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八章 ほころび
テンション高いなこの人
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本日も快晴、だるくなるほどの暑さの中ただいま王様の自室。
現在朝の10時、今日も今日とて僕の保護者夫ポジションの方々は仕事が忙しいために王様に預けられる事になっているのだけど、今日は一味違うらしい。
「お菓子にタオルに軽食、きちんとリュックに入っているな? 」
「ぶ! 」
「変な人についていっちゃダメだぞ?」
「ぶっ! 」
「俺から離れるのもダメだからな? 」
「ぶー! 」
今日は王様珍しく休日になったらしくどうやら何処かに行くらしい……。
「よーしよしよし、準備は完了だな!ラグーン! 」
ぴっ、と元気よく小さなおててをあげたオークちゃんに王様はにかっと笑い、次いで撲を見る。
ん?
「へーい」
「どっか連れてってくれ! 」
「……………はい? 」
なんですって?
王様と見つめ合うこと数秒。
「……ん? 」
「ん、じゃないよ」
「だから、どっか連れてってくれって言ったんだ」
「それは理解できるけども、そういう意味じゃない」
「じゃあなんだ」
「ぶ」
きょとんと同じ顔をしている一人と一匹に思わず痛む頭を抑えそうになる、堪えろ、堪えろ僕。
「………何故か、聞いても? 」
語彙力や頭の回転が遅い自分を呪いながら王様に聞けば、王様は誤魔化すように笑う。
「いやな、休みを貰って1日フリーなのもいいがどうせならテルとどっか行きたいなーと」
「ミネルスさんとか執事さんに言えば良いんじゃないの? 」
「それがそうもいかねーんだよなぁ~……」
部屋に誰もいないことを良いことに言葉の崩した王様はだるそうにため息をついた。
「俺って、王様じゃないか」
「うん」
「王様ってな……マジで、面倒くさいんだよ………マジで」
「う、うん……」
なんか暗いオーラ出したぞこの人。
「一日中誰かしら近くに人がいて昼間は書類仕事に他国の使者と会談夕方も夜会に書類仕事書類仕事書類仕事………はぁもうやだ……」
王様の纏う雰囲気がどんどん薄暗いものに変わる。
権力者ならではの悩み…………僕はそもそも偉い役職でもなければそれほど動かないからなぁ。
「………お疲れ様デス」
そういえば、大体王様って机でカリカリしているか誰か文官と話している様子しか見てない……オークちゃんと遊んでるのはそれと比べるとほんの少し……あらあらあら。
「だろぉ? しかもいざ出掛けよう街に降りれば護衛やお付きがが数十人とつく、いつもなら仕方ないと飲み込むが偶然舞い降りた休日にそんなのは嫌だ」
「じゃあこの部屋でゆっくりしてれば? 」
「やだ、外行きたい」
「なんでやねん」
疲れた体は温泉なりマッサージなりで休むのが一番、土日に遊びに行く体力が無くなってくる15歳だよ僕は。
「何の気負いもなく外でテルと散歩したい! 」
「えぇ…? 」
「たまには王族の仮面なんて被らずに遊びてぇ! 」
「駄々っ子かよ」
「おうさ駄々っ子だ俺は! だから何処かゆっくり出来て楽しそうな場所に連れてってくれ!! 」
オークちゃんを抱いてムスくれている王様に僕ドン引きだよ………。
「連れてってって言ってもねぇ」
「そこを何とか頼む~ 、今度宝石あげるから」
「いらないよそれは、むー」
切実だねぇ……。
連れてくっていったらやっぱりシャドーゲートだけど……、ふーむ。
「そこまで頼まれたら……まぁ断れないよね」
基本頼られたら答えちゃうタイプだし王様は好きな部類のお人だし……。
「本当か!? ようし、待っててくれ! 」
ボソッと呟いた言葉に瞬時に反応した王様はすくっと立ち上がると部屋の扉へと歩いていく。
そしてその向こうにいる護衛や執事さんに何事か言っている様子、ん? なんか扉の向こう騒がしくなってない? あ、こっちきた。
「さあ何処にいくんだ!? 」
良い歳した人がそんなキラキラした目……えぇー? じゃああそこ行く?
