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頭の固い人間と頭の光る人間
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「……なんでしょう?」
失礼な態度なら無視するが、ちゃんとした感じで声をかけられたならそれ相応にこたえるべし。
「あ、いや……あー……隊長ぉ」
「俺を見るな、お前が話しかけたんだろ」
「いやだって……思ったよりしっかりしてんすよ?」
「だからどうした」
「警戒心バリバリなのを想定してましたもんなのにあんな礼儀正しく……俺にはむりっす~」
え、なにが?
「いい加減その意味不明な癖治せ……聞きたいことがあるならあの方が戻ってくる前に手短に済ませろ、いいな?」
「うっす」
……ああうん、深く考えないほうがいいやつね、ういうい、空気読んでノーコメントよ。
「ああっと、だな……ぼ、あ、君、いや……何て呼べば良い?」
「お好きなように?」
「……じゃあ坊主で」
「どうぞどうぞ」
なんとも気まずい真柄ながらおずおずとした提案に頷けばもじもじとしたスキンヘッドは頭をかき言った。
「あー、単刀直入に聞くが……坊主はあの方と、そのだな、どういった関係なんだ?」
「関係?」
「おう」
「んんー」
こくこくと頷くスキンヘッドの頭が焚火に反射してぎらぎらしてきもい、きらきらじゃなくてぎらぎらしてる所がやーね。
それはそれとしてどう返せばいいかと悩む、関係、……よくわかんないな。
「戻ったぞ」
返答に困り少し唸っていれば息を切らしたぐすやふが帰ってきてしまった。
「おかえり~」
「おう……なにしてた?」
「ちょっと考え事~」
気まずげに目を逸らしたスキンヘッドを目ざとく発見したぐすたふの問い詰める目が僕を襲う、許すまじスキンヘッド。
「……本当の事言え」
隣に腰を下ろしたぐすたふがじりじりと迫って来るのを僕もじりじり下がって、あ、腕掴まれました無理です。
「えーっと」
「ニール?」
「別に、疚しい事はないですし?」
「なら問題ないな、言え」
軽々と持ち上げられて膝の上に向かい合わせです、はい。
「一歩も、動いてないですし?」
「そーかそーか偉いな、おらとっとと吐けや」
やだなにその脅しボイス。
「別に……吐くほどのものは「くすぐり倒すぞボケ」ねえそれどういう脅し? 」
真面目で怖い顔なぐすたふと言っている事のギャップが凄い……あの、無知すぎて言葉にできないんだけどなにこれ? なんとも形容しがたい気持ちです、はい。
「脅し……てるわけじゃねえが……」
チラチラとぐすたふの手を確認する僕を見たぐすたふは途端に渋い顔で言い淀む。
「あいつと顔合わせてなにやってんの見て……なんかムカついた……なあおいてめぇ」
「へ、は、ひゃい!」
「髪一本でもこいつに触れてみろ、生きている事が馬鹿らしく思うような目に合わせてやる……」
「ひっ……!」
ギロリと睨まれたスキンヘッドの顔がどんどん白くなっていく、暗くてもわかる変化はちょっと面白くは思うけど罪の無いスキンヘッドを失うのは惜しい、助け船を出してあげようではないか。
「ぐすたふ」
「なんだ」
「怒らないの」
「別に怒っちゃいねえが、あ?」
ぺちぺちとぐすたふの肩を叩いてこっちを向かせて頬をひとさし指で押しこむ。
「そこのスキンヘッドに質問されたからそれに答えようとしただけだから、そんなむすっとしないと」
「……なに聞かれたんだ?」
「ぐすたふ怖いから言わない」
「あぁ?」
「はいこわい、ぐすたふの機嫌治るまで喋らないよ僕、寝るからねおやすみー」
呆気に取られているぐすたふの隙をついてぐすたふの膝を枕に転がって毛布を頭から被った。
「……にーる?」
「うるさい、おやすみ」
「わるかったって」
「その話しはまた明日で、疲れたから寝る」
「……にーる」
「うるせぇ」
頭を撫でる手を無視を決め込んで目を閉じてすやすやと眠りの世界に進んでいく。
「……隊長」
「話しかけるな」
「だってぇ、グスタフ様があんな……あんな情けない」
「それ以上言うな……俺だって今目の前のが信じられ…………寝るか、いや寝るぞ」
「……そうっすね」
スキンヘッドと偉いひと、僕らはこんな関係です、それじゃおやすみ、すやぁ。
★★★
お久しぶりです
失礼な態度なら無視するが、ちゃんとした感じで声をかけられたならそれ相応にこたえるべし。
「あ、いや……あー……隊長ぉ」
「俺を見るな、お前が話しかけたんだろ」
「いやだって……思ったよりしっかりしてんすよ?」
「だからどうした」
「警戒心バリバリなのを想定してましたもんなのにあんな礼儀正しく……俺にはむりっす~」
え、なにが?
