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本編
四十五話 気持ちの整理は日常の片手間に
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ちょっとだけネガティブなことを考えよう。
楽しいことばかりをしてたら、たぶんきっと、勝手に不安になって取り返しがつかなくなるから定期的に落ち込んで発散しておきましょうとも。
うむ、うん、たぶんそれが良い。
てことでまずはおとうさま。
僕の体を治してくれるけど怖い人だと思ってるだって注射打ってくるもん。
個人的にこの世で三番目くらいに残酷な人だと思ってる、なんてったって注射打つしね、許さん、軽めに許さないぞー。
うん、軽めの地獄に落ちて欲しいって注射打たれてる時に思っておこう、満足。
おつぎはエウァルドさん。
好い人なのはわかるけどなんかこわいなーって思う時あるの。
嫌悪とか恐ろしいとかじゃなくてね、得体のしれないものに対する未知の恐怖みたいな。
もしくは分からないから怖いみたいな? ちょっと面白いかもみたいな、スリルがあるってかんじ。
あとあんまり顔の表情変わらないしなんかお世話がうまいしすぐになにか食べさせようとするけどもさ、どういう人なのかはまだまだ読めてないからこれから、そう、これから知ってこう、よし。
ああ、あと、忘れちゃいけないダンさん、あの部屋の外出た時からずっとお世話してくれるとっても良いひと、ほんとにほんとに、いい人だと思ってる。
若干あの人がお父様だったらなーて思わなくもない、ちょっとだけね。
メルディアさんもいい人本くれる元気な人。
二人のことはあんまり知らないけど、良い人なのは分かるからいいけど、知っていったら怖くなるのかもしれないからもしかしたらあんまり知ろうとしないほうがいいのかもしれない……なんちゃって。
「いいかねニッキー、よーく聞きなさい」
「ハイなんでしょうお父さま」
「おまえはな、いいか、病人なのだよ、わかるか? 」
「それは勿論」
「では何故無理に歩こうとしているのだね? 不必要な運動は体に毒だが自覚はしているかね? 」
「まあ……はい」
リハビリを始めて三日目か四日目あたりの今、なんとお父様が怒っております。
「その返事は理解していない返事だな、だめだぞニッキー」
「えぇ……と~」
「ピンときてないだろう」
「ですね」
「こら」
やだ怖いわーって現実逃避が通用しないなーて頭半分に考えながら、しかめっ面のお父様をどうしましょうと、ほんとどうしようこれ。
「あのーですね、お父様」
「筋肉も満足に発達していないにも関わらず必要以上に動こうとするお前への苦言を止められる言葉があるのなら 聞こう」
「…………」
なんとです、反論の言葉が思いつきませんさあ大変、目の前のお父様がにっこり笑ってる。
「さあニッキー、なにか言うことは? 」
「……ごめんなさい? 」
「うむ」
お昼を過ぎて、ぽかぽか暖かい中でリハビリ日和かなーなんて思ってたらお父様に止められた挙句お説教が始まりまして、どうしようかな~って。
「おやつだ、食え」
「ああはい、んむ、美味しい」
「よし」
「エウァルド君エウァルド君」
「なんでしょう」
「一応今お話ししているの」
「ああ、そうだな」
「この子に餌付けしてくれるのは構わないのだが少し待っていてくれないかね」
「善処しよう」
「う、うむ」
もぐもぐとサンドイッチを噛みしめながらお父様とエウァルドさんの会話を眺めながら、思ってしまった。
あ、リハビリしなきゃ。
「ニッキー? 何故ベッドから出ようとしてるのかねぇ? 」
「んえ? 」
「なにをしようとしてるのかね? まさか歩こうだなんてしてないだろうね? 」
「……そんなこと思ってないですよー」
「ならよし」
歩こうとしてたなんて言ったらお叱りが凄いことになりそうだね、うん。
「改めて言うがな、ニッキー」
「? はい」
「お前はかなりの重病人の筈なのだよ」
「そうなんです? 」
「はぁ、ここに来た時は瘦せ細って動くこともままならない状態だったが、今はこんなにじゃじゃ馬になってしまって……」
「なんで残念そうにしてるんですかね」
「言う事あんまり聞かんし……注射嫌がるしなあ」
「どうしましょうエウァルドさん、言い返せないです」
「そうか」
「素っ気ない……」
「パンは食うか? 」
「今は良いですねえ」
「そうか」
「まあそれは良いのだよ、私は純粋に心配しているのだよ、ニッキー」
「タルトがうまいぞ、食うか?」
「あ、それは後で食べる」
「エウァルド君は静かにしててくれたまえ、今大事な話をしてるんだ」
「ふむ」
「でだなニッキー、よーく聞きなさい」
「……はいぃ」
サンドイッチ片手にきりッとしてるエウァルドさんは視界からちょっと外すから良いとして。
ピンと来ていない頭の中を一回無いものとして真面目に聞こう、理解するのはあとだあと。
「重病人と言った手前なんだが、実をいうと、お前の体は今は健康的な数値を出している」
「おぉ」
お? じゃあ好きに動き回ってもいいのでは?
