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限りなく無血開城に近いムートの活躍?
しおりを挟む超スローの世界が徐々に終わり、
突然、俺がジュリアスの前に現れてショック1で、
今まで鉄壁だった城壁の様子、
まずは城壁上の兵士達全てが倒れています。
のびています。
で、ダブルショック。
続いて上がっていた吊り橋が下がっていたし、城門も開いています。
で、トリプルショックの状態で、驚愕顔のジュリアスに対し、
「次はどうする、ジュリアスを城の上層部まで一気に飛んで運ぶかい?」
に対し、ジュリアスはカスナ城には、
まだ生きているとすれば奥さんと幼子が囚(とら)われているとの事を教えられ、
それならば、と、
俺はまた一人で、
今度は尖がり頭のお城上層部を目指してジャンプした。
不思議なのが、俺が戦闘体制に入ると、
途端に周りの景色が超スローに成るので、
俺的には凄く楽だ。
ある意味、今の処、最強状態だ。
上層部の一番高い塔の鉄格子窓を目掛けて飛び、
そのままぶち当たって壊して入り込む、
そこは、俺が以前、異世界初日にぶち込まれていた牢屋そっくりで、
拘束用の鎖と手錠、足枷があり、なんか気分を害した。
で、隣の部屋の壁を蹴り破って、
煉瓦(れんが)を取り除(のぞ)き入ると、
薄汚れた水色のドレスが所所(ところどころ)破(やぶ)けた服を着てぐったりと手錠に繋がれた処で垂れて石畳に座っている御婦人がいた。
これってまさか、ジュリアスの奥さん?
髪もくしゃくしゃで風呂にも最低1週間は入っていない状態に見えた。
近付くと、垢(あか)の臭いと、精液の臭いがした。
多分、この牢獄で輪姦されたのだろう。
取敢(とりあ)えず、鉄の手錠を千切り取り、
子供を探すために、今度は鉄のドアを蹴破り、
もう一カ所の牢屋のドアを蹴り破ったが、
他の部屋には誰もいなかった。
俺は取敢(とりあ)えず、
かなり汚くて精子臭い御婦人をしょうがないけどお姫様抱っこし、
地上30メートルまで、ジュリアスの位置まで飛んだ。
石畳みの地面が粉々に成り俺の足が5cmは減(め)り込んだが、
足の裏は痛く無かった。
足の裏ジンジンはしない。
着地してから数秒して、また普通の時間に戻る、
その頃には、ジュリアスは目の前に汚れきって疲れ切った、
所々、擦り傷や打撲ありの女性を見て、
「おお~、マーガレット!
無事だったか~、倅(せがれ)は、倅のマルクスは何処(どこ)にいる?」
俺は、悪いけど、臭いし汚いので一歩後退して、
彼ら夫婦がしばし抱き合っているシーンを見ていた。
「おおぉ~、マルクスはあなたのお兄様のシリウスの手元におられます。」
「では、マルクスは無事なのだな、それは良かった」
「良くはありません。シリウスはこの様に謀反を起こし、
マルクスを新しいカスナ国の王と祭り上げる計画を立てています。
そして、あの子の出生の秘密までも・・・」
そう言って、汚くて臭い御婦人、マーガレットは泣きだした。
泣くと汚れた顔が益々グチャグチャになってくる。
普通の状態なら綺麗な御婦人なのだろうけど、
早く衛生班の女性達、マルラとエルザ、カモーン!だね。
城内の見えている甲冑兵たちは全て倒したので、
今の処、無血じゃないけど開城したけど、
遠くで、シリウス側の城内甲冑兵達の雄叫びが聞こえて来た。
「よくぞ、ここまで活躍してくれました。後は、我々で・・・」
ジュリアスはそう俺に言うと、部下たちや騎士兵団達に指示を出していた。
俺はまた老婆心ながら、
「で、息子の方はどうする?
兄貴のシリアスってのも、どうする?
このままだと、どっちも死ぬかも知れないぞ。
殺さないで、ここに裸状態で持ってくるかい、
一応、俺なら出来るぜ」
「そうだな、殺したくは無いが・・・」
ジュリアスは複雑な表情だった。
そこに追い打ちを掛ける感じで、衛生班に連れられて行くマーガレットが
「シリウスを殺して頂戴!
私にこんな惨(むご)い仕打ちをした罰を与えてやって・・・」
そう叫びながら衛生班の娘たちに医療介護の馬車に連れられて行った。
マーガレットの足腰は大丈夫らしい。
俺は、ジュリアスに「じゃあ、いいよな!」
と言って、ジュリアスが何か諦めた感じで頷(うなず)いたので、
なんか釈然としなかったけど、また、足を踏ん張って、
地面にまた2cmは減り込んだが高く飛び、ぶち壊した塔に着地し、
スローの世界の中、螺旋階段を速攻で下り、
2階から城内の大集会場と、王位の立派な椅子があり、
そこに座って居るのは少年で、その横に、
やっぱり顔が似てるね~なジュリアスの兄貴ことシリウスが立っていて、
側近の兵たちに指示を出しているスロー風景だった。
俺は2階の通路、
体育館とかの二階応援席みたいな通路から王位席まで飛び降り、
仕方が無いけど、まずはシリウスの持ち物、
剣とかナイフとか甲冑とか、
中に着ている鎖帷子(くさりかたびら)も引き千切ってもいいけど怪我させると嫌だから丁寧に脱がして、ほぼ下着姿のシリウスと、
10歳の少年マルクスもちっこいのに剣を横に差していたので、
取り上げて、遠くに放り投げて、
一階の大集会所から甲冑兵士達を倒して進み、
ジュリアスのまん前に、右手にシリウスの下着姿の情けない格好と、
マルクス少年は左手に抱きかかえていたので、
「せいの!」で、地面に落してやった。
一応、俺は優しいから195cmの身長を屈(かが)んだので地面には50cmの高さからの衝撃だけど、
痛かったですか?お二方。
シリウスは自分的には、側近たちに勇ましく命令中の処を、
俺が中断して連れて来た状態だし、
一瞬にして、自分が丸裸状態で敵陣、
敵である弟ことジュリアスの前に投げ出された状態だから、
何が何だか分からない、と言った表情で辺りを見渡し、
ジュリアスの顔を見て「ひぃ~」と引き攣(つ)った悲鳴を上げた。
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