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17. 呼び出し
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「あれ、佐野帰らねーの?」
某有名会社のタオルを使って汗を拭く須山が俺にそう尋ねた。今の時刻は6時を少し過ぎたところ。ブラック企業に属している時計の秒針は汗を拭く暇も無さそうだ。電池が切れるまで是非とも頑張ってほしい。
「うん、ちょっと、な」
「ふーん、何か歯切れ悪いなぁ。自主練すんのか?」
「まあ、そんな感じ。ちょっと残るよ」
「そっか。まあいいや、残るならこの卓球場の戸締まりと、俺らの部室の鍵よろしくな!多分みんな帰ってるだろうし、俺もすぐ帰るから!」
そう言って須山は、この卓球場を後にした。少し離れた部室には今同級生がワイワイしている頃だろう。そして、さっき彼はここの戸締まりをしてと頼んだ。その通り、ここには俺1人しかいない。だから彼はここの戸締まりをしてと頼んだのだ。
「…帰りましたよ」
そのそれほど大きくもない卓球場に俺のそんな声が響く。すると、奥のあまり目立たないドアから1人の小さめの咳をする女性が現れた。
「そうみたいね」
と、ゆっくりと戸を閉めながら星本先輩は言った。
そう、俺は今星本先輩と2人きりになっている。俺が呼び出したんじゃない。先輩が練習中に突如、俺を呼び出したのだ。そして、わざわざ残る人が俺1人になるまで、ずっとあの部屋にこもっていたというわけである。
「…別に、隠れなくてもよかったと思いますけどね…」
「ま、まあいいじゃない。君の同級生から見れば1番私と関わりの少ない転校生である君が、いきなり2人ぽつんと残ってたら違和感覚えちゃうでしょ?」
微笑を浮かべながら先輩はそう言った。
「俺は別に構わなかったですけどね…」
先輩のそんな笑顔に釣られるように俺の顔にも笑みが溢れた。すると、
「まあとりあえず…」
と、先輩はピンクのヘアバンドを外しながら突如そう切り出した。
「呼び出した理由を言わなきゃいけないね」
急に先輩の顔が引き締まったので、少し驚いたが、もともと俺と先輩が2人きりになったのはこんな放課後トーク、のようなものをするためではなく、こういうようなちゃんとした話をするためだったので、俺も顔を真剣な表情に移す。
「はい…。そうですね」
なんなんだろう。呼び出した理由って。出会ってからいきなり告白はおかしいし、というかまず3人を同時に振るような理想の高い人だし…。だめだ、自分自身の恋愛経験の少なさから、そういう恋愛系の思考ばっかり考えてしまうぞ…?漫画や小説、ドラマの見すぎだろ俺、と心中自分にツッコミを入れた。そして同時にそんなことを期待している自分に呆れてしまう。
今はそんな余計なことを考えずに、先輩の口から出てくる言葉を聞こう。もしかしたら、服装とか、私語とかが多かったとかの個人説教回かもしれないしな。
かすかな咳の音が響いた後、先輩は話を切り出した。
「今日、佐野くんを呼び出したのはね…?」
「は、はい」
「君に、1つ尋ねておきたいことがあったからなんだ」
「尋ねておきたいこと…?」
ピン、と。小さな人差し指を立て、先輩は続ける。
「うん、もしかしたら私の勘違いかもしれないし、全く違うことを言うかもしれないけど…。とりあえず聞きたいことが1つ」
すると、先輩は手を後ろに組みながら、ゆっくりと俺に歩を進めた。当然、徐々に俺たちの距離は詰まっていく。俺は後ずさろうとしたが、なぜか足が動かない。謎の金縛りにあっている…!
「ちょ、ちょっと…」
こ、これはコミュ症関係なしで誰でもこうなるよな?だっていきなりだぞ?いきなりーー。
「佐野くん」
「は、はい…!?」
気がつくと、目と鼻の先に先輩はいた。本当に、何を言うつもりなんだ…。そう心の中焦っていると、先輩は俺の耳元へと口を動かして囁くように言った。
君、佐伯茜さんを知ってるかな??
