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本編
泡夢なるもの 天への願いはそこに
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平和を愛するふたりの光。
愛に殉じたかつての光。
そして光は広がって、包み込んで、おおきなおおきな楽園ができあがるのです。
ひとつの輝きが皆を照らす最高の国なのです。
星の来訪を待って、 妖精の踊りを鑑賞して、大地の祝福を受け取って。
たくさんの冒険を乗り越えて、たくさんの笑顔を生み出して、永遠に、永遠に。
そしてどこまでも栄えていくことでしょう。
その身を削って戦うディフラカンにどうか安らぎを、安泰を、平和を。
輝くディフラカンは民を導き、我らクロトゥランは献身を捧げましょう。
どんなに些細な献身も、重ねれ続ければきっと、大きくなる。
願いを重ねて努力を重ねて輝きを重ねて後悔を重ねて少しずつ。
輝く星と瞬く月の眼が重なるときは、きっと奇跡が起こるでしょう。
何度も、何度も、何度もディフラカンは奇跡をおこすのです。
綺麗に輝かしく、荘厳に華々しく、人々をいつまでも照らし続けるでしょう。
けれどどうか忘れないで、どうか忘れておくれ、何度も起きる奇跡には代償が必要なのだと。
ですがどうぞ忘れたままに、都合のいいままに。
輝きに代償は必要ないのです、光に汚れはあってはならないのです。
汚れは手元に、代償はこの身に。
愛しき光は美しく、私はいつまでも捧げ続けるのです。
忘れないで、忘れてなるものか……なぜわすれてくれなかったのか。
天に座す星はいつまでも、いつまでもいつまでも輝き続ける。
その光は飽きること泣く獅子を魅了する。
そしてどうか民を、土地を、世界を照らし続けておくれ。
輝く光をずっとみつめる我らクロトゥランをどうか忘れておくれ。
所詮我らは我儘な者の末の末。
二つの輝きは遠き昔。
今はただ、天の輝きその目に写す、獅子ひとつ。
ディフラカンは輝き続ける。
クロトゥランは捧げ続ける。
願いは重なる、努力を重ねる、贖いは積み重なる、少しずつ、少しずつ。
羽のように、塵のように、ガラクタのように、呪いのように、少しずつ。
いずれ古びて腐ることを知りつつも、止められないのだから。
願って、願って、願って、贖って。
「ニッキー! どうしてここにきたんだい? ダメダメ獅子にみつかっちゃう! 」
夢、確認。
「来ちゃダメだって言わなかった? 言ったはずだよね? ねぇ? 」
願い、願望、慟哭。
「ニッキー? 聞こえてる? 」
我らクロトゥランのささやかな恩返し、贖い、贖罪。
「あーもう、ダメだねこりゃ、ご立派な夢を見ちゃってら」
綺麗なディフラカン、美しきディフラカン、天の象徴、輝き、唯一の光。
ディフラカン、ディフラカン、ディフラカン……「はい ここまで! だめ! 」
………。
「ニッキー、ニッキー? ルドルフ達のことはいいのかい? エウァルド君は? やりたかったことは? あったよね? 」
その身を削る貴方に、苦労を重ねる貴方に、我らクロトゥランは喜んでこの魂をを捧げて、ささげ、て。
「もうひと押しかな、よし 起きてね、おきておきて」
夢を、ユメを、ゆめを……ゆ……め……。
「ああもうねえニッキー、どうして思い出を燃やしてしまったんだい? これじゃあ楽しく話せないじゃないかまったく……はいまたこんどね、ちゃんと起きてね、この事は忘れてね! 」
楽しい夢は一体どこに、僕は、僕は。
「ほらほら、早く地上にかえんなさいな、もう獅子から隠すことはできないんだよ、だめだよ」
ダンさん、メルディアさん、お父様、エウァルドさん……ん?
