18 / 59
魔法は盗人、クリエイティブは偉い
しおりを挟む
確かに、シャルルは歌手としての才能は高いと思うし、他の曲も歌わせたかったが、
そうそうこの異世界で次々と新しい歌を出して大丈夫なのか?
と言う、そもそも論みたいな考えが頭を過(よ)ぎった。
また、昨夜の舞台ステージで前のように異世界での作詞作曲された歌の大不評により、第2、第3ステージは殆ど、「瑠璃色の地球」だけで、異世界の歌は全否定されてしまった。
この件もあるので、シャーロンに色々と相談してみると、なんと手筈(てはず)がイイのか、先見の明があると言うのか、まずは、昨夜の内に宮廷音楽演奏家2名は、こっちの手伝いをしなくてよいと、早速通達したようで、今日から演奏家は来ません。
あと、もう一つの課題、シャルルの乱での「瑠璃色の地球」1曲以外にも欲しいのでは?
の状態ですね。
で、それを取敢えず応急処置と言うか打破する為に、今回の簡易カラオケセットを用意したのだが・・・
そのことも含めてリハーサル、急遽、練習兼ねシャルルに指導してイイかな、とシャーロンに相談を兼ねお伺いを立てると
「ええ、悪くは無いけど~・・・でも、でも~シャルルに指導するって・・・その~ぶったり叩いたりもするの~、鞭とか必要なんですか~」
僕は「はっはい?」ってな感じで、驚いた顔をして、
「そんな変なこと、暴力は一切しませんから大丈夫ですよ」
と、滅相も無いみたいに手をバイバイな感じで振っていた。
「じゃあぁ、シャルルに厭らしく、発声練習の時に、お腹とか、お尻周りとか、脇腹とか、唇の中に指を突っ込んだり、胸を触ったりとか、ドレスを捲(まく)り上げて太腿を摩(さす)ったり、必要以上にシャルルの身体を弄(まさぐ)ったりしない?」
おいおい、シャーロン、なんかの冗談ですか
「そんなこと絶対にしないと思うけど、もしかしたら、こっちの世界じゃ良くあることなの?」
「そうなのよ、
宮廷の音楽家達って希少価値な芸術家だから、宮廷の歌の上手い貴族の娘達が結構彼らの毒牙にかかっていて、軽い痴漢めいたことは日常茶飯事なんですよ~、因みにシャルルは我慢強いから、私が付きっきりじゃ無い時に二人係りで色々エロエロされていたみたいで、私(わたくし)も最近シャルルに告白相談されて知ったのですよ~」
う~ん、
異世界の芸術家たち、
音楽家たち、
恐るべきむっつり助平、と言うよりも、権力を笠に着たセクハラエロオヤジどもばかりだ。
あれ、シャルルに二人係り?って、
もしや、あのシャルルのバックで演奏していた若いって30代前半ぐらいの白人男たちのことだろうか?
「なんにしても僕はそのようなことはしないし、歌唱の採点や、指導、アドバイスは全て、このタブレットにインストールされているカラオケアプリがしてくれるからね」
僕の説明に今度はシャーロンの方が、今までシャルルとお互い握りしめていたのと同じように握り締めてきて、
「解りました、ムート大先生がそんじょそこらの偽音楽家でエロオヤジじゃないということは薄々分かってはいたのですが、こうして改めて確認することが出来まして、シャーロンはヒト安心です。
シャルルはああ見えて、性格が大人しく従順で、争い事が嫌いだから、殿方にちょっとでも強く命令されたり指示されたりしたら、従っちゃう初(うぶ)な危ういところも有りますから、私が見ていないと、なすがままなことが良くあるんですよ。
それに、シャルルは女性としては背が高いでしょう?
