22 / 118
本編
十六話 甘やかしたい父と理解が追い付かない息子
しおりを挟む
「まず、敬語は無くすとして……」
「ちょっと……それは」
「ん? 」
「いえ、なんでも」
怒られているわけではないのに萎縮してしまう僕を足を組み悪そうな笑みで見るお父様がいた。
「ベッドの上にいるだけでは元気になれないだろうから……そうだな、散歩、編み物、読書が一般的だがどう思う?」
「それで大丈夫だと思いますけど……」
読書は元からしていて編み物は……やった事ないけど楽しそう。
「ふむ、ダンはどうだ、何か意見があれば聞くが」
なんでそこでダンさんに聞くの、ちょっと今日のダンさんへの評価危険なことになってるんですけど。
「そうですね……、ここはひとつ、ニッキー様に直接聞き、要望を叶えた方が賢明かと」
「え、ダンさん?」
やりたいことなーに、とか聞かれても困るよ僕。
「間違っていたら申し訳ないのですが……ニッキー様は迷惑のかかることは極力我慢した方が楽だと思ってらっしゃる節がございますので、そちらをまず改善して頂き」
「へ!? ……そういうのなんでわかるんです? 怖いですちょっと」
間違っていたら胸を張って違います! って言えるのだけど、残念なことに九割位あってる……なんであってるの?
「驚かせるつもりは無かったのですが……実はわたし、以前は王都の騎士団に在籍しておりまして」
「おお……すごい」
騎士の服着てるし体ムキムキだしね、納得。
恥ずかしそうに頭をかくダンさんだけど、純粋にすごいなと思う。
「そこで少々、拷問……いえ尋問……お話をすることが得意になりまして」
「え? 」
「その技能を活かしまして、ある程度人が何を思っているのか、どのような事をしたいのか簡単な推理、分析のような事が出来るようになったのです」
「いや、こわいこわいこわい……」
それって、あれでしょ? 探偵とかそういった類の……、ダンさんが?
まって拷問とか言ってなかった?
「約3ヶ月、ニッキー様のお側に仕えさせて頂いたのですから当然、性格や趣味嗜好、考え方等簡単な部分は把握致しました、よければ紙に纏めたものがございますのでご覧になりますか?」
「いえいえいえ結構です……!! なんかその、ダンさんってもしかして凄い人だったりします?」
「いえいえ……ただの少し腕の立つ老いぼれですとも」
「……少し?」
「はい、少し 」
恐怖を、感じた。
優しくて頼りがいのある包容力抜群のおじさまの認識は変わってないけど……怖い要素が増えた気がする……鳥肌立ってるし。
「ダンの事は追々聞いて見ればいい、それよりもだ、ニッキー、本題に戻すぞ」
「あ……はいっ」
よかった、話が落ち着く……落ち着くのかな。
「色々と例をあげてみたが特に急ぐ必要はない、急ぐ理由がないからな……少しずつで大丈夫だとも」
「……頑張ります」
ああうん、自分のペースでやらせてくれるのは凄いありがたい。
まったりとお茶でもすする生活でもしよう。
「それはそれとして、一週間以内にその言葉遣いを改めさせねばいかんがな」
「え!? 駄目なんですか?! 」
ええ……。
ずっとこの言葉で話してたから今更変えろだなんてそんな……。
「ここには極々親しいものしか呼ばぬし、畏まった言葉より親しみ深い喋り方の方が楽だろう……そうか、私を相手に一歩引いた付き合いを築こうとしているな? 」
「う……」
間違ってるような間違っていないような……お父様の視線が痛い。
「壁を作ろうとするなど度しがたいな……ああそういえば昔からそうだったな……、変わっていないのは喜ばしいが交流を深める事を面倒臭がる癖は治さねばならんな、気を付けよう」
うんうんと頷くお父様、穏やかな笑顔に恐怖を感じるダンさん。
……詰んでるねこれ、現状維持しようものなら突っつき倒されるよこれ。
「色々と……見抜かれてる感じがして……複雑な気持ちです」
やろうとしてる事が読まれてる感覚は少し怖い……、あと話にでる昔の僕は一体どんな子だっだんだろうと頭の片隅で思ったり……忙しい。
