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本編
四十七話 起床のあとに和やかな騒動がいくつか 危険性はない模様
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ベッドに入って明かりが消えて、目を閉じたらなんとのなんと朝になってました。
夢をみることもなく睡眠の満足感だけがのこってて、うっすらと朝の光に目を開けるとそこにはエウァルドさん、ではなく満面の笑みを浮かべているお父様がすぐ近くに、満面の笑顔がすぐ近くににっこにこと楽しそうに……ん? なあに? これ。
「お 目覚めたか! 」
「……おやすみなさい」
「なにっまてまてまて寝ないでおくれニッキー」
「あとごふん……」
決してお父様になにか思う所があったりなかったりする訳じゃあないんだけど、まだ眠いから寝ていたいなと純粋に思ってですね。
「お、おきろニッキー!! 」
無理みたいということで、おはようございます?
「よいしよ……ふあ、ふう」
「よし、よーしよしよし、えらいぞニッキー……! 」
何故かテンションのお高いお父様は後程相手するとして、起き上がってあくびをひとつ。
顔を洗って髪を整えて体を拭いて着替えて、諸々の準備を手伝ってもらいながらこなして、よし。
「おまたせしました~、で、なんです朝から、エウァルドさんはどちらにー? 」
「まあまて、改めておはようニッキー」
「あ、おはようございます~、なんか今日お父様ご機嫌ですね~」
「それは勿論、これから楽しいことをするからな、お前はどうだ? わくわくとかしないのか? 」
「いやあの、まだ眠いですねえ」
「む、うむ……つまらないとは言ってないからな、前向きに捉えよう」
「まえもなにもないかと……まあいいか」
「おーいダン! 持ってきてくれ! 」
「もってきて……ごはん? 」
「ちがうぞ」
いまの僕は三大欲求に忠実になってなおかつ寝起きなのだ、難しいことになったら余裕で寝る所存、眠さ5割、興味2割食欲3割、朝からくだらないこと考えてる自覚はあるけど考えてるだけだからセーフってことで。
「失礼しますね~、おはようございますニッキー様、こちら、車椅子でございます」
「くるまいす? 」
ころころと進む椅子をおして入ってきたダンさんとにっこりアイコンタクト、青色の車椅子がやってきた、ほう、ほうほうほう……ほう?
「みたまえニッキー、特注で作らせた車椅子がようやく届いたのだよ、存分に使い倒してくれる、ふははは」
「へえ~、笑い方すんごいことになってる」
「満足のいく出来だったからな、予想していたとはいえニッキー、お前はあまり喜んでないのだな」
「いやあ、寝起きですしぃ」
車椅子、ねえ…...、そっかー以上の感想が生まれないのだよ、仕方ないよね……ん?
「あ、もしかして、僕が座る感じですもしかして」
「それ以外にだれが使うのかね、お前のために用意したのだから使ってくれないと私が泣く」
「あら、まあ、それはまたおもはゆいと言いますか、嬉しいといいますか、ありがとうございますと言った方が良いのかな」
「うむ、喜んでくれるのならなによりではあるがなあ、ニッキー、正直に言いなさい、なんで自分がこれに乗るんだろう、と考えてはいないかねぇ? 」
「いや、いやあ? そんなことは決して? ないかなー? 」
「思ってはないが無意識に考えていたかもと?」
「あーはははは、はは? 」
笑顔の圧をまんべんなくかけてくるお父様の仰る通りすぎるというか、先読みされた言葉がしっくりきすぎてああ、なるほどそれー! て大体しっくりきちゃって誤魔化すのにこまるこまる、え? できてない? はははそんなまさか、
「誤魔化しきれてないなあ、ふふふさあニッキー、観念しなさい、ダン、やれ」
「はい、さあニッキー様、バンザーイです」
「なんです? ん? 」
何故お父様は悪い顔をしているので?
え、何故ダン僕を抱きあげて、あぁ車椅子にのせると、いや僕歩けるけども、ん? 何故に僕は車椅子に乗ってるのだね?
「サイズも丁度いい、座り心地はどうだね? 」
「あ、最高です」
「それはよかったさあいこうか、押すぞ」
「ん? んん? ど、どこに? 」
「食堂だ、びっくりするぞ~」
「今結構びっくりしているにですがね」
「エウァルド君も待機させているから急ごう」
「あ、そういえばあのひといない、いやそういうものじゃ……まあ、うん、いいか」
文句はいくらでも出てくる気もしないでもないが、言っても無駄かもなんて自分が悪い。
考えてみればお風呂以外じゃ外にでちゃいないし進歩もいえなくも、いやちがうこれあれだ、勢いで押し切られてることにキレてるんだ自分、ああそういうこと理解した、この野郎。
「あのーお父様」
「なんだねー? 」
シックな廊下をころころと押されながら、隣で鼻歌混じりに歩いてるお父様に声をかける、
「つまりー、今から食堂に行って、そこにエウァルドさんがいて、ご飯をそこで食べると? 」
「そうだとも、流石我が息子だ、呑み込みが早い」
「ついで今回に関してはこの私めも納得しておりますので、逃げずに楽しんでくださいませ……ね? 」
「あ……はい」
完全に勢いに呑まれてしまった、お父様たちこわ、親ながらおそろしいわほんとに。
ところでエウァルドさんは食堂でなにしてるのかしら。
夢をみることもなく睡眠の満足感だけがのこってて、うっすらと朝の光に目を開けるとそこにはエウァルドさん、ではなく満面の笑みを浮かべているお父様がすぐ近くに、満面の笑顔がすぐ近くににっこにこと楽しそうに……ん? なあに? これ。
「お 目覚めたか! 」
「……おやすみなさい」
「なにっまてまてまて寝ないでおくれニッキー」
「あとごふん……」
決してお父様になにか思う所があったりなかったりする訳じゃあないんだけど、まだ眠いから寝ていたいなと純粋に思ってですね。
「お、おきろニッキー!! 」
無理みたいということで、おはようございます?
