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10. 6限目
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黒歴史というものは突然のごとく誕生してしまうものだ。それに同じく、俺の黒歴史がまたまた誕生してしまった。なんか転校してから黒歴史ができるスパンが早くなった気がする。
「はぁー、恥ずかしかったなぁ」
5時限目の国語が終わり、俺は教科書等を引き出しにしまいながらそう呟いた。
すると、その俺の独り言に反応する奴がいた。
「は、恥ずかしかったのは僕もなんだぞー!なんだ!1人だけ恥ずかしかったみたいなこと言うな!」
頬を膨らませ、反論するように茜は言った。なんだろう、恐らく本人は怒っているんだろうが、怒りや怖さが全く伝わってこないので全然平気だ…。
「なんで怒ってんだよ…」
ちなみに、あのことによって起きた気まずさとかは全くなかった。今もこのように平然と話している。
「別に怒ってない!ただ、あのタイミングで佑が変なことを言うからぁ!」
「やめろやめろ…。ほら、また視線が…」
「は、はぅぅ…」
と、俺がいうとさっきまでの勢いはどこへやら、茜はすぐにしょげてまた恥ずかしがっていた。
「はは…。まさに青菜に塩だな…」
昼休みの件があり、クラスメイトや棚橋に妙な誤解を招かれてしまったので、俺と茜が喋っていると、されたくないのに、注目されるようになってしまった。注目されるのは悪くないと思ってはいたが、ここまでに恥ずかしい注目はあまり浴びたくない。
そんな感じで恥ずかしがる茜を見ながらそう考えていると、
「あんたらさー」
と、もう聞き慣れた関西弁で話しかけてくる奴がいた。
「おお、棚橋」
「もう、付き合ってるのんとちゃいまっか?そこら辺はどーなのよ、佑」
もうわざと、わざととしか言いようがないニヤニヤ度で聞いてくる棚橋。
「もうよしてくれ…。茜のメンタルがもたないぞ…。そのうちイジメ相談アンケートに書かれるかもな…」
「うえっ!?そ、それは勘弁やなぁ…。ごめんな?茜」
と、俺の言葉に少し恐怖を覚えたのか、割と真面目な顔で照れる茜に謝る棚橋。
「いや別に大丈夫だけどー、もうなんか居づらくなっちゃってんだぞ!」
「まあそうだな…。それは俺もだ…」
ようやく気持ちを落ち着かせることができたのか、顔の色が戻った茜はそう言い、それに俺も共感した。
「そういえば、次の6限目の授業ってなんや?」
突如、棚橋がそう俺に尋ねた。
「次は体育だな。まあ、ペア発表した日に体育ですぐ踊るっていうのはあれだが…」
「まあまあ、後野外活動まで1週間なんだから、しょーがないと僕は思うぞ!」
「そうだな…。というかお前は知らない奴と組むんだ、緊張とかないのか?茜」
知らない奴と組むにしては妙に組む前の緊張感というか、そういったものが茜からは感じられない。
「もちろん緊張してるけど…。喋ることができる新しい人ができるってことだから、緊張の反面、少し楽しみだ!」
「そうかそうか」
「おいー、佑ー!はやくきーや!」
突然声が聞こえたのでそっちを見ると、体操服を持った棚橋がいた。
「女子は教室で着替えるんやろー?ほら、早く出るで!」
「おーすまんすまん!じゃな、茜」
「うん、また会えたら後でな」
呼ばれた俺は体操服を持ち、棚橋とこの教室を後にするのだった。今の俺の心境は緊張よりも不安の指数の方が上になっている。
ついに…、あいつと会い、踊る時が来たか…。うまくいくかなぁ…。
「はぁー、恥ずかしかったなぁ」
5時限目の国語が終わり、俺は教科書等を引き出しにしまいながらそう呟いた。
すると、その俺の独り言に反応する奴がいた。
「は、恥ずかしかったのは僕もなんだぞー!なんだ!1人だけ恥ずかしかったみたいなこと言うな!」
頬を膨らませ、反論するように茜は言った。なんだろう、恐らく本人は怒っているんだろうが、怒りや怖さが全く伝わってこないので全然平気だ…。
「なんで怒ってんだよ…」
ちなみに、あのことによって起きた気まずさとかは全くなかった。今もこのように平然と話している。
「別に怒ってない!ただ、あのタイミングで佑が変なことを言うからぁ!」
「やめろやめろ…。ほら、また視線が…」
「は、はぅぅ…」
と、俺がいうとさっきまでの勢いはどこへやら、茜はすぐにしょげてまた恥ずかしがっていた。
「はは…。まさに青菜に塩だな…」
昼休みの件があり、クラスメイトや棚橋に妙な誤解を招かれてしまったので、俺と茜が喋っていると、されたくないのに、注目されるようになってしまった。注目されるのは悪くないと思ってはいたが、ここまでに恥ずかしい注目はあまり浴びたくない。
そんな感じで恥ずかしがる茜を見ながらそう考えていると、
「あんたらさー」
と、もう聞き慣れた関西弁で話しかけてくる奴がいた。
「おお、棚橋」
「もう、付き合ってるのんとちゃいまっか?そこら辺はどーなのよ、佑」
もうわざと、わざととしか言いようがないニヤニヤ度で聞いてくる棚橋。
「もうよしてくれ…。茜のメンタルがもたないぞ…。そのうちイジメ相談アンケートに書かれるかもな…」
「うえっ!?そ、それは勘弁やなぁ…。ごめんな?茜」
と、俺の言葉に少し恐怖を覚えたのか、割と真面目な顔で照れる茜に謝る棚橋。
「いや別に大丈夫だけどー、もうなんか居づらくなっちゃってんだぞ!」
「まあそうだな…。それは俺もだ…」
ようやく気持ちを落ち着かせることができたのか、顔の色が戻った茜はそう言い、それに俺も共感した。
「そういえば、次の6限目の授業ってなんや?」
突如、棚橋がそう俺に尋ねた。
「次は体育だな。まあ、ペア発表した日に体育ですぐ踊るっていうのはあれだが…」
「まあまあ、後野外活動まで1週間なんだから、しょーがないと僕は思うぞ!」
「そうだな…。というかお前は知らない奴と組むんだ、緊張とかないのか?茜」
知らない奴と組むにしては妙に組む前の緊張感というか、そういったものが茜からは感じられない。
「もちろん緊張してるけど…。喋ることができる新しい人ができるってことだから、緊張の反面、少し楽しみだ!」
「そうかそうか」
「おいー、佑ー!はやくきーや!」
突然声が聞こえたのでそっちを見ると、体操服を持った棚橋がいた。
「女子は教室で着替えるんやろー?ほら、早く出るで!」
「おーすまんすまん!じゃな、茜」
「うん、また会えたら後でな」
呼ばれた俺は体操服を持ち、棚橋とこの教室を後にするのだった。今の俺の心境は緊張よりも不安の指数の方が上になっている。
ついに…、あいつと会い、踊る時が来たか…。うまくいくかなぁ…。
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