「知らないことの方が多いが息子の事は大体把握しているつもりだからな、見抜くとも」
「あの……正直お父様と呼んでますけど正直実感が無いんですよね」
そう呼べと言われてるから言ってるだけっていうのもある。
あ、 お父様の名前知らない、機会あったら聞かなきゃ……やること増えたあ。
「それは記憶が無いからだろう? 記憶を取り戻す治療はするが、今はただ新しい父ができたと思って存分に甘えてくれ」
「甘える……?」
「おうとも、欲しいものは好きなだけ与えるし、寂しいときは添い寝も喜んでしようではないか」
新しい父……甘える、添い寝、あっ。
「知ってますそれ、そういうのパパ活って言う 「そんなもの何処で覚えた」 えー……忘れました」
これはもしや失言をした判定なのだろうか、二人の視線が怖い。
「あー……、とにかく、明日からだ」
「明日」
知識はあるけど記憶はない、ちょっと都合が良いとこあるよねこれ。
怖い顔から苦いもの食べた時の顔になったお父様を眺めながら呑気におもう自分であった。
「難しい事も余計な事も考えずもっと気楽にここでの暮らしを謳歌してほしい……、欲しいものは欲しいと良い、嫌なものは嫌と言える子になるんだ」
「……頑張ります?」
「返事が怪しいな……」
「できるかはわからないですし……」
「ふうむ……」
多分今の僕の顔情けないことになってるなぁと少し思いながら、ちょっとお父様から目を離す。
「おおそうだ、ちょうど良い、あれを呼ぶとしようか」
「ん?……あれとは」
するとお父様は手を叩き言った。
なにをすればいいのかさっぱりだけど……あれってなんだろう。
「お前をとことん甘やかして程よく叱ってくれるよい男が一人いるんだ、その性格をよい方向に治していくのならちょうど良いだろう?」
「……よくわからないです」
「ダン、手紙の用意を」
「畏まりました」
部屋の外に行ったお父様、それについてくダンさん、入れ替わりで入ってきた知らない騎士服の人。
「ええっと……? はぁ……」
二人の消えていった扉を見て、ため息をつき、目を閉じる。
理解しようにもちょっと……疲れた。
いいや……横になろ。
「ちょっと……それは」
「ん? 」
「いえ、なんでも」
怒られているわけではないのに萎縮してしまう僕を足を組み悪そうな笑みで見るお父様がいた。
「ベッドの上にいるだけでは元気になれないだろうから……そうだな、散歩、編み物、読書が一般的だがどう思う?」
「それで大丈夫だと思いますけど……」
読書は元からしていて編み物は……やった事ないけど楽しそう。
「ふむ、ダンはどうだ、何か意見があれば聞くが」
なんでそこでダンさんに聞くの、ちょっと今日のダンさんへの評価危険なことになってるんですけど。
「そうですね……、ここはひとつ、ニッキー様に直接聞き、要望を叶えた方が賢明かと」
「え、ダンさん?」
やりたいことなーに、とか聞かれても困るよ僕。
「間違っていたら申し訳ないのですが……ニッキー様は迷惑のかかることは極力我慢した方が楽だと思ってらっしゃる節がございますので、そちらをまず改善して頂き」
「へ!? ……そういうのなんでわかるんです? 怖いですちょっと」
間違っていたら胸を張って違います! って言えるのだけど、残念なことに九割位あってる……なんであってるの?
「驚かせるつもりは無かったのですが……実はわたし、以前は王都の騎士団に在籍しておりまして」
「おお……すごい」
騎士の服着てるし体ムキムキだしね、納得。
恥ずかしそうに頭をかくダンさんだけど、純粋にすごいなと思う。
「そこで少々、拷問……いえ尋問……お話をすることが得意になりまして」
「え? 」
「その技能を活かしまして、ある程度人が何を思っているのか、どのような事をしたいのか簡単な推理、分析のような事が出来るようになったのです」
「いや、こわいこわいこわい……」
それって、あれでしょ? 探偵とかそういった類の……、ダンさんが?
