ダンジョンを操れたので、異世界の芸能総監督になり、異世界美女と逆転人生を楽しみます

ムービーマスター

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異世界はカラーカンプにも金塊を支払う?

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そう言えば片岡さんからこんなことも教えてもらった。

お台場の民間TV局の社員も、
国営TV局の若い社員達も、
いずれTV局も淘汰(とうた)され、TV局の社員にもリストラが始まるだろう、
と若い社員ほど戦々恐々として、
次に確実にくるであろうネットTV、
ネット動画配信、
正確にはアメリカやヨーロッパで人気を誇る映像ストリーミング配信事業会社の時代が日本にも、
いよいよと本格的に参戦(2016年頃から参戦していたが)するだろうと口々に、
しかも若くて情報収集アンテナの感度が良い社員ほど片岡さんや、
芸能関係の業者達に話し合っていて、中には

「リストラ対象になったら雇って下さい、お願いします」

と冗談にしてはシビア過ぎる内容に打ち合わせの場がギクシャクすることもあり、
しかも中年、中間層の上司がいない時に話して来るんだとか、
ダンジョンが見えなかったお台場のエリート意識男も、
内心はそんな漠然とした不安があるらしいとか。

僕は、そんなメディア界の時代の流れを聞きながらも、
自分が今やることを、
考えていることをリストにし異世界へとダンジョンを潜(くぐ)った。

ここ数日はオルネラの居酒屋ショーパブ店のステージをお休みにし、
居酒屋だけをオープンしていたが、
それでもステージがある時に比べたら客足は減っているけど、
だけど、以前のような現世ニッポン歌謡曲前の客足、
集客に比べたら3倍も多く来て頂いていた。

やはり口コミで
「ここが伝説の歌姫シャルルの覚醒の店」
とか
「極東からの歌姫が歌ったお店」
とかと、
なんか人気アニメで言うところの聖地巡礼の場にでもなってきたようだ。

シャーロンには今後はシャーロン姫の城こと
「グラムデル城で打ち合わせしましょう」
と誘って頂いていたが、
僕はシャーロンの両親である国王とお妃に会うと言う勇気がイマイチ湧かないでいたし、
シャーロンとしても

「お城に来たからと言って両親に合わなくても全然いいのよ」

と気を使ってもらっていたが、
やっぱり僕には色々とやることや準備することがあって、
何時ものオルネラのお店の開店前の雰囲気がなんか一番落ち着くので、
シャーロンには悪いけど、今の処、我儘(わがまま)を聞いてもらっていた。

今日のシャルルはグラムデル城の彼女の部屋で自主トレさせているとか。

シャーロンとの打ち合わせは、何時も通り、
後方舞台上の櫓(やぐら)2階席の長テーブルで行われた。

「ホント、久し振りにムート先生と二人っきりになれて凄く嬉しいです」

シャーロンは、
今日は何時もの白色のギリシャの女神風ドレスでは無く、
王族や貴族の女性達が舞踏会に行くような華やかなドレスを着て来ていた。

そんなに正装して、
僕との打ち合わせ後にお城で舞踏会でもあるのかな、
少し嫉妬気分と僕は何時ものようにスラックスにポロシャツだから、
服装自体でもシャーロンとは釣合いが取れません。

「今日は正装してどうしたの、打ち合わせの後にお城か何処かで舞踏会でもあるの?」

僕は打ち合わせをする前にどうしても気になってシャーロンに直球で聞いた。

「えっ、そんなことは無いですよ、今日の服装、派手過ぎましたか?
この格好、ムート先生はお嫌いですか?」

「いや~嫌いじゃないですよ、寧(むし)ろ好きですけど、ただ」

「ただ?」

シャーロンが何かを期待する感じの愛くるしい表情で僕の顔を覗き込みます。

やっぱ、シャーロンは凄いっす。

美人であることは間違いないし、
なによりも今の、期待して微笑んでいる美女の笑顔の破壊力と言ったら、
やっぱ恋に落ちるでしょう。

男なら誰だって。

(ああ、返事を返さないと)