「じゃあ別に動いてもいいか等と思っていると予想を立てて先に言っておこう、この大馬鹿者が」
「やだこわっ、お父様こわっ」
「予想が当たっていたことに怖くなるわ大馬鹿ニッキー」
「馬鹿っていいましたね?! 」
「言ったとも、話の続きをしようこらエウァルド君、ニッキーのそばにいかない、君はそっちにいってなさい」
「……了解した」
すごすごと元の椅子に収まるエウァルドさん、そして笑顔のお父様、今この瞬間だけ疲労がドーンて来て気絶したりはできないかしら。
「さて、お前の病状だが今一度はっきりさせておこう」
おこったり笑ったり逆におこられたりしてるお父様だけど、キリッとした顔はかっこいい。
「端的に言えば……筋肉と、脂肪が全く足りていない、それは分かるね? 」
渋くてかっこいいお父様の真面目なはなし、だけども、残念ながら今の僕は真面目な話をしすぎてあんまりよろしくなくてですね。
「んー……筋肉無くても普通に生活できてるんですけどそこらへんどうなんでしょ」
「そこがな、今現在何故お前が生きていられるのかこれがまた分からんのだよ」
「僕もわからないですー」
「生きる上で筋肉は体温調節に欠かせないのだが、私がここに来たときのお前はな、なんと骨と皮と内蔵しかなかった」
「元気にミイラしてましたね~」
「朗らかに言わないでくれ、まあ肉が足りない以外は至って健康、本来食事どころか呼吸すらできない筈が普通にできている、何故かねえ」
「えへん」
「筋肉がない脂肪がない所さえ目を瞑ればな、どこに出しても恥ずかしくない立派な健康状態なのだよ、本当に立派なものだ」
「やったー」
「やったーじゃない、幾ら調べても何故生きていられるのか分からないとはこんな医者泣かせな病状があってたまるか」
「えぇー、そんなこと言われましてもねえ」
いやまあ、呼吸するのも辛かった時期も当然あったけどそれ伝えてもあんま分からないだろうし、いいかんじに言える自信もないしで、よし、だんまりでいこ。
「まったく、少しは真面目に……考えても仕方ないか、まあとりあえず今はいいかという結論になってな、今はただ体の肉を増やす注射を打って毎日健康診断だ」
「まあ、無難ですね」
「だろう? これでも私は国一番の医者でな、どうだ」
「んえ? 」
「こんなに素晴らしい父をもっと褒めても良いのだぞ」
ドヤっと笑うお父様に対する感想、気持ち、本音……注射、あぁ……。
「注射どうにかなりません?」
「無理だな」
「じゃあ褒めれないですねー」
「なんだと~」
「しかたないですね~」
「むう」
ちょっと不真面目に、現実なんて視界の端からチラチラ眺める程度で満足したいという欲を全面に押し出して、笑顔でふざけを少しだけしっかりと。
あ、そうだこれは言いたい。
「いつもご飯とかお菓子とか作ってくれてありがとうございます、とっても美味しいので好きですね」
「……ほう! 中々だな! よし!! 」
お父様ご満悦のご様子でいらっしゃる。
きっとこのあと飲むお茶が美味しくなるんだろうなあ、てご満悦のお父様を呑気に見てたらなんと、お父様が勢いよく立ち上がり言った。
「気持ちが良いからケーキを焼いてくる!! 」
「え? あ、やったー? 」
びっくりするが、好きな単語に素直に反応して、あ、お父様廊下に行っちゃった。
「……ケーキか、珈琲を淹れるか」
「あ、お願いします」
「ふむ、公爵に確かめてみよう」
「やったー」
お父様はもしかしたらパティシエかもしれないと思いつつ、今日のおやつが楽しみなニッキーなのでした。
楽しいことばかりをしてたら、たぶんきっと、勝手に不安になって取り返しがつかなくなるから定期的に落ち込んで発散しておきましょうとも。
うむ、うん、たぶんそれが良い。
てことでまずはおとうさま。
僕の体を治してくれるけど怖い人だと思ってるだって注射打ってくるもん。
個人的にこの世で三番目くらいに残酷な人だと思ってる、なんてったって注射打つしね、許さん、軽めに許さないぞー。
うん、軽めの地獄に落ちて欲しいって注射打たれてる時に思っておこう、満足。
おつぎはエウァルドさん。
好い人なのはわかるけどなんかこわいなーって思う時あるの。
