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本編
六十七話 そうこれはそう なんだろうね
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「少し眠りにつくのに時間があったようですが少しは休めましたか? 」
にっこり笑顔のダンさんだ、にっこりおはようございます。
「ええばっちり、エウァルドさんに頭撫でられてたらいつの間にか寝こけてたみたいで」
「おやおやそれはほほえま、いえ素晴らしい」
「ほほえま? 」
「いえなんでも? ささ、エウァルド君が着替えとお湯を用意してくれてますからストレッチをしましょう」
「はーい」
うとうとしていた所に愛馬をお世話する感じで撫でられたらもういちころ……言い方おかしいね、なによ愛馬って。
「ほおら、あんなに元気な骨だったのがこんなにも……まだ少し元気な骨ですね、ふうむ」
「元気な骨でもよくないです? 」
「よくないんですよねー」
腕を上に伸ばしてぐっと体に力を入れて、足を伸ばして背中を曲げてぐぐぐーっとして心もとない筋肉をやわらかーくして、ダンさんが微妙な顔をしていらっしゃる。
「前よりは断然良いのですがこう、もっとふくよかでいて欲しいですね私は」
「でも王都の淑女様たちってこういう体系目指そうとしてますよねえ」
「確かに、彼女らはミイラを目指しているのでしょうかね……そんなことよく知ってますね」
「自分でもよく知らないですそれ、なんで知ってるんですかね」
「そうですか……不思議ですね」
「ですねー」
特に何かを考えて言おうとしたわけじゃなくて、ただ雑談の感覚で反射で口にでただけ……へんなのー。
「お湯とタオル、着替えを持ってきた、使ってくれ」
「あらエウァルドさん、おはようございます」
「さっきも言っただろう、おはよう」
「ちょうど良いところに、聞きたいことがあるのですがエウァルド君、昔の彼は淑女についてどれほどの知識を持ってましたか? 」
諸々乗ったワゴンを押してエウァルドさんが来てくれた、
「む? 淑女? ……ニッキーがか? 」
「今しがた淑女の内部事情を吐いたので」
「吐いたって言いかた酷くないです? 」
「ニッキー様はお静かに」
「ひどい」
「それでどうなんです? ニッキー様のそういう関係は」
「わからん、そういった情報交換はしてなかった」
「そうですか残念です、ニッキー様お着換えですよー」
「手を上げろ」
「うえーい」
のそのそとやってきたエウァルドさんに服を脱がされながら気のない返事をひとつ、あとはされるがままに、え? 温かいタオル? じゃあ自分で拭くからちょ-だい、んがー顔拭かれるー。
「エウァルドさん」
「なんだ」
「自分でやりたい」
「断る、俺の仕事だ」
「えー、じぶんのことだしじぶんでしたいですねー」
「俺の仕事だ」
「……ぼ「俺の仕事だ」 けっ」
どうやら僕の意見は通らないらしい、けっ。
ちょっとまってダンさんなに微笑んでるの。
「ふふ、ではエウァルド君あとのお世話はお願いします、私は少し書類と警備のスケジュール管理と諸々の手配をしてきますので」
「少しじゃ無いじゃないですかやだー」
「現役の頃と比べれば全然です、お茶を飲む余裕さえあれば十分暇です」
「ちょっと何言ってるのか分からない」
「公爵あたりに聞いて見ればきっと教えてくれます、というか役職持ちの人間なら皆快く教えてくれます、きっと……よっこらせっと、では失礼しますね」
「はーい」
大人の闇を垣間見た気がするけど、まあいいか、この後はなにをしようかね。
「ところで、ニッキー」
読書におやつストレッチ、駄々こねれば屋敷の中の探検もできるかもしれない、駄々のこね方を考えよう、たぶん楽しいのかも。
「ニッキー」
「はいなんでしょう」
「敬語をやめてくれ」
「ムム? けいご? 」
どこかに行くダンさんを見送って、新しい服を自分で着ようとしたら案の定エウァルドさんにスポッと着せられて、そのかちっと止まる。
「そうだ、そろそろ頃合いと思ったからだが」
「ころあい」
敬語が、頃合い、んん?