と、この先輩が知るはずもない存在(ひと)のことを…。
静かな卓球場にチッチッ、と時計の秒針の音だけが響く。俺は先程目の前にいる先輩から驚きのカミングアウトを受けた。
「あ…茜??」
そんな先輩の言葉を聞き、俺の頭の中は1つの衝動に駆られた。なぜ、この先輩があいつのことを知ってるんだ…?だって、関わりとかは今までなかったはずだし…。
「その反応は…、知ってるみたいだね」
ふっと、俺から距離をとりながらそういう先輩。
「な、なんであいつのことを…。先輩が2年の時に関わりがあったんですか?」
俺が2年になってこの学校に転校してきてから、あいつとこの先輩との関わりはないと思った俺は先輩にそう尋ねた。あいつが1年の時にこの先輩と関わりがあるなら知ってても無理ないと思ったからだ。
そうあってほしいと願っていた俺の懇願も含まれているこの質問に、先輩は返答する。
「いいや、私が2年の時は関わってないねぇ」
顎に手をやりながらそう言う先輩に、俺は眉をひそめた。2年の時"は"…?なんだ、その"は"は…。
それよりも、俺には1番引っかかっている疑問点がある。
「そうですか…。後1つ、気になってることがあるんですけど…」
「あはは、えらく積極的だねぇ。どーしたの?」
俺が狼狽しているのを楽しんでいるのかどうかは分からないが、先輩は場に合わない微笑をした。頭の上にハテナを思い浮かべながら俺はさらに尋ねた。
「なんで、そのことを俺に聞いたんですか?茜のことが気になるなら直接、茜に尋ねた方が早いと思ったんですけど…」
「なるほどね…。そういうことか」
と、先輩は一度咳をして言った。
「私、3年になってから登校時間をずらしたんだ。今まで結構ギリギリになってたけど、今は結構余裕を持って登校してるってワケだねー。で、今の登校時間にしたら君と茜ちゃんが一緒に登校してるのを見かけてね。その時に彼女が私と同じ高校に通ってるのを知って、直接聞くのも変な話だし、君に尋ねたんだ」
「変な話…?」
なんでだ?別に変な話ではないと思うが…。それに、先ほどの話からもともとの関わりがあったんなら、余計に直接茜にその気になることとやらを尋ねたらいいと思うが…。
「まあまあ、つまりそういうことだよ。君の質問はそれだけかな?」
「ま、まあ…。はい、そうですね」
先ほどの疑問点について聞こうとしたが、先輩に締め切られるような感じにされてしまったので、やむなくその先輩の言葉に承知した。
「じゃあ私から質問ね。茜ちゃんとは君、付き合ってるのかな?」
「……は?」
場の空気がいきなり和む様な質問をしてきた先輩。さっきまであんなにシリアスチックな質問俺してたのに…。
「いやいやいや!付き合ってないですよ!一緒に登校してるのを見て勝手に誤解しないでください!家が隣ってだけで一緒に学校来てるだけです!」
「あれ、そうだったの?てっきり茜ちゃんに彼氏ができたものだと思ったけど…?違うならいっか!」
「違いますよもう…」
俺が軽く呆れ気味にそう返すと、先輩は壁掛け時計をチラッと見て言った。
「あ、ちなみにさ、私が残ってって言ったのはこのことが気になったからだよ。時間とってごめんね、じゃあお疲れ様、ばいばい!」
「あー、はい、お疲れ様です!」
と、手を軽く振りながらそう言ってそのままこの卓球場を出ていった先輩。荷物はさっきまで肩にかけていたタオルだけかなと思いつつ、俺は先輩にそう返した。
「………」
本当に誰もいなくなったこの卓球場で、俺は1人考えを巡らせていた。
先輩が俺を呼び出した理由、先輩自身は俺と茜が付き合ってるのがどうか、気になったからだと言った。俺も一瞬はその理由に納得した、が…。
「まあ…。そんなわけないよな」
そう、そんなわけないのだ。わざわざそんなことを聞くため"だけ"に俺を呼び出すわけがない。他にもっと先輩自身が俺に聞きたいことがあったはずだ。
「茜をなぜ知ってたのか…」
同じ高校だということを俺と茜が一緒に登校するのをみて初めて知ったと言っていた先輩。ということは茜が高2になるまでは彼女がこの高校にいるということを先輩は知らなかった、ということだ。もっと考えると、高1の時も当然知らなかったわけで、そうなると…。
「…もっともっと、昔からの何かしらの関わりがあったのか…?先輩と茜に。もしくは…!」
ここで俺は1つの新しい可能性を見出した。
「茜だけじゃない…。雫も、何か…!?」
茜を知っている先輩が雫を知らなわけがない。先輩と、佐伯姉妹。俺の知らない少し昔に関わりがあったのだろうか…?
