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三章 新たな生活
センブレル王国
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「さて、歩きながらですいませんが、この国の体系、いえ………まずは軽く歴史から説明しましょうか」
アルさんと別れ廊下を歩く僕とミネルスさん、そしてゆっくりと歩いている僕に向けて言った。
ラグーン君が住んでいた森、あそこはトスタの森と言うのですがね、そこから強力で獰猛な猛獣が今も度々出現しているんです、
我が国センブレルは昔からそれらを相手しているせいか、当時小国ながらも武力は他の国よりも頭一つ分ほど抜き出ていました。
ただトスタの森という厄介なものがあり、尚且つ並みの国以上の武力があるこの国は他の国から攻めこまれることもなく、
それに加えてイウァンの父である当時の国王は平和主義で堅実なお方、国を広げようとはせず、とても良い国でした。
その頃私を含め、大公のイウァン、秘書官のミネルス、将軍のアルギスとアイデン、外交官をしていたナパスの五人。
それぞれ今の下位互換のような役職についていましたね。
アルギスを筆頭に私達は魔力が高く、500年前の大戦の折りに不老の体を手に入れた。
ただ、それまでは良かったのです。
全てが変わったのはその直後、我らが不老になったと気づく前に、それまでこの大陸、ひいては世界に大勢いたアルギス達と肩を並べる程の実力を持っていた、ギルドの加入者が忽然と消えたのです」
「ギルド? 」
聞きなれない単語には首を捻る。
「えぇ、今は傭兵ギルド言ってますが、当時は冒険ギルド等と言われておりまして、そこに加入している方々は男女種族問わずかなりの腕を持っていました」
「へ~」
「なのでどの国でも彼らはかなり重宝されていたのですが、突然、何の前触れもなくその方々の行方が消えてしまったのです」
冒険者………多分ゲームのプレイヤー、かな? 多分でも消えるってどういうことだね、
「消えたってどんな感じなの? 」
僕の疑問にミネルスさんは顎に手を当てる。
「そうですね………………確か私が覚えているのは、明日共に依頼をしようと語らった相手が消え、とある町に家を構えていた方が次の日、その方の家、荷物に関する物全てが無くなり、そこに何もなかったかのようになってしまったのです」
「ふむ?」
ほぼ神隠しじゃんそれ。
「話を戻しますが、その方々が居なくなってしまった事で各国のパワーバランスが崩れてしまったのです」
「なんで? 」
別に国に影響あるとは思えないけど?。
「今までどの国も魔獣の討伐や戦争、台風の後等の災害時の復興作業のほとんどを彼等を頼っていましたからね、それが一夜にして無くなってしまった、例え数万、数十万のの兵力を持っていても国一つを動かすのは容易ではありませんからね」
「なるほど、それでなんでセンブレルが大国になることに繋がるの? 」
僕の疑問にそれを今から説明しますとミネルスさんは言った。
「大勢いる彼等がいたことで回っていた事が回らなくなった、それは人手不足というシンプルで最も深刻な事、いくら市民の協力を得ても限界があります、そして人手不足が深刻化した国はどうすると思います? 」
突然の問題にぎょっとした僕は眉を寄せる。
「…………難民を受け入れる? 」
社会でそんなのあったね、たしか。
だが僕の答えにミネルスさんは苦笑して首を横にふり。
「それも十分ありますが、まず第一段階として行ったのが、
他国から奴隷を集めることです」
…………奴隷?
「………それを労働力に使うと? 」
世界史じゃないのそれ、お、歴史かこれ。
「そうです、他国民を奴隷として扱う、昔あった大国、ミスリル王国が主に行っていたことです」
「昔はあったってことは他国は黙っていなかったってこと? 」
「えぇ、ミスリル王国は人手不足をカバーするために他国へ攻めこんで、人族以外の獣人や龍人等の他種族を奴隷とさせていましたが、堪忍袋の緒が切れた国々が協力しあってその国を滅ぼしてしまいました」
ミネルスさんは頷きながらも流石に数百年生きてる分頭の回転が早いですね、と感心する。
「恐ろしいね…………」
むむむと悩んでいるとミネルスさんは苦笑する。
「流石にこれは極端な例ですが、当時の国々は人手を得るために、他国を攻めこみ、攻めこまれを繰り返していました、それはセンブレルも例外ではなく攻めこまれてきましたが、センブレルはその全ての戦争に勝利して、逆にその国を領土として、それを拡大して、今の大国に至る訳です」
「中々複雑だねえ」
額のシワが深くなっていく僕にミネルスさんはクスリと笑う。
「まぁようは、力が全てです、それに人手不足云々の問題はもうありませんし、この国が支配した国々では奴隷制度は廃止しています、この国に刃向かう相手国は全て潰してますので、比較的平穏ですね」
えーーーーーーっと、とりあえずは。
「………とりあえずこの国強いでいいね」
考えるのめんどくさくなっちょった……………。
「そう考えて貰っても構いません、……さて、ちょうどつきました」
