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本編
四十八話 その量に思考を止めた
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廊下をころころ、のんびり進んでその先に、重厚で大きい両扉がひとつ。
ダンさんがそこを開ける前にゆっくり開いて、エウァルドさんが現れた。
食堂と聞かされていたとおり広くて、大きなテーブルがあって、これまた大きなシャンデリアがみえて、ちらちらと、エウァルドさんの頭が邪魔でチラチラと、みえなーい、みえなーい。
「来たか」
わあ。
「わあ、おはようございます」
「ああおはよう、少し眠そうだな」
「ええまあ、はい」
半分たたき起こされたようなものだからね、ねむいと言えばねむいけど好奇心のほうが強い。
気にならないといえば気にならない、と、いうよりも問題は僕じゃあない、あの人だよあの人、エウァルドさん。
僕がわあって言った理由はそこよ。
廊下を進んで曲がって進んでをちょっと繰り返した末にやってきた多分、初めてやってきた食堂。
扉の前で仁王立ちするエウァルドさんの圧のすごいことすごいこと。
「こらこらエウァルド君、そこにいてはニッキーが通れないよ」
「すまない」
大きい扉の門番みたいになってるエウァルドさんに関心していた僕だけど、お父様は苦言をひとつ投げる。
頭を下げて食堂の中に入ったエウァルドさんの背中を見て僕はまだちょっとびっくりしてる。
「え、やだちょっと……エウァルドさん」
「ん? どうした? 」
声が漏れてしまった僕にエウァルドさんはちらりとこちらを見てそこでも変化が分かって……え、やだ……。
あ、このやだは拒否じゃなくて驚愕のやだね、すごいびっくりしてる自信あるのよ今。
「エウァルドさん……なんか、なんか服違う」
「そうだな」
服が違くて、髪型が整えられてて、いつもの服じゃないことがなんか、ねえ?
「どうですニッキー様、エウァルド君は中々の逸材でしょう」
「たしかに! おっしゃれー 」
「ん? 」
はダンさんが着るような、たまに寝る部屋の開いた扉から見える警護の人が着るような兵士の服を着ているエウァルドさんがちょっとお洒落になっている。
カジュアル? な感じ。
カジュアルの意味はよくわかってないけどね。
たぶんお洒落って意味のはず。
精悍で男前で? しっかりしてそうな人がしっかり着ると似合うような感じで大変すばらしいなって勝手に思っとおこうと思います。
「エウァルド君、エウァルド君、少しこちらを向いてもらえますか?」
「ん? 分かった」
「支給されるものしか身に着けていなかったので私めが一肌脱ぎましてニッキー様の婚約者となるのです、血に濡れやすいものなど着ていては勿体無い」
「ほん? 」
「シンプル白の襟付きのシャツを着せ 近年流行の兆しの見える黒いデニムのジーンズに靴は勿論なめし皮の靴を、シンプルでいながら十分な品格を出すことのできるどこにだしても恥ずかしくない、とてもよいものでしょう」
「おー」
威風堂々と立つエウァルドさんがなんとも立派なことで、ダンさんの紹介は半分くらいしか理解できてないかもしれないけど。
個人的にはとても良いなと、似合ってるかもしれない。
「どうせ公爵のことです、お洒落など歯牙にもかけないでしょうねと考えエウァルド君のために用意した次第です」
「おー」
「どうせとはなんだねどうせとは、良いから席に着きなさい」
見慣れていた服から一転、新鮮さとかっこよさがこれはこれは、ふむふむ?