まって拷問とか言ってなかった?
「約3ヶ月、ニッキー様のお側に仕えさせて頂いたのですから当然、性格や趣味嗜好、考え方等簡単な部分は把握致しました、よければ紙に纏めたものがございますのでご覧になりますか?」
「いえいえいえ結構です……!! なんかその、ダンさんってもしかして凄い人だったりします?」
「いえいえ……ただの少し腕の立つ老いぼれですとも」
「……少し?」
「はい、少し 」
恐怖を、感じた。
優しくて頼りがいのある包容力抜群のおじさまの認識は変わってないけど……怖い要素が増えた気がする……鳥肌立ってるし。
「ダンの事は追々聞いて見ればいい、それよりもだ、ニッキー、本題に戻すぞ」
「あ……はいっ」
よかった、話が落ち着く……落ち着くのかな。
「色々と例をあげてみたが特に急ぐ必要はない、急ぐ理由がないからな……少しずつで大丈夫だとも」
「……頑張ります」
ああうん、自分のペースでやらせてくれるのは凄いありがたい。
まったりとお茶でもすする生活でもしよう。
「それはそれとして、一週間以内にその言葉遣いを改めさせねばいかんがな」
「え!? 駄目なんですか?! 」
ええ……。
ずっとこの言葉で話してたから今更変えろだなんてそんな……。
「ここには極々親しいものしか呼ばぬし、畏まった言葉より親しみ深い喋り方の方が楽だろう……そうか、私を相手に一歩引いた付き合いを築こうとしているな? 」
「う……」
間違ってるような間違っていないような……お父様の視線が痛い。
「壁を作ろうとするなど度しがたいな……ああそういえば昔からそうだったな……、変わっていないのは喜ばしいが交流を深める事を面倒臭がる癖は治さねばならんな、気を付けよう」
うんうんと頷くお父様、穏やかな笑顔に恐怖を感じるダンさん。
……詰んでるねこれ、現状維持しようものなら突っつき倒されるよこれ。
「色々と……見抜かれてる感じがして……複雑な気持ちです」
やろうとしてる事が読まれてる感覚は少し怖い……、あと話にでる昔の僕は一体どんな子だっだんだろうと頭の片隅で思ったり……忙しい。
「知らないことの方が多いが息子の事は大体把握しているつもりだからな、見抜くとも」
「あの……正直お父様と呼んでますけど正直実感が無いんですよね」
そう呼べと言われてるから言ってるだけっていうのもある。
あ、 お父様の名前知らない、機会あったら聞かなきゃ……やること増えたあ。
「それは記憶が無いからだろう? 記憶を取り戻す治療はするが、今はただ新しい父ができたと思って存分に甘えてくれ」
「甘える……?」
「おうとも、欲しいものは好きなだけ与えるし、寂しいときは添い寝も喜んでしようではないか」
新しい父……甘える、添い寝、あっ。
「知ってますそれ、そういうのパパ活って言う 「そんなもの何処で覚えた」 えー……忘れました」
これはもしや失言をした判定なのだろうか、二人の視線が怖い。
「あー……、とにかく、明日からだ」
「明日」
知識はあるけど記憶はない、ちょっと都合が良いとこあるよねこれ。
怖い顔から苦いもの食べた時の顔になったお父様を眺めながら呑気におもう自分であった。
「難しい事も余計な事も考えずもっと気楽にここでの暮らしを謳歌してほしい……、欲しいものは欲しいと良い、嫌なものは嫌と言える子になるんだ」
「……頑張ります?」
「返事が怪しいな……」
「できるかはわからないですし……」
「ふうむ……」
多分今の僕の顔情けないことになってるなぁと少し思いながら、ちょっとお父様から目を離す。
「おおそうだ、ちょうど良い、あれを呼ぶとしようか」
「ん?……あれとは」
するとお父様は手を叩き言った。
なにをすればいいのかさっぱりだけど……あれってなんだろう。
「お前をとことん甘やかして程よく叱ってくれるよい男が一人いるんだ、その性格をよい方向に治していくのならちょうど良いだろう?」
「……よくわからないです」
「ダン、手紙の用意を」
「畏まりました」
部屋の外に行ったお父様、それについてくダンさん、入れ替わりで入ってきた知らない騎士服の人。
