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完結編 月の獅子の目は彼の者に
七話 まじゅつのじゅぎょうですって
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小鳥がさえずるなんと気持ちの良い朝なんでしょう……珍しくぼんやりした目覚めではなくスッキリとした目覚め。
のそのそと起き上がって見えるのはもちろん、エウァルドさんの横顔。
「おはようございます~」
「ああ、おはようニッキー」
……エウァルドさんすんごい顔してる、東方の書物でみたことあるこれ、金剛力士像? てやつ。
そんなエウァルドさんの見ている先にはご機嫌そうにしてるアルゴスさんが半袖白シャツで腕をぐるぐる回してる。
「ようおはようさんニッキーサマ、調子はどーだい? あん? 眠い? そーかそーか! 寝起きだもんなそうだよなーよーし、顔洗って着替えてこい」
寝起き一分でなんてこと言うんだろうこの人は。
「ニッキーは今起きたばかりなんだ、一時間待ってくれ」
「かかりすぎじゃボケ、五分、いや十分でじゅうぶんだろ、今日はいつもぼけぼけした暮らししてるニッキーサマに刺激をプレゼントしてやろう、どうだ? 嬉しいだろう」
あんだとう? 誰がぼけぼけしてるってえ?
「……ぅ、はい」
あ、頭はスッキリしてるけど呂律怪しいやつだ、ぼけぼけしてるかも。
※※※
「オラァ! たのしいたのしい勉強の時間だぜぇ! 」
「うわっ、うわぁっ……」
すごい不吉な台詞、この世でトップテンに入るくらい不吉。
「オラァ! 俺様が厳選して選んだ初心者向け魔術書四十冊!! 」
「厳選できてなくない? 桁おかしくない? 」
「誰でもできる魔術シリーズ全五元素十冊! 」
「はいい? 」
「とりまこんなもんだな、長く見積もって一年はもつだろ」
「一年?? 十年分ではなく?? 」
のそのそと着替えて、モソモソと軽食食べていろいろわあーてしていたら突如乱暴に扉開けて満面の笑顔のアルゴスさんとその後ろからたくさんの本を積んだワゴンを押しながらメルディアさんがやってきた。
「ニッキー、この程度なら半月で十分だ」
「はぁん? 何を仰ってるんです? 」
ワゴンいっぱいに積まれた本を見て言うエウァルドさんの正気を疑いたい。
「おうニッキーサマや、将来的には後継者になるかもしれん逸材だ、あまーくあまーーくしてやるさ」
積まれた本を一冊こちらに見せつけるように手にとってニヤニヤ~とするアルゴスさん。
なんなんだ今日は。
朝っぱらからはじまるイレギュラーに蝶を花よ生活してた僕の余裕など簡単になくなるもので。
「……やです」
「あん? 」
「いーやーでーすー! 勉強!! いや! や! 」
「あぁ!? なんだとう!? テメェこの俺が手ずから教えてやろうってんだぞ!? 金山のように積んでも中々しねえんだぞ?! 」
「知りませんよーだ! こちとらナイフより重いもの持ったことない貧弱者なんですからね?! そんな僕に勉強なんてひどいと思いません!? ねーエウァルドさん! 」
「ん? 学習は貴族の義務だぞ? ひどいも何もないだろう」
「エウァルドさん嫌い!! 」
「ム!? 」
これはあれだ、子供が宿題を前にして出す拒否反応……誰が子供だってえ? やだぁ頭の中パニックよ、正確にはあれだ、どうこの本の山から逃げるか、かんがえろー自分。
「こりゃ宿題じゃねえ、単に魔術について知る近道をするだけだ」
「それを勉強って言ってそこの本の山が宿題になるんだと僕の頭が認識してるんですよねぇ……」
