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五章 そしてまったりと

助手抜きクッキング

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「今日もアイデン様は素敵ですわね! 」

「…………」

「まぁそんな真面目な顔をしてなんて素敵なんでしょう!! 」


ヒールの歩く音が元気よくアイデンさんに向かったのを吉として………。






~さぁここで異世界ゲーム豆知識♪~


出来上がったリザレクトポーションが中々冷めない場合は氷魔法で鍋の外側を冷やしましょう! 間違っても氷をポーションの中には入れてはいけませんよ!、品質が落ちるからね!


「アイデン様が訓練場に顔を出されなくて、わたくし、寂しゅうございました! 」

「……………」



冷やしたポーションを硝子瓶の中に入れるんだけど、片手鍋で作ると上手く調整すれば瓶三本分になる。


「あぁ……アイデン様、今日も素敵……! 」

「………私は貴方に構う暇はない、早々に退室して頂こう」

「んまあ!、流石アイデン様だわ! お仕事に真面目に取り組まれてるんですのね!? 何か手伝うことはありまして?! 」

「無い」

「いいえそんな事はございませんわ! 窓拭きお茶汲み茶菓子に休憩のお供! 言ってくださればなんでも致します! 」

「無いと言っているだろう」

「そんなご謙虚を……」

……………


ここでこのポーションを入れる瓶だけ。

「ラグーン………」

ん?


お呼びがかかり、一人黙々としていた作業を止めアイデンさんを見て笑顔がひきつる。


だからさっきからキンキンうるさい人に懐かれているからか僕が助け船を出さないからかアイデンさんの顔は肖像画に描かれている人の如し。


無表情の中の目が訴えている。


助けてと。



そこで僕は口パクと親指を立てて伝えた。


ファイト!


せめてもの情けとしてハートマークを添えてあげようか。

え? 頼む?

いや僕あんな動く爆発物(女性)相手にできないもん、

よしここは影使いだけあってリアル影になるか………。


「あら、そういえば……貴方は何方かしら? 」

目線だけでアイデンさんと問答をしているとすぐに気づいた爆発物が僕とアイデンさんの間に躍り出る。


ほらめんどくさくなったぁ………。

ここはめんどくさいからめんどくさくならないように敬語でいってめんどくさい人を対処しようか、うん。



「お初にお目にかかりますレディ、私の名前はラグーン・パイライト、以後お見知り置き」

ここ2週間で覚えた将軍さんとか侍女さんがしている所作を真似して礼をすると、爆発物はつまらなそうに口を尖らせる。


「わたくしはティアラ・センブレル、偉大なるこの国の公爵家の次女、そういえば貴方、パーティーで国王陛下に紹介されていたけど改めて見ると…………パッとしない人ねぇ」

パッとしないですって僕………。


「どうして貴方みたいな人が国王陛下のご友人等という不相応な者になってるのかしらね?」

そんな含み笑い付きで質問されても困るし………。


はぁ………。

開始数秒だけどもうめんどくさいから猫を被るのやめよ、


僕はため息をついた。


「そう言うことは王様に言ってもらえます? 」

「そんな事わざわざ国王陛下に聞けるわけが無いでしょう? 所で貴方は何故麗しきアイデン様の執務室にいるのかしら?事と次第によっては………」

令嬢の憎しみの眼程めんどくさいものは無い…………。


「それを貴方に言う必要は無いですよ」

初対面の刺激物に言うほどお喋りじゃないしああもうめんどくさい………。

お部屋に帰って隅で体育座りしたくなってきたわ………。


「なんですって!? 」

若い令嬢はマーメイドなんて誰が言ったのでしょう、下手なトランペット以上に酷い……。


「貴方このわたしにたてつくつもり? 我が公爵家に逆らってこの国で生きて行けると思ってっ?」

あぁつまり森のおうちでスローライフしても良いって事だね分かります。


「………!! そのめんどくさいと全面に出した顔はなんですの!! 」

何処かから出したのか閉じた扇子でペシペシと手を叩く刺激物にため息をつく。

だってめんどくさいもの。


「おや、良い観察眼をお持ちで」

「はあっ!? 」

うっさいな。


「ここは貴方みたいな私利私欲全開の【微小】女が来る場所では無いよ、」

人の事言えるか怪しいけども。


「び、微小!?」

「あぁうるさい………、香水を惜しげもなく体にぶっかけて顔に厚く化粧つけてキンキン声、うん、天然物のかかしだかかし」

香水の臭いで誰も寄って来ないよ、


「クッ……ふふっ」 

そこ、笑うの堪えようかアイデンさん、

あーあ、微小女さん顔真っ赤になっちった、


「……この、私に向かってなんたる侮辱……!! 」

やだね、事実しか言ってないでしょうに、


そろそろ終わらせるか。


アイデンさんも待ちくたびれているだろうしここは皆大好き権力で蹴りをつけようか。

ふっと音を出しながら息を吸う。


「〝ならさっさと私の前から消えてもらえる?〝 」

「な……!失礼にも程が「黙れ」」

ねむい……… 。


「今、この部屋で一番失礼なのは貴女だよ? それに耳障りに喚いているようだけど公爵? こちとらその公爵様より上の国王の友人で〝魔王〝 貴方ひとり灰も残らず消すことなんて容易い、もう一度言うよ? 」

塩酸かけられたいの? それとも巨大食虫植物にでもたべられたーい?

意識を込め、冷めた目でかかしを見る


「ヒッ… !」

厚化粧の顔で青ざめる事が分かり自然と目を細くさせる。


「立場を弁えろ」

アルさんや王様の前では出したことの無い怒気を少し混ぜた声で言う、すると微小女は怯えたように震えながらおぼつかない足取りで扉まで歩いていき、突然勢いよく振り替えるとキッと僕を睨む、


ん?


「………!、覚えていなさい!!」

バンっ!


「……おたっしゃで~」

ありがちな台詞と共に消えてった人に向けて声援をおくっておこう。








…………疲れた。


お部屋に帰ろう。

あのふかふかベッドで寝るのだ。


そう思い僕も扉に歩いて行こうとすれば後ろから重たい物に覆い被される。


ゆっくりと振り向こうとすれば微笑みのアイデンさんの顔が間近に。


「そんなふわふわとした雰囲気だしてどこにいくんだ?」

ふわふわ?


「疲れたから帰ろうかなって」

私の体力はもうゼロだよ~。

全く、気だるげ~に過ごしてたのになんで体力使わなきゃいけない、疲れたわ~………。


「チッ……折角のラグーンとの時間を邪魔しやがって……」

剣呑な顔して扉の方に舌打ちをするアイデンさん、怖いな。

そんな言葉使っちゃダメよ………。


あ、笑顔になった。


「ならラグーン、部屋に帰るのも手間だろう? 俺の膝の上でよければ休むか? 」

なんで膝の上?


「もしもの時のためだ」

も、もしも?

ま、まぁ寝心地よければそれなら良いや。





むむ?


僕の背中から離れたアイデンさんはソファーに座ると僕に向けて腕を広げる。


笑顔で待機しているアイデンさん+眠い、疲れた+この人は優しい……………。



=………。


「さぁ、来い」

「…………んじゃお言葉に甘えて」

調合の後始末等を忘れてるけど、後にすればいいや……。


今はアイデンに暖かくしてもらって寝よう。

枕はアイデンさん、もちろん毛布も出しますとも~。






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