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恐るべき感染者の進化?と行為

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結局!ここに馴染みのある吉田が、建物周辺や1階建物部分、そして、私に指示されたように、水道の蛇口をひねって確認した。

水道は、嬉しい事に、使えた。

私は水道が使えるのなら、と、助手側のドアを閉め、急いでホースから出ている水をホースを伸ばして軽装甲車のまで引っ張り、タイヤに付着している体液にかけ始めた。

蛍光色の付着部分が見る見る流れ始め、アスファルトの道路に流れていき、薄まったのか?拡散したのか?蛍光色はタイヤに見えなくなり、地面からも消えて無くなった。

水で洗い流すと、一応!感染力は無くなる?らしい?しかし、まだまだ分からないが、兎に角!応急処置は出来た。

私は運転席側に周り、窓ガラスやタイヤにも水をかけて、蛍光色の色が、体液が消えるのを確認した。

窓側の感染者の手形部分は中々!消えなく、もしかしたら、体液が渇くと、取れにくくなるのでは?と、考えた。

私はもう一度、軽装甲車の全体に水をかけ、もう一度、注意深く軽装甲車の蛍光色部分を確認した。

とりあえず、4つのタイヤの体液が取れた。

しかし、後部の一部分や、運転席側の窓ガラスは依然!光っていて取れなかった。

私は、小銃を肩にかけながら、水道を止め、一緒に吉田と三階建ての校舎?に入った。

案の定!建物の中はかなり慌てた様子で、書類やコップ?瀬戸物の割れた破片?や、文房具類等、散乱し、当然!死体が所々に横たわっていた。

所々、蛍光色が見え、ここで、普通の吉田が、体液に触れて、感染者になる事を防ぐために、私の後ろに着いて来るように指示した。

当然!吉田は何故なのか?と質問したが、感染したいのか?と強く問い詰めると、釈然としなかったが、しぶしぶ同意した。

私には、不思議な説得力があるらしい!

それとも、これも、私の謎の能力で吉田をマインドコントロールしたのかもしれなかった。


全室を隈なく捜索?する程、余裕は無く、兎に角!一人でも人間がいれば、助けられれば、現状の情報を得られれば、そう考え、慎重に行動した。

しかし、階段部分は感染者達の死骸から、体液が漏れていて、階段付近は蛍光色のオンパレードで、とてもじゃないが二階に行くことは出来なかった。

だが、二階からなにか、人の声が聞こえてきた。

吉田は、早速、喜んで反応し、早く二階に行くよう行動しようとしたが、感染者の体液に阻まれている事を見て、うなだれてしまった。

そして、人間の声?音声は肉声では無く、ラジオからの?スピーカーからのような音質であることが確認され、その場から、兎に角!外の軽装甲車に戻る以外、身動きが取れないことをよく知ってしまった。

感染者が大量に居る所では、何もすることが出来なかった。

感染者と素手で戦う事も、押さえつける事も、殴る事も蹴る事も出来ない。

触れれば、即感染?こんなやっかいなウイルスも無かった。

流石?悪魔のウイルスなのであろう。

(誰がこのウイルスを考えたのか?)

吉田は、何か思いついたのか?先に軽装甲車に戻り、助手席からドアを開けて入り、エンジンをスタートさせ、何やら無線を操作し出した。

私は電気の点いていない、もう一つの奥の下手で、もぞもぞと動いているモノを見て、小銃を構えながら、目に意識を集中した。

感染者が、人肉?を食べている処だ。

よくある光景!

しかし、何かが変なような気がして、もう一度、今度は夜目が利くように、もっと集中して見てみると、感染者の男は丸いサッカボール位のモノ!人間の頭を持っていて、しかも、頭をかち割っているのか、丁度!頭頂部分の頭蓋骨が砕かれた部分から、手を入れて、人間の脳を、人間の脳味噌を一心不乱に食べていたのだ。

ひえ~、私は思わず、驚いてしまった。

脳味噌か?

あの、感染者はグルメ!か?

なんとも、おぞましい!グルメだ。

ハンニバル・レクター!

奴らにも、嗜好!があるのかもしれない。

感染者のことは、まだ、我々(私は特に)はよく知らないのだ。

奴らの情報をもっと知りたい!

