生産チートの流され魔王ののんびり流されライフ

おげんや豆腐

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二章 城

改めて夕食………え?

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目の前に広がるきらびやかな硝子や宝石で作られたたくさんのテーブル、燭台、ランプにシャンデリア。

一目で高価だとわかるドレスを着た女性や高そうなタキシードを着ている男性方。


ここでバイキング式になっている料理から調達したソーセージを一つ齧る。




僕、なんでここにいるんだろ……。






時は戻る。







「うしっ、行こうぜっラグーン! 」

真っ黒な新調したらしい軍服をビシッと着こなし茶髪をオールバックに決めたアルさんがニカッと笑う。


こうなんだろう、軍服とかスーツとか、鎧とか着るとなんかいつもよりイケメン度が上がるよね。なんていうか、うん、かっこいい。騎士とか将軍とか西洋感たっぷりでロマンが溢れるのとか好きよ、僕。

まあでも、キリッと決めたアルさんに対して僕はすべすべの赤いソファーの上でごろごろしてる訳だけど。


「はーい」

「なんだよーテンション低いな~」


なんであの人が白い歯を出して笑ったときにキランて星のエフェクトかかるの。


……………とりあえずそれは置いといて。


「…………そりゃまあいきなり夕食ですよ? そんなテンション高くなるわけないじゃないですか」

「言葉が戻ってるぞ」

「今だけです」


初対面ナウなあの王様と夕食でしょ? 一国の、王様と。


僕が渋いかおしているとその事に気づいたアルさんは口を尖らせた。


「………もしかして、不満か? 」


ん? なんか今までみたいに威圧的じゃない。


「別に不満があるわけじゃなく、単純に、テンションが上がらないだけよ」

「そうかっ、ならいいんだが」

「うん……お腹空いた」

緊張してようが恐縮とかテンション低かろうがとりあえず今は、お腹すいた。


僕の種族ゾンビの筈なのにお腹が空くっておかしいよねぇ……。


アルさんはアルさんで勢い取り戻してにやりとしてるし。


「ククッ、そうか、そんじゃぁそろそろ時間だ、行くぜ」

「……あーい」

内心行きたくはない、けど差し出されたアルさんの手を掴めば思い切り引き寄せられ、わしゃわしゃと頭を撫でられる。


「痛い痛い、禿げるわ!! 」

慌ててアルさんの手をはたき落としたけど、髪がぼっさぼさになっちった……………。

ため息をつきながら髪を整えていると僕の脇に手をいれたアルさんがそのままひょいと僕を持ち上げる。


「………ん゛? 」

なにこのデジャヴ。


そのままなに食わぬ顔でアルさんは歩き始める。


「……ちょっと、アルさん?? 」

「どした?」

いやどしたじゃないよ……………。

僕片手に機嫌良くしているアルさんを慌てて止める。



「いやなにナチュラルに僕を持ち上げてるの」

「………わりいか? 」

「え、いや………」

そんな無垢そうな目で見ないで頂戴……………。


「ならいいよな♪ 」

たじたじとしていると迫力のある笑顔で僕の抵抗を潰したアルさんは機嫌良く部屋の扉を開けた。するとそこには。



「「ご無事ですかマスター!!!」」

アリムさんとクロユリさんがいらっしゃいました……。


「あぁ? なんだてめえら」

闇に紛れて見たら背筋が凍りつく程眼光を鋭くしたアルさんはアリムさんたちを睨む。


「なんだはこちらの台詞ですわ筋肉ゴリラ! 」

筋肉ゴリラってアルさんのこと!?


「おいクロユリ!! 筋肉ゴリラなどと失礼なことを抜かすな!!」

あ、アリムさんが仲裁に入った。 


「彼はこの国の大将軍と聞く、ならばぎりぎり失礼に当たらない範囲で言え…………ロリ将軍と呼べばいいか? 」

フォローの方向がおかしいなおい。


「………てめえらぁ゛……本人を前にして言いたい放題たぁ、いい度胸じゃねえかぁ……………? 」

ぎゃあー アルさんからとてつもない怒りの熱気がっ!


「「マスターに無体を強いるような筋肉ゴリラ(ロリ将軍)には言われたくありませんね!!」」

うわ、二人とも酷い言い草で相乗効果起こしちゃってる………………!!


「ほぉお…………? どうやらお前ら二人、血祭りにあげられてえみてえだなあ………?! 」

いぃやあぁぁ!! アルさんの怒気をもろにうけて悪寒が止まらないわ……………!!


「私たちは機械族と死霊族の魔族なので血はでませんよロリ将軍殿 」

煽るな煽るな煽るなコラァ!!


「なら跡形もなく消し去るだけだから安心しな」

なにそのどす黒い笑顔!! こわい!


「例え肉体が消滅しようとも数日で復活しますのでご心配なく、おほほ」

「はん、ならその都度消してやるか「アルギス? 」あ? 」

アルさんがとてつもなく物騒なことを言いそうになったとき、救世主が舞い降りた。


その場にいた全員が声のした方を見るとそこには本を二冊程小脇に抱えた笑顔のミネルスさんが立っていた。


「アルギス、貴方祝賀パーティーがあると言うのに何故こんなところで油を売っているのですか………? 」

「あぁ? んなもんこいつらが邪魔するからだ「言い訳は結構」ぶっ殺すぞてめえ」

物騒な言葉は駄目よアルさん。


「そんなことより早く来てくださいよ、もう開会式が始まってますよ?」


アルさんの怒気を笑顔でかわしミネルスさんは夕食の迎えに来てくれ…………………ん? 開会式?

しかも、さっき祝賀パーティーとかって言ってたような………………。



うん? ………………………うん゛?


「……………ねぇミネルスさん」

「なんでしょうラグーン君」

「祝賀パーティーってどういう事ですか……………? 」


「え?」

「え?」


僕とミネルスさんの声が重なった。







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