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六章 変化
買い食いなう
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日が真ん中から動き始めた二時過ぎ。
お昼時ほどではないが多い人達にアイデンはふむ、と顎に手を当てた。
「幾ばくかましにはなってるがそれでも多いな………もう少し何処かで時間を潰すか?」
「そんな事してたらいつまでたってもいけないでしょう これくらいなら僕でも大丈夫だよ」
「しかし一般の貴族なら嫌がる事だぞ?」
「僕貴族ちゃう」
「魔王だろ? 」
「王様とかアルさんたまにここら辺にお忍びに来なかった?」
「…………あったな」
「それと一緒だよ、それで何処いく? 」
「ふむ、そうだなぁ、まずは通りを一周してラグーンが気になった店に立ち寄れば良いだろう」
「だね~」
気の抜けた返事を返しながら周りを見回す。
左側の通りには服や雑貨 後なんかお土産みたいなお店。
右の通りには密集した屋台………密集した屋台ってなんだ、あ、市場か。
でっかい鉄鍋とかでジャンジャン料理する匂いが堪らない………ほほう………。
「さっきあれほど食っていた筈だが……?」
キラキラと屋台見ているとアイデンさんの視線ちょっと痛いけど………構わん!。
デザートは別腹じゃあ!
さて。
「気張っていこうか」
「きば……? 」
「さぁアイデンさんついてきて! 」
「お、おう……」
にやりと笑う僕にアイデンさんは首を傾げた。
※※※
ー十分後ー
成果を報告しよう。
屋台で買った焼き鳥十本、タコスみたいな物二人前、クレープにクリームとか使わずお肉とか燻製した魚とかを巻いた奴、サイコロステーキorベーコン、流石にくどいから野菜スティック、野菜の冷製スープ、あ、後ぱんパン!、柔らかい白パンと固い黒パンを嗜む程度についでとばかりに果実のジュースも。
ふふふ、さぁパーティーの始まりだ
「食い物ばっかじゃないか!! 」
「ほえ? 」
噴水のある広場、そこに設置してある休憩用のテーブルに並べられた食べ物の数々にアイデンさんは絶叫した。
「ほえじゃないほえじゃ………さっきも思ったが飯食べただろ君………」
はぁー、と手のひらを顔に当てて深くため息をつくアイデンさんに僕はにへら、と笑う。
「ちょっとくらいなら食べられ「ちょっとの量じゃないが? 」」
食べきれるのか!?、 最早キレぎみのアイデンさんに僕は更ににっこ~、と笑顔を浮かべる。
「ちょっと食べきれなかったら最悪アリムさんに食べてもらえば「私空気中からエネルギー作り出すので食物は摂取できません」…………」
(´・ω・`)
「その顔はなんなんだ…………可愛い」
横で城の脇で飾られてる甲冑みたいに立ってるアリムさんに丸投げ、と思い、失敗。
よし。
「死ぬ気でたべよう」
「おいこら」
遠い目でテーブルの料理を見始めたアイデンさんを急かしながら僕は席についた。
焼き鳥、あのステーキには及ばないけど噛ぶりつけば肉汁が溢れて美味 え? これ鳥じゃなくて兎?
………………分類的には同じ鳥類だからセーフ!!。
タコスみたいな奴、中にトマトみたいなの入って酸味とお肉の油で丁度いいバランスになっているね、美味。
ちょっと口のなかがくどくなってきたから野菜スティックポリポリ。
野菜のスープは出汁がたっぷりと入って美味しい。
クレープみたいなのは小麦粉を薄く伸ばして焼いたものとごろごろと入ったお肉が、これどっかで聞いたことあるよこれ、ケバブ?