「ええっと……? はぁ……」
二人の消えていった扉を見て、ため息をつき、目を閉じる。
理解しようにもちょっと……疲れた。
いいや……横になろ。
124
お気に入りに追加
3,084
あなたにおすすめの小説

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

家を追い出されたのでツバメをやろうとしたら強面の乳兄弟に反対されて困っている
香歌奈
BL
ある日、突然、セレンは生まれ育った伯爵家を追い出された。
異母兄の婚約者に乱暴を働こうとした罪らしいが、全く身に覚えがない。なのに伯爵家当主となっている異母兄は家から締め出したばかりか、ヴァーレン伯爵家の籍まで抹消したと言う。
途方に暮れたセレンは、年の離れた乳兄弟ギーズを頼ることにした。ギーズは顔に大きな傷跡が残る強面の騎士。悪人からは恐れられ、女子供からは怯えられているという。でもセレンにとっては子守をしてくれた優しいお兄さん。ギーズの家に置いてもらう日々は昔のようで居心地がいい。とはいえ、いつまでも養ってもらうわけにはいかない。しかしお坊ちゃん育ちで手に職があるわけでもなく……。
「僕は女性ウケがいい。この顔を生かしてツバメをしようかな」「おい、待て。ツバメの意味がわかっているのか!」美貌の天然青年に振り回される強面騎士は、ついに実力行使に出る?!
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。

新しい道を歩み始めた貴方へ
mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

田舎育ちの天然令息、姉様の嫌がった婚約を押し付けられるも同性との婚約に困惑。その上性別は絶対バレちゃいけないのに、即行でバレた!?
下菊みこと
BL
髪色が呪われた黒であったことから両親から疎まれ、隠居した父方の祖父母のいる田舎で育ったアリスティア・ベレニス・カサンドル。カサンドル侯爵家のご令息として恥ずかしくない教養を祖父母の教えの元身につけた…のだが、農作業の手伝いの方が貴族として過ごすより好き。
そんなアリスティア十八歳に急な婚約が持ち上がった。アリスティアの双子の姉、アナイス・セレスト・カサンドル。アリスティアとは違い金の御髪の彼女は侯爵家で大変かわいがられていた。そんなアナイスに、とある同盟国の公爵家の当主との婚約が持ちかけられたのだが、アナイスは婿を取ってカサンドル家を継ぎたいからと男であるアリスティアに婚約を押し付けてしまう。アリスティアとアナイスは髪色以外は見た目がそっくりで、アリスティアは田舎に引っ込んでいたためいけてしまった。
アリスは自分の性別がバレたらどうなるか、また自分の呪われた黒を見て相手はどう思うかと心配になった。そして顔合わせすることになったが、なんと公爵家の執事長に性別が即行でバレた。
公爵家には公爵と歳の離れた腹違いの弟がいる。前公爵の正妻との唯一の子である。公爵は、正当な継承権を持つ正妻の息子があまりにも幼く家を継げないため、妾腹でありながら爵位を継承したのだ。なので公爵の後を継ぐのはこの弟と決まっている。そのため公爵に必要なのは同盟国の有力貴族との縁のみ。嫁が子供を産む必要はない。
アリスティアが男であることがバレたら捨てられると思いきや、公爵の弟に懐かれたアリスティアは公爵に「家同士の婚姻という事実だけがあれば良い」と言われてそのまま公爵家で暮らすことになる。
一方婚約者、二十五歳のクロヴィス・シリル・ドナシアンは嫁に来たのが男で困惑。しかし可愛い弟と仲良くなるのが早かったのと弟について黙って結婚しようとしていた負い目でアリスティアを追い出す気になれず婚約を結ぶことに。
これはそんなクロヴィスとアリスティアが少しずつ近づいていき、本物の夫婦になるまでの記録である。
小説家になろう様でも2023年 03月07日 15時11分から投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる