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新たなる旅立ちへの準備、新たなる心得
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例の一件以降!すっかり仲良くなったガラシャ一行の男衆とひろみ!そして、さなえとようこは、ようこを中心とした今で言う3人で歌って踊るアイドルの様な歌唱団を作り、そこにガラシャ若手男衆も、それまでに訓練、練習していた西洋風にアレンジした笙(しょう)と竹で出来た鍵盤型ハーモニカ楽器風を
清原太助、ハヤテ、小次郎の三人が奏で、旅芸人一座を結成していた。
特に、まあ、あの時の艶声?で判断するのも何だが、谷啓蔵が指摘したひろみの何とも魅力的で艶のある声は、喘ぎ声以外の普通に歌っている時でも、万人の心を虜にし、特に男性には女性よりも人気が出そうな、歌姫の天性の素質を開花し出していた。
今ではガラシャも日夜、異国美女の舞と歌唱団のメンバーとなり練習を続け、黒川村で江戸に出発の為の準備も大詰めを迎えていた。
江戸出発まじかに迫り、照井智恵にガラシャは地下の教会へ来るように言われ、ガラシャと智恵は、夜の人気の無い地下の教会!秘密のキリシタンの集いの場に二人だけで密会した。
密会と言っても、なにもこそこそと隠れて秘密の会談?
をする訳では無かったが、黒川村の長!と仮にも元!細川家の正室であり、姫であった細川玉改めガラシャ夫人である。
同じレベル?と言うのだろうか
人の上に立つ?と言うのか、人々を導く指導者的資質を持っている者同士が会って話す。
それだけのことなのだが、どうしても重要な会談のようだった。
「ガラシャさま?お玉さま?と、どちらで呼べば良いのでしょうね?」
「はあ、特にどちらでも宜しいですよ!もはや!その名前での危険や心配事からすっかり解放されたようなものですから!」
ガラシャの落ち着いたような声が、地下教会の広い空間に響き、天井の窓から月明かりが二人を優しく照らしていた。
「では今日はガラシャ様でお願いします。ガラシャ様はもうすっかり若返ったお身体には慣れましたか?」
「はあ!まあ、何と言うのでしょうか、その、変な気持ちではありますが、その、身体には慣れ始めましたが!」
ガラシャはそう言いながら、改めて、教会内のガラスの仕切り戸?に月明かりや蝋燭の光が上手い具合に反射し、大きな鏡の役割を果たした、そこに映り込む自分の姿を観ていた。
「変!な気持ちでしょうね?これは若返った者じゃないと分かる訳はございませんし、私にしても、あくまでも万人の人々に比べて歳を取る速度が遅くなっただけ?と言ってしまえばその通りですから、私の奇跡に比べたら、ガラシャ様の身体に起きたことは、まさに大奇跡ですね!」
「これも、それも、我が神であるキリスト様のご遺志!だと、今は考えております」
「ガラシャ様らしい解釈の仕方ですね!ところで、若返りから丁度一ヶ月が過ぎましたが変な気持?とは具体的には、どんなですか?」
「は、はい、今の!つまり若返る前の私は、年齢も年齢ですから、ある意味、安定したような、静かな炎?とでも言うのでしょうか!