「いい加減その意味不明な癖治せ……聞きたいことがあるならあの方が戻ってくる前に手短に済ませろ、いいな?」
「うっす」
……ああうん、深く考えないほうがいいやつね、ういうい、空気読んでノーコメントよ。
「ああっと、だな……ぼ、あ、君、いや……何て呼べば良い?」
「お好きなように?」
「……じゃあ坊主で」
「どうぞどうぞ」
なんとも気まずい真柄ながらおずおずとした提案に頷けばもじもじとしたスキンヘッドは頭をかき言った。
「あー、単刀直入に聞くが……坊主はあの方と、そのだな、どういった関係なんだ?」
「関係?」
「おう」
「んんー」
こくこくと頷くスキンヘッドの頭が焚火に反射してぎらぎらしてきもい、きらきらじゃなくてぎらぎらしてる所がやーね。
それはそれとしてどう返せばいいかと悩む、関係、……よくわかんないな。
「戻ったぞ」
返答に困り少し唸っていれば息を切らしたぐすやふが帰ってきてしまった。
「おかえり~」
「おう……なにしてた?」
「ちょっと考え事~」
気まずげに目を逸らしたスキンヘッドを目ざとく発見したぐすたふの問い詰める目が僕を襲う、許すまじスキンヘッド。
「……本当の事言え」
隣に腰を下ろしたぐすたふがじりじりと迫って来るのを僕もじりじり下がって、あ、腕掴まれました無理です。
「えーっと」
「ニール?」
「別に、疚しい事はないですし?」
「なら問題ないな、言え」
軽々と持ち上げられて膝の上に向かい合わせです、はい。
「一歩も、動いてないですし?」
「そーかそーか偉いな、おらとっとと吐けや」
やだなにその脅しボイス。
「別に……吐くほどのものは「くすぐり倒すぞボケ」ねえそれどういう脅し? 」
真面目で怖い顔なぐすたふと言っている事のギャップが凄い……あの、無知すぎて言葉にできないんだけどなにこれ? なんとも形容しがたい気持ちです、はい。
「脅し……てるわけじゃねえが……」
チラチラとぐすたふの手を確認する僕を見たぐすたふは途端に渋い顔で言い淀む。
「あいつと顔合わせてなにやってんの見て……なんかムカついた……なあおいてめぇ」
「へ、は、ひゃい!」
「髪一本でもこいつに触れてみろ、生きている事が馬鹿らしく思うような目に合わせてやる……」
「ひっ……!」
ギロリと睨まれたスキンヘッドの顔がどんどん白くなっていく、暗くてもわかる変化はちょっと面白くは思うけど罪の無いスキンヘッドを失うのは惜しい、助け船を出してあげようではないか。
「ぐすたふ」
「なんだ」
「怒らないの」
「別に怒っちゃいねえが、あ?」
ぺちぺちとぐすたふの肩を叩いてこっちを向かせて頬をひとさし指で押しこむ。
「そこのスキンヘッドに質問されたからそれに答えようとしただけだから、そんなむすっとしないと」
「……なに聞かれたんだ?」
「ぐすたふ怖いから言わない」
「あぁ?」
「はいこわい、ぐすたふの機嫌治るまで喋らないよ僕、寝るからねおやすみー」
呆気に取られているぐすたふの隙をついてぐすたふの膝を枕に転がって毛布を頭から被った。
「……にーる?」
「うるさい、おやすみ」
「わるかったって」
「その話しはまた明日で、疲れたから寝る」
「……にーる」
「うるせぇ」
頭を撫でる手を無視を決め込んで目を閉じてすやすやと眠りの世界に進んでいく。
「……隊長」
「話しかけるな」
「だってぇ、グスタフ様があんな……あんな情けない」
「それ以上言うな……俺だって今目の前のが信じられ…………寝るか、いや寝るぞ」
「……そうっすね」
スキンヘッドと偉いひと、僕らはこんな関係です、それじゃおやすみ、すやぁ。
★★★
お久しぶりです
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