ダンジョンを操れたので、異世界の芸能総監督になり、異世界美女と逆転人生を楽しみます

ムービーマスター

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こっち世界のテクノ音響ステージ作り

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「え?もう戻って来たの。
早いんですけど~
その荷物やモノは一体何ですか?
なんか凄く高価な箱のような・・・」

シャーロンはそう話しかけながら僕の出立(いでた)ち(現世ニッポンからの服装・装備品・機材)を興味津々顔で凝視した。

僕の格好はいつものデイパックリュックを背負い、両手には先程(さきほど)購入(こうにゅう)したラジカセとスピーカー、そして三脚式スタンドの入ったケースも背負っていた。

僕はシャーロンの座っている丸テーブルには立ち寄らず、直ぐにシャルルが練習している舞台に上がり、段ボール箱から出して来たばかりの製品を置いて、乾電池を入れてセットし、
ラジカセもスピーカーもBluetooth対応だから、スマホからの音楽がペアリング出来るかスマホにもセットし、今では一人音声さん状態でセッティング作業を黙々としていた。

シャルルも歌の練習を一時中断し、少し離れた処で興味津々な表情で見ていたし、シャーロンも慌てて舞台の上に駆け上がり、

「なになに、何が始まるの~
ムート大先生~❤」

と言って、僕の周りをうろちょろしていた。

まずは音響のテスト、として、スマホからの歌謡曲、前回と同じ松田聖子が歌う「瑠璃色の地球」が、まずはラジカセのスピーカーから流れ始める。

その音量を少しずつボリューム調整しながら上げて行くと、結構大きめのホール一杯まで、隅々まで響く曲が流れ、シャーロンもシャルルもスマホのスピーカーでの小さな音量でしか聞いていなかったから、まずは単純にその音のでかさに驚き、次に音の大きさよりも、そのメロディー自体、異世界では聴いたことが無い楽器やシンセサイザーの音響に驚愕し、シャーロンは咄嗟(とっさ)に

「天上界の天使が奏でる音色だわ~」

と言って、うっとりと目を瞑(つぶ)り、身体を曲の伴奏分部に合わせて揺らしていた。

この音色(ねいろ)・音響にお店の厨房で働いていたスタッフ達も現れ、ホント、未知との遭遇みたいに固まって音楽が鳴り響く舞台上の我々を見守っていた。

なによりも昨夜アカペラでシャルルの歌声で初めて聴いた歌の、本家本元の松田聖子の曲が大音量で流しているから、彼らにとってはシャルルが歌っているのに、聴こえる歌声にも驚愕し、神の歌声だ~と言いながらザワついてきた。

僕は不味(まず)いな~と思い、近くでウットリしながら身体を揺らしているシャーロンの腕を掴んで揺らし

「シャーロン、不味(まず)い状況だな、お店のスタッフ達がまずは、驚愕して集まって来たよ!
これじゃ~セッティングがな~」

と、僕がシャーロンに夢中でそう話すと

シャーロンは

「こんな処で駄目です、ムート先生~するんなら誰もいない処でね~・・・お願い~」

とか

「ダメダメ、シャーロンはそんな簡単な女じゃないんだから~」

と言いながらも発情濡れた瞳でウインクまでしてきますので、僕は嬉しさ半分だけど、このまま押し切ればイケる、とも咄嗟(とっさ)に思ったけど、ことの状況を何回も話すと、シャーロンは

「な~んだ!解ったわ」

と一言だけ言って、右手を高く上げ、指を鳴らしただけで、お店のスタッフ達が、また何事も無く厨房やお店の準備に働きだし、僕はと言えば、

「は?・・これって魔法、ですか」

とシャーロンに困惑しながら尋ねると

「はい、そうで~す」

と言って、さも当たり前で~すな感じで、3D型巨乳の胸を突き出して所謂(いわゆる)!胸(むね)を誇らしげに張っていた。

なんだよ、さっきは魔法なんて滅多に使わないとか言ったり、因果(いんが)応報(おうほう)がどうのとか言っていたのに、もう勝手に使っているけど、まあ、これで楽に色々とセッティング出来ると思い、作業も時短出来、全てを確認した。

実は、僕はここに来る前に、以前から調べていた、と言ってもダンジョンを見付ける前から、僕はアイドルの卵たちや歌手の卵達の為に色々と調べていたりなんかしていて、で、YouTubeでよく見かける素人シンガーとかの誰誰アーティストによるヒット曲「○○を歌ってみた」のあるあるアップで歌うカラオケ曲を皆はどうやって音源を集めてアップしているのか調べていたので、その成果も兼ねてタブレット固定用の三脚も持って来たのですね。

これにもBluetoothをセットすれば、なんと無料のアプリでダウンロードしたカラオケ音源が流れ、今では「瑠璃色の地球」のカラオケ音源だけが流れていて、シャルルは一層嬉しそうな表情で一歩一歩僕に近付いて来た。

一歩一歩近付くシャルルは、やっぱり背が高い、それに舞台用に高いヒールを履いているから、もしかしたら欧米スーパーモデル並の身長187cm位はあるんじゃない?

僕は恐る恐る近付くシャルルに対して、三脚を立てて、タブレットを固定して、歌詞の文字が流れ音程を表示する小さくて点滅する音程の波を見て頂き、そのモニター画像の情報を丁寧に分かり易く説明した。

あ、そう言えば、日本語とか文字も分かるのかな?

それに対し、シャーロンがニヤニヤしながら、「その辺は全部、魔法で~す」
と、マジか~な発言、なんとも酷いと言うか御都合主義的ハリウッド映画だぜ~な展開に薄々気付いている僕でもありましたが、もうその辺のことはイイです。

細かいことはイイのです。

な境地になっています。

それなら話しは早いとばかりに、シャルルに即席カラオケマシーンの基礎を説明し、シャルルにはいずれって言うよりも直ぐにでも他の新しい曲、こっちの世界では懐メロだけど、色々な曲を歌ってもらうことを話したら、シャルルまでが僕の手を両手で握りしめ、感涙なのか発情濡れ濡れブルースカイの瞳を濡れ光らせて、

「有難うございます」

と何回も言うので、この状況に、早速(さっそく)シャーロンが「駄目~」って感じで、僕とシャルルの愛のテーマ曲中に割り込んで来て、結ばれた両方の絡み合う手を引き離すんですね。

シャーロン、もろ嫉妬の鬼ですか~

それとも「わたくしの大事な商品である歌い手や踊り子さんには手を触れないでくださいね~」なのかは定かではないけどね。

まずは、僕的にはトントン拍子で簡易音響のセッティングが終わり、今ではシャルルは「瑠璃色の地球」のカラオケ部分の歌いだしの練習をしていた。

しかし、好きこそモノの上手なれじゃないけど、お二人とも順応が早過ぎますって。
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