生産チートの流され魔王ののんびり流されライフ

おげんや豆腐

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四章 僕の迷宮へ

確認のために

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アルさんの膝の上でブロック肉を平らげていくという物理的な食テロを付き合わされた事を除けば平和に終わった昼食。

アイデンさんは仕事に戻ると言って僕にお菓子を渡してアルさんに威嚇されながら食堂を後にするのを見送りそのあとの僕は王様の執務室へと運んで貰っている…………誰にかって?


「ラグから抱いてくれなんて珍しいこともあるんだな」
そりゃあ勿論、仏頂面で廊下歩いているアルさんにだよ。

「ここから王様の所まで遠いでしょ? 歩く体力的に無理だからアルさんに運んで貰おうと思ってね」
割りと酷いこと言ったけど下手に隠すのもあれだし。

「それでも頼られているからな、俺的には嬉しい」
「……それで良いの? 」
「嫌われてなきゃ何でも良いさ、んでラグはイウァンの所に何しにいくんだ? 」
僕の身も蓋もない言い方にアルさんは気にしないように笑った。

「あぁー、その今から神殿に行こうと思ってるんだけどそこで行っても大丈夫か認取りにちょっとね」

「別にお前の迷宮なんだから許可とる必要ねえんじゃねえの 」
首を傾げるアルさんに僕は首を降る。
「自分のだろうけど勝手に行って王様の考えている事が崩れるのも困るし一応」
王様は一ヶ月くらいは外出は控えてほしい的な事言ってたからここで下手にアルさんと町に出て目立つのは得策ではないし、。

「律儀だぁ、しゃあね……ぇ目閉じてくれ」
「ん? うん」
頭をかいて言ったアルさんに疑問を持ちながらも僕は言われた通り目を閉じると、いつかの時に感じた浮遊感にぽすっと柔らかい着地音が耳に入り、目を開ける。



「ようイウァン」
「は?」
目の前には書類片手に固まっている王様。
呆けた顔で溢した言葉にアルさんが軽く返すと王様はぎこちなく動き、長々とため息をついた。

「………ちょっとまて、ツッコミたい所が多い………順番に行こう…」
「なんだイウァン、頭でもいてえのか?」
「なわけないだろう………、まずなアルギスお前、仕事はどうした」
「半分は終わらせてきたぜ」
「もう半分やってないじゃないか……」
アルさんを睨みながら聞く王様にニカッといい笑顔で親指を立てたアルさん、王様(と僕)は再び長いため息をつく。

「しかも城の結界が揺らぐからそうほいほいと転移を使わないでくれと前も言ったろ」
「善処するとそんとき言ったぜ」
「キリッとした顔でいうな、しかもラグーンが呆れてるじゃないか」
「気のせいだ」
「ちげえよ……全く、で、ラグーン」
「ん? 」
ため息を王様が気を取り直してアルさんの腕の中でため息を付く僕に聞く。

「ミネルスさんに他の大将軍さん紹介して貰って、その後なんやかんやあって今に至る」
「そのなんやかんやが一番聞きたいが……、後でミネルスにでも聞こう、それで用があるのはどっちだ、ラグーンか、おうなんだ言ってくれ」
「雑だなぁ」
ね。

「今から神殿に行こうかなと思ってるんだけど町に降りても大丈夫かなと思って確認しに来た」

町に行くのは駄目だっけ? と首を傾げながら聞くと王様は頭に疑問符を浮かべた。


「それなら転移使って神殿に行けばいいんじゃないか、お前できるだろ」
「俺あそこあんま行ったことねえからな~、場所ズレちまうぞ? 」
聞かれたアルさんは頭をかいてめんどくさそうに言うと僕の腰を触る。

こら。

「ふむ……よし」
王様は顎に手を当て頷くと、近くに控えているた三十代位の執事さんに目配せする。

「決めた、息抜きがてら俺も行こう後の仕事はキオラにでも頼んでくれ」
「ん? 」
「畏まりました」
「ん??」
「少し待っててくれラグーン、んんん”~腰いてえ」
執事さんが礼をするのを横目に王様は腕を上げのびをする。


「え?」
僕が頭にはてなを浮かべる中王様は勢いよく指をならすと、王様が着ていた白いスーツが一瞬揺らぐと灰色のジャケットに灰色のズボン、腰には剣とまるで傭兵のような風貌に変わった。

「さぁ行こうか」
そんな王様から傭兵的なものにジョブチェンジした王様は爽やかな笑顔で僕に笑いかける。

「え? 」 
「チッ……せっかくのデートが」
王様の早業にアルさんの舌打ちを耳に入れながら僕は間抜けな声を出すしか無かった。





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