「……じゃあ僕の家にでも……いく? 」
「行く! 」
「………さいですか」
楽しそうな王様を尻目に人差し指から黒い影の塊をだせば即答された。
………まぁ、うん、日頃の感謝だと思えばこれくらいの労働くらい。
影の纏った指先を近くの壁に向け僕はあの森の家の玄関を思い浮かべる。
「【シャドーゲート】」
さぁ、帰ろう我が家に。
現在朝の10時、今日も今日とて僕の保護者夫ポジションの方々は仕事が忙しいために王様に預けられる事になっているのだけど、今日は一味違うらしい。
「お菓子にタオルに軽食、きちんとリュックに入っているな? 」
「ぶ! 」
「変な人についていっちゃダメだぞ?」
「ぶっ! 」
「俺から離れるのもダメだからな? 」
「ぶー! 」
今日は王様珍しく休日になったらしくどうやら何処かに行くらしい……。
「よーしよしよし、準備は完了だな!ラグーン! 」
ぴっ、と元気よく小さなおててをあげたオークちゃんに王様はにかっと笑い、次いで撲を見る。
ん?
「へーい」
「どっか連れてってくれ! 」
「……………はい? 」
なんですって?
王様と見つめ合うこと数秒。
「……ん? 」
「ん、じゃないよ」
「だから、どっか連れてってくれって言ったんだ」
「それは理解できるけども、そういう意味じゃない」
「じゃあなんだ」
「ぶ」
きょとんと同じ顔をしている一人と一匹に思わず痛む頭を抑えそうになる、堪えろ、堪えろ僕。
「………何故か、聞いても? 」
語彙力や頭の回転が遅い自分を呪いながら王様に聞けば、王様は誤魔化すように笑う。
「いやな、休みを貰って1日フリーなのもいいがどうせならテルとどっか行きたいなーと」
「ミネルスさんとか執事さんに言えば良いんじゃないの? 」
「それがそうもいかねーんだよなぁ~……」
部屋に誰もいないことを良いことに言葉の崩した王様はだるそうにため息をついた。
「俺って、王様じゃないか」
「うん」
「王様ってな……マジで、面倒くさいんだよ………マジで」
「う、うん……」
なんか暗いオーラ出したぞこの人。
「一日中誰かしら近くに人がいて昼間は書類仕事に他国の使者と会談夕方も夜会に書類仕事書類仕事書類仕事………はぁもうやだ……」
王様の纏う雰囲気がどんどん薄暗いものに変わる。
権力者ならではの悩み…………僕はそもそも偉い役職でもなければそれほど動かないからなぁ。
「………お疲れ様デス」
そういえば、大体王様って机でカリカリしているか誰か文官と話している様子しか見てない……オークちゃんと遊んでるのはそれと比べるとほんの少し……あらあらあら。
「だろぉ? しかもいざ出掛けよう街に降りれば護衛やお付きがが数十人とつく、いつもなら仕方ないと飲み込むが偶然舞い降りた休日にそんなのは嫌だ」
「じゃあこの部屋でゆっくりしてれば? 」
「やだ、外行きたい」
「なんでやねん」
疲れた体は温泉なりマッサージなりで休むのが一番、土日に遊びに行く体力が無くなってくる15歳だよ僕は。
「何の気負いもなく外でテルと散歩したい! 」
「えぇ…? 」
「たまには王族の仮面なんて被らずに遊びてぇ! 」
「駄々っ子かよ」
「おうさ駄々っ子だ俺は! だから何処かゆっくり出来て楽しそうな場所に連れてってくれ!! 」
オークちゃんを抱いてムスくれている王様に僕ドン引きだよ………。
「連れてってって言ってもねぇ」
「そこを何とか頼む~ 、今度宝石あげるから」
「いらないよそれは、むー」
切実だねぇ……。
連れてくっていったらやっぱりシャドーゲートだけど……、ふーむ。
「そこまで頼まれたら……まぁ断れないよね」
基本頼られたら答えちゃうタイプだし王様は好きな部類のお人だし……。
「本当か!? ようし、待っててくれ! 」
ボソッと呟いた言葉に瞬時に反応した王様はすくっと立ち上がると部屋の扉へと歩いていく。
そしてその向こうにいる護衛や執事さんに何事か言っている様子、ん? なんか扉の向こう騒がしくなってない? あ、こっちきた。
「さあ何処にいくんだ!? 」
良い歳した人がそんなキラキラした目……えぇー? じゃああそこ行く?
「……じゃあ僕の家にでも……いく? 」
「行く! 」
「………さいですか」
楽しそうな王様を尻目に人差し指から黒い影の塊をだせば即答された。
………まぁ、うん、日頃の感謝だと思えばこれくらいの労働くらい。
影の纏った指先を近くの壁に向け僕はあの森の家の玄関を思い浮かべる。
「【シャドーゲート】」
さぁ、帰ろう我が家に。
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