今現在の身長が179cmもありますの、それで、あの、その・・・」
「な、な、なんですか?」
シャーロンはちょっとモジモジしながら恥ずかしそうな表情で
「あの~、よく言うじゃないですか、人間は無い物強請(ねだ)りと言うか、背が高い異性は、背の低い異性に惹かれるとか~
人種的にも白人女性は有色人種とか黒人や人外、異種(いしゅ)人に惹かれちゃう~と言ったような、ね、
だから、シャルルは背が低くい男性と、今までトッカエヒッカエと言いますか、節操が無いと言いますか~
あの~気を付けてくださいね~シャルルはああ見えてド淫乱と痴女の気がありますから」
僕はまた「はい?」みたいな顔で解りましたと、小さく答えたが、シャーロンよ、話しをかなり盛っているんじゃない!
(それに先程はシャルルを初心な娘と言っていたではないかい)
と思ったのと、タブレット上に現れる指示に従って歌の練習をしているシャルルもシャーロンに呆(あき)れたような表情を見せていたから、やっぱり話し半分、または眉唾(まゆつば)ものですかね。
そんな良く分からない会話を終了し、今では舞台上はカラオケスナックみたいになっていたが、異世界の人々が観たら、何処で音楽が鳴っているのか解らない状態にやっぱりビックリするのでは、とシャーロンに話すと、
その辺は大丈夫みたいな、この異世界には魔法やら異種人がいっぱいいるから、元々そんな細かいこと(細かいことではないと思うが)にはイチイチ驚かないらしい。
けど、昨夜は結構な衝撃感動、未知との遭遇的感動からの、暴動に近いようなハシャギっぷりに、その件を指摘すると、
「あの歌は駄目でしょうね。
いくら魔法と変な生物たちと共存する私達の世界でも、未知の芸術、未知のクリエイティブには免疫はありませんから、一度感染すると、熱が出たように唸って魘(うな)されて、
狂喜乱舞しちゃうんですよ~
魔法よりも数倍凄いことが芸術、クリエイティブなのです。
クリエイティブを磨く為に私たち
選ばれた者達は一生懸命に勉強し続け創造し続けなくてはいけません。
魔法は、現実に今ある物の模造を作ることしか出来ませんから。
ですから、ある意味、魔法は空間移動をするだけの盗人(ぬすっと)なのですよ」
魔法は盗人ね~、クリエイティブ、芸術を創造する者が一番偉い、か。
そうそうこの異世界で次々と新しい歌を出して大丈夫なのか?
と言う、そもそも論みたいな考えが頭を過(よ)ぎった。
また、昨夜の舞台ステージで前のように異世界での作詞作曲された歌の大不評により、第2、第3ステージは殆ど、「瑠璃色の地球」だけで、異世界の歌は全否定されてしまった。
この件もあるので、シャーロンに色々と相談してみると、なんと手筈(てはず)がイイのか、先見の明があると言うのか、まずは、昨夜の内に宮廷音楽演奏家2名は、こっちの手伝いをしなくてよいと、早速通達したようで、今日から演奏家は来ません。
あと、もう一つの課題、シャルルの乱での「瑠璃色の地球」1曲以外にも欲しいのでは?
の状態ですね。
で、それを取敢えず応急処置と言うか打破する為に、今回の簡易カラオケセットを用意したのだが・・・
そのことも含めてリハーサル、急遽、練習兼ねシャルルに指導してイイかな、とシャーロンに相談を兼ねお伺いを立てると
「ええ、悪くは無いけど~・・・でも、でも~シャルルに指導するって・・・その~ぶったり叩いたりもするの~、鞭とか必要なんですか~」
僕は「はっはい?」ってな感じで、驚いた顔をして、
「そんな変なこと、暴力は一切しませんから大丈夫ですよ」
と、滅相も無いみたいに手をバイバイな感じで振っていた。
「じゃあぁ、シャルルに厭らしく、発声練習の時に、お腹とか、お尻周りとか、脇腹とか、唇の中に指を突っ込んだり、胸を触ったりとか、ドレスを捲(まく)り上げて太腿を摩(さす)ったり、必要以上にシャルルの身体を弄(まさぐ)ったりしない?」
おいおい、シャーロン、なんかの冗談ですか
「そんなこと絶対にしないと思うけど、もしかしたら、こっちの世界じゃ良くあることなの?」
「そうなのよ、
宮廷の音楽家達って希少価値な芸術家だから、宮廷の歌の上手い貴族の娘達が結構彼らの毒牙にかかっていて、軽い痴漢めいたことは日常茶飯事なんですよ~、因みにシャルルは我慢強いから、私が付きっきりじゃ無い時に二人係りで色々エロエロされていたみたいで、私(わたくし)も最近シャルルに告白相談されて知ったのですよ~」
う~ん、
異世界の芸術家たち、
音楽家たち、
恐るべきむっつり助平、と言うよりも、権力を笠に着たセクハラエロオヤジどもばかりだ。
あれ、シャルルに二人係り?って、
もしや、あのシャルルのバックで演奏していた若いって30代前半ぐらいの白人男たちのことだろうか?
