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本編
三十二話 憩いの場で 難解な空間みたいな
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逞しい腕に支えられながらゆっくり起き上がろうとして、なんと体ごと持ち上げられて座る形になってちょっとびっくりしたり。
「力持ちですね」
「鍛えているからな」
「なるほど」
ガッチリと服の上からでもわかるムキムキな体と厳しそうだけど精悍なお顔。
なんか怖いけど気遣いはしてくれる。
背も大きい、パッと見とても健康そうに見える、ふむ。
「すごい」
「いうほどでもない」
「そうなんです? 」
「そうだ」
腰を枕を挟んだ壁に落ち着けて、腕を組むエウァルドさんに聞いてみる。
うむ。
「エウァルドさんすごいモテたでしょう絶対」
「いいや? 」
「そんなことないでしょう、多分モテますって」
「家格目当ての打診はあるが俺個人を求める者などそういないな」
「実は隠れファンみたいのがたくさんいる流れですね、僕知ってますよ」
「……なぜそうなるんだ? 」
メルディアさんから貸して貰った本でこういう展開読んだ事あるね!
こう、後から求婚が飛んでくるやつ!
「…………仮に、俺を好いた者がいたとして、薄情かもしれんが俺には関係のない事だ」
ちょっと眼を丸く開いた後に腕を組んだエウァルドさんは低い声でそういった。
「……なるほど」
正直理解が上手くできてないののだ、雰囲気で流そう。
「そも、好かれたい相手からの好意が得られなければなにも意味がない……お前はどうだ」
「? 」
「そろそろ質問の答えを貰いたいのだが、良いか? 」
「えーっと、何でしたっけ」
「今お前が何を思って俺と接しているかについてだ」
突然話を戻された感じでびっくり、ほんとにびっくり。
「……んー」
……なにを考えているか?
うーむ、ちょっと難しい、哲学みたいな事を聞かれてるような……僕は今何を考えてるのか、うーん。
「難しく思わなくていい、感覚で答えてくれれば満足だ」
「ああ、はい」
うー………。
んー?
そう……だねぇ?
「何を思って、だと、まずは、びっくりしてますね」
「……突然俺のような男が現れたからな」
「それもあるんですけど、起きたら会って間もない方がいてあれ? となりまして」
ダンさんでもお父様でも無かったからシンプルにびっくり。
「……会って間もない、か、そうか」
「今は人と話すのって大変だなと~としみじみと考えてますね、エウァルドさんと会うまではお父様とダンさん位しか話し相手がいなかったので」
「……そうか」
「? 」
ちょっとエウァルドさんの声が低くなった……怒ってる?
いやまぁ、ちょっとテンション上がっちゃって失礼な事言っちゃったかも……反省しよう。
「そういえば、ダンさんはいまはどちらに? 」
「気になるのか? 」
「いつもなら起きたらすぐに来るので不思議だなーと」
「……俺がいるだろ? 」
「?」
「俺がいるのだから問題はないだろう? 」
「んーと? 」
エウァルドさんはどういう意味でこれを……、難しい。
「いや、忘れてくれ、声の大きい侍女から聞いたのだが、侯爵はどうやら別の部屋で公爵と話をしているらしい」
「話? 」
「侍女曰くかなり怖い顔をしていたらしい」
「ダンさんが? 」
「ああ」
ダンさんが怖い顔をしていた……やだ、あんまり想像したくない。
「余程の理由があるのだろうが、俺としてはお前の側につけてありがたいと思っている、お前はどうだ? 」
「んー、ちょっと、分からないですね? 」
「構わん、言い方がきついな……かまわない、ただのわがままだ、話し半分でなんとなく聞いてくれればそれで満足だ」
「なるほどなるほど……あんまり、分かんないですね」
「うむ」
なんとなく落ち込んでるような雰囲気がエウァルドさんから出ているような気がする。
確かめようにも体勢を変えて目線を高くなってもエウァルドさんとは目線は合わないようで……まあいいや、微々たるものよ、些事よ些事。
それに分からないなりに考えてみたけどさっぱりわからない。
また今度考えるで手を打とう。
よし、自分で自分の納得、説得、違和感払拭大体おっけー。
「ところでだ、ニッキー」
「? なんでしょう」
「茶の用意をしたいのだが好みはあるか? 」
「……ないですね! 」
目はバッチリ覚めた、体力も万全、お腹の減り具合はそこそこ。
なんとなく、なんとなく凄そう……とりあえずエウァルドさんと仲良くできたら良いなと考えてよう、うむうむ。
……仲良くできるかなあ。
まだ我慢は、できるとも、……我慢? 何を考えているんだろう自分は。
「侍女から菓子も頂いている、好きか? 」
「美味であればなんでも好きですね! 」
「そうか」
……まあいいや、楽しいことだけを考えよう。
「力持ちですね」
「鍛えているからな」
「なるほど」
ガッチリと服の上からでもわかるムキムキな体と厳しそうだけど精悍なお顔。
なんか怖いけど気遣いはしてくれる。
背も大きい、パッと見とても健康そうに見える、ふむ。
「すごい」
「いうほどでもない」
「そうなんです? 」
「そうだ」
腰を枕を挟んだ壁に落ち着けて、腕を組むエウァルドさんに聞いてみる。
うむ。
「エウァルドさんすごいモテたでしょう絶対」
「いいや? 」
「そんなことないでしょう、多分モテますって」
「家格目当ての打診はあるが俺個人を求める者などそういないな」
「実は隠れファンみたいのがたくさんいる流れですね、僕知ってますよ」
「……なぜそうなるんだ? 」
メルディアさんから貸して貰った本でこういう展開読んだ事あるね!