僕は改めてシャーロンの美貌に見惚れてしまい、何を言うべきか忘れてしまいそうだった。

「今日も何時(いつ)も通り打ち合わせだよね、それとも何か特別な日だったかな」

シャーロンはピンクの唇では無く、
今日は赤に近い口紅を付けた大人唇を尖がらせながら首を横に振ります。

なんだよ、シャーロン、今日は一段と大人綺麗なんですけど~

「今日はね、ムート先生と二人っきりの打ち合わせデートでしょう?」

シャーロンのその言葉に、久し振りに僕の股間が疼いてきましたね。

そうです、即勃起のよかんです。

「そうか、今日は久し振りの二人っきりで打ち合わせのデートか」

僕は、嬉しそうに微笑むシャーロンのメガトンスマイル美女顔に、
今日こそチュッチュからのお互いの舌を咥内で出して絡め合うベロチュー解禁デーと一人はしゃいで、
シャーロンの赤い唇に我が中年唇を押し付けようと顔を近付けると、

「さあ、打ち合わせから始めましょう」

と、
僕の中年オッサンの淡い純情キッスの気持なんかすっ飛ばしての何時もの寸止めシャーロンのマイペース攻撃が始まりました。

僕は、何時もの感じで達観した気持ちに戻し、
だけど股間は熱く滾(たぎ)りながらも、
いざ、今後の打ち合わせを開始した。

まずはシャーロンに報告、
キサナ国・王立芸術劇場の宣伝用撮影の費用の件、
今の時点で現世ニッポンの通貨にして100万円と報告すると、
シャーロンは金塊100gインゴットを4枚は用意すると言ったので、
日本円に換算すると100gの金塊が約50万円だから200万円なので多いですよ、
と言ったが、取敢(とりあ)えず金塊インゴット4枚(100g×4)となった。

それと撮影や劇場内の電源の件だ。

あとマイクか、
今までの小ホールならアカペラでも大丈夫だったが宮邸の広さだとアカペラでは限度があり、
いよいよと本格的にマイクが必要ともなった。

と言うことで宮邸音楽劇場として、
出来るだけ音響に拘(こだわ)ったリニューアル建設をして頂くべく、
クレア国の劇場建設士とも会いたいと言うと、それも軽く承諾してくれた。

僕は、前田カメラマンと事前に打ち合わせした、
シャルルや西田佳代の画像を加工して、
こっちの世界では当たり前のデザインカンプのイメージ画像をタブレットに映して見せると、

「もう出来たのですか、凄いですね。前田さまも魔法が操れるのですか?」

と、撮影する前のイメージデザインだけでシャーロンは大満足だった。

「いえいえ、これは、その写真を撮る前のスケッチみたいなものでして、
絵を描く前に下絵をスケッチしたりとかの、そう言う状態です」

「え~、これってもはや完成じゃないですか、
しかもこんなに精密で、鏡そのもので写したみたいじゃないですか?
こんな技能の高い絵描きなんて、
この国でも他の国でもいないんじゃないですか?
この作品だけでも金塊インゴット(100g)4枚分ですよ」

確かに、以前もタブレットやスマホでの写真画像だけで恐れ戦いて大絶賛していたから、
まあ、さも有り難かもしれない。

「ですが、前田カメラマンにはシャルルや西田佳代に対するイメージがありまして、
また、この際だから、新しくリニューアルする宮邸王立芸術劇場の外観や劇場内部、
劇場内のテナントに2号店のオルネラ居酒屋店、
他の入店するお店やレストラン内部も撮影する予定ですから」

「え~、そこまでしてくれて、前田さまに金塊4枚は安過ぎます」

「僕たちとしては当然な感じだったんだけど、
駄目かな?
後、印刷費の事なんだけど、
僕らはこの際だから、僕の世界では当たり前の、
このような感じの劇場プログラムも一緒に作ろうかと考えているんだ。
ここに、芸術劇場に出演する人々も、
例えばクレア国の音楽隊達の写真紹介や、
プロフィールを記載したり、
プロフィールの初めには総監督であるグレアム・ラヴァン王子の写真紹介やプロフィール、
そして彼が率いる音楽隊や舞台作品への思いなどを語って頂き、
文章やキャッチコピーにして・・・」


シャーロンは僕がデイバックから取り出した他のオーケストラのリーフレットや映画のプログラムなど、
手元のあった最近集めてきたパンフレット類をシャーロンに見せて説明し続けた。

「これは、もはや高価な画集ではありませんか、
これをこちらの芸術劇場用に作るんですか?
印刷するんですか?
で、出、出来ませんわ。
こんな高度な技術の印刷なんて、こちらの世界では無理です~」

シャーロンは途端に涙目になって、
実際、ウルウルとしたエメラルドグリーンの瞳から涙が溢(あふ)れそう?溢(あふ)れています。
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