小休止にお野菜ポリポリ、ポリポリ。
残ったクレープはアイデンさんの口に突っ込んで。
お野菜ポリポリ。
ベーコンとサイコロステーキみたいのは一口ずつ食べて後はアイデンさんのお口にIN、
そしてお野菜ポリポリ、お野菜、お野菜、お野菜。
うん、うん。
もう残り全てアイデンさんの口に。
ちょんちょん。
ん?。
一心不乱に食べ進めているとふいに肩をつつかれる。
なに? と顔をあげれば口パンパンに食べ物を入れてモグモグしているアイデンさん。
なんか眉に皺寄ってる………頬パンパンにしてて地味に可愛い。
すっと、と焼き鳥の串を持とうとすればアイデンさんの手が僕の手に重なり、その腕の本人は首をふる。
残念、サイコロ肉を口に放り込んだ。
2、3分かけて口の中の物を全部飲み込んだアイデンさんは果実のジュースをぐびぐびと飲み干すとぶはっと息を吐きなにやらげっそりしてらっしゃる。
「おかわりは「いらん」」
ですよね~。
「それにしてもあれだけあったもんがもう無いねー」
「六割近く俺が食ったからな……流石に腹が苦しい」
染々と呟けばめざとくそれを聞き取ったアイデンさんはベーコンを一切れ食べると溜め息をつく。
ほほう、僕も苦しい。
「んじゃあちょっと一休みしようか……」
「そうだな………今は動きたくない、………ラグーン腹がすごいことになってるな」
気だるげに向けられるアイデンさんの視線を辿り僕のお腹を見る。
やだなにこのハリセンボン……。
……………うん、現実逃避やめよ。
「小デブなものでね、食べた分成長するよ、横に」
「横にか」
「そうそう、前にも後ろにも成長するよ、………アカン動かなきゃ」
「くっ、そうだな、じゃあ今から走るか?」
面白そうに肘をついて笑うアイデンさんに僕はにやりとする。
「それじゃアイデンさんも走るの? 」
「いいや? ラグーンが走ってるのを眺めてるぞ?」
「いやそこは一緒に走れよ」
「断る」
「えー、じゃあ僕も走らない」
「それが一番だ、俺の膝に来るか? 」
「お断りします」
お昼時ほどではないが多い人達にアイデンはふむ、と顎に手を当てた。
「幾ばくかましにはなってるがそれでも多いな………もう少し何処かで時間を潰すか?」
「そんな事してたらいつまでたってもいけないでしょう これくらいなら僕でも大丈夫だよ」
「しかし一般の貴族なら嫌がる事だぞ?」
「僕貴族ちゃう」
「魔王だろ? 」
「王様とかアルさんたまにここら辺にお忍びに来なかった?」
「…………あったな」
「それと一緒だよ、それで何処いく? 」
「ふむ、そうだなぁ、まずは通りを一周してラグーンが気になった店に立ち寄れば良いだろう」
「だね~」
気の抜けた返事を返しながら周りを見回す。
左側の通りには服や雑貨 後なんかお土産みたいなお店。
右の通りには密集した屋台………密集した屋台ってなんだ、あ、市場か。
でっかい鉄鍋とかでジャンジャン料理する匂いが堪らない………ほほう………。
「さっきあれほど食っていた筈だが……?」
キラキラと屋台見ているとアイデンさんの視線ちょっと痛いけど………構わん!。
デザートは別腹じゃあ!