「なんにしても僕はそのようなことはしないし、歌唱の採点や、指導、アドバイスは全て、このタブレットにインストールされているカラオケアプリがしてくれるからね」
僕の説明に今度はシャーロンの方が、今までシャルルとお互い握りしめていたのと同じように握り締めてきて、
「解りました、ムート大先生がそんじょそこらの偽音楽家でエロオヤジじゃないということは薄々分かってはいたのですが、こうして改めて確認することが出来まして、シャーロンはヒト安心です。
シャルルはああ見えて、性格が大人しく従順で、争い事が嫌いだから、殿方にちょっとでも強く命令されたり指示されたりしたら、従っちゃう初(うぶ)な危ういところも有りますから、私が見ていないと、なすがままなことが良くあるんですよ。
それに、シャルルは女性としては背が高いでしょう?
今現在の身長が179cmもありますの、それで、あの、その・・・」
「な、な、なんですか?」
シャーロンはちょっとモジモジしながら恥ずかしそうな表情で
「あの~、よく言うじゃないですか、人間は無い物強請(ねだ)りと言うか、背が高い異性は、背の低い異性に惹かれるとか~
人種的にも白人女性は有色人種とか黒人や人外、異種(いしゅ)人に惹かれちゃう~と言ったような、ね、
だから、シャルルは背が低くい男性と、今までトッカエヒッカエと言いますか、節操が無いと言いますか~
あの~気を付けてくださいね~シャルルはああ見えてド淫乱と痴女の気がありますから」
僕はまた「はい?」みたいな顔で解りましたと、小さく答えたが、シャーロンよ、話しをかなり盛っているんじゃない!
(それに先程はシャルルを初心な娘と言っていたではないかい)
と思ったのと、タブレット上に現れる指示に従って歌の練習をしているシャルルもシャーロンに呆(あき)れたような表情を見せていたから、やっぱり話し半分、または眉唾(まゆつば)ものですかね。
そんな良く分からない会話を終了し、今では舞台上はカラオケスナックみたいになっていたが、異世界の人々が観たら、何処で音楽が鳴っているのか解らない状態にやっぱりビックリするのでは、とシャーロンに話すと、
その辺は大丈夫みたいな、この異世界には魔法やら異種人がいっぱいいるから、元々そんな細かいこと(細かいことではないと思うが)にはイチイチ驚かないらしい。
けど、昨夜は結構な衝撃感動、未知との遭遇的感動からの、暴動に近いようなハシャギっぷりに、その件を指摘すると、
「あの歌は駄目でしょうね。
いくら魔法と変な生物たちと共存する私達の世界でも、未知の芸術、未知のクリエイティブには免疫はありませんから、一度感染すると、熱が出たように唸って魘(うな)されて、
狂喜乱舞しちゃうんですよ~
魔法よりも数倍凄いことが芸術、クリエイティブなのです。
クリエイティブを磨く為に私たち
選ばれた者達は一生懸命に勉強し続け創造し続けなくてはいけません。
魔法は、現実に今ある物の模造を作ることしか出来ませんから。
ですから、ある意味、魔法は空間移動をするだけの盗人(ぬすっと)なのですよ」
魔法は盗人ね~、クリエイティブ、芸術を創造する者が一番偉い、か。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。

【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!

どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる