお風呂って一人で入ると贅沢な気分もするけど、ちょっと寂しいかも。ナスカも入る? 今は二人で貸しきりなんだよ」
両手でお湯をすくいながら、水音を立てるホーチィニ。
「ぜってぇに入らねぇよッ!」
拳を固く握りしめ耐えるナスカ。
「ごめんなさい、ちょっと虐めすぎだったかも……拗ねないで。お詫びに……そうね、たとえ《駄目男》のままでも、後で装置とか手錠や目隠しも外して、背中流してあげるから。もちろん、その……お互い生まれたままの姿でね」
恥ずかしそうに話すホーチィニ甘い声が、全身に高圧低周波電流の迸った《駄目男》の苦い悲鳴にかき消された。
「くう……ちょっと意識飛びかけた。ええい、がんばれオレ! 相手は所詮三歳年下のガキ……」
無駄に気合いを入れて自己を励ますナスカ。
その彼の姿に一瞬ムッとした表情をしたホーチィニは、湯の中で両手を自らの胸に当てる。
「お湯の中って、いろいろ浮力で浮いてくれるから楽なのよね。肩の荷が下りるって言うか、最近になってちょっと肩もこるくらいだから」
甘くささやく声が、湯煙の中で反響する。
しかし妙だ。
その後の情けない悲鳴は上がらない。
訝るホーチィニの視線の先、目隠しをしたナスカは、きょとんとして湯船を向いていた。
「はあ? 何言ってんの?」
まるでどうしようも無い嘘つきを咎めるようなナスカの声。
大量にあるお湯の温度が若干上昇する程度の怒りが、湯船の中で芽生える。
「……何でビリビリしないのよ」
「そりゃあ、あり得ない妄想は流石にできないし」
かこーん!
木製の風呂桶がナスカの頭部に直撃した。
「いってえなッ」
風呂椅子から立ち上がり、ナスカが吠える。
「私の胸そんなに小さくないもんッ」
ざばぁ……とお湯が波立ち、ホーチィニが立ち上がる。
「お前はわかっていない。そう、わかっていないんだ! いいか、世の中の漢という者は二つの潮流を信奉する流派に分かれるんだ。
一つ、巨乳にあらずんば華にあらず。
もう一つは蕾みこそ愛でるに至高の華。
中途半端に成長したお前は、どちらの需要も……ゴフッ!」
風呂桶が《駄目男》の顎に直撃し、バラバラに砕け散った。
「この最低男ッ」
オーバースローで全力投桶した宮廷司祭の怒声が浴場内をこだまするのだった。
気配から察するに、どうやら女中達の姿は無く、二人きりになったようだ。
裸足のまま大理石の廊下を抜けてきたため、足が冷たくなっていたところだが、ここは板張りの床となっていて、質感の柔らかい板目の感触に、少しだけほっとするナスカ。
そして、湿気とそこはかとなく鼻腔をくすぐる石けんの匂い。
目隠しのため視覚情報を遮断されたナスカだったが、他の感覚情報により連れ込まれた場所に思いあたるところがあった。
ホーチィニがナスカの手を離したため、彼は手を顔まで上げて目隠しを取ろうとするが……。
彼の両手を拘束する手錠は、腰にくくられた細いワイヤーにつながれ、その手はへその前からほとんど動かせない。
しばらくして、彼の耳に絹擦れの音が飛び込んできた。
「お前、今……何してるの?」
ナスカは努めて冷静に質問する。
「えっと……たった今、両手でショーツを膝まで下げたところ」
しれっ……と、自分の現在の状況を説明する澄ましたホーチィニ。
その隣で、こみ上げてくる熱いパトスとともに、全身に高圧低周波電流の迸った《駄目男》が全身を痙攣させる。
教会内大浴場に併設された脱衣所の湿った空気に、よどんだ悲鳴が反響した。
「生きてる?」
心配そうに声をかけてくる、生まれたままの姿になったと思われる宮廷司祭。
