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第5章

第118話

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ぐっすりと眠り、スッキリとした気分で調理場に立ち自分と姉さんたちの分の朝御飯を作って皆で静かな雰囲気で食卓を囲む。この頃にはユリアさんも目覚めて一緒に食べている。ユリアさん自身からも言われたが、特に変な感じもなく、後遺症も感じない事から皆と同じ料理や分量にして食卓に並べた。ちなみに、ユリアさんは朝起きてすぐに、俺の料理を食べるためだけに借りている屋敷に戻ってきたようだ。俺が起きてきたら食卓に寄り添うにようにうつ伏せになって寝ているユリアさんを見て、悲鳴を上げかけた。俺も疲れ切った状態で寝ていたので、起きた時に腹が減っており姉さんたちと一緒に大量に用意した料理を食べている

「それで皆さんには二度手間になるのですが、玉藻様と葛の葉様から皆さんの口からも再度、状況の方を聞きたいという事でして」(ラディス)
「ああ、それについては問題はない。冒険者をしていると、何度も何度も説明を繰り返すこともある。大抵、そういった時は上の者が優秀で、しっかりと誤差がないか確認したい時などと分かってるからな」(レイア)
「助かります。ご食事はゆっくりとしてしていただいて構いませんから。私は一度広場の方に戻りますので、ご食事が済みましたら広場の私か息子たちにお声をかけてもらえればと思います」(ラディス)
「了解した」(レイア)

ラディスさんがちゃっかりと朝食に混ざって腹を満たした後に、そう俺たちに伝えて去っていく。その後も、ただ静かに黙々と朝御飯を消費していく。全員が満足してお腹を満たしてから、食後の休息をとった後に一緒に借りている屋敷を出て、玉藻さんたちの元に向かうためにラディスさんが詰めているであろう広場に向かう。ラディスさんの叔父さんであるトウヤさんと吸血鬼の逃亡者であるテオバルトに関しては解決はしたが、その二つの戦闘の余波で恐慌状態になったり、興奮状態になった魔物や魔獣のために里総出で警戒を続けている。俺たちは声をかけてくれる人々と挨拶を返しながら、広場にたどり着く

「ラディスさん、いますか?」
「カイル君。ええ、いるわよ。奥にそのまま進んで」(狐人族のお姉さん)
「ありがとうございます」

そのまま俺たちはラディスさんのいるという奥の作戦室の方に向かう。そこには様々な人に丁寧に分かりやすい指示を出しているラディスさんがいた。マレクさんもセラさんも戦士たちと治癒魔術の得意な人たちとそれぞれの分野に分かれて迅速に指示を出している。俺たちが入ると、三人は一瞬視線をこちらに向けたが自らの役割を放棄することなくしっかりと終わらせてから俺たちに向かってこっちこっちと手招てまねいてくれた。俺たちは手招かれた通りにラディスさんたちに近づいていく

「皆さん、もう大丈夫ですか?」(ラディス)
「ああ、大丈夫だ。腹も満たしたし、傷も癒えてる」(レイア)
「お爺様、私も精神的にも肉体的にも万全な状態に戻っています」(ユリア)
「では、向かいましょうか。マレク、セラ。後の事は頼みました」(ラディス)
「任せてください、父上」(マレク)
「お任せください、お義父さん」(セラ)

ラディスさんについて歩き、玉藻さんたちの屋敷に向かう。屋敷にたどり着くと、玄関先に既に玉藻さんと葛の葉さんが変わらない様子で立っていた。今現在でもこの里に展開されている結界の強化などに力を集中しているはずなのだが、俺たちが脅威となる戦いを既に終わらせているために結界のみに集中できるため、余裕があるのだろう。簡単な朝の挨拶を済ませて屋敷に上がらせてもらう。そこで、皆で茶を飲みながら姉さんたちの戦闘内容と俺の戦闘内容を説明していく。俺の左腕に関しては、既に一晩過ぎている事もあって魔糸を抜いている。しかし、切断された事を示す腕を一周する綺麗な線は痕として残っている。後は戦闘をすることはなく安静にしていれば最低でも明日の夜頃には完全に治癒されているはずだ