そう、思ったが、このことを吉田に話す事は、しない方が良い!と、これも直感した。

直観と言うよりも、当たり前!か。

吉田にとっては、ただ気味が悪いだけ、で、ただ、無暗に怖らせるだけ?かもしれないし、吉田は精神的に脆い部分がる。

いや、吉田だけでは無い。

本来なら、こんな異常な経験をしたら、普通の精神状態の人間なら、精神的にいつもパニック状態になり、冷静な判断など、保つ事が出来るだろうか?

吉田が当たり前なのかもしれない。

映画やドラマ?マンガじゃないんだから、冷静に居られる訳が無い!

では、私は、どうなのか?

何故?吉田よりは冷静でいられる?

原因の一つとして、挙げられる事は、私が記憶喪失者であり、しかも、異常な程、研ぎ澄まされた直観?と、謎の能力がある?からだ。

脳を貪り喰う感染者は、今まで?

と言っても、今日現在までの経験だが、なんか安定していると言うか?大人しい感じがした。

そして、私に気付くと、身体を後ずさりしながら、死角に入り、攻撃態勢?な、気配は無かった。

今までのタイプとは違う?

そう、考えながらも、この場所に居る事に、危険であることは変わらないので、急いで、軽装甲車に戻ると、吉田は笑顔で迎えてくれた。

【朝霞の駐屯地と連絡が取れた!】

私は、口ではそれは、良かった!と、一緒に喜ぶ、口ぶりをしたが、内心は、先程の感染者の行為、と、態度!が、かなり引っかかっていた。

そして、出来るだけ、色々な情報収集が必要である事が重要であると再認識した。

この横に座って、腋臭(わきが)まみれの吉田以外の、話の分かる人間に会って、情報を聞かなくては。

吉田は簡単に、考えているだろう。

そして、今までの地獄絵巻の現状から、命からがら脱出?してきたのだから、仕方が無いが・・・

吉田の話だと、254号の道路を川越方面に後10キロ走れば到着するとのことだった。

何よりも、吉田のホームグラウンドらしい。

テンションが上がっていた。

だが、その嬉しさとは反面!上官や、同期、一緒に救援活動をしていた人々が、殆どが犠牲?感染者になったり、殺害後食べられたりしていることを思い出し、急に泣き始めた。

普通?なら、一緒に感動するべきことなのだが、私は記憶喪失患者?でもあるから、ただ、複雑な面持ちと、あくまでも冷静だった。

吉田は、安心したのか?軽装甲車のライトを点けて走行し始めたので、用心のために、暗視ゴーグルで、無灯走行をお願いした。

後部座席にヘルメットに装着しているタイプの暗視ゴーグルがあるので、前のタイプが嫌ならこっちを使えば、と、私がそれを、身を乗り出して吉田に渡した。

その時に、誰のか?分からないが、サングラスもあったので、頂けるか?吉田に確認すると、大変不振がられた。

しかし、しぶしぶ承知していたが、運転しながら、遺族に返却がどうのこうの、言っていたので、あんまりうるさければ、返却するだけだ!と思った。

ま、今日の何時間か前までは生きていたであろう!持ち主のサングラスだ。

そう考えると、あまり良い気持ちでは無い。

しかし、獣並み?狼の目?並みに夜目が利くようになった私の目には、急な光が厳しく、慣れるまで大変なので、サングラスが必要だったのだ。

そのことは当然!吉田には一切話さず!黙っていた。ま、説明するだけ時間の無駄って訳だ。

そう言えば、練馬駐屯地も敷地が広く、建物も広いから勤務する自衛官も多い筈だが、被害(自衛官の死体の数)が少ないのと、装備(戦車等の特車類)が無いことを聞くと、

【Cウイルス発生から、速やかに東京23区内の自衛隊駐屯地は撤退!引越しを行ったらしい。
その頃はTV・ラジオ・新聞・ネットなどのマスコミ媒体は都民や周りの県民には避難指示は無く、自宅待機を勧告するのが関の山だったらしい。
吉田談】

政府も、警察も、自衛隊も重要な価値ある情報は国民には教えないらしい。

そこには、確かな情報を伝えなければいけないと言うマスコミの倫理と言うモノがあるからなのか?

そんなことは分からないが、Cウイルスは国の隠蔽体質までも利用して、瞬く間に東京23区を席巻し、今では隣接の3県(神奈川・埼玉・千葉)を突破しているかも?が、現在の正直な状態だった。
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