「死んでるかも。目隠し取って瞳孔が開いてないか確認してくれ」
電撃が収まり、弱々しく応じる。
「低周波が流れるのは二秒程度で、間に十秒ほどチャージサイクルがあるみたい。また電流が流れる前に、さっさと煩悩を捨てて平常心を保ってね」
ホーチィニは柔らかな口調で話しながら、脱いだ司祭の法衣などをたたみ始める。
「だったら、わざわざ目の前で脱ぐなッ」
悪質な嫌がらせだと解りつつ、抗議するナスカ。
その手は固く握りしめられて、へその前あたりでみっともなく怒りに震えていた。
「だって、お風呂入るから。お務め終わったし、この後貴方の家まで行ってお夕食作らなきゃでしょ。貴方、時々エプロン姿の私に後ろから抱きつくんだもの。あッ……その……勘違いしないでね、別に期待しているとかじゃなくて、やっぱりちゃんと汗を流しておかないと」
ちょっと困ったような、それでいて後半は照れたような声で答えるホーチィニ。
ナスカは危うく電流が流れそうになったが、『傭兵隊員職務倫理五項目』を頭の中で暗唱し、高ぶりつつあった《駄目男》成分を押さえ込んだ。
「何故、オレを連れ込む?」
こんな目隠しをされた上に、奇妙な装置を着けられていなければ思いもしない当然の疑問を投げかける。
「ついでにね、早く真人間になってほしいから、協力してるの」
「あー。これ、どういうプレイ?」
「遊んでないよ。ちゃんとどんな時にも平常心を保つ調きょ――じゃなかった、訓練だから。お願い……この後は一切、劣情的にならないで」
目隠ししたナスカの目の前で、途中、不穏当な言葉を口にしようとして、口元に手を当てた宮廷司祭。
――今、『調教』って言いそうになったか? っていうか、オレのこと虐めてるこの状況を改めて意識して、口元が緩んじまったのを手で隠しているな? おいッ。
「目隠しされて生殺しの上に、全身痙攣かよ……《アテネの聖女》が聞いて呆れるぜ」
「あ……ヤダッ。下着のゴムきつかったみたい。跡がついちゃった」
再びこみ上げてくる熱いパトスとともに、全身に高圧低周波電流の迸った《駄目男》が全身を痙攣させ、ビリビリと痺れて硬直する。
「ナスカ、頭から軽く煙が上ってる……」
「こッ……これ、ちょっと……強すぎね?」
「どうかしら? 確か、ちょっと弱めの心臓マッサージくらいよ」
「充分死ぬぞ、おい!」
「貴方なら大丈夫でしょ。さあ、浴室に移動ね。あ、そうだ。私が髪洗っている間に平静を保てるほどの真人間になれたら、目隠ししたままだけど、一緒にお湯に浸かろうね。ちょっと恥ずかしいけど……真人間になった貴方になら私、大胆になれるかも……」
扉を開け浴室に入るホーチィニの後ろで、またもや《駄目男》がビリビリしながら悲鳴を上げた。
☆
教会内の大浴場は、男湯と女湯に完全に分かれた構造になっていた。
大所帯が寄宿する場所であるがため、洗い場や浴槽も広く、大型の《理力器》を使った湯沸かし器は一日中大量の湯を沸かし続け、いつでも入浴が可能となっている。
今日は、宮廷司祭がほんの一時間程度、女湯を貸し切りにしていた。
ナスカもここの男湯には何度か入ったことはあったが、女湯は初めてだ。
高鳴る鼓動やらたぎる漢の血やらを押さえ込み、足探りで見つけた風呂椅子に腰掛ける。
少し濡れた木製のイスは、ズボンやパンツに水がしみてきて少々気持ち悪かったが、目隠しされ手錠までされていては、そこらに突っ立ているよりマシだろう。
頭の中では、ダーンとの剣術訓練のことや、実の妹に料理の仕方を教わったときのことを思い浮かべていた。