そう言ったミネルスがその場で立ち止まると、その前には一つの扉があった。
ミネルスさんはにこやかに扉を軽やかに三回ノックした。
アルさんと別れ廊下を歩く僕とミネルスさん、そしてゆっくりと歩いている僕に向けて言った。
ラグーン君が住んでいた森、あそこはトスタの森と言うのですがね、そこから強力で獰猛な猛獣が今も度々出現しているんです、
我が国センブレルは昔からそれらを相手しているせいか、当時小国ながらも武力は他の国よりも頭一つ分ほど抜き出ていました。
ただトスタの森という厄介なものがあり、尚且つ並みの国以上の武力があるこの国は他の国から攻めこまれることもなく、
それに加えてイウァンの父である当時の国王は平和主義で堅実なお方、国を広げようとはせず、とても良い国でした。
その頃私を含め、大公のイウァン、秘書官のミネルス、将軍のアルギスとアイデン、外交官をしていたナパスの五人。
それぞれ今の下位互換のような役職についていましたね。
アルギスを筆頭に私達は魔力が高く、500年前の大戦の折りに不老の体を手に入れた。
ただ、それまでは良かったのです。
全てが変わったのはその直後、我らが不老になったと気づく前に、それまでこの大陸、ひいては世界に大勢いたアルギス達と肩を並べる程の実力を持っていた、ギルドの加入者が忽然と消えたのです」
「ギルド? 」
聞きなれない単語には首を捻る。
「えぇ、今は傭兵ギルド言ってますが、当時は冒険ギルド等と言われておりまして、そこに加入している方々は男女種族問わずかなりの腕を持っていました」
「へ~」
「なのでどの国でも彼らはかなり重宝されていたのですが、突然、何の前触れもなくその方々の行方が消えてしまったのです」
冒険者………多分ゲームのプレイヤー、かな? 多分でも消えるってどういうことだね、
「消えたってどんな感じなの? 」
僕の疑問にミネルスさんは顎に手を当てる。
「そうですね………………確か私が覚えているのは、明日共に依頼をしようと語らった相手が消え、とある町に家を構えていた方が次の日、その方の家、荷物に関する物全てが無くなり、そこに何もなかったかのようになってしまったのです」
「ふむ?」
ほぼ神隠しじゃんそれ。
「話を戻しますが、その方々が居なくなってしまった事で各国のパワーバランスが崩れてしまったのです」
「なんで? 」
別に国に影響あるとは思えないけど?。
「今までどの国も魔獣の討伐や戦争、台風の後等の災害時の復興作業のほとんどを彼等を頼っていましたからね、それが一夜にして無くなってしまった、例え数万、数十万のの兵力を持っていても国一つを動かすのは容易ではありませんからね」
「なるほど、それでなんでセンブレルが大国になることに繋がるの? 」
僕の疑問にそれを今から説明しますとミネルスさんは言った。
「大勢いる彼等がいたことで回っていた事が回らなくなった、それは人手不足というシンプルで最も深刻な事、いくら市民の協力を得ても限界があります、そして人手不足が深刻化した国はどうすると思います? 」
突然の問題にぎょっとした僕は眉を寄せる。
「…………難民を受け入れる? 」
社会でそんなのあったね、たしか。
だが僕の答えにミネルスさんは苦笑して首を横にふり。
「それも十分ありますが、まず第一段階として行ったのが、
他国から奴隷を集めることです」
…………奴隷?
「………それを労働力に使うと? 」
世界史じゃないのそれ、お、歴史かこれ。
「そうです、他国民を奴隷として扱う、昔あった大国、ミスリル王国が主に行っていたことです」
「昔はあったってことは他国は黙っていなかったってこと? 」
「えぇ、ミスリル王国は人手不足をカバーするために他国へ攻めこんで、人族以外の獣人や龍人等の他種族を奴隷とさせていましたが、堪忍袋の緒が切れた国々が協力しあってその国を滅ぼしてしまいました」
ミネルスさんは頷きながらも流石に数百年生きてる分頭の回転が早いですね、と感心する。
「恐ろしいね…………」
むむむと悩んでいるとミネルスさんは苦笑する。
「流石にこれは極端な例ですが、当時の国々は人手を得るために、他国を攻めこみ、攻めこまれを繰り返していました、それはセンブレルも例外ではなく攻めこまれてきましたが、センブレルはその全ての戦争に勝利して、逆にその国を領土として、それを拡大して、今の大国に至る訳です」
「中々複雑だねえ」
額のシワが深くなっていく僕にミネルスさんはクスリと笑う。
「まぁようは、力が全てです、それに人手不足云々の問題はもうありませんし、この国が支配した国々では奴隷制度は廃止しています、この国に刃向かう相手国は全て潰してますので、比較的平穏ですね」
えーーーーーーっと、とりあえずは。
「………とりあえずこの国強いでいいね」
考えるのめんどくさくなっちょった……………。
「そう考えて貰っても構いません、……さて、ちょうどつきました」
そう言ったミネルスがその場で立ち止まると、その前には一つの扉があった。
ミネルスさんはにこやかに扉を軽やかに三回ノックした。
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