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龍の国と死者の番
龍王の語りと 個人的ななにかと
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「前提としてだな、センブレルとかいう国はな、凶悪な魔物が住まう森の対処を長年続けていたからか力の強い人間が生まれやすくなっている」
「ほうほう……」
お茶を片手に、ルドレウスさんは語りだした。
「ああそうだ忘れる所だった、ちなみに言うが蛮将アルギスとかいう獣の権化のような痴れ者は規格外故に基準にしてはならぬぞ」
「そうなんです?」
「いわゆる突然変異というやつだ、あんなものがポンポン生まれていたら安心して妻と過ごせん」
「……なるほど?」
「おや、さてはあまり信じておらんな?」
「んーと、あんまりその、アルさんが戦う所見てないのでピンと来てないというな……」
「ほう……一度襲撃を受けたと聞くがあれはショタコンが対応したのか、どちらにせよ規格外だな」
「……ん? はい」
なんていうか、良くわからん。
「話を進めよう、400年前、多くの冒険者を失い冒険者を頼りに成り立っていた大陸は荒れに荒れ、内乱 陰謀 跡取り争い 返り忠、飢饉に疫病が不定期に発生し腐った水で運営された楽園のように気色悪い世界をなんと、あの国は生き抜いた」
「……凄い、ことです?」
「人間として見なければ称賛の品を送っている所だな」
「……人間は駄目なんですね」
ルドレウスさんはやけに人間に拘っているけど、過去になにかあったのかしら。
「ム? 当たり前だ、人間というだけで羽虫より価値が低くなる、その点でいえば、あの国の大将軍と国王はなんとも微妙な、甲乙付けがたい」
「……んん?」
眉の皺を深くするルドレウスさんを頭の回らない僕がパンを咀嚼しながら見て、そんな僕をルドレウスさんは優しい顔で見た後に、また険しい顔をした。
「ふうむ……異端のエルフナパス、裏の世界から表舞台に引きずり出された男アイデン、文官の家系から生まれた化物ミネルス、そして、いずれ神となる王イウァンと、神を殺す力を持つアルギス、どれも魔王に相応しい器を持つ傑物よ」
「……怖い話してます?」
急にスケールが、でかくなったような。
「そんな事はない、少々物騒な言葉を並べたが決して危害が及ぶような事はないと断言しよう」
「そ、そうです?」
にこりと優しく笑うルドレウスさん、とても和やかな一瞬、次のルドレウスさんの言葉でお花畑にしていた思考にヒビが入る。
「まぁだが、そなた限定だがな」
「う、うーん……こ、このパン美味しいですね」
「ふむ、そればかり口にしているが飽きぬか?」
「いいえ全然、とっても美味しいです」
「……気を使っているな?」
「半分ほど……」
「許さん」
腰が引けている自覚は十分、ほぼ初対面、苦手な部類にはいる性格の目の前の人。
そしてルドレウスさんの声のトーンが一段階下がり、冷や汗が僕を襲い固まり……口元にサンドイッチを突きつけられた。
「……ん?」
「ほれ、これを口にいれ租借し飲み込め、そしてこの果実水を飲んだ後に感想を一言、もしくは無理強いをする兄に向けての文句でもよい、言うがよい」
「え、あ、うわぁ……」
めんどくさぁ。
「面倒だと思ったその言葉をさぁ! この兄に告げよ! 常日頃愚息に言われ慣れているが故! さあ! 」
「う、うわぁ……」
頭のなかにハムスターを召喚してパンとハムを口に含んでもぐもぐもぐもぐ!!
「……押しに弱いその性根を少しは変えねばな」
なんか言ってるけど知らない! 知らないもんね……!
★★★
読んで頂きありがとうございます
「ほうほう……」
お茶を片手に、ルドレウスさんは語りだした。
「ああそうだ忘れる所だった、ちなみに言うが蛮将アルギスとかいう獣の権化のような痴れ者は規格外故に基準にしてはならぬぞ」
「そうなんです?」
「いわゆる突然変異というやつだ、あんなものがポンポン生まれていたら安心して妻と過ごせん」
「……なるほど?」
「おや、さてはあまり信じておらんな?」
「んーと、あんまりその、アルさんが戦う所見てないのでピンと来てないというな……」
「ほう……一度襲撃を受けたと聞くがあれはショタコンが対応したのか、どちらにせよ規格外だな」
「……ん? はい」
なんていうか、良くわからん。
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「……凄い、ことです?」
「人間として見なければ称賛の品を送っている所だな」
「……人間は駄目なんですね」
ルドレウスさんはやけに人間に拘っているけど、過去になにかあったのかしら。
「ム? 当たり前だ、人間というだけで羽虫より価値が低くなる、その点でいえば、あの国の大将軍と国王はなんとも微妙な、甲乙付けがたい」
「……んん?」
眉の皺を深くするルドレウスさんを頭の回らない僕がパンを咀嚼しながら見て、そんな僕をルドレウスさんは優しい顔で見た後に、また険しい顔をした。
「ふうむ……異端のエルフナパス、裏の世界から表舞台に引きずり出された男アイデン、文官の家系から生まれた化物ミネルス、そして、いずれ神となる王イウァンと、神を殺す力を持つアルギス、どれも魔王に相応しい器を持つ傑物よ」
「……怖い話してます?」
急にスケールが、でかくなったような。
「そんな事はない、少々物騒な言葉を並べたが決して危害が及ぶような事はないと断言しよう」
「そ、そうです?」
にこりと優しく笑うルドレウスさん、とても和やかな一瞬、次のルドレウスさんの言葉でお花畑にしていた思考にヒビが入る。
「まぁだが、そなた限定だがな」
「う、うーん……こ、このパン美味しいですね」
「ふむ、そればかり口にしているが飽きぬか?」
「いいえ全然、とっても美味しいです」
「……気を使っているな?」
「半分ほど……」
「許さん」
腰が引けている自覚は十分、ほぼ初対面、苦手な部類にはいる性格の目の前の人。
そしてルドレウスさんの声のトーンが一段階下がり、冷や汗が僕を襲い固まり……口元にサンドイッチを突きつけられた。
「……ん?」
「ほれ、これを口にいれ租借し飲み込め、そしてこの果実水を飲んだ後に感想を一言、もしくは無理強いをする兄に向けての文句でもよい、言うがよい」
「え、あ、うわぁ……」
めんどくさぁ。
「面倒だと思ったその言葉をさぁ! この兄に告げよ! 常日頃愚息に言われ慣れているが故! さあ! 」
「う、うわぁ……」
頭のなかにハムスターを召喚してパンとハムを口に含んでもぐもぐもぐもぐ!!
「……押しに弱いその性根を少しは変えねばな」
なんか言ってるけど知らない! 知らないもんね……!
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