関係性について考えていると、更なる疑問が。
「なんで、そんなに深堀りしなかったんだ…?」
先輩は俺と茜が付き合ってるかどうかだけ聞いて、この場所を去っていった。先輩自身に俺と茜のことについて気になることがあるのならばもう少し探っていたはずだ。でも先輩はサッと帰ってしまった。
「うーん…。あの先輩…、謎だ…」
何かあのあと用事でもあったのだろうか。と、俺は考えながらそう呟いた。まあ、用事があったとしても俺には関係のないことだ。先輩からの用も無くなったわけだし、俺もこの卓球場から出るとしよう。
次茜に会ったら先輩との関係について尋ねてみるかと、そう考えながら俺はこの卓球場を後にするのだった。
先輩と佐伯姉妹に何か昔、関わりがあったのだろうか?あるとしたならどのような過去があったのか。1人夕暮れの校門をくぐる今の俺には知る由もなかった…。
某有名会社のタオルを使って汗を拭く須山が俺にそう尋ねた。今の時刻は6時を少し過ぎたところ。ブラック企業に属している時計の秒針は汗を拭く暇も無さそうだ。電池が切れるまで是非とも頑張ってほしい。
「うん、ちょっと、な」
「ふーん、何か歯切れ悪いなぁ。自主練すんのか?」
「まあ、そんな感じ。ちょっと残るよ」
「そっか。まあいいや、残るならこの卓球場の戸締まりと、俺らの部室の鍵よろしくな!多分みんな帰ってるだろうし、俺もすぐ帰るから!」
そう言って須山は、この卓球場を後にした。少し離れた部室には今同級生がワイワイしている頃だろう。そして、さっき彼はここの戸締まりをしてと頼んだ。その通り、ここには俺1人しかいない。だから彼はここの戸締まりをしてと頼んだのだ。
「…帰りましたよ」
そのそれほど大きくもない卓球場に俺のそんな声が響く。すると、奥のあまり目立たないドアから1人の小さめの咳をする女性が現れた。
「そうみたいね」
と、ゆっくりと戸を閉めながら星本先輩は言った。
そう、俺は今星本先輩と2人きりになっている。俺が呼び出したんじゃない。先輩が練習中に突如、俺を呼び出したのだ。そして、わざわざ残る人が俺1人になるまで、ずっとあの部屋にこもっていたというわけである。
「…別に、隠れなくてもよかったと思いますけどね…」
「ま、まあいいじゃない。君の同級生から見れば1番私と関わりの少ない転校生である君が、いきなり2人ぽつんと残ってたら違和感覚えちゃうでしょ?」
微笑を浮かべながら先輩はそう言った。
「俺は別に構わなかったですけどね…」
先輩のそんな笑顔に釣られるように俺の顔にも笑みが溢れた。すると、
「まあとりあえず…」
と、先輩はピンクのヘアバンドを外しながら突如そう切り出した。
「呼び出した理由を言わなきゃいけないね」
急に先輩の顔が引き締まったので、少し驚いたが、もともと俺と先輩が2人きりになったのはこんな放課後トーク、のようなものをするためではなく、こういうようなちゃんとした話をするためだったので、俺も顔を真剣な表情に移す。
「はい…。そうですね」
なんなんだろう。呼び出した理由って。出会ってからいきなり告白はおかしいし、というかまず3人を同時に振るような理想の高い人だし…。だめだ、自分自身の恋愛経験の少なさから、そういう恋愛系の思考ばっかり考えてしまうぞ…?漫画や小説、ドラマの見すぎだろ俺、と心中自分にツッコミを入れた。そして同時にそんなことを期待している自分に呆れてしまう。