じっくりみたい気持ちが強いけども、ご飯がさきだから我慢我慢。
んんん、もどかしい……後でじっくり見せてもらおうそうしよう、よし。
ニッキー、無理やり納得。
「お気に召したようでなによりでございます、失礼しますね」
「はーい」
満足げな顔のダンさんに畏敬の念を送らなければ、これはすごい。
大きなテーブルの向かい側にお父様、隣に座るエウァルドさんさん、ごはんにかエウァルドさんかどっちに集中しようか、んん~、両方は無理。
「さあニッキー、ニッキー? 」
「あ、はいー」
「今日の朝食は気合いを入れて作ったからな、驚いてくれ」
誇らしげなお父様がベルを鳴らすと、侍女さんたちがやってきてお皿を並べて、サラダを並べて、パンを並べて、スープを並べて。
「ん? ん? ん? 」
多分大人数が使うことを想定しているであろうテーブルの半分を占めた料理に段々と疑問ができていく。
美味しそうなのは確かだしまあ、て思わなくもないけどもさ、今ね、朝食の時間のはずなのよ。
昼食とか、夕食じゃあなくてね、朝の寝起きのごはんの筈なの。
「すこし……おおいな」
「ですねえ」
こわい、ねえ。
なに、このご飯の数……眠気も興味も吹き飛んでいくよこんなん、なんなのこれ。
「さあ、メインディッシュだ」
「え……はい? え”」
「自信作だぞお」
見たことの無い大皿を二人の侍女さんが運んでて、その上には。
「ぶた、やん」
「うむ! すべて私がつくった! 」
「いや、いや、あの、朝食……」
ほかほかと湯気をたてる大きい豚の丸焼きがでんとおひとつ。
目の前に置かれましても食べれる食べれない以前の問題な気もしないでもない、ような。
もしかして考えちゃいけないやつかしら、これ。
「いつもの部屋ではこんな大きなもの置けなかったからな! さあ頂こう! 」
「……まあいいか」
「いいのか? 」
ぼそっと小さくつぶやいたつもりが聞かれたようで、疑念の目のエウァルドさんがこっちを見ているけど見ぬふりをひとつ。
「美味しそうだしね」
「それは間違っていない、そういうものか」
「うん」
まあ、ね? 美味しそうだしせっかく用意されたし?
豚の丸焼きに罪はないというか、シンプルに美味しそうだよね。
豪勢なごはん、上機嫌のお父様、お洒落なエウァルドさん、一個一個は大変よいものだと思うんだけどぉ、なんで一気にくるし。
「今日は私がめでたい日だ、ダンも食ってくれ」
「おや、よろしいので? 」
「少しばかり作りすぎた自覚はあるからな、頼む」
「かしこまりました、ではニッキー様、お隣失礼しますね」
「ああ、はい」
寝る部屋のように和やかに、楽しそうに。
「みなきちんと座ったな? よーしいただこうではないか」
楽しいかはともかくドキドキはしている。
美味しいものの上に美味しいものを重ねればもっと美味しいっていう考えも好き。
じゃあこのちょっとまごまごとした感覚はなんなのか、ちょっと頭を動かして考えよう。
勢いに呑まれて理解が追い付いてなくてそれに対して苛立っている……? と考えてみて……ひとまず、ひとまず、こう…"スープをひとくち、あ、コンポタだこれ、さいこう。
で、あとは、何を考えようとしたんだっけ……なんか頭痛くなってきたね、考えるのやーめた!
ダンさんがそこを開ける前にゆっくり開いて、エウァルドさんが現れた。
食堂と聞かされていたとおり広くて、大きなテーブルがあって、これまた大きなシャンデリアがみえて、ちらちらと、エウァルドさんの頭が邪魔でチラチラと、みえなーい、みえなーい。
「来たか」
わあ。
「わあ、おはようございます」
「ああおはよう、少し眠そうだな」
「ええまあ、はい」
半分たたき起こされたようなものだからね、ねむいと言えばねむいけど好奇心のほうが強い。
気にならないといえば気にならない、と、いうよりも問題は僕じゃあない、あの人だよあの人、エウァルドさん。
僕がわあって言った理由はそこよ。
廊下を進んで曲がって進んでをちょっと繰り返した末にやってきた多分、初めてやってきた食堂。
扉の前で仁王立ちするエウァルドさんの圧のすごいことすごいこと。
「こらこらエウァルド君、そこにいてはニッキーが通れないよ」
「すまない」
大きい扉の門番みたいになってるエウァルドさんに関心していた僕だけど、お父様は苦言をひとつ投げる。
頭を下げて食堂の中に入ったエウァルドさんの背中を見て僕はまだちょっとびっくりしてる。
「え、やだちょっと……エウァルドさん」
「ん? どうした? 」
声が漏れてしまった僕にエウァルドさんはちらりとこちらを見てそこでも変化が分かって……え、やだ……。
あ、このやだは拒否じゃなくて驚愕のやだね、すごいびっくりしてる自信あるのよ今。
「エウァルドさん……なんか、なんか服違う」
「そうだな」
服が違くて、髪型が整えられてて、いつもの服じゃないことがなんか、ねえ?