俺の説明が終わったのちに、今度は玉藻さんたちから当時の里の様子や今の状況などを懇切丁寧で詳細に教えてもらった。ある程度の強さの魔物や魔獣は結界に阻まれて侵入出来ないが、それが数体など大量で一点に集中されてしまうと話が変わる。今回はさらにトウヤさんという力量的に上位の存在が目覚めた為に周りの強い魔物たちも一定数が里の周りに近づいていたようだ。それを戦士たちが連携して討伐していたようだ。今は魔物や魔獣たちの興奮や恐慌も沈静化してきたようで、生活圏に戻ったり魔物同士の争いなどで数が減ったりしているようだ

「それにしてもトウヤは最後の最後に自分を取り戻して消えていったか」(玉藻)
「奥様とお子様もトウヤ様と別れを告げられて良かったです」(葛の葉)
『我が弟がご迷惑をおかけしました、玉藻様、葛の葉様』(イスミ)

イスミさんがその大きな頭を下げている。その様子に玉藻さんと葛の葉さんは苦笑しながらもイスミさんの苦労や内心の葛藤を理解しているので何も言わずに微笑んでただ頷くに留めている様子でいる。イスミさんそれを理解しているのでそこから深く踏み込んで何かを言うつもりはないようだ

「それにしても、曾祖父であるイスミ様がまだ生きておられるとは思いませんでした」(ユリア)
『すまないな。トウヤがどのような手段を用いて封印を破るかが分からなかったからな。それに、私の血縁であるユリアにもどういった影響があるのかが予想が出来なかったのでな。知っている者は玉藻様たちお二人に、ラディスのみだ。マレクにもセラにもこの事は今回初めて伝えたからな』(イスミ)
「いえ、実際に対峙した身から言っても、トウヤ様の力と状態は不安定でした。幼い私がイスミ様が生きている事やその弟であるトウヤ様が封印されている事を知れば、幼さからくる好奇心で何をしでかしたか分かりませんから」(ユリア)
『ハハハ、そうだな。ユリアの幼い頃はお転婆だったからな。確かに、興味本位で色々と動き回った可能性があるな。だと思えば、私たちの判断はあながち間違いではなかったようだな』(イスミ)

イスミさんはユリアさんが使ったように一時的に因子を開放して霊獣化したのではなく、死後にその魂が完全に霊獣に至り、霊獣の姿を得たそうだ。その時にそれを見ていた玉藻さんと葛の葉さん、息子さんであるラディスさんとイスミさんの奥さんがそれを見ていた。だから、ラディスさんは自分の可愛い生まれたばかりの孫であるユリアさんの守護を自分の父親でありユリアさんの曾祖父であるイスミさんに頼んだようだ。そこからイスミさんは静かにユリアさんの健やかな成長を傍で守りながら見守ってきたようだ

俺たちの迎えに来てくれた狐様たちも大半は元はこの里で生まれ生きてきた狐人族の人たちが死後に霊獣に至ったものだ。生前の記憶が残っており、それぞれがそれぞれ、のんびりと毎日を過ごしているようだ。イスミさんはその中でも中堅のどころの様で、狐様に至った中には千年間も生きている先輩方もいるようだ

「そう言えば、封印の場所って結局どうなったんですか?」
『俺も聞いておきたい。どうなった?』(オボロ)
「そうですね、お話ししておきましょうか」(葛の葉)
「ああ、お前たちには聞く権利があるからな」(玉藻)
『であれば、実際に封印の場所に行ってみた方が早いだろう』(イスミ)
「ああ、そうだな。では、今から行こうか」(玉藻)

そこから、封印の場所に向かう事になった。そこはトウヤさんを封印するという目的の為だけに用意された場所。そこは外から見るとただの洞窟に見える。洞窟の外部には何も仕掛けられてはいないが、内部には濃密な魔力が漂っている。洞窟の中に入ると、無数の術式が所狭しと隙間なく探知系・認識阻害系の魔術が仕掛けられている。しかし、外部にここが重要な場所だと分からないようにするために極力魔力が漏れないように超緻密に計算された術式を使用しているようだ

それでも何百年も封印期間が経過しているため、少しずつ術式が起動するために使用している魔力が溜まっていき、ここまでの濃度になってしまっているのだろう。洞窟の中心の地面にある少し大き目の術式がある。恐らくはそれがトウヤさんを封印していた要の術式だったのだろう。しかし、今はその術式には魔力が通っておらず、ただの模様になってしまっている。しかし、見事なまでの術式だ。用途によって必要な効果だけを残した術式に改造しており、徹底的にこの洞窟を外部から隔離するためだけにしているし、中心の術式と壁一面の術式が連動しており、中心の術式に何か異常が発生すると周りの術式が中心の術式を補完する効果まで備わっている

『おや、今日の客は昨日と違って大所帯だな』(?)