嫌悪とか恐ろしいとかじゃなくてね、得体のしれないものに対する未知の恐怖みたいな。
もしくは分からないから怖いみたいな? ちょっと面白いかもみたいな、スリルがあるってかんじ。
あとあんまり顔の表情変わらないしなんかお世話がうまいしすぐになにか食べさせようとするけどもさ、どういう人なのかはまだまだ読めてないからこれから、そう、これから知ってこう、よし。
ああ、あと、忘れちゃいけないダンさん、あの部屋の外出た時からずっとお世話してくれるとっても良いひと、ほんとにほんとに、いい人だと思ってる。
若干あの人がお父様だったらなーて思わなくもない、ちょっとだけね。
メルディアさんもいい人本くれる元気な人。
二人のことはあんまり知らないけど、良い人なのは分かるからいいけど、知っていったら怖くなるのかもしれないからもしかしたらあんまり知ろうとしないほうがいいのかもしれない……なんちゃって。
「いいかねニッキー、よーく聞きなさい」
「ハイなんでしょうお父さま」
「おまえはな、いいか、病人なのだよ、わかるか? 」
「それは勿論」
「では何故無理に歩こうとしているのだね? 不必要な運動は体に毒だが自覚はしているかね? 」
「まあ……はい」
リハビリを始めて三日目か四日目あたりの今、なんとお父様が怒っております。
「その返事は理解していない返事だな、だめだぞニッキー」
「えぇ……と~」
「ピンときてないだろう」
「ですね」
「こら」
やだ怖いわーって現実逃避が通用しないなーて頭半分に考えながら、しかめっ面のお父様をどうしましょうと、ほんとどうしようこれ。
「あのーですね、お父様」
「筋肉も満足に発達していないにも関わらず必要以上に動こうとするお前への苦言を止められる言葉があるのなら 聞こう」
「…………」
なんとです、反論の言葉が思いつきませんさあ大変、目の前のお父様がにっこり笑ってる。
「さあニッキー、なにか言うことは? 」
「……ごめんなさい? 」
「うむ」
お昼を過ぎて、ぽかぽか暖かい中でリハビリ日和かなーなんて思ってたらお父様に止められた挙句お説教が始まりまして、どうしようかな~って。
「おやつだ、食え」
「ああはい、んむ、美味しい」
「よし」
「エウァルド君エウァルド君」
「なんでしょう」
「一応今お話ししているの」
「ああ、そうだな」
「この子に餌付けしてくれるのは構わないのだが少し待っていてくれないかね」
「善処しよう」
「う、うむ」
もぐもぐとサンドイッチを噛みしめながらお父様とエウァルドさんの会話を眺めながら、思ってしまった。
あ、リハビリしなきゃ。
「ニッキー? 何故ベッドから出ようとしてるのかねぇ? 」
「んえ? 」
「なにをしようとしてるのかね? まさか歩こうだなんてしてないだろうね? 」
「……そんなこと思ってないですよー」
「ならよし」
歩こうとしてたなんて言ったらお叱りが凄いことになりそうだね、うん。
「改めて言うがな、ニッキー」
「? はい」
「お前はかなりの重病人の筈なのだよ」
「そうなんです? 」
「はぁ、ここに来た時は瘦せ細って動くこともままならない状態だったが、今はこんなにじゃじゃ馬になってしまって……」
「なんで残念そうにしてるんですかね」
「言う事あんまり聞かんし……注射嫌がるしなあ」
「どうしましょうエウァルドさん、言い返せないです」
「そうか」
「素っ気ない……」
「パンは食うか? 」
「今は良いですねえ」
「そうか」
「まあそれは良いのだよ、私は純粋に心配しているのだよ、ニッキー」
「タルトがうまいぞ、食うか?」
「あ、それは後で食べる」
「エウァルド君は静かにしててくれたまえ、今大事な話をしてるんだ」
「ふむ」
「でだなニッキー、よーく聞きなさい」
「……はいぃ」
サンドイッチ片手にきりッとしてるエウァルドさんは視界からちょっと外すから良いとして。
ピンと来ていない頭の中を一回無いものとして真面目に聞こう、理解するのはあとだあと。
「重病人と言った手前なんだが、実をいうと、お前の体は今は健康的な数値を出している」
「おぉ」
お? じゃあ好きに動き回ってもいいのでは?
