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B王国の惨状、B王国兵語る
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隣国の国王たちは、
A国王のように日頃から【流行り病】の対策と準備を怠っていたので、
実際に【流行り病】や疫病が国内で大感染すると、
パニックになり、適切な対策を打つことが出来ず、
更なる悪化へと繋がった。
人々は【流行り病】に次から次へと感染し、多くの国民が死んでいった。
【流行り病】自体は人々に平等に罹り、平等に死を与えるので、
貴族だろうが国王だろうが、感染を免れることは出来なかった。
免(まぬが)れるのは、日頃から【流行り病】や疫病のことを勉強し、正しい知識を得ている者だけとなる。
その1人がA国王様だった。
「A国王さまは、自ら率先して現場に向かい、
この【流行り病】の難局と有事に強い王様であることを立証しています」
今では、国民学校の大ホールで、定期的にA国内と隣国での【流行り病】の状況を報告し、尚且(なおか)つ、【流行り病】に対する知識と対策を徹底する公演会が、先生によって開かれていた。
先生とは、A王国民学校の先生であり、A国王様の妹でもあったのだった。
大ホールの壇上には先生の他に、敵国である筈のB王国の兵士2人やF国の国民など数人が後ろに立っていた。
「こちらの方々は、隣国から【流行り病】に罹ってしまい、
A王国での治療により完治した者たちです。
彼らは、A王国への感謝の気持ちと、帰属すること等の、
思いを語ってくれるそうです」
B王国兵のお礼と証言
「私はB王国の近衛兵です。
2週間前にA王国へと助けを求める伝令兵として参ったのですが、
既に部下の1人は流行り病の感染で重篤になり、
ここにいる彼と私も流行り病に罹り始めの症状でした。
実は、B王国城内でも、徐々に【流行り病】が広がりつつあり、B城は現在も閉じられたままでしょう。
もしかしたら、城内の王族たちにも広がり、現在はもっと最悪なことになっているのかもしれません。
私はA国王様の許しが下り次第、B王国へと一時的に戻り、現状把握と、B国王様の救出も行いたいと考えています。
私と彼は、現在、このようにすっかり元気になり、【流行り病】から治りましたが、残念ながら、一番若い兵士が看病の甲斐もなく、亡くなってしまいました。
本当に残念でなりませんが、もし、B王国での治療だとすると、まずはハッキリ言って治療などされなかったと考えられますし、また、A王国のような理にかなった処置をされなかったと思います。
B王国の医療従事者は【流行り病】に対しては無知であり、衣服の熱湯消毒や、画期的なアルコール消毒までも行われていないのですから、それよりも、流行り病は悪魔が原因として、流行り病が蔓延する中、魔女狩りが行われ、多くの村の家に火を付け、多くの女性達が火炙りの刑で犠牲になりました。
残酷なことに、家の中で熱に魘(うな)されている病人まで一緒に焼く始末でした。
B王国は、今では昔と変わらないほど、
野蛮でヒステリックな場所になっています」
「彼がお話しした通り、いま現在の、
B王国の確かな情報は分かっておりません。
先日も、A王国に一番近いB国駐屯地の兵1人が【流行り病】に感染し重篤な状態で現れ、現在、治療中ですが予断が許されぬ状態です。
このような状態なので、近々、A国王さま自ら出向いて、
B王国に視察隊を派遣致します。
つきましては、その視察隊に貴方がたも御参加願えますでしょうか」
「願ったり叶ったりです」
そして、B王国へ視察隊が派遣されました。
A国王のように日頃から【流行り病】の対策と準備を怠っていたので、
実際に【流行り病】や疫病が国内で大感染すると、
パニックになり、適切な対策を打つことが出来ず、
更なる悪化へと繋がった。
人々は【流行り病】に次から次へと感染し、多くの国民が死んでいった。
【流行り病】自体は人々に平等に罹り、平等に死を与えるので、
貴族だろうが国王だろうが、感染を免れることは出来なかった。
免(まぬが)れるのは、日頃から【流行り病】や疫病のことを勉強し、正しい知識を得ている者だけとなる。
その1人がA国王様だった。
「A国王さまは、自ら率先して現場に向かい、
この【流行り病】の難局と有事に強い王様であることを立証しています」
今では、国民学校の大ホールで、定期的にA国内と隣国での【流行り病】の状況を報告し、尚且(なおか)つ、【流行り病】に対する知識と対策を徹底する公演会が、先生によって開かれていた。
先生とは、A王国民学校の先生であり、A国王様の妹でもあったのだった。
大ホールの壇上には先生の他に、敵国である筈のB王国の兵士2人やF国の国民など数人が後ろに立っていた。
「こちらの方々は、隣国から【流行り病】に罹ってしまい、
A王国での治療により完治した者たちです。
彼らは、A王国への感謝の気持ちと、帰属すること等の、
思いを語ってくれるそうです」
B王国兵のお礼と証言
「私はB王国の近衛兵です。
2週間前にA王国へと助けを求める伝令兵として参ったのですが、
既に部下の1人は流行り病の感染で重篤になり、
ここにいる彼と私も流行り病に罹り始めの症状でした。
実は、B王国城内でも、徐々に【流行り病】が広がりつつあり、B城は現在も閉じられたままでしょう。
もしかしたら、城内の王族たちにも広がり、現在はもっと最悪なことになっているのかもしれません。
私はA国王様の許しが下り次第、B王国へと一時的に戻り、現状把握と、B国王様の救出も行いたいと考えています。
私と彼は、現在、このようにすっかり元気になり、【流行り病】から治りましたが、残念ながら、一番若い兵士が看病の甲斐もなく、亡くなってしまいました。
本当に残念でなりませんが、もし、B王国での治療だとすると、まずはハッキリ言って治療などされなかったと考えられますし、また、A王国のような理にかなった処置をされなかったと思います。
B王国の医療従事者は【流行り病】に対しては無知であり、衣服の熱湯消毒や、画期的なアルコール消毒までも行われていないのですから、それよりも、流行り病は悪魔が原因として、流行り病が蔓延する中、魔女狩りが行われ、多くの村の家に火を付け、多くの女性達が火炙りの刑で犠牲になりました。
残酷なことに、家の中で熱に魘(うな)されている病人まで一緒に焼く始末でした。
B王国は、今では昔と変わらないほど、
野蛮でヒステリックな場所になっています」
「彼がお話しした通り、いま現在の、
B王国の確かな情報は分かっておりません。
先日も、A王国に一番近いB国駐屯地の兵1人が【流行り病】に感染し重篤な状態で現れ、現在、治療中ですが予断が許されぬ状態です。
このような状態なので、近々、A国王さま自ら出向いて、
B王国に視察隊を派遣致します。
つきましては、その視察隊に貴方がたも御参加願えますでしょうか」
「願ったり叶ったりです」
そして、B王国へ視察隊が派遣されました。
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