こう、後から求婚が飛んでくるやつ!
「…………仮に、俺を好いた者がいたとして、薄情かもしれんが俺には関係のない事だ」
ちょっと眼を丸く開いた後に腕を組んだエウァルドさんは低い声でそういった。
「……なるほど」
正直理解が上手くできてないののだ、雰囲気で流そう。
「そも、好かれたい相手からの好意が得られなければなにも意味がない……お前はどうだ」
「? 」
「そろそろ質問の答えを貰いたいのだが、良いか? 」
「えーっと、何でしたっけ」
「今お前が何を思って俺と接しているかについてだ」
突然話を戻された感じでびっくり、ほんとにびっくり。
「……んー」
……なにを考えているか?
うーむ、ちょっと難しい、哲学みたいな事を聞かれてるような……僕は今何を考えてるのか、うーん。
「難しく思わなくていい、感覚で答えてくれれば満足だ」
「ああ、はい」
うー………。
んー?
そう……だねぇ?
「何を思って、だと、まずは、びっくりしてますね」
「……突然俺のような男が現れたからな」
「それもあるんですけど、起きたら会って間もない方がいてあれ? となりまして」
ダンさんでもお父様でも無かったからシンプルにびっくり。
「……会って間もない、か、そうか」
「今は人と話すのって大変だなと~としみじみと考えてますね、エウァルドさんと会うまではお父様とダンさん位しか話し相手がいなかったので」
「……そうか」
「? 」
ちょっとエウァルドさんの声が低くなった……怒ってる?
いやまぁ、ちょっとテンション上がっちゃって失礼な事言っちゃったかも……反省しよう。
「そういえば、ダンさんはいまはどちらに? 」
「気になるのか? 」
「いつもなら起きたらすぐに来るので不思議だなーと」
「……俺がいるだろ? 」
「?」
「俺がいるのだから問題はないだろう? 」
「んーと? 」
エウァルドさんはどういう意味でこれを……、難しい。
「いや、忘れてくれ、声の大きい侍女から聞いたのだが、侯爵はどうやら別の部屋で公爵と話をしているらしい」
「話? 」
「侍女曰くかなり怖い顔をしていたらしい」
「ダンさんが? 」
「ああ」
ダンさんが怖い顔をしていた……やだ、あんまり想像したくない。
「余程の理由があるのだろうが、俺としてはお前の側につけてありがたいと思っている、お前はどうだ? 」
「んー、ちょっと、分からないですね? 」
「構わん、言い方がきついな……かまわない、ただのわがままだ、話し半分でなんとなく聞いてくれればそれで満足だ」
「なるほどなるほど……あんまり、分かんないですね」
「うむ」
なんとなく落ち込んでるような雰囲気がエウァルドさんから出ているような気がする。
確かめようにも体勢を変えて目線を高くなってもエウァルドさんとは目線は合わないようで……まあいいや、微々たるものよ、些事よ些事。
それに分からないなりに考えてみたけどさっぱりわからない。
また今度考えるで手を打とう。
よし、自分で自分の納得、説得、違和感払拭大体おっけー。
「ところでだ、ニッキー」
「? なんでしょう」
「茶の用意をしたいのだが好みはあるか? 」
「……ないですね! 」
目はバッチリ覚めた、体力も万全、お腹の減り具合はそこそこ。
なんとなく、なんとなく凄そう……とりあえずエウァルドさんと仲良くできたら良いなと考えてよう、うむうむ。
……仲良くできるかなあ。
まだ我慢は、できるとも、……我慢? 何を考えているんだろう自分は。
「侍女から菓子も頂いている、好きか? 」
「美味であればなんでも好きですね! 」
「そうか」
……まあいいや、楽しいことだけを考えよう。
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