「じゃあ別に動いてもいいか等と思っていると予想を立てて先に言っておこう、この大馬鹿者が」
「やだこわっ、お父様こわっ」
「予想が当たっていたことに怖くなるわ大馬鹿ニッキー」
「馬鹿っていいましたね?! 」
「言ったとも、話の続きをしようこらエウァルド君、ニッキーのそばにいかない、君はそっちにいってなさい」
「……了解した」
すごすごと元の椅子に収まるエウァルドさん、そして笑顔のお父様、今この瞬間だけ疲労がドーンて来て気絶したりはできないかしら。
「さて、お前の病状だが今一度はっきりさせておこう」
おこったり笑ったり逆におこられたりしてるお父様だけど、キリッとした顔はかっこいい。
「端的に言えば……筋肉と、脂肪が全く足りていない、それは分かるね? 」
渋くてかっこいいお父様の真面目なはなし、だけども、残念ながら今の僕は真面目な話をしすぎてあんまりよろしくなくてですね。
「んー……筋肉無くても普通に生活できてるんですけどそこらへんどうなんでしょ」
「そこがな、今現在何故お前が生きていられるのかこれがまた分からんのだよ」
「僕もわからないですー」
「生きる上で筋肉は体温調節に欠かせないのだが、私がここに来たときのお前はな、なんと骨と皮と内蔵しかなかった」
「元気にミイラしてましたね~」
「朗らかに言わないでくれ、まあ肉が足りない以外は至って健康、本来食事どころか呼吸すらできない筈が普通にできている、何故かねえ」
「えへん」
「筋肉がない脂肪がない所さえ目を瞑ればな、どこに出しても恥ずかしくない立派な健康状態なのだよ、本当に立派なものだ」
「やったー」
「やったーじゃない、幾ら調べても何故生きていられるのか分からないとはこんな医者泣かせな病状があってたまるか」
「えぇー、そんなこと言われましてもねえ」
いやまあ、呼吸するのも辛かった時期も当然あったけどそれ伝えてもあんま分からないだろうし、いいかんじに言える自信もないしで、よし、だんまりでいこ。
「まったく、少しは真面目に……考えても仕方ないか、まあとりあえず今はいいかという結論になってな、今はただ体の肉を増やす注射を打って毎日健康診断だ」
「まあ、無難ですね」
「だろう? これでも私は国一番の医者でな、どうだ」
「んえ? 」
「こんなに素晴らしい父をもっと褒めても良いのだぞ」
ドヤっと笑うお父様に対する感想、気持ち、本音……注射、あぁ……。
「注射どうにかなりません?」
「無理だな」
「じゃあ褒めれないですねー」
「なんだと~」
「しかたないですね~」
「むう」
ちょっと不真面目に、現実なんて視界の端からチラチラ眺める程度で満足したいという欲を全面に押し出して、笑顔でふざけを少しだけしっかりと。
あ、そうだこれは言いたい。
「いつもご飯とかお菓子とか作ってくれてありがとうございます、とっても美味しいので好きですね」
「……ほう! 中々だな! よし!! 」
お父様ご満悦のご様子でいらっしゃる。
きっとこのあと飲むお茶が美味しくなるんだろうなあ、てご満悦のお父様を呑気に見てたらなんと、お父様が勢いよく立ち上がり言った。
「気持ちが良いからケーキを焼いてくる!! 」
「え? あ、やったー? 」
びっくりするが、好きな単語に素直に反応して、あ、お父様廊下に行っちゃった。
「……ケーキか、珈琲を淹れるか」
「あ、お願いします」
「ふむ、公爵に確かめてみよう」
「やったー」
お父様はもしかしたらパティシエかもしれないと思いつつ、今日のおやつが楽しみなニッキーなのでした。
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