この洞窟に若い男の声が響く。咄嗟に俺たちが警戒態勢をとるが、唯一オボロさんだけは無警戒のままだった

「オボロさん、一旦俺の異空間に逃げ込んでください‼」
『いや、その必要はない』(?)
『相も変わらず、その神出鬼没しゅんしつきぼつな所を改めろ、ライノス』(オボロ)
『……………‼』

オボロさんの声に薄っすらと透けていて肩まである黒髪を一纏めにして束ねており、目は赤目の身長百七十センチ台のこの世界にはないはずの眼鏡をかけ、セインさんと同じ妖精族の人々が普段から着ている魔力の籠った一品と同じデザインをしている服装をしている。その男性はつり目をオボロさんに向けてため息を一つ吐く

『オボロか。私の施してあった木人の賭けのような術式は無事に起動したようだな。それにしては、魂がすり減ってはいないようだな。何時目覚めた?』(ライノス)
『え~と、確か記憶の限りでは半年は経っているはずだけどな。というか、賭けってなんだよ。お前あの時、真顔で完璧だって言ったじゃねえか‼』(オボロ)
『ああ、完璧に構築した術式だ。だが、何事にも失敗はある。だからこそ、こうして俺もここで監視を何百年も続けてきた。だが、昨日きた吸血鬼が封印を解いてしまったがな。あれからどうなった?』(ライノス)
『ああ、それはな………………ここじゃ、なんだ。少し二人だけで話そうぜ』(オボロ)
『いや、ここで話せ。お前の話は長い。時間の無駄だ』(ライノス)
『あ~と、ここにはがいるんだよ』(オボロ)
『………………なるほど。いいだろう、外に出よう』(ライノス)

二人は外に出ていって、恐らくは俺の事に関して説明をしているようだ。ところで、ライノスさんが姿を現してから、セインさんがブツブツと言いながら思考の海に潜っている。暫くすると、二人は戻ってきた。その際にライノスさんが玉藻さんと葛の葉さんに視線を送っていた。玉藻さんたちもその視線の意味が分かっているのか真剣な表情で頷いていた。そこでセインさんが思考の海から戻ったのかバッと下を向いていた顔を上げた

「妖精族の御伽噺の賢者ライノスとその友にして魔術の達人オボロ。間違いない」(セイン)

セインさんの言葉にライノスさんとオボロさんが反応する。二人の顔は引きつっており、何か苦い顔をしている。そこにセインさんが近づく

「ライノスさんに質問。貴方の出身はマグメル?貴方が妖精たちの国、ティルナノーグを纏め上げた賢者?」(セイン)
『あ、ああ。賢者と自ら名乗ったことは無いが、私とオボロの二人で妖精たちの国を生み出した。あのままでは他種族、特に人間族にいいようにやられるのが分かり切っていたからな』(ライノス)
『あの当時は、妖精族の国ってもんが無かったからな。バラバラに個人個人が好き勝手に暮らしてからな。ライノスが纏めなかったら今でもいいように使われて捨てられて終わりって感じなんじゃねえか?』(オボロ)
「それはそう。今でも国の年寄りたちはチャランポランが多い。だけど、ライノスさんとオボロさんに関しては今でもハッキリ覚えてるし、もの凄く感謝もしている。国では御伽噺として長老衆もよく子供たちに言い聞かせている。普段チャランポランな長老衆がその御伽噺だけは真剣に話すから皆ホントにあった事だと思ってる。それにしても、オボロさんが賢者の友本人だとは思わなかった」(セイン)

セインさんの言葉にオボロさんもライノスさんも顔を覆ってため息を吐いている。セインさんは幼い頃から聞いていた御伽噺の存在が目の前にいた事に珍しく目に見えるほどに興奮している。しかし、対照的な二人の様子はまるで黒歴史をさらされている元中二病患者のような反応をしていた
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