「よしよし、じゃあ、また今度、今度は月の上で待ってるからね ばいばい!」
つぎ、は、おき、なきゃ、だね。
ひかりは、また、こんど。
愛に殉じたかつての光。
そして光は広がって、包み込んで、おおきなおおきな楽園ができあがるのです。
ひとつの輝きが皆を照らす最高の国なのです。
星の来訪を待って、 妖精の踊りを鑑賞して、大地の祝福を受け取って。
たくさんの冒険を乗り越えて、たくさんの笑顔を生み出して、永遠に、永遠に。
そしてどこまでも栄えていくことでしょう。
その身を削って戦うディフラカンにどうか安らぎを、安泰を、平和を。
輝くディフラカンは民を導き、我らクロトゥランは献身を捧げましょう。
どんなに些細な献身も、重ねれ続ければきっと、大きくなる。
願いを重ねて努力を重ねて輝きを重ねて後悔を重ねて少しずつ。
輝く星と瞬く月の眼が重なるときは、きっと奇跡が起こるでしょう。
何度も、何度も、何度もディフラカンは奇跡をおこすのです。
綺麗に輝かしく、荘厳に華々しく、人々をいつまでも照らし続けるでしょう。
けれどどうか忘れないで、どうか忘れておくれ、何度も起きる奇跡には代償が必要なのだと。
ですがどうぞ忘れたままに、都合のいいままに。
輝きに代償は必要ないのです、光に汚れはあってはならないのです。
汚れは手元に、代償はこの身に。
愛しき光は美しく、私はいつまでも捧げ続けるのです。
忘れないで、忘れてなるものか……なぜわすれてくれなかったのか。
天に座す星はいつまでも、いつまでもいつまでも輝き続ける。
その光は飽きること泣く獅子を魅了する。
そしてどうか民を、土地を、世界を照らし続けておくれ。
輝く光をずっとみつめる我らクロトゥランをどうか忘れておくれ。
所詮我らは我儘な者の末の末。
二つの輝きは遠き昔。
今はただ、天の輝きその目に写す、獅子ひとつ。
ディフラカンは輝き続ける。
クロトゥランは捧げ続ける。
願いは重なる、努力を重ねる、贖いは積み重なる、少しずつ、少しずつ。
羽のように、塵のように、ガラクタのように、呪いのように、少しずつ。
いずれ古びて腐ることを知りつつも、止められないのだから。
願って、願って、願って、贖って。
「ニッキー! どうしてここにきたんだい? ダメダメ獅子にみつかっちゃう! 」
夢、確認。
「来ちゃダメだって言わなかった? 言ったはずだよね? ねぇ? 」
願い、願望、慟哭。
「ニッキー? 聞こえてる? 」
我らクロトゥランのささやかな恩返し、贖い、贖罪。
「あーもう、ダメだねこりゃ、ご立派な夢を見ちゃってら」
綺麗なディフラカン、美しきディフラカン、天の象徴、輝き、唯一の光。
ディフラカン、ディフラカン、ディフラカン……「はい ここまで! だめ! 」
………。
「ニッキー、ニッキー? ルドルフ達のことはいいのかい? エウァルド君は? やりたかったことは? あったよね? 」
その身を削る貴方に、苦労を重ねる貴方に、我らクロトゥランは喜んでこの魂をを捧げて、ささげ、て。
「もうひと押しかな、よし 起きてね、おきておきて」
夢を、ユメを、ゆめを……ゆ……め……。
「ああもうねえニッキー、どうして思い出を燃やしてしまったんだい? これじゃあ楽しく話せないじゃないかまったく……はいまたこんどね、ちゃんと起きてね、この事は忘れてね! 」
楽しい夢は一体どこに、僕は、僕は。
「ほらほら、早く地上にかえんなさいな、もう獅子から隠すことはできないんだよ、だめだよ」
ダンさん、メルディアさん、お父様、エウァルドさん……ん?
「よしよし、じゃあ、また今度、今度は月の上で待ってるからね ばいばい!」
つぎ、は、おき、なきゃ、だね。
ひかりは、また、こんど。
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