上 下
28 / 59

片岡さん念願の異世界訪問

しおりを挟む
このダンジョンって、もしかしたらこんな感じで日本全国とか、世界各地に現れているのか、今の僕みたいにダンジョンを操れるのか、そんなシステムは分からないけど、要は、ダンジョンは世界各地にある、現れている、操られているのでは、と一瞬、想像して怖くなった。

しかも太古の昔からあるのか?

そうすると、昔話の神隠しや謎の失踪、魔のバミューダー海域の一部にもダンジョンが現れているのかも?なんてね。

「今の処、ここは大丈夫ですね、さあ、そろそろ異世界に行きますか?」

僕の誘いに、片岡さんは小躍りする感じで軽快にソファーから立ち上がり、僕の後ろに続いて、ダンジョンの階段を、一応初めてだから恐る恐る、緊張した面持ちで降りて行った。

異世界に訪れた現世ニッポン人、今の処、ニッポン人しかこの異世界には現れてはいないようで(シャーロン談)、片岡さんもまた、耳鳴りと眩暈めまいでふらふらっとしゃがんでしまったけど、身体が落着いてきたので、
早速、木製のドアを開け、異世界の裏舞台へと、シャーロンが後ろ舞台の長テーブルに座って、スマホをリモコン代りに使っている後姿とシャルルが松田聖子のカラオケで「SWEET MEMORIES」を練習中の場に入って来たので、片岡さんの表情は驚愕したまま固まっています。

シャーロンの後ろ姿が、またなんとも、あのギリシャ神話風の女神ドレスで、しかも背中が空いている、だから当然、巨乳の横乳だって見ようによっては見えちゃう格好だから、正直、片岡さんには今の肌の露出が高いシャーロンは見せたくないな~と、やや心配していたら、片岡さんは、シャルルの歌う方向へと魂を奪われた屍ゾンビか、吸血鬼ドラキュラに操られる奴隷的下僕ゾンビのようにゆっくりとした感じで歩くので、僕は思わず、片岡さんの名前を呼びながら、腕をつかんであゆみを止めた。

「いや~、ホント凄いな~シャルル歌姫のアカペラの生歌は~、一瞬で魂が吸い取られてしまって吸い寄せられる感じでしたよ、って実際、吸い寄せられましたけど」

僕と片岡さんの話声を聞きつけて、シャーロンは僕らの方へとしずしずと現れた。

「この方は、もしかしたら武藤さんが話していたシャーロン様でしょうか、お噂は兼ね兼ね聞いております。
いや~ホント凄い美貌です。
それになんと言うプロポーション」

片岡さんは日本人男性としては身長が高い方の175cmだったが、シャーロンはハイヒールを履いているから、若干身長がシャーロンの方が高い。

「もはや、この感じって、ミス・ユニバースのヨーロッパ勢の美女以上ですね」

シャーロンはミス・ユニバース?とか、はてなマークな表情をしたけど、やはり女性は初めての男性に容姿を絶賛されると、嬉しいみたいで、シャーロンも片岡さんが下から上にシャーロンのエロエロ肉感ボディを舐め回すように見る目の動きに合わせて、女体をクネクネと媚びるような妖艶な動きをしてサービスをしていた。

そして、シャーロンは以前、僕にもした右手の甲を上にして片岡さんに差しだした。

片岡さんも戸惑ってしまい、一応、僕と同じように握手するように手を出して来たので、

「手の甲にキスして下さる~」

と、おいおい、シャーロンよ!異世界男子のこと学習したな~

「おい、いいのかな~武藤さん」

僕は、なんか苦々しい顔になっていて、その顔を見てシャーロンは微笑みながら、

「握手でも構いませんわ」

と言って、片岡さんと握手を交わした。

そして、僕の耳元に唇を近付け、

「本当はその殿方にシャーロンの指をしゃぶってもらっても良かったのですよ~。
うっふっふっふっ❤」

と言って、僕にエロエロ言葉攻めをした。

「だって、ムート先生はあっちの世界で西田佳代様と宜しくベロチューとか色々しゃぶったりしているんでしょう?」

「おいおい、そんなことしている訳ないじゃないか~」

と、僕は思わず、シャーロンに大きな言葉を掛け、それを見た片岡さんは

「ホント、お二人は仲が宜しくて焼いてしまいますよ~」

と言われたので、

シャーロンは

「私達、仲良しだもんね~」

と幼稚園の児童じゃないんだから、僕の右手を左手で握ってブランブランしながら言ったので、僕も片岡さんも思わず笑ってしまった。

その後、片岡さん念願の生シャルルに本舞台で御挨拶し握手を交わした。

シャルルの方が片岡さんよりも断然背が高いので、やはり片岡さんは迫力ボディに圧倒され、次にシャルルの歌声に心酔し、完全に熱烈なファンになったようだ。

と、そんなことが一段落し、僕たちは前の続き、みんなもう忘れてしまいましたか?
ダンジョンの移動ですよ、しかも片岡さんの豊洲ビル内にダンジョンを作る、出現させることが今の処、最優先事項であり、一番のミッションであります。