目隠しのナスカ――視覚を奪われたことで、ほかの感覚がより研ぎ澄まされているところへ、ホーチィニが湯をかぶる水音が鼓膜を震わせる。
生暖かい湯煙に混じって洗髪料に含まれるラベンダーの香料が彼の鼻腔を刺激していた。
「がんばるね。エライよ、ナスカ」
「ふん。オレ様にかかればこのくらい何ともない」
「素敵ッ、素敵よナスカ。私、今の貴方ならこのまま抱き合って入浴したいかも」
「はぁうッ」
素っ頓狂な声を上げ、こみ上げてくる熱いパトスとともに、全身に高圧低周波電流の迸った《駄目男》が全身を痙攣させる。
「あ、やっぱり駄目みたい」
「お前……絶っ対楽しんでるだろッ」
少女の声がした方向へと向き直り、今や全身から香ばしい香りすら立てている《駄目男》が吠える。
「キャッ……今、こっち向いちゃヤダ。こんなトコ洗ってるこんな格好見られたら、さすがに恥ずかしくて死んじゃう……」
こみ上げてくる熱いパトスとともに、《駄目男》が(略)。
「そういえば、目隠ししてて見えないんだった」
「こンのぉ……」
涙を目隠しの下から流す《駄目男》。
その隣を抜けて、タオルで濡れた髪を結い上げつつ、ホーチィニは大理石でできた広い湯船に入っていく。
「ふう……。大きいお風呂って一人で入ると贅沢な気分もするけど、ちょっと寂しいかも。ナスカも入る? 今は二人で貸しきりなんだよ」
両手でお湯をすくいながら、水音を立てるホーチィニ。
「ぜってぇに入らねぇよッ!」
拳を固く握りしめ耐えるナスカ。
「ごめんなさい、ちょっと虐めすぎだったかも……拗ねないで。お詫びに……そうね、たとえ《駄目男》のままでも、後で装置とか手錠や目隠しも外して、背中流してあげるから。もちろん、その……お互い生まれたままの姿でね」
恥ずかしそうに話すホーチィニ甘い声が、全身に高圧低周波電流の迸った《駄目男》の苦い悲鳴にかき消された。
「くう……ちょっと意識飛びかけた。ええい、がんばれオレ! 相手は所詮三歳年下のガキ……」
無駄に気合いを入れて自己を励ますナスカ。
その彼の姿に一瞬ムッとした表情をしたホーチィニは、湯の中で両手を自らの胸に当てる。
「お湯の中って、いろいろ浮力で浮いてくれるから楽なのよね。肩の荷が下りるって言うか、最近になってちょっと肩もこるくらいだから」
甘くささやく声が、湯煙の中で反響する。
しかし妙だ。
その後の情けない悲鳴は上がらない。
訝るホーチィニの視線の先、目隠しをしたナスカは、きょとんとして湯船を向いていた。
「はあ? 何言ってんの?」
まるでどうしようも無い嘘つきを咎めるようなナスカの声。
大量にあるお湯の温度が若干上昇する程度の怒りが、湯船の中で芽生える。
「……何でビリビリしないのよ」
「そりゃあ、あり得ない妄想は流石にできないし」
かこーん!
木製の風呂桶がナスカの頭部に直撃した。
「いってえなッ」
風呂椅子から立ち上がり、ナスカが吠える。
「私の胸そんなに小さくないもんッ」
ざばぁ……とお湯が波立ち、ホーチィニが立ち上がる。
「お前はわかっていない。そう、わかっていないんだ! いいか、世の中の漢という者は二つの潮流を信奉する流派に分かれるんだ。
一つ、巨乳にあらずんば華にあらず。
もう一つは蕾みこそ愛でるに至高の華。
中途半端に成長したお前は、どちらの需要も……ゴフッ!」
風呂桶が《駄目男》の顎に直撃し、バラバラに砕け散った。
「この最低男ッ」
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