今はそんな余計なことを考えずに、先輩の口から出てくる言葉を聞こう。もしかしたら、服装とか、私語とかが多かったとかの個人説教回かもしれないしな。
かすかな咳の音が響いた後、先輩は話を切り出した。
「今日、佐野くんを呼び出したのはね…?」
「は、はい」
「君に、1つ尋ねておきたいことがあったからなんだ」
「尋ねておきたいこと…?」
ピン、と。小さな人差し指を立て、先輩は続ける。
「うん、もしかしたら私の勘違いかもしれないし、全く違うことを言うかもしれないけど…。とりあえず聞きたいことが1つ」
すると、先輩は手を後ろに組みながら、ゆっくりと俺に歩を進めた。当然、徐々に俺たちの距離は詰まっていく。俺は後ずさろうとしたが、なぜか足が動かない。謎の金縛りにあっている…!
「ちょ、ちょっと…」
こ、これはコミュ症関係なしで誰でもこうなるよな?だっていきなりだぞ?いきなりーー。
「佐野くん」
「は、はい…!?」
気がつくと、目と鼻の先に先輩はいた。本当に、何を言うつもりなんだ…。そう心の中焦っていると、先輩は俺の耳元へと口を動かして囁くように言った。
君、佐伯茜さんを知ってるかな??
と、この先輩が知るはずもない存在(ひと)のことを…。
静かな卓球場にチッチッ、と時計の秒針の音だけが響く。俺は先程目の前にいる先輩から驚きのカミングアウトを受けた。
「あ…茜??」
そんな先輩の言葉を聞き、俺の頭の中は1つの衝動に駆られた。なぜ、この先輩があいつのことを知ってるんだ…?だって、関わりとかは今までなかったはずだし…。
「その反応は…、知ってるみたいだね」
ふっと、俺から距離をとりながらそういう先輩。
「な、なんであいつのことを…。先輩が2年の時に関わりがあったんですか?」
俺が2年になってこの学校に転校してきてから、あいつとこの先輩との関わりはないと思った俺は先輩にそう尋ねた。あいつが1年の時にこの先輩と関わりがあるなら知ってても無理ないと思ったからだ。
そうあってほしいと願っていた俺の懇願も含まれているこの質問に、先輩は返答する。
「いいや、私が2年の時は関わってないねぇ」
顎に手をやりながらそう言う先輩に、俺は眉をひそめた。2年の時"は"…?なんだ、その"は"は…。
それよりも、俺には1番引っかかっている疑問点がある。
「そうですか…。後1つ、気になってることがあるんですけど…」
「あはは、えらく積極的だねぇ。どーしたの?」
俺が狼狽しているのを楽しんでいるのかどうかは分からないが、先輩は場に合わない微笑をした。頭の上にハテナを思い浮かべながら俺はさらに尋ねた。
「なんで、そのことを俺に聞いたんですか?茜のことが気になるなら直接、茜に尋ねた方が早いと思ったんですけど…」
「なるほどね…。そういうことか」
と、先輩は一度咳をして言った。
「私、3年になってから登校時間をずらしたんだ。今まで結構ギリギリになってたけど、今は結構余裕を持って登校してるってワケだねー。で、今の登校時間にしたら君と茜ちゃんが一緒に登校してるのを見かけてね。その時に彼女が私と同じ高校に通ってるのを知って、直接聞くのも変な話だし、君に尋ねたんだ」
「変な話…?」
なんでだ?別に変な話ではないと思うが…。それに、先ほどの話からもともとの関わりがあったんなら、余計に直接茜にその気になることとやらを尋ねたらいいと思うが…。
