燃え尽きた貴族が10年後療養してたら元婚約者に娶られてしまいまして

おげんや豆腐

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本編

偉大なる冒険家クアフル

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獅子に愛された国アスランの大地には、アスランの歴史しか無かった。


魔術師達の帝国には怒りの歴史があった。


荒野には妖精達の亡骸と、呪いがあった。





九代目クロトゥランは、好奇心が強かった。

宙ではなく地の彼方に、海の向こうの過去に向いていた、そして好奇心は猫を殺すと言われるが、時に獅子を驚かせることがある。


 

物心ついて歴史を学んだときから、あるいはそれ以前からその欲は始まっていた。

青空を眺めその先への光景を夢見て、土を見てそれができる過程を考え、歴史書を見て実物を記憶に収めたいと。

七の歳でアスランの歴史の底を書物のみで見透かした。

十五の歳には当主教育を弟に放り出して周辺国を見て回っていた。



山脈超えた魔術で栄えた帝国の未開の遺跡を冒険を楽しみ親友と出逢った。

そしてかつて妖精が愛し住んでいた荒野で何が起きたのかを解き明かしその親友とともに本にまとめた後、海を越えたいと欲が疼く。

そしてその思いのままに国を超え、海を超え、湧き上がる好奇心を満たしていった。

アスランの座す大陸だけでは足りなかった。


もっと知りたいと疼く心のままに動き他の大陸で、抗いがたい使命を果たすその間近まで、世界を知ろうと生きていた。


世界でも指折りの探窟家、恐怖よりも好奇心が勝り未開の大地を冒険した偉大なるクロトゥラン、クアフル。


そして最後に、冒険家 探窟家 世界を練り歩く彼の最後は、実にあっけなかった。







月の獅子に愛された国の冒険家クアフルは突如親友との冒険を中断し、国に帰り、不審な死を遂げたと、親友であり魔術の国の麒麟児は嘆いていた。






獅子はその様子を記憶に収めた。





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