「よいしよ……ふあ、ふう」
「よし、よーしよしよし、えらいぞニッキー……! 」
何故かテンションのお高いお父様は後程相手するとして、起き上がってあくびをひとつ。
顔を洗って髪を整えて体を拭いて着替えて、諸々の準備を手伝ってもらいながらこなして、よし。
「おまたせしました~、で、なんです朝から、エウァルドさんはどちらにー? 」
「まあまて、改めておはようニッキー」
「あ、おはようございます~、なんか今日お父様ご機嫌ですね~」
「それは勿論、これから楽しいことをするからな、お前はどうだ? わくわくとかしないのか? 」
「いやあの、まだ眠いですねえ」
「む、うむ……つまらないとは言ってないからな、前向きに捉えよう」
「まえもなにもないかと……まあいいか」
「おーいダン! 持ってきてくれ! 」
「もってきて……ごはん? 」
「ちがうぞ」
いまの僕は三大欲求に忠実になってなおかつ寝起きなのだ、難しいことになったら余裕で寝る所存、眠さ5割、興味2割食欲3割、朝からくだらないこと考えてる自覚はあるけど考えてるだけだからセーフってことで。
「失礼しますね~、おはようございますニッキー様、こちら、車椅子でございます」
「くるまいす? 」
ころころと進む椅子をおして入ってきたダンさんとにっこりアイコンタクト、青色の車椅子がやってきた、ほう、ほうほうほう……ほう?
「みたまえニッキー、特注で作らせた車椅子がようやく届いたのだよ、存分に使い倒してくれる、ふははは」
「へえ~、笑い方すんごいことになってる」
「満足のいく出来だったからな、予想していたとはいえニッキー、お前はあまり喜んでないのだな」
「いやあ、寝起きですしぃ」
車椅子、ねえ…...、そっかー以上の感想が生まれないのだよ、仕方ないよね……ん?
「あ、もしかして、僕が座る感じですもしかして」
「それ以外にだれが使うのかね、お前のために用意したのだから使ってくれないと私が泣く」
「あら、まあ、それはまたおもはゆいと言いますか、嬉しいといいますか、ありがとうございますと言った方が良いのかな」
「うむ、喜んでくれるのならなによりではあるがなあ、ニッキー、正直に言いなさい、なんで自分がこれに乗るんだろう、と考えてはいないかねぇ? 」
「いや、いやあ? そんなことは決して? ないかなー? 」
「思ってはないが無意識に考えていたかもと?」
「あーはははは、はは? 」
笑顔の圧をまんべんなくかけてくるお父様の仰る通りすぎるというか、先読みされた言葉がしっくりきすぎてああ、なるほどそれー! て大体しっくりきちゃって誤魔化すのにこまるこまる、え? できてない? はははそんなまさか、
「誤魔化しきれてないなあ、ふふふさあニッキー、観念しなさい、ダン、やれ」
「はい、さあニッキー様、バンザーイです」
「なんです? ん? 」
何故お父様は悪い顔をしているので?
え、何故ダン僕を抱きあげて、あぁ車椅子にのせると、いや僕歩けるけども、ん? 何故に僕は車椅子に乗ってるのだね?
「サイズも丁度いい、座り心地はどうだね? 」
「あ、最高です」
「それはよかったさあいこうか、押すぞ」
「ん? んん? ど、どこに? 」
「食堂だ、びっくりするぞ~」
「今結構びっくりしているにですがね」
「エウァルド君も待機させているから急ごう」
「あ、そういえばあのひといない、いやそういうものじゃ……まあ、うん、いいか」
文句はいくらでも出てくる気もしないでもないが、言っても無駄かもなんて自分が悪い。
考えてみればお風呂以外じゃ外にでちゃいないし進歩もいえなくも、いやちがうこれあれだ、勢いで押し切られてることにキレてるんだ自分、ああそういうこと理解した、この野郎。
「あのーお父様」
「なんだねー? 」
シックな廊下をころころと押されながら、隣で鼻歌混じりに歩いてるお父様に声をかける、
「つまりー、今から食堂に行って、そこにエウァルドさんがいて、ご飯をそこで食べると? 」
「そうだとも、流石我が息子だ、呑み込みが早い」
「ついで今回に関してはこの私めも納得しておりますので、逃げずに楽しんでくださいませ……ね? 」
「あ……はい」
完全に勢いに呑まれてしまった、お父様たちこわ、親ながらおそろしいわほんとに。
ところでエウァルドさんは食堂でなにしてるのかしら。
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