それまでの私が経験してきた明智家の悲惨な過去や、無念!そして、戦国時代の中での悲劇を、例えるなら何層もの書物の頁の中に重ねていき、その層の下から湧き起こる浸透してきた怒り!を胸に、じっくりと、しかし、確実な!ゆるぎなき怒りと復讐を天下統一?とは名ばかりの徳川家康公!めに一矢報いる!そんな考えだけを生甲斐にしていたのですが・・」
「が、しかし、この東北の隠れキリシタンの里?であり黒川村に来て、この村に受け入れられ、そして、今度は神の仕業のごとく、まさに鬼神のごとく奇跡を我が身に起きたことにより、迷いが生じ始めた?と、言ったところなのかしら?」
「はい、それもありますし、その、あの、私の人生はそれなりに幸福も不幸もあり、が、しかし、37年間の人生を自分の考えと責任で生きて来て、その中で生まれたシコリ?とでも言うのでしょうか?自分の背負った宿命?なのか!使命を果たすのには、何の迷いも今でもありません。しかし、さなえ殿とようこ殿には、私とは元々、無関係な筈では無かったか?と。そして、私は38歳の年齢の時は、その身体の老いの中で、浅ましくも自分のことだけを考えて、まだ若い女性達の力をも貸して頂かこうと自分勝手に私のことに強引に誘った!そう考え始め、やはり、我々だけ!または、私一人だけで、その、あの」
ガラシャは照井智恵に話している内に、自分の中に生まれて来たもやもや感の感情を話しだす内に、自分の考えが整理され始めて来た。
「当たり前のことですよね!」
「は!当たり前?ですか?」
「そう、です。そもそも、人間と言うものはなんとも不自由な存在であり、不安定な存在であります。不安定な存在!その意味が分かるでしょうか?」
「不安定な、存在?」
「それは、私たちの心の中!魂のことですね!わたし達は全てが全て!みな脆く弱い肉体の中に魂を閉じ込められて生きています。だからこそ、弱く脆い肉体に影響され、私たちの魂は!わたし達の考えや思いは、ころころと変わっていくのです。そこが心の由縁でもありますが」
「そうすると、肉体の若返りにより、37歳の時の考えや心が心変わりしてきたと?」
「そうでしょう。そう、考えるのが最も自然!ではないでしょうか?肉体が今では18歳の生命力が一番燃え盛る炎の状態であり、それに加えて鬼の能力!を身に付け始めたのですからね。ガラシャ様に眠っている潜在意識の奥底からの今まで使われなかった能力が、これからどんどんと開花され始めるのでしょう。そして、今までの古い身体?と言うのでしょうか?古い肉体の細胞が新しくなり、それはガラシャ様の脳をも新しくし、新しい考えがどんどんと現れるでしょう」
「私は、つ、つまり、この新しく若返った肉体と鬼の能力!に目覚めて、自分一人の能力で自分がしたかったこと!徳川家康公を葬り去ることが出来る等と、最近!本気で考えたりもしています。それに、これは私だけの、つまり私闘!と考えていますから・・・」
ガラシャの声は知らず知らずのうちに声が高くなり、早口になって照井智恵へと喋っていたので、その激昂(げっこう)していく姿勢を嗜められた。
清原太助、ハヤテ、小次郎の三人が奏で、旅芸人一座を結成していた。
特に、まあ、あの時の艶声?で判断するのも何だが、谷啓蔵が指摘したひろみの何とも魅力的で艶のある声は、喘ぎ声以外の普通に歌っている時でも、万人の心を虜にし、特に男性には女性よりも人気が出そうな、歌姫の天性の素質を開花し出していた。
今ではガラシャも日夜、異国美女の舞と歌唱団のメンバーとなり練習を続け、黒川村で江戸に出発の為の準備も大詰めを迎えていた。
江戸出発まじかに迫り、照井智恵にガラシャは地下の教会へ来るように言われ、ガラシャと智恵は、夜の人気の無い地下の教会!秘密のキリシタンの集いの場に二人だけで密会した。
密会と言っても、なにもこそこそと隠れて秘密の会談?
をする訳では無かったが、黒川村の長!と仮にも元!細川家の正室であり、姫であった細川玉改めガラシャ夫人である。
同じレベル?と言うのだろうか
人の上に立つ?と言うのか、人々を導く指導者的資質を持っている者同士が会って話す。
それだけのことなのだが、どうしても重要な会談のようだった。
「ガラシャさま?お玉さま?と、どちらで呼べば良いのでしょうね?」
「はあ、特にどちらでも宜しいですよ!もはや!その名前での危険や心配事からすっかり解放されたようなものですから!」
ガラシャの落ち着いたような声が、地下教会の広い空間に響き、天井の窓から月明かりが二人を優しく照らしていた。
「では今日はガラシャ様でお願いします。ガラシャ様はもうすっかり若返ったお身体には慣れましたか?」
「はあ!まあ、何と言うのでしょうか、その、変な気持ちではありますが、その、身体には慣れ始めましたが!」
ガラシャはそう言いながら、改めて、教会内のガラスの仕切り戸?に月明かりや蝋燭の光が上手い具合に反射し、大きな鏡の役割を果たした、そこに映り込む自分の姿を観ていた。
「変!な気持ちでしょうね?これは若返った者じゃないと分かる訳はございませんし、私にしても、あくまでも万人の人々に比べて歳を取る速度が遅くなっただけ?と言ってしまえばその通りですから、私の奇跡に比べたら、ガラシャ様の身体に起きたことは、まさに大奇跡ですね!」
「これも、それも、我が神であるキリスト様のご遺志!だと、今は考えております」
「ガラシャ様らしい解釈の仕方ですね!ところで、若返りから丁度一ヶ月が過ぎましたが変な気持?とは具体的には、どんなですか?」
「は、はい、今の!つまり若返る前の私は、年齢も年齢ですから、ある意味、安定したような、静かな炎?とでも言うのでしょうか!