「慣れてきただろう? 俺に」
「う? うん? 」
真顔でなに言ってんのこの人。
「なら自然な喋りになっても良いだろうと見ているが、どうだ」
「ん?んー……うん? 」
どうだと言われてそうねえ……そうだねえ。
頑張れ、頑張れ自分、もう少しで理解できそう、わかりそう、もう少し、もう少し。
「ちょっと待ってくださいね、考えます」
「わかった、軽食を持ってくるからその間に考えてくれ」
「はーい」
「戻ってきたら改めて尋ねる、いいな? 」
やばい、圧かけられてる。
「……はーい」
軽食がどこにあるか分からないけど仮に食堂だと仮定して徒歩で大体十分、今エウァルドさんは一般的な足取りで廊下に向かって足を進めている、その歩幅をこう良い感じに計算したつもりになって……大体十五分、たぶん恐らくきっと。
「ああそうだ。、先に言っておくが」
「なんでしょう」
ところでこれ、答え見いだせなかったら保留、通じるのかしら。
「保留は聞かないからな」
「あ、はい」
先手打たれたやだー。
ギラっと眼光すごいエウァルドさん、廊下に行っちゃった……あと何分で帰ってきちゃうかな、ニッキー、困っちゃう。
外でもみて現実逃避でも、あ、おっきいくまちゃん可愛い~。
あ、いい事思い付いた。
にっこり笑顔のダンさんだ、にっこりおはようございます。
「ええばっちり、エウァルドさんに頭撫でられてたらいつの間にか寝こけてたみたいで」
「おやおやそれはほほえま、いえ素晴らしい」
「ほほえま? 」
「いえなんでも? ささ、エウァルド君が着替えとお湯を用意してくれてますからストレッチをしましょう」
「はーい」
うとうとしていた所に愛馬をお世話する感じで撫でられたらもういちころ……言い方おかしいね、なによ愛馬って。
「ほおら、あんなに元気な骨だったのがこんなにも……まだ少し元気な骨ですね、ふうむ」
「元気な骨でもよくないです? 」
「よくないんですよねー」
腕を上に伸ばしてぐっと体に力を入れて、足を伸ばして背中を曲げてぐぐぐーっとして心もとない筋肉をやわらかーくして、ダンさんが微妙な顔をしていらっしゃる。
「前よりは断然良いのですがこう、もっとふくよかでいて欲しいですね私は」
「でも王都の淑女様たちってこういう体系目指そうとしてますよねえ」
「確かに、彼女らはミイラを目指しているのでしょうかね……そんなことよく知ってますね」
「自分でもよく知らないですそれ、なんで知ってるんですかね」
「そうですか……不思議ですね」
「ですねー」
特に何かを考えて言おうとしたわけじゃなくて、ただ雑談の感覚で反射で口にでただけ……へんなのー。
「お湯とタオル、着替えを持ってきた、使ってくれ」
「あらエウァルドさん、おはようございます」
「さっきも言っただろう、おはよう」
「ちょうど良いところに、聞きたいことがあるのですがエウァルド君、昔の彼は淑女についてどれほどの知識を持ってましたか? 」
諸々乗ったワゴンを押してエウァルドさんが来てくれた、
「む? 淑女? ……ニッキーがか? 」
「今しがた淑女の内部事情を吐いたので」
「吐いたって言いかた酷くないです? 」
「ニッキー様はお静かに」
「ひどい」
「それでどうなんです? ニッキー様のそういう関係は」
「わからん、そういった情報交換はしてなかった」
「そうですか残念です、ニッキー様お着換えですよー」
「手を上げろ」
「うえーい」
のそのそとやってきたエウァルドさんに服を脱がされながら気のない返事をひとつ、あとはされるがままに、え? 温かいタオル? じゃあ自分で拭くからちょ-だい、んがー顔拭かれるー。
「エウァルドさん」
「なんだ」
「自分でやりたい」
「断る、俺の仕事だ」
「えー、じぶんのことだしじぶんでしたいですねー」
「俺の仕事だ」
「……ぼ「俺の仕事だ」 けっ」
どうやら僕の意見は通らないらしい、けっ。
ちょっとまってダンさんなに微笑んでるの。
「ふふ、ではエウァルド君あとのお世話はお願いします、私は少し書類と警備のスケジュール管理と諸々の手配をしてきますので」
「少しじゃ無いじゃないですかやだー」
「現役の頃と比べれば全然です、お茶を飲む余裕さえあれば十分暇です」
「ちょっと何言ってるのか分からない」
「公爵あたりに聞いて見ればきっと教えてくれます、というか役職持ちの人間なら皆快く教えてくれます、きっと……よっこらせっと、では失礼しますね」
「はーい」
大人の闇を垣間見た気がするけど、まあいいか、この後はなにをしようかね。
「ところで、ニッキー」
読書におやつストレッチ、駄々こねれば屋敷の中の探検もできるかもしれない、駄々のこね方を考えよう、たぶん楽しいのかも。
「ニッキー」
「はいなんでしょう」
「敬語をやめてくれ」
「ムム? けいご? 」
どこかに行くダンさんを見送って、新しい服を自分で着ようとしたら案の定エウァルドさんにスポッと着せられて、そのかちっと止まる。
「そうだ、そろそろ頃合いと思ったからだが」
「ころあい」
敬語が、頃合い、んん?
「慣れてきただろう? 俺に」
「う? うん? 」
真顔でなに言ってんのこの人。
「なら自然な喋りになっても良いだろうと見ているが、どうだ」
「ん?んー……うん? 」
どうだと言われてそうねえ……そうだねえ。
頑張れ、頑張れ自分、もう少しで理解できそう、わかりそう、もう少し、もう少し。
「ちょっと待ってくださいね、考えます」
「わかった、軽食を持ってくるからその間に考えてくれ」
「はーい」
「戻ってきたら改めて尋ねる、いいな? 」
やばい、圧かけられてる。
「……はーい」
軽食がどこにあるか分からないけど仮に食堂だと仮定して徒歩で大体十分、今エウァルドさんは一般的な足取りで廊下に向かって足を進めている、その歩幅をこう良い感じに計算したつもりになって……大体十五分、たぶん恐らくきっと。
「ああそうだ。、先に言っておくが」
「なんでしょう」
ところでこれ、答え見いだせなかったら保留、通じるのかしら。
「保留は聞かないからな」
「あ、はい」
先手打たれたやだー。
ギラっと眼光すごいエウァルドさん、廊下に行っちゃった……あと何分で帰ってきちゃうかな、ニッキー、困っちゃう。
外でもみて現実逃避でも、あ、おっきいくまちゃん可愛い~。
あ、いい事思い付いた。
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