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一章 森

とら(´・ω・`)

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「おて」

「ガウ」

のし。



「おかわり」

「ガル」

のしん。







木々をなぎ倒し、森からは鳥達が逃げていくという壮大な演出とと共に現れたのは顔だけで僕の身長を越えるデカイ虎。



多分体長十メートル近いしそのお顔も厳つくてかっこいい………。

いやうん、その厳つくてでかくてヤバイ虎相手に僕今くだらない事してるんだけどさ。



普通なら身の危険感じる前に死んでる案件だけども。



僕一応魔族のカテゴリー入ってるし? 深く掘り下げて行くと実はさっき燃やしたゾンビと同じ系統の種族だけど……。



怖いけど、好奇心にさ負ける。







だからさっき取り出したオールを手代わりにして遊んでおりますはい。



特に意味はない……、あ、お魚あげとこ。



切り身ならあったよね。



「はい、どうぞー」

バッグから取り出したなんかの魚を虎に向けて投げれば虎に行き着く暇もなく消えていった。



「ガルァ♪」

そして嬉しそうに舌を出して口元を舐めている虎……。





……もう一枚あげとこうか……,



「ガル!」

そして空中に投げた瞬間消える切り身と嬉しそうな虎……。



待って心なしか虎さん近づいてきてない……え、あのその体躯で来られると……。













ー十分後ー











「あ、あんたねぇ~、ひ、人をなんだと思ってんの? 僕か弱いんだよ……? 」









どうも皆さんこんにちは、ただいま虎型のモンスターにスリスリとされております異世界にきて数週間立つわたくしの心の一句がこちら。



トラのはら



ふわふわ重い



潰れるわ ボケ



字余りは許してくれ。





重い……………冗談抜きで潰れる…………そして暑苦しい。



そして今さらなから思い出した……この子あれだ今現在ピンチな原因となっているこのじゃれついてるのはA級の中でも上位の。【クリムゾン、タイガー】っていうまぁ、虎。



炎を操り炎を喰らう厄介極まりないモンスター、ゲーム時はボスとして現れて火属性に関わる技、魔法を全て吸収して回復してしまうという曲者。



ちなみにだがこの虎、このでかさでまだ幼体らしい……。





200年程成長すると最高の強さの表記、Sランクの【火炎虎】と呼ばれるレジョンド級のモンスターに変わるらしい。



らしいっていうのは今までに二回しか現れた事が無いんだとか。

(戦った事はもちろん無い、ドラゴンの様にビルみたいにでかく無いから不意打ちができない、らしい)





で、その虎だけど…………………いくら幼体だとはいえAランクモンスター、考えても見て欲しい………ビルサイズの虎に覆い被される形でそのでかいほっぺですりすりされている。



恐怖以外の何物でも無い、何よりこの暑い森の中湖が近くにあるからまだましだが、そこに毛玉の塊の虎にまとわり着かれる、真冬に来てほしい案件だ。



「ねーえ~」

恨みがましい目を虎に向けながれ僕はぺしぺしと虎の腹を叩く。



「がールル?」

なんだじゃないよ(何となく読み取る(適当))



「いい加減離れて?」

暑い。



「ガルァッ?ガルルル! 」

感じ的に文句言ってるのだろうけど。



「ごめん、何言ってるか分からないや……」



「がルゥ~?」

残念そうに鳴いてるけど

いい加減潰れる……………、いや何故潰れない僕。



「ほらぁー、マタタビあげるから、えい!」

バッグからマタタビの染み込んだ布を取り出し森のある方向へ投げる、投げた瞬間体が地面に落ちた。、



「ガッルゥ~♪」

「ふぎゃ!」







虎との戦闘を終えましたとさ!!







たくっ!、人の事散々舐めまわしといて最後は踏み台にする、当の本人はバキバキと木が悲鳴あげる物騒な音立てながらマタタビの消えた方向へ消えていくというありえない所業。



魚なんてあげなきゃよかった! しかも虎とか大型のネコ科って舌がザラザラしてて痛い、顔がヒリヒリする。

バッグから手鏡取り出し舐められた顔を見るとちょっと血が出てる。





「舐められてダメージくらうとかどんな舌だよ……………、」

思わず苦笑いしながらポーションの入った小瓶を取り出しクイッと、飲む込む、苦っ!。



「もー………毛だらけ」

そして今度はコロコロを出して無駄に長くて体にまとわりつく毛を取る。

(ファンタジーのかけらも無いなんて言わないでね)



「さて気を取り直してボートで湖へ進出!」



そう思いボートに向かう。





















ん?。



何かがおかしいと、ついて早々考える。



ボートは湖に浮かべてある、オールも用意してある。



湖の真ん中で食べるおやつの用意もOK。



ん?



「でもなんか違和感があるような………気もする」







………うん、分かった、ボートに乗り込んでからだが違和感の正体に気づいた。

でもその違和感の正体が新しい問題を起こしているんだけど。 





「え~と?、お宅……どちら様?」



ボートの大きさは僕が横に並んで三人は寝れる程の広さ、それを二人分も埋めてしまうほどの巨体。



真っ黒で所々血がこびりついていながらも立派で重そうな鎧。

その重そうな鎧を着こなしているのもあるが、鎧からでも分かる、この人逞しいマッチョ。 



その上濃い茶髪をオールバックにした男の僕でも見惚れてしまいそうな切れ長な目を閉じた野生的な顔。



水晶から見ていたとき何度か見かけた事がある、デカイ斧をぶん回していたあの男前さんだ……でもどうして僕のボートで、グースカイビキかいててぐっすりと寝ているのでしょうか………。









「……………とりあえずこの人は置いといてボート漕ごうか」

自分の欲望には忠実にね☆これ、大事だよ♪。

(現実逃避開始)







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