「まあまあ、つまりそういうことだよ。君の質問はそれだけかな?」
「ま、まあ…。はい、そうですね」
先ほどの疑問点について聞こうとしたが、先輩に締め切られるような感じにされてしまったので、やむなくその先輩の言葉に承知した。
「じゃあ私から質問ね。茜ちゃんとは君、付き合ってるのかな?」
「……は?」
場の空気がいきなり和む様な質問をしてきた先輩。さっきまであんなにシリアスチックな質問俺してたのに…。
「いやいやいや!付き合ってないですよ!一緒に登校してるのを見て勝手に誤解しないでください!家が隣ってだけで一緒に学校来てるだけです!」
「あれ、そうだったの?てっきり茜ちゃんに彼氏ができたものだと思ったけど…?違うならいっか!」
「違いますよもう…」
俺が軽く呆れ気味にそう返すと、先輩は壁掛け時計をチラッと見て言った。
「あ、ちなみにさ、私が残ってって言ったのはこのことが気になったからだよ。時間とってごめんね、じゃあお疲れ様、ばいばい!」
「あー、はい、お疲れ様です!」
と、手を軽く振りながらそう言ってそのままこの卓球場を出ていった先輩。荷物はさっきまで肩にかけていたタオルだけかなと思いつつ、俺は先輩にそう返した。
「………」
本当に誰もいなくなったこの卓球場で、俺は1人考えを巡らせていた。
先輩が俺を呼び出した理由、先輩自身は俺と茜が付き合ってるのがどうか、気になったからだと言った。俺も一瞬はその理由に納得した、が…。
「まあ…。そんなわけないよな」
そう、そんなわけないのだ。わざわざそんなことを聞くため"だけ"に俺を呼び出すわけがない。他にもっと先輩自身が俺に聞きたいことがあったはずだ。
「茜をなぜ知ってたのか…」
同じ高校だということを俺と茜が一緒に登校するのをみて初めて知ったと言っていた先輩。ということは茜が高2になるまでは彼女がこの高校にいるということを先輩は知らなかった、ということだ。もっと考えると、高1の時も当然知らなかったわけで、そうなると…。
「…もっともっと、昔からの何かしらの関わりがあったのか…?先輩と茜に。もしくは…!」
ここで俺は1つの新しい可能性を見出した。
「茜だけじゃない…。雫も、何か…!?」
茜を知っている先輩が雫を知らなわけがない。先輩と、佐伯姉妹。俺の知らない少し昔に関わりがあったのだろうか…?
関係性について考えていると、更なる疑問が。
「なんで、そんなに深堀りしなかったんだ…?」
先輩は俺と茜が付き合ってるかどうかだけ聞いて、この場所を去っていった。先輩自身に俺と茜のことについて気になることがあるのならばもう少し探っていたはずだ。でも先輩はサッと帰ってしまった。
「うーん…。あの先輩…、謎だ…」
何かあのあと用事でもあったのだろうか。と、俺は考えながらそう呟いた。まあ、用事があったとしても俺には関係のないことだ。先輩からの用も無くなったわけだし、俺もこの卓球場から出るとしよう。
次茜に会ったら先輩との関係について尋ねてみるかと、そう考えながら俺はこの卓球場を後にするのだった。
先輩と佐伯姉妹に何か昔、関わりがあったのだろうか?あるとしたならどのような過去があったのか。1人夕暮れの校門をくぐる今の俺には知る由もなかった…。
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