魔族少女の人生譚

幻鏡月破

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第二章 第二回人間軍大規模侵攻

第三十二話 無題

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「……あ、また変えられたわよ」

「そのようであるな」

「未来神も可哀想よね。折角書いた“神譜しんふ”なのに。変えられた未来を認識できないのよ。認識できずにいつの間にか変わっているって、一体どういう感覚なのかしら」

「弄られたことが分かるのは我々痕跡神と真実神のみである。分からぬ者のことなど、理解できるはずがなかろう」

「それもそうね。……とはいえこの人は何がしたいのかしら。今まで何回も変えているけれど、どれもご丁寧に“神譜”の内容まで手を加えているのよ。誰にも悟らせない気だわ」

「だが今回は少しばかり違う様であるぞ」

「……あら本当。変えたのは未来神の認識と“神譜”の内容のみね。まことの未来は変わっていない……。じゃあ未来神は見た未来を外すことになるのね」

「残念ではあるが、そのようであるな。……因みに改変された認識と内容の概要は以下である。

『来たる侵攻。長きの炎が消える時、風は揺らぎ、荒れ、流れ、そして吹き止む。しかし風は光に照らされ、手を引かれ、共に行くことを決意する』

 改変された箇所は少量だが……」

「核心をついているところがあったのでしょうね」

「恐らくではあるがな。……此奴、一体何を目的とするのだ……?」
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