それまでの私が経験してきた明智家の悲惨な過去や、無念!そして、戦国時代の中での悲劇を、例えるなら何層もの書物の頁の中に重ねていき、その層の下から湧き起こる浸透してきた怒り!を胸に、じっくりと、しかし、確実な!ゆるぎなき怒りと復讐を天下統一?とは名ばかりの徳川家康公!めに一矢報いる!そんな考えだけを生甲斐にしていたのですが・・」
「が、しかし、この東北の隠れキリシタンの里?であり黒川村に来て、この村に受け入れられ、そして、今度は神の仕業のごとく、まさに鬼神のごとく奇跡を我が身に起きたことにより、迷いが生じ始めた?と、言ったところなのかしら?」
「はい、それもありますし、その、あの、私の人生はそれなりに幸福も不幸もあり、が、しかし、37年間の人生を自分の考えと責任で生きて来て、その中で生まれたシコリ?とでも言うのでしょうか?自分の背負った宿命?なのか!使命を果たすのには、何の迷いも今でもありません。しかし、さなえ殿とようこ殿には、私とは元々、無関係な筈では無かったか?と。そして、私は38歳の年齢の時は、その身体の老いの中で、浅ましくも自分のことだけを考えて、まだ若い女性達の力をも貸して頂かこうと自分勝手に私のことに強引に誘った!そう考え始め、やはり、我々だけ!または、私一人だけで、その、あの」
ガラシャは照井智恵に話している内に、自分の中に生まれて来たもやもや感の感情を話しだす内に、自分の考えが整理され始めて来た。
「当たり前のことですよね!」
「は!当たり前?ですか?」
「そう、です。そもそも、人間と言うものはなんとも不自由な存在であり、不安定な存在であります。不安定な存在!その意味が分かるでしょうか?」
「不安定な、存在?」
「それは、私たちの心の中!魂のことですね!わたし達は全てが全て!みな脆く弱い肉体の中に魂を閉じ込められて生きています。だからこそ、弱く脆い肉体に影響され、私たちの魂は!わたし達の考えや思いは、ころころと変わっていくのです。そこが心の由縁でもありますが」
「そうすると、肉体の若返りにより、37歳の時の考えや心が心変わりしてきたと?」
「そうでしょう。そう、考えるのが最も自然!ではないでしょうか?肉体が今では18歳の生命力が一番燃え盛る炎の状態であり、それに加えて鬼の能力!を身に付け始めたのですからね。ガラシャ様に眠っている潜在意識の奥底からの今まで使われなかった能力が、これからどんどんと開花され始めるのでしょう。そして、今までの古い身体?と言うのでしょうか?古い肉体の細胞が新しくなり、それはガラシャ様の脳をも新しくし、新しい考えがどんどんと現れるでしょう」
「私は、つ、つまり、この新しく若返った肉体と鬼の能力!に目覚めて、自分一人の能力で自分がしたかったこと!徳川家康公を葬り去ることが出来る等と、最近!本気で考えたりもしています。それに、これは私だけの、つまり私闘!と考えていますから・・・」
ガラシャの声は知らず知らずのうちに声が高くなり、早口になって照井智恵へと喋っていたので、その激昂(げっこう)していく姿勢を嗜められた。
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