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本編
三十七話 日は落ち 人は集まる
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夕日。
黄色い太陽と、赤くて、紫色の空。
風が強ければ雲が綺麗に流れていって、なにもない時はただただ美しい。
ぼうっと魅入ってしまうその空を眺めて、眺めて、眺めて………。
その先にあるのは。
「ニッキー」
「はあい」
「呼んだだけだ」
「えぇ……」
「こういうのをお茶目と書かれている」
「何処にですかぁ?」
「辞書だ」
「うっそだぁ……」
どこか気の抜けたような。
悪くいえばやる気がしっかりでない緩む気持ちで微睡んでいれば時間というのはあっという間に過ぎていく。
「夜になるな」
「ですねえ……」
「そろそろ公爵達も来るだろう、残念だ」
「ですねぇ……それはともかく、外綺麗ですよ、すんごいきれい」
「む……」
窓の外、開かれた先に広がる夕焼けにちょっと椅子を動かして赤く、黄色く、紫に色鮮やかに目を楽しませてくれる。
たまには、こういうのも。
「外か、あぁ、確かにきれいだ」
部屋のなかに紫の明かりが染み込んできて、太陽が動くのに合わせてキラキラと綺麗に……あぁ、暗くなっちゃった。
「明かりをつけなきゃ」
「つけたぞ」
「はやっ」
油とマッチでお手軽に明るくなる便利な環境なのだからたまには自分もやってみたいという気持ちは、また今度。
それはそうと、体がカチコチになってきたような、ちょっとだけ体を動かしたい感じ。
ストレッチしなきゃ。
「あの、エウァルドさん僕ちょっと立ち」
「やあニッキー! 遅くなってすまない」
「うぇっ」
まったりゆったり馴染んでいた空間にノックも無しにやってきたのはまさかまさかのお父様。
思わず体がビクッとしちゃう。
「外でも眺めていたのかね? だがもう夜だ、カーテンを閉めよう」
「あらま」
「ん? どうした」
「いえなんでもー」
無慈悲にも閉められていくカーテン、悲しい。
閉めた足で椅子を持ってきたお父様は近くに座って足を組んでやってきまして。
「さて、さてさて、愛する息子よ、元気なようでなによりだ」
「あ、はい……エウァルドさん、エウァルドさん」
「どうした? 」
「こういう時どう言えば良いですかね? 」
「む、おはようございますで良いのではないか? 」
「あぁ、おはようございますお父様」
「ああおはよう、さあ、父に顔をよく見せておくれ 、それはそれとしてエウァルド君、近いよ」
「んえ? 」
「……お言葉ですが公爵、私もニッキーも既に」「ち か い よ」
「は……申し訳ありません」
わあ怖い。
ニコニコだけどちょっと怖い、押しの強いエウァルドさんも渋い顔をしちゃってる。
「こういうのはせめて慎みを持ってだな、我が愛息子は純粋なのだよ、丁重に扱ってくれたまえ」
「はっ、承知しました」
何を言ってるんだろうね、これ、理解が中々できない、理解ができない言葉ということはつまりだね。
「……こわ」
人間、分からないものは怖いのだ、えっへん。
「怖くないとも、お父さんは優しいぞ?」
「あ、はあ……」
こわぁい。
「……さてニッキー、話がある」
「うーん」
どうしましょうか、このお父様。
率直に言ってちょっとうざい、めんどくさい、怖いの三拍子。
だけど世間話のように自然に話すのではなくわざわざ畏まっているとなれば、なれば……。
「結構真面目な話です? 」
「いや、手短に終わる簡単な話だ……多分」
「たぶん」
「そうだ、お父さんを信じなさい」
「じゃあちょっとだけ」
「ちょっとだけかっ、まあいい……むう、ニッキーお前、良い意味で図太くなってきたな」
「あぁー……褒めてます? 」
「はは、半分褒めている、だがもう半分はお父さん悲しいぞの意味だ、感情がでてきた点については純粋に喜ぼう、嬉しいぞ」
「あ、はい」
「ふふふ」
「公爵 何をしてらっしゃるのですか?」
「む」
「ニッキー様、遅くなってしまい申し訳ありません」
「いえ、あー、おはようございます? 」
「えぇ、おはようございます」
ノックを少しにダンさんがお茶のセットを手にやってきた。
そしてにこにこするお父様をちょっとギロリと睨んで僕とエウァルトさんに僕に挨拶をしてくれて手に待つ水を見て一言。
「お茶はいかがですか? 」
「もらいたいですー」
「ではただいま、エウァルド殿は?」
「いただこう」
「畏まりました」
流石ベテランなだけあって音は少なく、無駄もなくあっという間にカップに注がれる鮮やかな色のお茶にエウァルトさんからちょっと悲しみのオーラが漂ってくるような、気のせいなような。
「さあどうぞ」
「ありが」
「礼は不要です、さて……公爵」
「むむ」
「笑みを押し付ければなんでもできると豪語する自称敏腕外交官様は実のご子息相手に何を無駄に笑みを押し付けているのかじっくり聞かせて頂きたいのですが、よろしいですね? 」
正直、大人って怖いなっておもう。
笑顔とは本来、喜怒哀楽の喜びと楽しさを表現するはずなのに、この人達はナチュラルに別の感情に使っている、変なの、と思いながら
「……何故私が責められてるのだね? これ」
「さあ……? んー、お父様お父様」
「なんだね息子よ」