さて。
「気張っていこうか」
「きば……? 」
「さぁアイデンさんついてきて! 」
「お、おう……」
にやりと笑う僕にアイデンさんは首を傾げた。
※※※
ー十分後ー
成果を報告しよう。
屋台で買った焼き鳥十本、タコスみたいな物二人前、クレープにクリームとか使わずお肉とか燻製した魚とかを巻いた奴、サイコロステーキorベーコン、流石にくどいから野菜スティック、野菜の冷製スープ、あ、後ぱんパン!、柔らかい白パンと固い黒パンを嗜む程度についでとばかりに果実のジュースも。
ふふふ、さぁパーティーの始まりだ
「食い物ばっかじゃないか!! 」
「ほえ? 」
噴水のある広場、そこに設置してある休憩用のテーブルに並べられた食べ物の数々にアイデンさんは絶叫した。
「ほえじゃないほえじゃ………さっきも思ったが飯食べただろ君………」
はぁー、と手のひらを顔に当てて深くため息をつくアイデンさんに僕はにへら、と笑う。
「ちょっとくらいなら食べられ「ちょっとの量じゃないが? 」」
食べきれるのか!?、 最早キレぎみのアイデンさんに僕は更ににっこ~、と笑顔を浮かべる。
「ちょっと食べきれなかったら最悪アリムさんに食べてもらえば「私空気中からエネルギー作り出すので食物は摂取できません」…………」
(´・ω・`)
「その顔はなんなんだ…………可愛い」
横で城の脇で飾られてる甲冑みたいに立ってるアリムさんに丸投げ、と思い、失敗。
よし。
「死ぬ気でたべよう」
「おいこら」
遠い目でテーブルの料理を見始めたアイデンさんを急かしながら僕は席についた。
焼き鳥、あのステーキには及ばないけど噛ぶりつけば肉汁が溢れて美味 え? これ鳥じゃなくて兎?
………………分類的には同じ鳥類だからセーフ!!。
タコスみたいな奴、中にトマトみたいなの入って酸味とお肉の油で丁度いいバランスになっているね、美味。
ちょっと口のなかがくどくなってきたから野菜スティックポリポリ。
野菜のスープは出汁がたっぷりと入って美味しい。
クレープみたいなのは小麦粉を薄く伸ばして焼いたものとごろごろと入ったお肉が、これどっかで聞いたことあるよこれ、ケバブ?
小休止にお野菜ポリポリ、ポリポリ。
残ったクレープはアイデンさんの口に突っ込んで。
お野菜ポリポリ。
ベーコンとサイコロステーキみたいのは一口ずつ食べて後はアイデンさんのお口にIN、
そしてお野菜ポリポリ、お野菜、お野菜、お野菜。
うん、うん。
もう残り全てアイデンさんの口に。
ちょんちょん。
ん?。
一心不乱に食べ進めているとふいに肩をつつかれる。
なに? と顔をあげれば口パンパンに食べ物を入れてモグモグしているアイデンさん。
なんか眉に皺寄ってる………頬パンパンにしてて地味に可愛い。
すっと、と焼き鳥の串を持とうとすればアイデンさんの手が僕の手に重なり、その腕の本人は首をふる。
残念、サイコロ肉を口に放り込んだ。
2、3分かけて口の中の物を全部飲み込んだアイデンさんは果実のジュースをぐびぐびと飲み干すとぶはっと息を吐きなにやらげっそりしてらっしゃる。
「おかわりは「いらん」」
ですよね~。
「それにしてもあれだけあったもんがもう無いねー」
「六割近く俺が食ったからな……流石に腹が苦しい」
染々と呟けばめざとくそれを聞き取ったアイデンさんはベーコンを一切れ食べると溜め息をつく。
ほほう、僕も苦しい。
「んじゃあちょっと一休みしようか……」
「そうだな………今は動きたくない、………ラグーン腹がすごいことになってるな」
気だるげに向けられるアイデンさんの視線を辿り僕のお腹を見る。
やだなにこのハリセンボン……。
……………うん、現実逃避やめよ。
「小デブなものでね、食べた分成長するよ、横に」
「横にか」
「そうそう、前にも後ろにも成長するよ、………アカン動かなきゃ」
「くっ、そうだな、じゃあ今から走るか?」
面白そうに肘をついて笑うアイデンさんに僕はにやりとする。
「それじゃアイデンさんも走るの? 」
「いいや? ラグーンが走ってるのを眺めてるぞ?」
「いやそこは一緒に走れよ」
「断る」
「えー、じゃあ僕も走らない」
「それが一番だ、俺の膝に来るか? 」
「お断りします」
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