「あーん? なんで嫌がるかねえ、予定と違うぜ、おいエウァルドさんや、なんとか説得してくれねえか、こいつのことに詳しいんだろ」
「ん……、詳しくないわけではないが、魔術について学ぶことについては疑問がある」
「あん? なにがだ」
「俺の目的はニッキーの側にいることだが、そのためにはまずニッキーには平和に暮らしてもらわなければいけない」
「なあそりゃどういう目線で言ってるんだ? 保護者か? 」
「当然伴侶だが? 」
「………ニッキーサマもニッキーサマだが、おまえもおまえでなんかズレてんな」
「なんかエウァルドさんて話し通じてるようで通じてない気がするときあるんですよね」
「あんたさんは通じちゃいけねえところに通じそうな気配がプンプンするがな、いいかいおまえさんがた、よーく聞け」
「なんです? 説得には応じませんが? 」
「説得じゃねえ説明じゃい、いいかー? 俺達、いやダンちゃんはな、あんたさんの異変をなんとか解決しようとふるーい人脈フル活用した結果俺が呼ばれた、この意味がわかるか? 」
「んー、ん? ……ちょっと頭が回らないです」
「物理じゃどうにもならねえからそれ以外の手段にでたってことだよ、呪術魔術だのほんとはダンちゃん好きじゃねえんだが、手段選んでらんねえらしいんだよきっと」
「へぇー」
とても気を遣われてるのはわかる、エウァルドさんにも、ダンさんにも、お父様にもとても気を遣われてるのはわかる。
どうしたらこの恩を返せるのかはわからない。
「んで今俺がやろうとしてるのはニッキーサマに魔術の知識を授けて自分でしかわからないことや最低限の自衛手段をもたせれば必ず役に立つだろうって算段だ」
「……ほほう」
わかるような……ピンときそうな。
「もう少し言葉がいるか? よーしよし」
「んー」
「ニッキーサマにはニッキーサマにしかわからねえ異変があるのはわかる、だがそれが何なのか俺達目線わからねえ、勿論時間が許す限り調べるがひとつの策としてニッキーサマ自身が知識を得て、その呪いが一体何なのかを言語化できたらちったあ早く解決できるかもしれねえだろ」
「あー、たしかに」
僕が魔術に詳しくなって、自己診断できるようになれば、恩返しができる?
「まあ高望みはしねえ、知識を得るのと得ないのでは大分ちがうってもんだ……ついでに口うるせえ帝国の腹黒爺どもを黙らせられるかもしれねえしな」
「おい 」
呪いってなーに?
………あぁなんかよくわかんないところでピンときそう、いやなピンの仕方しそう。
「てことで早速授業はじめっぞ! 」
「や!! 」
それはそれこれはこれ!! 勉強キライ!!
のそのそと起き上がって見えるのはもちろん、エウァルドさんの横顔。
「おはようございます~」
「ああ、おはようニッキー」
……エウァルドさんすんごい顔してる、東方の書物でみたことあるこれ、金剛力士像? てやつ。
そんなエウァルドさんの見ている先にはご機嫌そうにしてるアルゴスさんが半袖白シャツで腕をぐるぐる回してる。
「ようおはようさんニッキーサマ、調子はどーだい? あん? 眠い? そーかそーか! 寝起きだもんなそうだよなーよーし、顔洗って着替えてこい」
寝起き一分でなんてこと言うんだろうこの人は。
「ニッキーは今起きたばかりなんだ、一時間待ってくれ」
「かかりすぎじゃボケ、五分、いや十分でじゅうぶんだろ、今日はいつもぼけぼけした暮らししてるニッキーサマに刺激をプレゼントしてやろう、どうだ? 嬉しいだろう」
あんだとう? 誰がぼけぼけしてるってえ?
