人類をジャッジしてください!

ムービーマスター

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私じゃないとダメなのか?と言う事と、彼らの思惑

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「どうもすいません、出過ぎたことを言ってしまって」

この状況を見ていると、何となくだが、オーランド系よりも、キャメロン系の方が、上司?なのか、先輩?なのか分からないが、立場が完全に上であることが伺われたし、どうも、私にまだ、教えたくないような、秘密があるみたいで、ちょっとだけ不安になっている自分がいた。

「まあ、兎に角、あなた達は、他の星の事に、つまり地球に対して、それも、その星の実質のリーダーでは無く、ごく普通な、と言うか、完全に人々の中に埋もれている、そんな特に特化した才能や人格も無い人をランダムに選んで、今後の地球の未来をその一人の考えと行動によって決めてしまうと言うのが、全くもって初めてで、あなた達でも分からない部分がある?と」

私は、今度は右側にいるキャメロン系を見詰めながら、やや、挑発的な態度で話しかけた。



「工藤さんが先ほど言ったランダムに選んだ事は間違っています。
この役目は完全に工藤さんでなくてはならないのです。

確かに、現段階の考え思想の中では、様々な人種と国家が乱立し、物質社会の中でも相当なレベルの差がある世界では、物質社会の決められた価値観と世界観によって、その時代時代に適した人物が、その時代のごく少数な組織の中で指導者になることはあると思いますが、それはあくまでも、その時代の、それも物質社会の魔法に掛けられていた全くと言って良いほど醒める兆しの無い人々の中で決められたのか、自分で望んだのか、分からないが、本当の選択として、宇宙規模まで考えて、納得して選ばれる事は、この地球上では考えられない事なのです。

そんな、世界の中で、その時代だけにしか通用しない思想の中で選ばれると言うことの危険も、工藤さんは、心の奥底に本当は感じていることと思うのです。

その、感覚さえも、感じることが出来ない人々が殆どなのです。

ですから、決して、我々は工藤さんを勝手気ままに選んだ訳でもないし、また、他の地球に良く似た星の経験が無いからと言って、どうぞ不安にならないでください。

我々が初めてであって、他の仲間によっては、このようなことを専門に行っている者もきっといるかもしれないのですから」




キャメロン系は、初めてじゃないかな、と思うぐらい、私の方を、私の目を真っ直ぐ見詰めて、グリーンかかった瞳がきらきらと光らせながら、熱弁的に私に話したのだ。

やっぱり、美人で、白人で、髪が金髪で、瞳がグリーンときたもんだな、美女に、あなたしかいない、みたいな感じで言われちゃうと、今まで、マジかよ、やってらんね~よ~状態だった気持ちとやらが、ホント現金なほど無くなるのだから、美人はホント得なんだよな。とも、考えながらも、だからと言って、肝心なこれからの事のアドバイスは、最初っから決まっている、工藤さんの考えに任せます、と言う考えたら業者丸投げ攻撃かよ~とも再び思ったりもしたが、それとは別に、先ほどキャメロン系が話していた物質社会の魔法、とか、宇宙規模まで考えて、と言う言葉が、妙に頭にこびり付いて、もしかしたら、彼らは、本物の良い宇宙人ではないのかと、嘗(かつ)てないほどの信頼感を彼らに持ち始めている自分がいる事を認め始めていた。

「その件に関しては、良く分かりました。
それで、もしだけど、もし、私がこの嘗てないほど地球上にはあり得ないテクノロジーを駆使して、多くの同じ人類を虐殺したり、理不尽な独裁行為を私がし始めて、本当に見るに堪えない事をし出したとしても、あなた達は私を止めたり、後ろから殺人光線銃とかで狙い撃ちとかは、無いのかな?」

私は、そう言って馬鹿馬鹿しいほどの会話をし、彼らも半分、と言うか半分以上諦めた感じになってくれないかな~と言う淡い期待も込めて、質問して観た。

「工藤さんがそうしたいなら、我々はただただ、工藤さんの行為に対し従うまでです。
この宇宙空間の中で、もし仮に、自らの滅びを選ぶこともあながち少ない事かも知れませんし、その事が、結果的にこの宇宙の形成にとっては有難い事かも知れません」

キャメロン系はそう言って、私が考えていた全面否定とか、人道的な立場に立った、道徳的な答えを返すでもなく、結局は、私が彼らのテクノロジーで人類を征服しようが虐殺しようが、人類ごと滅亡しようが、それを選択したのが私であれば、それはそれで正しいと言うよりも、もっと大きな、しいて言えば宇宙生成にとってはなんの影響も及ぼさないような、本当に人類など宇宙をベースと考えれば、塵(ちり)みたいな感覚として捉えている感じと受けてしまった。



「あなた達にとっては、この地球がどうなろうと、ハッキリ言ってしまえば、どうと言う事でも無い、ただの塵の様なものが、たまたま知を知ってしまい、そんなこんなで、やっと地球からこの広大な宇宙空間に出始めたばかりの、あなた達に比べたら赤ちゃんの赤ちゃんの、もしかしたら、まだ人間になる前の細胞分裂状態の人類には、はなから興味もなかった風に観えてしょうが無いんですけど、いや、そんな言い方は、本当に失礼だ。

なぜなら、態々(わざわざ)、人類が見付けもしない遥か彼方の星からやって来たのですから、そんな投げやりで、それでいて上目線な態度は今までにこれっぽっちも伺えませんでしたから、今の事は私個人の僻(ひが)みみたいな、心の狭い人間だと思って受け流してください」



私も、多分、人道的な言葉を、なんとなく期待して、さも当然の答えを期待して質問していてから、完全に想定外な答えに、一時的にパニックに陥ったようになり、そんな感じに、嫌味な感じについ話してしまったのだと思う。

「工藤さんや、他の人々に対し、失礼になる態度を知らず知らずにしていたのかもしれません。
ここで改めてお詫び申し上げます。
我々にとって、あなた達のこの星がどうなろうが一向に構わない、と言う事はありません。
反対に、あなた達みたいな星の存在は、我々には、必要な事なのです」

キャメロン系は、まず、私に深く頭を下げて謝り、そして、話し始めた。
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