僕はすっかりシャルルにメロメロに成った片岡さんを引き離す感じで、腕を掴んで元来た後方の舞台裏倉庫のドア前に立った。

「片岡さん、頼みます。
豊洲のビル内にいるイメージを強く頭の中に念じて頂けますか
それが出来ましたら、教えてください」

僕がそう説明すると、片岡さんはぶつぶつと呟きながら、多分、渋谷のオフィスから公共交通機関では無く、会社の車で向かったことを思い出している感じで、それから片岡さんは着きました~と僕に宣言したので、異世界倉庫ドアを勢い良く開け、ダンジョン内洞窟を通り抜け、階段を上がると、薄暗い部屋に先に僕が上がり出て、片岡さんが次に現れた。

見覚えのある書庫の棚が薄らと見える。

片岡さんは勝手が知っているから、1階書庫倉庫の電気を付け、蛍光灯の白い光が一気に僕たちの目を襲い、かなり眩しかった。

「やった~、大成功ですね武藤さん、しかし、異世界ダンジョンは凄いです。
異世界歌姫のシャルルさんは本当に凄いです。
やっぱり、こっちの世界でも是非、紹介したいな~、あんな才能がある逸材は見たことが無いし、今現在、私のって、私と父の会社のスクール・オブ・シネマにもあんな桁違いな才能の人材は登録していませんからね。
ま、実際にいたら、とっくにもっとメジャーな芸能事務所に所属して、今頃はスターですけど」

片岡さん、なんか自虐的に話し、今の登録しているエキストラレベルの芸能人の卵達をうれいたのか、ちょっぴり寂しい表情になった。

「なんにしても、ここ、豊洲ビルの書庫1階にダンジョンが出来て本当に良かったです。で、私は、これからまた渋谷のオフィスにここから帰るんでしょうか?」

片岡さんが情けなさそにそう言ったので、まずは一回、また異世界に戻りましょう。

と言って、片岡さんは電気消すの忘れたとか言ってダンジョン階段を駆け上がり、また、僕の後ろに着いて来た。

まずはシャーロンに無事、ダンジョンが出したい、出現させたい所に出せたので嬉しい報告をしたが、前に繋げた渋谷区宇田川町の片岡さんマンション1階エントランス内ダンジョンにもう一度イケないか相談したら、

「あのダンジョンは初めて使ったのがムート先生ですから、ムート先生が如何様いかようにも調教出来ますのよ~」

と訳が解らないことをシャーロンが説明しましたが。

横で一緒に話しを聞いていた片岡さんも理解不能といった感じできょとん顔です。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

いらないスキル買い取ります!スキル「買取」で異世界最強!

町島航太
ファンタジー
 ひょんな事から異世界に召喚された木村哲郎は、救世主として期待されたが、手に入れたスキルはまさかの「買取」。  ハズレと看做され、城を追い出された哲郎だったが、スキル「買取」は他人のスキルを買い取れるという優れ物であった。

間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜

舞桜
ファンタジー
 初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎  って、何故こんなにハイテンションかと言うとただ今絶賛大パニック中だからです!  何故こうなった…  突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、 手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、 だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎  転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?  そして死亡する原因には不可解な点が…  様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、 目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“  そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪ *神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのかのんびりできるといいね!(希望的観測っw) *投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい *この作品は“小説家になろう“にも掲載しています

夢見る夢子は、元アイドルに運命を感じてしまいました!

ルカ(聖夜月ルカ)
恋愛
夢見がちな事務員の桃花は、偶然、理想のイケメンに出会った。 その人は、過去に知っていた人だった。

ドラゴンレディーの目覚め

莉絵流
ファンタジー
普通に暮らすアラサー女子のところに、突然、現れた古代アトラン国からやって来たという一人の女性。ここからアラサー女子の逆転人生が始まる。レインボー、クリスタル、ドラゴン、ポセイドンetc.も登場。アラサー女子ミウは、過去生の記憶を思い出し、その使命を果たすことができるのだろうか!?

【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。 剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。 しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。 休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう… そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。 ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。 その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。 それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく…… ※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。 ホットランキング最高位2位でした。 カクヨムにも別シナリオで掲載。

辺境の農村から始まる俺流魔工革命~錬金チートで荒れ地を理想郷に変えてみた~

昼から山猫
ファンタジー
ブラック企業に勤め過労死した俺、篠原タクミは異世界で農夫の息子として転生していた。そこは魔力至上主義の帝国。魔力が弱い者は下層民扱いされ、俺の暮らす辺境の農村は痩せた土地で飢えに苦しむ日々。 だがある日、前世の化学知識と異世界の錬金術を組み合わせたら、ありふれた鉱石から土壌改良剤を作れることに気づく。さらに試行錯誤で魔力ゼロでも動く「魔工器具」を独自開発。荒地は次第に緑豊かな農地へ姿を変え、俺の評判は少しずつ村中に広まっていく。 そんな折、国境付近で魔物の群れが出現し、貴族達が非情な命令を下す。弱者を切り捨てる帝国のやり方に疑問を抱いた俺は、村人達と共に、錬金術で生み出した魔工兵器を手に立ち上がることを決意する。 これは、弱き者が新たな価値を創り出し、世界に挑む物語。

レオン〜騎士道を知らずに騎士になった少年〜

保仁矢らら
ファンタジー
 童話『シンデレラ』のパロディです。  敬虔なクリスチャンの少年が助けた美少女は未来のお妃さまだった。馬に乗った事のない少年は一度も剣を振るう事なく騎士になる。  少年のビルドゥングスロマン(成長物語)、立場逆転のサクセスストーリー。本当の愛とは何かを知りたい人へ捧げます。

処理中です...