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二章 城

ドウイウコトカナ?

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ミネルスさんに連れられ来たのはホールの奥の玉座らしき台のある場所の近く。



昼間話したときとは打って変わり重々しい雰囲気の王様の演説を聞き終えメインイベントらしきものが終わった、ぽいかな。



僕は僕で色とりどりの宝石やドレスを着た女性達に目が眩んでる訳だけど………。 

それ以上にやっぱり女性達の香水の臭いがきつくてご飯の味がよくわかんないし、ほとんどの女性がごてごてと化粧や宝石つけまくってるから近づきたくないし、後ろじゃ不機嫌オーラを撒き散らしてるアルさんがいるしなんかもう……………。



やけ食いでもしようか、いや味わかんないから駄目だわ。




そのゴテゴテしたご婦人達は目をうるうると乙女みたいに変えて僕の隣でニコニコしているミネルスさんを見てるし……。



んんー、なんだろ、この前門の虎後門の狼みたいなやつ。



「突然呼び出して悪いなラグーン! 」

そしてこのパーティの主催者な筈の国王陛下、えっと、イウァンさんだっけ?

さっきまで玉座の前で列席していたきらびやかな人達と挨拶をしていたけど何故か今は立派な赤いマントをはためかせニコニコと歩いてきた。

うん。



なんでかな………? 色々と、聞きたい。


主にミネルスさんに。


でも説明を乞おうにもそのミネルスさんが、王様が歩いてきて面食らっている間に姿を消していた……ねぇなんなの?


目の前に王様がいるせいでこのホールにいる人全員がこっち見てるから人見知りな僕は居心地が悪いったらもう…………。


「いえ……、別に問題ないので大丈夫です」


でもだからといって僕は騒ぎもしないし逃げもしない、人の視線が集まってるってことは下手に騒げば悪い印象しか与えない。

だったらもう、ミネルスさんじゃあないけどにこっと笑うしかないじゃないの。


「……………なぁラグーン、なんで敬語になってるんだ?」

目上の人、年上の人と接するような感じで話すと、何故か王様が怪訝な顔をする。


ん? ああさっきまではこの人と普通に話してたね。


「大勢の人が集まる場所で国の頂点ともいえる方相手に先程のような雑な言葉遣いはご法度、当然のことでしょう? 」

下手な行動をして目をつけられるのは嫌だからね、保身に走らせてもらうぞい。


「気持ち悪いくらい丁寧な口調だな……………」

失礼な。


「このパーティーに参加されている方達も僕と同じような話し方をしているでしょう? 」

こてんと首を傾げて言えば何故か隣で唸り声が聞こえる………んんん?


「おいラグ……………なにイウァンなんかにあざとい真似なんてしてんだごらぁ……………!! 」

やだ怒ったアルさん………いやあざといってなんだよ……………。


ほら王様呆れてため息ついちゃってるじゃない………。


「国王相手になんかってなんだよ……まぁ今に始まった事ではないからな……ほら、アルギスだってこのような場でも俺相手にこの態度なんだ、ラグーンは聞いたところによると魔族の王なんだろ? だったら素で話してもらっても全然構わん」


王様はこの大きな国の王様で、僕は国は持ってないけど魔族の王様と、道理には合ってる。まあでもそれを加えてもねぇ。


「そうでちゅか……」

…………噛んだ。


「ククッ、でちゅかってなんだ」

ちょっ! そこ掘り下げないで! おいこら笑うな王様!せめて堪える仕草して!


「そこがまたラグの可愛さのひとつなんだよな」

自分でも可笑しいとは思うけどなんでそれを自慢げに言ってるのかなアルさん、恥ずかしいしおっさん臭いっ!


「アルさんは黙っててください……」

話が進まないどころか変な方向に行っちゃうでしょ。


「くださいは余分だ、黙ってろでいい」

なに当然のような顔で言ってるの王様…………。


「いやだから敬語じゃないと…………」

場をわきまえないとアウトでしょ、て王様なにそのいい笑顔。


「同じ【王様】同士、親しくしようぜ? 」

王は王でも野良の王だからね?!


「い、いやいやいや……」

若干引きぎみになってると笑顔のアルさんが僕の肩をポンと優しく叩いた。


まさかここで追い討ち来ちゃう……?


「そこまで仲良くしなくていいぞラグ~、こいつ只の孫馬鹿だからな」

あ、ちがった援護だ。

うん? 孫馬鹿?


「俺の少ない交友関係を広げているんだから少し黙っていろアルギス…」

青筋を立ててアルさんに怒る王様、対してアルさんは鼻で笑ってらっしゃる。


「700過ぎてるじじいなんだから今更増やす必要はねえだろ? 」

え、王様700? て、人ってこんなに青筋立てられるんだね。王様の額がすごいことになってる。


「だったら同い年のお前もじじいなんだから嫁なんて取らずにそのまま枯れていけば良いだろうが」

うん? 同い年? てことはアルさんも700歳越えてるの?

てか話について行けなくて二人の顔を交互に見るくらいしか僕できないじゃん。




「俺が枯れるなんてのは無理な話だなぁ。それにもうこいつを見つけちまったから枯れるどころかどんどん潤っていくぜぇ? なんなら今からでもラグを寝台に連れ込みてえくらいだからな!」 

僕の頭を撫でながらにやにやと言うアルさん、

ん? 枯れる? 潤う?


「黙れ変態っ!」

えっと、それでなんで変態に行き着くのかな?

まぁとりあえず結論だけだと。


「とりあえず王様はボッチの王様でいいのかな? 」

もうだめ僕の頭の容量は満タンよ…………!!


と、とりあえず僕も人のこと全く言えないけど可哀相に………。



半ば混乱しながら口に出せば、王様とアルさんはポカンと口を開けて固まる。そして次の瞬間アルさんは堪えきれないという風に吹き出し腹を抱えて笑い始めた。


王様は青筋に加えて顔が赤くなるという真逆の反応。



えーっと…………良く分からないからここは愛想笑いをしておこう。



てへ☆





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