「……ぅ、はい」
あ、頭はスッキリしてるけど呂律怪しいやつだ、ぼけぼけしてるかも。
※※※
「オラァ! たのしいたのしい勉強の時間だぜぇ! 」
「うわっ、うわぁっ……」
すごい不吉な台詞、この世でトップテンに入るくらい不吉。
「オラァ! 俺様が厳選して選んだ初心者向け魔術書四十冊!! 」
「厳選できてなくない? 桁おかしくない? 」
「誰でもできる魔術シリーズ全五元素十冊! 」
「はいい? 」
「とりまこんなもんだな、長く見積もって一年はもつだろ」
「一年?? 十年分ではなく?? 」
のそのそと着替えて、モソモソと軽食食べていろいろわあーてしていたら突如乱暴に扉開けて満面の笑顔のアルゴスさんとその後ろからたくさんの本を積んだワゴンを押しながらメルディアさんがやってきた。
「ニッキー、この程度なら半月で十分だ」
「はぁん? 何を仰ってるんです? 」
ワゴンいっぱいに積まれた本を見て言うエウァルドさんの正気を疑いたい。
「おうニッキーサマや、将来的には後継者になるかもしれん逸材だ、あまーくあまーーくしてやるさ」
積まれた本を一冊こちらに見せつけるように手にとってニヤニヤ~とするアルゴスさん。
なんなんだ今日は。
朝っぱらからはじまるイレギュラーに蝶を花よ生活してた僕の余裕など簡単になくなるもので。
「……やです」
「あん? 」
「いーやーでーすー! 勉強!! いや! や! 」
「あぁ!? なんだとう!? テメェこの俺が手ずから教えてやろうってんだぞ!? 金山のように積んでも中々しねえんだぞ?! 」
「知りませんよーだ! こちとらナイフより重いもの持ったことない貧弱者なんですからね?! そんな僕に勉強なんてひどいと思いません!? ねーエウァルドさん! 」
「ん? 学習は貴族の義務だぞ? ひどいも何もないだろう」
「エウァルドさん嫌い!! 」
「ム!? 」
これはあれだ、子供が宿題を前にして出す拒否反応……誰が子供だってえ? やだぁ頭の中パニックよ、正確にはあれだ、どうこの本の山から逃げるか、かんがえろー自分。
「こりゃ宿題じゃねえ、単に魔術について知る近道をするだけだ」
「それを勉強って言ってそこの本の山が宿題になるんだと僕の頭が認識してるんですよねぇ……」
「あーん? なんで嫌がるかねえ、予定と違うぜ、おいエウァルドさんや、なんとか説得してくれねえか、こいつのことに詳しいんだろ」
「ん……、詳しくないわけではないが、魔術について学ぶことについては疑問がある」
「あん? なにがだ」
「俺の目的はニッキーの側にいることだが、そのためにはまずニッキーには平和に暮らしてもらわなければいけない」
「なあそりゃどういう目線で言ってるんだ? 保護者か? 」
「当然伴侶だが? 」
「………ニッキーサマもニッキーサマだが、おまえもおまえでなんかズレてんな」
「なんかエウァルドさんて話し通じてるようで通じてない気がするときあるんですよね」
「あんたさんは通じちゃいけねえところに通じそうな気配がプンプンするがな、いいかいおまえさんがた、よーく聞け」
「なんです? 説得には応じませんが? 」
「説得じゃねえ説明じゃい、いいかー? 俺達、いやダンちゃんはな、あんたさんの異変をなんとか解決しようとふるーい人脈フル活用した結果俺が呼ばれた、この意味がわかるか? 」
「んー、ん? ……ちょっと頭が回らないです」
「物理じゃどうにもならねえからそれ以外の手段にでたってことだよ、呪術魔術だのほんとはダンちゃん好きじゃねえんだが、手段選んでらんねえらしいんだよきっと」
「へぇー」
とても気を遣われてるのはわかる、エウァルドさんにも、ダンさんにも、お父様にもとても気を遣われてるのはわかる。
どうしたらこの恩を返せるのかはわからない。
「んで今俺がやろうとしてるのはニッキーサマに魔術の知識を授けて自分でしかわからないことや最低限の自衛手段をもたせれば必ず役に立つだろうって算段だ」
「……ほほう」
わかるような……ピンときそうな。
「もう少し言葉がいるか? よーしよし」
「んー」
「ニッキーサマにはニッキーサマにしかわからねえ異変があるのはわかる、だがそれが何なのか俺達目線わからねえ、勿論時間が許す限り調べるがひとつの策としてニッキーサマ自身が知識を得て、その呪いが一体何なのかを言語化できたらちったあ早く解決できるかもしれねえだろ」
「あー、たしかに」
僕が魔術に詳しくなって、自己診断できるようになれば、恩返しができる?
「まあ高望みはしねえ、知識を得るのと得ないのでは大分ちがうってもんだ……ついでに口うるせえ帝国の腹黒爺どもを黙らせられるかもしれねえしな」
「おい 」
呪いってなーに?
………あぁなんかよくわかんないところでピンときそう、いやなピンの仕方しそう。
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