「どうですニッキー様、エウァルド君は中々の逸材でしょう」
「たしかに! おっしゃれー 」
「ん? 」
はダンさんが着るような、たまに寝る部屋の開いた扉から見える警護の人が着るような兵士の服を着ているエウァルドさんがちょっとお洒落になっている。
カジュアル? な感じ。
カジュアルの意味はよくわかってないけどね。
たぶんお洒落って意味のはず。
精悍で男前で? しっかりしてそうな人がしっかり着ると似合うような感じで大変すばらしいなって勝手に思っとおこうと思います。
「エウァルド君、エウァルド君、少しこちらを向いてもらえますか?」
「ん? 分かった」
「支給されるものしか身に着けていなかったので私めが一肌脱ぎましてニッキー様の婚約者となるのです、血に濡れやすいものなど着ていては勿体無い」
「ほん? 」
「シンプル白の襟付きのシャツを着せ 近年流行の兆しの見える黒いデニムのジーンズに靴は勿論なめし皮の靴を、シンプルでいながら十分な品格を出すことのできるどこにだしても恥ずかしくない、とてもよいものでしょう」
「おー」
威風堂々と立つエウァルドさんがなんとも立派なことで、ダンさんの紹介は半分くらいしか理解できてないかもしれないけど。
個人的にはとても良いなと、似合ってるかもしれない。
「どうせ公爵のことです、お洒落など歯牙にもかけないでしょうねと考えエウァルド君のために用意した次第です」
「おー」
「どうせとはなんだねどうせとは、良いから席に着きなさい」
見慣れていた服から一転、新鮮さとかっこよさがこれはこれは、ふむふむ?
じっくりみたい気持ちが強いけども、ご飯がさきだから我慢我慢。
んんん、もどかしい……後でじっくり見せてもらおうそうしよう、よし。
ニッキー、無理やり納得。
「お気に召したようでなによりでございます、失礼しますね」
「はーい」
満足げな顔のダンさんに畏敬の念を送らなければ、これはすごい。
大きなテーブルの向かい側にお父様、隣に座るエウァルドさんさん、ごはんにかエウァルドさんかどっちに集中しようか、んん~、両方は無理。
「さあニッキー、ニッキー? 」
「あ、はいー」
「今日の朝食は気合いを入れて作ったからな、驚いてくれ」
誇らしげなお父様がベルを鳴らすと、侍女さんたちがやってきてお皿を並べて、サラダを並べて、パンを並べて、スープを並べて。
「ん? ん? ん? 」
多分大人数が使うことを想定しているであろうテーブルの半分を占めた料理に段々と疑問ができていく。
美味しそうなのは確かだしまあ、て思わなくもないけどもさ、今ね、朝食の時間のはずなのよ。
昼食とか、夕食じゃあなくてね、朝の寝起きのごはんの筈なの。
「すこし……おおいな」
「ですねえ」
こわい、ねえ。
なに、このご飯の数……眠気も興味も吹き飛んでいくよこんなん、なんなのこれ。
「さあ、メインディッシュだ」
「え……はい? え”」
「自信作だぞお」
見たことの無い大皿を二人の侍女さんが運んでて、その上には。
「ぶた、やん」
「うむ! すべて私がつくった! 」
「いや、いや、あの、朝食……」
ほかほかと湯気をたてる大きい豚の丸焼きがでんとおひとつ。
目の前に置かれましても食べれる食べれない以前の問題な気もしないでもない、ような。
もしかして考えちゃいけないやつかしら、これ。
「いつもの部屋ではこんな大きなもの置けなかったからな! さあ頂こう! 」
「……まあいいか」
「いいのか? 」
ぼそっと小さくつぶやいたつもりが聞かれたようで、疑念の目のエウァルドさんがこっちを見ているけど見ぬふりをひとつ。
「美味しそうだしね」
「それは間違っていない、そういうものか」
「うん」
まあ、ね? 美味しそうだしせっかく用意されたし?
豚の丸焼きに罪はないというか、シンプルに美味しそうだよね。
豪勢なごはん、上機嫌のお父様、お洒落なエウァルドさん、一個一個は大変よいものだと思うんだけどぉ、なんで一気にくるし。
「今日は私がめでたい日だ、ダンも食ってくれ」
「おや、よろしいので? 」
「少しばかり作りすぎた自覚はあるからな、頼む」
「かしこまりました、ではニッキー様、お隣失礼しますね」
「ああ、はい」
寝る部屋のように和やかに、楽しそうに。
「みなきちんと座ったな? よーしいただこうではないか」
楽しいかはともかくドキドキはしている。
美味しいものの上に美味しいものを重ねればもっと美味しいっていう考えも好き。
じゃあこのちょっとまごまごとした感覚はなんなのか、ちょっと頭を動かして考えよう。
勢いに呑まれて理解が追い付いてなくてそれに対して苛立っている……? と考えてみて……ひとまず、ひとまず、こう…"スープをひとくち、あ、コンポタだこれ、さいこう。
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