「とりあえずダンさん怒ってるの嫌なんでどーにかお願いします」
「息子……」
ああ、お茶美味しい。
黄色い太陽と、赤くて、紫色の空。
風が強ければ雲が綺麗に流れていって、なにもない時はただただ美しい。
ぼうっと魅入ってしまうその空を眺めて、眺めて、眺めて………。
その先にあるのは。
「ニッキー」
「はあい」
「呼んだだけだ」
「えぇ……」
「こういうのをお茶目と書かれている」
「何処にですかぁ?」
「辞書だ」
「うっそだぁ……」
どこか気の抜けたような。
悪くいえばやる気がしっかりでない緩む気持ちで微睡んでいれば時間というのはあっという間に過ぎていく。
「夜になるな」
「ですねえ……」
「そろそろ公爵達も来るだろう、残念だ」
「ですねぇ……それはともかく、外綺麗ですよ、すんごいきれい」
「む……」
窓の外、開かれた先に広がる夕焼けにちょっと椅子を動かして赤く、黄色く、紫に色鮮やかに目を楽しませてくれる。
たまには、こういうのも。
「外か、あぁ、確かにきれいだ」
部屋のなかに紫の明かりが染み込んできて、太陽が動くのに合わせてキラキラと綺麗に……あぁ、暗くなっちゃった。
「明かりをつけなきゃ」
「つけたぞ」
「はやっ」
油とマッチでお手軽に明るくなる便利な環境なのだからたまには自分もやってみたいという気持ちは、また今度。
それはそうと、体がカチコチになってきたような、ちょっとだけ体を動かしたい感じ。
ストレッチしなきゃ。
「あの、エウァルドさん僕ちょっと立ち」
「やあニッキー! 遅くなってすまない」
「うぇっ」
まったりゆったり馴染んでいた空間にノックも無しにやってきたのはまさかまさかのお父様。
思わず体がビクッとしちゃう。
「外でも眺めていたのかね? だがもう夜だ、カーテンを閉めよう」
「あらま」
「ん? どうした」
「いえなんでもー」
無慈悲にも閉められていくカーテン、悲しい。
閉めた足で椅子を持ってきたお父様は近くに座って足を組んでやってきまして。
「さて、さてさて、愛する息子よ、元気なようでなによりだ」
「あ、はい……エウァルドさん、エウァルドさん」
「どうした? 」
「こういう時どう言えば良いですかね? 」
「む、おはようございますで良いのではないか? 」
「あぁ、おはようございますお父様」
「ああおはよう、さあ、父に顔をよく見せておくれ 、それはそれとしてエウァルド君、近いよ」
「んえ? 」
「……お言葉ですが公爵、私もニッキーも既に」「ち か い よ」
「は……申し訳ありません」
わあ怖い。
ニコニコだけどちょっと怖い、押しの強いエウァルドさんも渋い顔をしちゃってる。
「こういうのはせめて慎みを持ってだな、我が愛息子は純粋なのだよ、丁重に扱ってくれたまえ」
「はっ、承知しました」
何を言ってるんだろうね、これ、理解が中々できない、理解ができない言葉ということはつまりだね。
「……こわ」
人間、分からないものは怖いのだ、えっへん。
「怖くないとも、お父さんは優しいぞ?」
「あ、はあ……」
こわぁい。
「……さてニッキー、話がある」
「うーん」
どうしましょうか、このお父様。
率直に言ってちょっとうざい、めんどくさい、怖いの三拍子。
だけど世間話のように自然に話すのではなくわざわざ畏まっているとなれば、なれば……。
「結構真面目な話です? 」
「いや、手短に終わる簡単な話だ……多分」
「たぶん」
「そうだ、お父さんを信じなさい」
「じゃあちょっとだけ」
「ちょっとだけかっ、まあいい……むう、ニッキーお前、良い意味で図太くなってきたな」
「あぁー……褒めてます? 」
「はは、半分褒めている、だがもう半分はお父さん悲しいぞの意味だ、感情がでてきた点については純粋に喜ぼう、嬉しいぞ」
「あ、はい」
「ふふふ」
「公爵 何をしてらっしゃるのですか?」
「む」
「ニッキー様、遅くなってしまい申し訳ありません」
「いえ、あー、おはようございます? 」
「えぇ、おはようございます」
ノックを少しにダンさんがお茶のセットを手にやってきた。
そしてにこにこするお父様をちょっとギロリと睨んで僕とエウァルトさんに僕に挨拶をしてくれて手に待つ水を見て一言。
「お茶はいかがですか? 」
「もらいたいですー」
「ではただいま、エウァルド殿は?」
「いただこう」
「畏まりました」
流石ベテランなだけあって音は少なく、無駄もなくあっという間にカップに注がれる鮮やかな色のお茶にエウァルトさんからちょっと悲しみのオーラが漂ってくるような、気のせいなような。
「さあどうぞ」
「ありが」
「礼は不要です、さて……公爵」
「むむ」
「笑みを押し付ければなんでもできると豪語する自称敏腕外交官様は実のご子息相手に何を無駄に笑みを押し付けているのかじっくり聞かせて頂きたいのですが、よろしいですね? 」
正直、大人って怖いなっておもう。
笑顔とは本来、喜怒哀楽の喜びと楽しさを表現するはずなのに、この人達はナチュラルに別の感情に使っている、変なの、と思いながら
「……何故私が責められてるのだね? これ」
「さあ……? んー、お父様お父様」
「なんだね息子よ」
「とりあえずダンさん怒ってるの嫌なんでどーにかお願いします」
「息子……」
ああ、お茶美味しい。
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