生産チートの流され魔王ののんびり流されライフ

龍の国と死者の番

〈断章〉建国

その昔、ラグーンという存在が生まれるよりもずっと前、龍の国がただの町であった頃。



 土地の影響か住み着いた者の影響か、その地一帯を汚染し適応させ凶悪な魔の森を作り上げたひとつの魔王がいた。


その名は誰も知ることがなかったが凶悪な森を作った魔王だが、森の外には決して出ず、無害な存在として在った。


だが、そこにあるだけの魔王という存在によって魔の森は凶悪なモンスター蔓延る死の地へと姿を変え、森の影響により周辺の土地も危険な場所になった。


人々に不安と恐怖を覚え、対策を練っていた頃。

龍の町が大きくなった時に、その森に一人の勇者と一人の戦士が現れた。

光の勇者と呼ばれる勇者、そして大きな体躯の戦士は共に強力なモンスターを屠り、無害な魔王と対峙し、死闘の末に魔王を倒した。




勇者の手で倒された魔王は二度と蘇らない。


そのルールにより、その地の平和が約束されたかに見えたが森は変わらず、凶悪なモンスターを生む魔の森のままだった。



勇者の力をもってしても解決出来ず森をどうするか戦士と共に考えた末、二人はここに留まることを決める。


魔の森に程近い場所に家を建て森から出てくるモンスターを狩り暮らしていると、勇者に救われた者達が続々と集まりひとつの村になった。

時は経ち、村は町に、町は小さな国へと龍の国が安定する頃には出来上がっていた。


その国の名をセンブレル。


光の勇者の相棒である戦士の名を取りできたセンブレル国は魔の森の脅威を退けるため日々武を鍛え、それを平和へと導くことを誓う平和を目指す小さな国と呼ばれた。